国公労新聞 第1126号

●「構造改革」反対の声を国会に集中させよう

 第155臨時国会は、12月13日の会期末まで約1カ月となり、重要法案をめぐって各委員会での審議が活発となっています。
 与党は、今臨時国会で「有事関連3法案」を成立させるという姿勢は崩しておらず、11月11日の週にも衆議院有事法制特別委員会での審議を開始させようとしています。
 国連憲章に矛盾する「アメリカのイラク攻撃反対」のとりくみとも結合させながら、国民を戦争に動員する「有事関連3法案」を廃案に追い込むため、国民世論を大きくするとりくみが必要となっています。

〇不利益遡及の給与法改正許すな
 国公労働者に関わる法案では、国立病院・療養所を独立行政法人化するための「国立病院機構法案」については、11月18日の週にも委員会審議が、また、特殊法人を独立行政法人化するための特殊法人改革関連法案は、7日に衆議院特別委員会で趣旨説明されています。
 マイナス勧告に基づく給与法改正案については、衆議院総務委員会において11月5日に趣旨説明が行われ、7日には与党などの賛成多数で可決されており、12月の一時金での不利益遡及を行うため、早期の法案成立をめざしています。

〇国営4企業にマイナス裁定
 こうしたなか、中央労働委員会は10月30日、半年以上にわたり紛争が続いていた国営4企業の賃金改定について「人勧準拠」を唯一の根拠にして「加重平均1・9%のマイナス」と4月遡及実施の仲裁裁定を行いました。
 この「マイナス仲裁裁定」は、中央労働委員会の機能と役割を放棄するとともにマイナス人勧に追従し、政府の賃金切り下げ政策に屈したものです。
 賃下げの悪循環を政府が加速させることや、労働基本権侵害の不当性を追及する国会闘争を強化することが求められています。


●怒りのエネルギーで中央行動の成功を

 悪政阻止の国民的とりくみが重要となるなか、全労連は11月20日を「全国統一行動日」とし、中央で5000名規模の集会をはじめ、全国で「構造改革」阻止のとりくみを実施することとしています。
 国公労連はこの日を「第4波全国統一行動日」とし、「全国一斉職場集会」を開催し、退職手当「見直し」改悪など、国公労働者をめぐる情勢と当面のとりくみについて意思統一はかります。
 国公労連は翌21日に、2000名を超える規模での「第3次中央行動」を実施し、賃下げ・合理化の強行に抗議・反対するとともに、退職手当の「見直し」削減反対、労働条件関係予算の増額、民主的公務員制度確立などを求め、総務省前などでの要求行動、中央総決起集会、国会行動などにとりくみます。
 また、公務労組連絡会は12月4日に、臨時国会最終盤のとりくみとして中央行動を配置し、中央集会やデモ、「民主的公務員制度確立署名」の国会提出などの行動を予定しています。

●組織の総力を結集し署名の集約を急ごう

 ▽民主的公務員制度確立署名100万達成に全力をあげよう▽
 国公労連が100万筆を目標にとりくんでいる「民主的公務員制度確立署名」の重要性が高まっています。
 11月7日から開催されているILOの理事会では、日本政府が進める公務員制度「改革」に対し、その進め方、内容とも条約違反とする厳しい結論が出される状況になっています。
 11月末の最終集約に向けて、組織の総力をあげたとりくみ強化が求められています。

●すべての労働者の賃上げと雇用確保を −−大阪で2000人の総決起集会−−
 

 近畿公務共闘は10月27日「マイナス人勧許すな」「くらしと雇用を守れ」「有事法制廃案」を掲げて総決起集会を大阪城野外音楽堂で開催。寒風の中、近畿6府県から2000人が集まり、当面する臨時国会や賃金確定闘争などたたかいへの決意を固めあいました。
 集会では、臨時国会で、有事関連3法案を廃案に追い込み、マイナス人勧の実施を許さないために全国的なたたかいを強めるとともに、すべての労働者の賃金底上げと雇用確保のために2003年春闘に向けて官民のたたかいをさらに強めることを宣言したアピールを満場の拍手で採択しました。

●人事院が見直しを提案 −−「俸給の調整額」の経過措置−

 俸給の調整額は「職務の複雑、困難もしくは責任の度または勤労の強度、勤務時間、勤務環境その他の勤務条件」が「同じ職務の級に属する他の感触と比べて著しく特殊な官職」に対して支給される手当(一般職の職員の給与に関する法律第10条)です。
 俸給の調整額は、1996年に改悪され、その影響を軽減するために経過措置が設けられました。(適用者3万2千人あまり)

俸給の調整額の支給官職例
 保護観察官、特許審査官、航空管制官等、
公共職業安定所の職員、国立病院・療養所の看護師等、
国立大学の教授等、海事(二)の職員、
裁判所の書記官・調査官等


 人事院は、この経過措置について7月30日に、2002年度は現行どおりとし、2003年度は半額、2004年度以降は経過措置なしとの提案を行ってきました。
 国公労連は、10月18日の単組代表者を含めた交渉で、「マイナス勧告の下での減額であり、慎重な激減緩和措置が必要」などの主張を行ってきました。
 10月29日の交渉では人事院から、次のとおりの「最終的」提案がされています。

 人事院提案の経過措置
  2002年度 現行どおり
  2003年度 75%
  2004年度 50%
  2005年度 25%
  2006年度 0%


●地域から広がる共同のたたかい −−100万署名残された期間を全力で!−−

 公務員賃金の切り下げ反対、民主的公務員制度確立をめざし、全国各地で公務と民間の共同のたたかいが広がっています。
 山口県労連と山口公務共闘は、「公務員賃金の引き下げ〜地域に大打撃」との30万枚ビラを作成。10月8日には統一行動を展開し、人勧引き下げやリストラ「合理化」を跳ね返し、雇用・くらし・平和を守ることを柱として、反対世論を広める宣伝行動にとりくんでいます。
 長野県国公は、100万署名推進と公務員賃金切り下げ反対の課題で、長野県労連加盟単産に要請を実施。JMIU(全日本金属情報機器労組)長野地本からは、組合員500名分・1人5筆の署名を協力してもらい、「遠慮せず、どんどん要請・対話を展開すべきだ」と激励されるなど、新たな共同が広がっています。
 また、愛媛県国公では、11月を「100万署名強化月間」と位置づけ、署名・宣伝行動を積極的に展開しています。
 残された期間はあとわずかです。署名目標達成めざして、職場・地域で全力をあげて奮闘しましょう。 

●国公労連行政研究推進集会

▽日時  11月23日(祝)10:00〜17:00
▽場所  退職金機構ビル大ホール
     東京都港区芝公園1−7−6
▽集会内容
☆講演
 ・ 「公共投資など財政から見た国の行政」
      (永山利和・日本大学教授)
 ・ 「地域経済・雇用問題から見た国の行政」
      (寺間誠治・全労連総合労働局長)
☆単組報告
☆ブロック・県国公の報告(代表)
      
◎各単組などの行政研究活動の中間的な集約と交流を行います。
自らの仕事と行政民主化問題を結合させ、みなさんと一緒に考えてみませんか?


●読者のひろば

〇仕事は増え給与は減る、誰の責任?  全運輸中部支部静岡分会の方から
 毎日毎日、夜遅くまでサービス残業、それでも仕事はいっこうに楽にならない。仕事は増えるのに職員は減り、そのうえ給与も減額される。この異常な実態は誰の責任だろうか。デフレスパイラルを防ぐには、必要な人員は増員し、給与を適正に支払うべきではないだろうか。

〇国民の怒りを今こそ結集しよう  全労働香川支部坂出職安分会の方から
 国家公務員の賃金切り下げは、日本の景気をますます悪くするだろう。与党及び財界のトップは自分たちさえ良ければいいんだろうが、一般国民の怒りを今こそ結集すべきだ!

〇有事に使うなら景気対策に使え  全港建高松技術調査支部の方から
 有事(戦争)に使える金があるなら、もっと景気対策に使えばいいと思う。今回のマイナス勧告によって日本の景気が良くなっていくとは到底考えられない。毎年毎年、俸給が下がるとなれば、今まで必死になって勝ち取ってきたたたかいが意味をなくしてしまう。そのようにならないためにも、これからのたたかいが非常に重要だと思います。

〇もう黙ってはいられない!  全法務長野支部本局分会の方から
 マイナス人勧の完全実施に加え、今度は退職手当の改悪とは、もう黙っていられません。皆の怒りをぶつけて、全力でたたかいましょう。

   

●単組大会の主な特徴

〇総理府労連 仲間の労働条件向上めざす
 総理府労連(総理府労働組合連合会)の第45回定期大会は、10月5日、東京都内で開かれました。
 大会では、「賃下げ勧告の完全実施」反対のたたかい強化と、一方的な退職手当削減に対する怒りが表明され、全力で反撃することを意思統一しました。
 また、宇宙3機関統合問題に直面している航空宇宙技術研究所労組や、2003年4月に独法化が予定されている総務省統計局統計センターで働く仲間たちの労働条件の維持・向上のために全力をあげることを確認するとともに、民主的な公務員制度確立をめざすたたかいや、有事関連法案阻止のたたかいの重要性が強調されました。
 総理府労連は国公労連に結集して、職場の一人ひとりの仲間を大事にし、多くの働く仲間、国民と手を取りあってたたかうことを確認しあいました。

▼選出された三役 
委員長・小林啓明(再)
副委員長・小林昇(再)、奥山政広(再)
書記長・岩崎秀子(再)


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