国公労新聞 第1110号

●命と暮らしおびやかす悪法阻止しよう
  −−有事法制許すな、医療改悪反対−−

 第154通常国会では、医療改悪法案や有事関連法案、個人情報保護法案、郵政公社化法案など、国民の生活と権利、平和に重大な影響を与える悪法の成立が狙われています。
 医療改悪法案に関わっては、衆議院厚生労働委員会の審議の中で、総報酬制の導入によって1兆円を超える保険料の値上げや病院窓口での患者負担増の総額が4千3百億円(2003年度)になることが明らかになりました。
 今回の改悪は、医療費の負担増により、受診抑制を招くだけでなく、労働者が万一の場合に備えて、できるだけ消費を抑えることになり、ますます不況を深刻化することになります。
 医療制度に反対するたたかいは、「2・14国民大集会」「4・12国民総行動」をはじめ、中央での国会前座り込み行動・国会議員への要請行動、地域でも集会や宣伝行動など多彩な行動が全国で展開され、各団体の請願署名は2500万筆を超えるまでになっています。日本医師会も反対を表明し、「連合」も医療制度に反対する「ゼネラルアクション」を実施するなど国民的なたたかいが広がっています。

〇公務労働者が「戦争推進・実行者」に
 有事法制3法案の国会審議は、始まったばかりですが、政府答弁の混乱を通じて法案の危険な中身が鮮明になっています。法案は法文上「おそれ」や「予測」で発動できる仕組みとなっており、自衛隊の先制武力行使を可能にするなど、憲法第9条に違反するのは明らかです。
 国会審議を通じて、有事法案がアメリカが引き起こす戦争に日本が一体となって参戦し、自衛隊が武力行使に踏み切る敷居を低くするものであることが浮き彫りになっています。
 「陸・海・空・港湾労組20団体」と宗教者・市民団体などとの共同が広がり、5000名が参加した「4・19集会」に続き、明治公園での「5・24集会」などが予定されるなど、国民的な共同が中央・地方で拡大しています。
 また、有事法制は公務労働者の職務を「戦争推進・実行者」に変えるものであり、公務労働の根幹にかかわる問題です。

〇自由侵害する個人情報保護法案
 個人情報保護法案は、報道、表現の自由を侵害し、不正や腐敗の内部告発・暴露に大きな障害を持ち込む危険性があります。
 有事法制と連動して見ると、その狙いは、放送局、新聞社などの報道の手足を縛って、戦争反対の先頭に立ちそうな報道機関を、いざという時に政府の方針に強制的に従わせようとするものです。
 今後、郵政公社化法案や、独立行政法人国立病院機構法案など、国民生活や公務労働者の仕事に直接かかわる法案が審議されます。これらの法案の問題点を明らかにし、廃案に追い込んでいくことが重要です。

〇職場集会で学習し、宣伝行動の強化を
 ムネオ疑惑などの金権・腐敗構造や、中国で起こった総領事館事件の真相解明とともに、有事法制や医療改悪法案などのこれらの悪法の廃案めざし、広範な国民と共同して、全力を上げてたたかうことが求められています。
 国公労連は、5月27日の週に「全国一斉統一行動週間」を緊急に提起しました。職場集会を開催して、有事法制と医療制度改悪法案の問題点を明らかにし学習を深めるとともに、署名や地域での集会・宣伝行動への結集など、職場・地域でとりくみ強化の意志統一を図りましょう。

●国会前に500人座り込み、有楽町で署名・宣伝行動

 5月15日、全労連主催の国会前座り込み行動に約500人が結集しました。初夏を思わせる陽気のもと、「医療改悪反対、有事法制許すな!」と、参加者全体で怒りをぶつけました。
 また、国公労連、各単組本部は5月15日夕方、80人が参加して有事法制と医療改悪反対の署名宣伝行動を有楽町で元気に展開しました。

●3日間連続で早朝宣伝行動、雨のキャラバン集会に350人−

【広島県国公発】
 広島県国公は、ブロックキャラバン行動の一環として、5月8日から10日まで、3日間連続の早朝宣伝行動を実施するとともに、10日夕方には県庁前広場で「公務員制度改悪反対集会」を350名の参加で開催しました。
 あいにくの雨の中、集会では自治体(廿日市市職労)や郵便局(郵産労)の仲間からの連帯あいさつや、独立行政法人問題で、産総研(全経済)や国立病院(全医労)の仲間からの決意表明が行われ、国民に背を向けた「行政改革」の問題点が明らかにされました。

●1047人のJR復帰を −−勝利の春めざす北海道−−

 「正しいことは正しい」といえる社会に  ▼全労連・単産が現地を共同取材▼


 政府と国鉄・JRによる採用差別を許さず、地元JRへの復帰を求める1047人のたたかいが正念場を迎えました。分割民営化から15年、北海道の全動労争議団63人は「正しいことが通じる社会をつくるためにも必ず勝利を」と苦難を乗り越えて奮闘し、道労連なども懸命の支援を続けています。「全動労争議団を勝たせる会」の飛躍的拡大めざし、全労連・共同取材団は5月初旬、現地に入りました。

〇2度目の解雇から12年、母ちゃんも「勝つまでたたかう」
 87年の国鉄分割民営化の際、JR北海道では「国鉄改革」を支持した労働組合の組合員採用率が99%だったのに対し、反対した全動労は28%と露骨な差別が強行されました。希望に反して不採用になった全動労組合員はいったん国鉄清算事業団に放り込まれ、3年後の90年、再び解雇されました。
 2度目の解雇から12年、全動労小樽築港支部では15人がオルグ、アルバイト、自活の3班に分かれて活動を続けています。昨年10月には佐藤勉さん(当時57歳)が病没し、14人になりましたが、地元はもとより全国の仲間に支援を訴える日々です。
 争議団員の月収は15万円あまり。早朝・深夜の船内清掃、介護パートなどで働き、妻が家計を補ってきました。家族会の鈴木久美子さん(55歳)は「みんなおカネでも苦労しているけど、いちばん切ないのは『まだ争議やってるの?』といわれるときですね。でも、真面目な夫が理由も説明されず解雇されたのは、どうしても許せません。勝つまで運動をやめるわけにはいかないんです」と話します。
 自活班として漁師になった中村隆一さん(55歳)は、日焼けした顔で「誤りは誤り、正しいことは正しい、と言い続けたい。だからたたかい続けています」といいます。
 「リストラでだれもが厳しい時代なのに、自分自身の問題として話しを聞き、カンパしてくれる人たちがいます。それが何よりの励ましです。」争議団と家族は異口同音に話しました。

〇地域の共闘組織がたたかいを支援
 5月9日夜、全動労小樽の組合事務所前のテントで開かれた「小樽国鉄共闘会議総会」では、約50人が参加して物品販売やカンパ、毎週金曜日の小樽駅前宣伝、「勝たせる会」会員拡大など2002年度事業計画を決め、手作り料理と地酒で交流を深めました。
 組織ぐるみの応援を続ける全医労小樽支部(組合員30人)の村井君江書記長は「国鉄の分割・民営化と国立病院・療養所の統廃合計画が同時に始まり、以来16年間、国鉄問題は他人ごとではありませんでした。全動労の仲間は、私たちの問題も本気で心配し、誠実に応援してくれ、励まされています」と話しました。

〇夫はJR、妻はNTT、夫婦ぐるみでたたかいに
 「国鉄改革」は、横行する企業再編リストラの源流です。最大30%賃下げして子会社への転籍を強要するNTTの11万人リストラはその典型ですが、北海道にはその両社とたたかう夫婦がいます。
 全動労争議団の夫を支えてきた馬場笑美子さんは、勤め先のNTT東日本の合理化計画に反対し、今春から自らもたたかいの渦中に。
 「15年前に夫が、今度は私がリストラにあいました。でも、夫婦とも大闘争の一員というのは、望んでなれるものではありません。3人の子どもたちがたくましく誠実に生きられるよう、腹をくくって、ともに勝つまでたたかい続けます」と語っています。

〇道労連と懇談−−若い世代にも引き継ごう−−
  医労連、道教組、福保労など各単産代表が決意
 北海道労連の各単産は、1047人をJRに復帰させるたたかいについて、支援への思いを語りました。
【北海道医労連】
 国鉄分割・民営化の当時、国鉄・コメ・健保が3Kとして集中攻撃され、いま、医療制度も改悪の危機にさらされています。国鉄闘争を風化させず、新しい世代の組合員にもしっかり伝えたい。
【道教組】
 労働戦線の右翼再編に抗して誕生した組合として、全動労争議団はわが兄弟のように思っています。教師としても、争議団の家族と子どもたちの現在と未来は無関心でいられません。物販やカンパを続けながら、新入組合員にもたたかいを引き継きます。
【福保労北海道】
 全動労支援の団結集会では、参加した組合員が涙を流していました。福祉・保育分野でも国の責任を後退させる動きが続いており、自らの職場から国鉄闘争を考え、支援を強めたい。
【建交労北海道】
 全動労と組織統合し、支援する立場から自らたたかう立場になり、ダンプの組合員などでカンパが増えています。

〇「勝たせる会」5000人へ −−大奮闘する北海道労連−−
 採用差別された国鉄労働者1047人のうち、全動労の63人は全員が北海道の組合員。北海道労連(約5万人)は、毎月1日に全道11地域で支援の統一行動にとりくんでいるのをはじめ、札幌駅前の大集会(4月と11月)、国鉄・医療フェスタ(8月)など多彩な活動を行っています。
 各単産は、組合員一人1000円のカンパ活動も継続し、昨年は通信労組や郵産労、勤医労など5組織が目標を達成しました。カンパ総額はこの11年間で約1億2000万円になります。
 「勝たせる会」会員は道内5000人をめざし、現在4033人。組織内5%目標が達成されたため、目標を倍増させています。

〇札幌駅コンコースをデモ行進
 10日夕方、札幌駅前で「1の日行動」の集会が200人の参加で行われ、国鉄闘争の1日も早い解決への支援を道行く人に呼びかけました。
 札幌地区労連の赤坂正信議長は「国鉄闘争は、JRの責任で解決させます。争議団は、夏に向け全国オルグを始めています。みなさんのご支援・ご協力をお願いします」と主催者としてあいさつしました。
 連帯のあいさつでは、有事法制反対連絡会議の竹中雅史弁護士が、有事法案の危険な内容について詳しくのべ、「小泉内閣は憲法9条の精神をふみにじり、戦争への道に戻ろうとしています。このとんでもない法案を廃案に追い込もう」と呼びかけました。
 全動労争議団を代表して、苗穂班の太田政敏さんは、まずたたかいへの支援・協力に対する感謝を述べ、「リストラに歯止めをかけ、働くルールを確立するためにも、このたたかいは負けるわけにはいかない。JRの責任を追及し、最後までたたかう」と決意表明しました。
 また、集会では共同取材団を代表して、全労連の寺間誠治常任幹事が激励のあいさつを行い、メンバーを紹介しました。
 集会の後、札幌駅コンコースをデモ行進し、1047名の解雇撤回を強くアピールしました。

〇毎年、激励のビアパーティー −−苫小牧労連 追分班を支援−−
 苫小牧労連では、全動労争議団の支援のため、毎月1の日には苫小牧駅前で宣伝行動を実施しています。
 苫小牧駅長や北海道本社交渉では、「1047名を職場に復帰させよ」との内容があれば要求書を受け取らないという許せない対応が行われています。
 苫小牧では、争議団を激励し、地域からの運動を前進させるため、年1回のビアパーティーを開催、今年で11回目をむかえます。苫小牧労連議長の齋藤秀夫さんは「ビアパーティーは地域に定着した行事で、毎年、争議団追分班からメロンの差し入れもあります。今年は9月9日の開催で、ハワイアン・グループによる生演奏の企画も決定しています」と語りました。
 争議団追分班の高階(たかはし)正詔さん(54歳)は、アルバイトをしながら生活、奥さんは農協のパートで家計を助けていますが、契約は半年ごとで不安定な生活が続いています。
 高階さんがJRに不採用となったのは38歳の時で、子どもは8歳と3歳でした。たたかいが10年を経過した頃は、「これからどうなっていくのか」と心配な時期があったといいます。高階さんは「闘争の間は休みがなく、家族旅行に行くこともありませんでした。子どもからどこかに行きたいといわれるのが一番つらかったです」とたたかいを振り返り、「仲間のささえがあったから、ここまでたたかうことができました。自分自身のたたかいとともに、いまのリストラに何とか歯止めをかけたいと思っています」と今後の決意を語りました。

〇奔走した取材団
 全労連の各単産教育宣伝部で構成した「勝たせる会・北海道共同取材団」は5月9〜10日の両日、札幌、小樽、苫小牧などで争議団と家族、支援組合を訪ね、取材と交流を深めました。主な訪問先は次のとおり。
▼5月9日=北海道労連、全動労争議団小樽班・家族、国鉄闘争「小樽共闘会議」総会、「プレ国鉄闘争フェスタ」(共同取材団交流会)
▼5月10日=各単産役員懇談会、全印総連・北海道機関紙印刷労組、苫小牧地区労連、勤医労中央病院支部、全動労争議団苗穂・岩見沢・滝川班、札幌駅前・国鉄「1の日行動」集会。
【共同取材団】▼建交労・大友孝平、▼生協労連・盛本達也、▼自治労連・西岡健二、▼通信労組・武田清春、▼特殊法人労連・山本純、▼国公労連・高森孝義▼全労連・寺間誠治、高島牧子
【編集協力】山梶修平、石堂保奈美、村上恭介

〇国鉄闘争とは
 1987年4月1日に政府・中曽根内閣は、国鉄の「分割・民営化」を強行しました。
 当時は、10万人もの人員削減を計画し、これをすすめていくため、「労働者が働かないから赤字になった」といった宣伝が強力に行われ、労働条件の低下や既得権の剥奪が相次いでいました。
 このようななかで、国鉄改革法がつくられ、国鉄職員のなかから選別してJR社員に採用するという手法で人員が削減されました。
 「分割・民営化」に反対した国労や全動労(現在の建交労)に所属する労働者は、大量にJRの採用枠からはずされて、「国鉄清算事業団」に異動となり、本来の鉄道の仕事が奪われました。そして3年後、最終的に1047人が再度首を切られ、家族ともどもアルバイトなどをしながら解雇撤回をめざしたたかっています。
 これまでのたたかいで、すべての地方労働委員会でJRによる不当労働行為が認定され、また、ILOもJR・政府に対して誠実に交渉することを求めています。

〇勝たせる会とは
 「全動労争議団を勝たせる会」(会長・戸木田嘉久立命館大学名誉教授)は、63人の争議団員と家族の生活を支えるためにつくられた連帯組織。会員は全労連の各単産・地方組織の組合員を中心に全国で2万2000人(うち北海道4033人)。

●<連載> 憲法を考える  No.6
 私たちは「戦争動員態勢」を許さない
   
全日本建設交運一般労働組合(建交労) 書記次長 赤羽 数幸さん

 建交労は、「建設一般」「運輸一般」「全動労」という20〜50数年の歴史をもつ労働組合が、それぞれの積極的なたたかいを引き継いで99年に合同し結成された新しい労働組合です。建交労には、建設・交通運輸・自治体関連を柱に失業者を含め実に多様な労働者が結集し、「有事法制」では、建交労に関連する多くの労働者が戦争動員の対象に挙げられています。

〇労働者の弱みにつけ込み「即応予備自衛官」を募集
 建交労には2万人近いトラック労働者が結集しています。トラック業界では、他産業に先駆けて推進された規制緩和で過当競争が激化し、長期不況と相まって多くの企業が赤字経営に追い込まれ、賃金・労働条件は他産業と比べて劣悪です。 陸上自衛隊は、こうした業界に対し「トラック協会の広報誌」などを使って97年から「即応予備自衛官」の募集を行っています。これに応じると、企業には年間約51万円、労働者には60万円が支給されます(年間30日間の訓練参加と有事には第一線の「兵員」として、招集に応じる義務を負います)。トラック業者や労働者の弱みにつけ込んだ「戦争動員態勢の強化」です。
 建交労トラック部会は、「この募集に応じるな」と数年前から経営者や各県のトラック協会との交渉・申し入れ行動などを展開してきました。
 今春闘で福岡トラック部会は、企業との集団交渉で「新ガイドライン法の発動阻止、有事立法反対、安保破棄、軍事費削減、即応予備自衛官に反対」などの協定化を実現しました。
 福岡の元自衛官出身の組合員は「自衛隊は軍隊そのもの。軍隊の本質とは国民を守るものではなく、国民を弾圧し、いかに敵兵や住民を殺すかという教育を受けています。軍隊の論理、怖さを知っているだけに、平和の要求は切実です」と語っています。いまトラック部会では、このたたかいを全国に広げる運動を推進しています。

〇憲法を職場・地域や政治に生かす運動を
 「生存権」や「働く権利」「団結権」がおびやかされ、有事法制では憲法の平和と民主的原則を根本から否定する攻撃がかけられています。
 憲法12条は「憲法が保障する権利は国民の不断の努力で保持しなければならない」とうたっています
 建交労は、「憲法を職場や地域・政治に生かす」運動として「私たちの改革プラン」(@人間らしく働くルールの確立。A国民生活の改善。B産業基盤の確立。C平和・民主・中立の日本の確立。D国際秩序の確立)をつくりました。
 キーワードは「共同と組織化、民主的政権」です。21世紀に広大な国民的たたかいを展望して力をつくします。

●地域レポート 5  福井県−−労組訪問活動で「対話と共同」−−
   雇用確保訴え、職安前アンケートも実施


〇繊維・眼鏡など地場産業は壊滅的
 【福井県国公発
 福井県の求人倍率は、0・75倍(今年3月)で、2000年11月の1・17倍と比較して急激に悪化の一途をたどっています。
 福井の地場産業である繊維産業はすでに壊滅状態ともいわれ、眼鏡枠産業もグローバル化で厳しい経済状況です。200人の工場を丸ごと閉鎖する企業もあり、松下・NEC・村田製作所など大資本系列の企業では、リストラ攻撃の嵐が吹き荒れています。
 構造改革は地域医療にも影響し、国立鯖江病院が2000年に民間委託された以降も、国立療養所福井病院と国立療養所敦賀病院の統合や、国立療養所北潟病院の結核病棟廃止が計画されています。福井県国公は国立医療闘争委員会に結集し、自治体・区長・観光協会などに要請を行うなど、地域医療を守るため運動を展開しています。

〇連合系労組も署名に協力
 今春闘で福井県国公は、企業の無責任なリストラが強行されているこんな時こそ対話と共同を強めようと、県労連規模で労組訪問活動を実施。県国公は昨年12月と今年2月、公務・民間労組あわせて16組合を訪問しました(県労連で81組合)。公務員制度改悪反対、「働くルール」と医療改悪反対署名などを要請し、連合系労組も「趣旨に共感。共同できる」と積極的に署名に協力してくれました。
 2月20日の地域総行動では、県内4地域の公共職業安定所前で「雇用確保、最低賃金上げよ」と失業者を対象とした「働きたいみんなのアンケート」を配布。「仕事がなくて困っている」「銀行ではサービス残業がひどい」など切実な訴えが寄せられました。対話のなかで、「労働組合は頼りになる」「がんばってください」と失業者から逆に励まされ、参加者は勇気づけられました。
 福井県国公は、今後も民間の仲間と連帯しながら、共同のとりくみを強めていきます。

●第36回国公労連行(二)労働者全国集会のおしらせ

◆日時 

6月18日(火)13:30〜19日(水)11:30

◆場所 
南青山会館  東京都港区南青山5−7−10
電話 03−3406−1365


◆集会内容 基調報告、全体討論、分散会など

☆文化企画(講演) 「笑いと いじめと 労働組合」
 〜21世紀に生きる私たちにとって労働組合とは?〜 
  小林康二氏(「笑工房」代表)
 行(二)労働者は、定員削減攻撃や不補充、業務委託や派遣職員の導入など厳しい職場実態におかれています。攻撃を跳ね返すためにも、単組組織をこえた全国の仲間が交流し、今後のたたかいへの確信を深めることが大切です。
 今年は文化企画として、落語作家の小林康二氏を招きます。31年の労組役員を経て落語集団「笑工房」を設立した小林氏のユニークな講演をお楽しみに!


●国公労調査時報 6月号の広告
  
(定価 450円、年間購読料 5,850円)

★特集★ 新省庁体制の1年を検証する
       厚生労働省:全厚生、全労働
       国土交通省:全運輸、全港建、全建労
       内閣府:総理府労連
       総務省:全通信
       経済産業省:全経済
○人事院公平制度の現状と課題  国公労連調査部
○「国家公務員の労働と意識に関する調査」の分析結果  国公労連調査部

◎購読に関する問い合わせは、国公労連教育宣伝部まで
 電話:03−3502−6363
 e-mail:jihou@kokko.or.jp

●政府の独断でアメリカの戦争に国民を強制動員する有事法制STOP!
【有事法制反対、職場学習資料】

 政府は、「有事法制3法案」(武力攻撃事態法案・自衛隊法改正案・安全保障会議設置法改正案)を今国会で成立させようとしています。しかし、この有事法案は、政府の勝手な判断で戦争体制へ突入した上で、自衛隊による海外での武力行使を可能にし、アメリカの引き起こす戦争に国民を強制動員する危険な法案であることが、これまでの国会審議でも明らかになっています。
 「有事法制」が発動されれば、私たち国家公務員労働者は、国民を戦争へかりたてる「手先」とされてしまいます。国民の基本的人権の保障と、戦争の禁止・武力行使の禁止を明記している憲法を尊重し擁護する義務を持つ私たち国公労働者は、憲法をふみにじる「有事法制」を許すわけにはいきません。職場・地域で有事法制に反対するとりくみを緊急に強めましょう。

〇有事法制は戦争への「備え」
 小泉首相は、「備えあれば、うれいなし」とくりかえし言っています。しかし、政府自身が、日本に武力侵攻する国は「想像ができない」(中谷防衛庁長官)、「今日から見通し得る将来において、わが国に対する本格的な武力攻撃が生起するとはみられない」(自衛隊のトップである統合幕僚会議議長をつとめた西元徹也氏)と述べています。
 また、「テロや不審船に備えて」ともいわれますが、これは警察と司法の対応に属する問題であり、「有事法制とは別の世界の分類」(中谷防衛庁長官)、「別途必要な検討をすすめる」(政府が2月5日に提示した有事法制の「全体像のイメージ案」)と、政府自身も「有事法制」とは別としています。
 それでは、なんのために「有事法制」を「備える」のでしょうか?
 99年につくられた「周辺事態法」は、アメリカが戦争を始めた場合に、自衛隊が米軍への輸送や補給などの「後方支援」ができるというものでした。しかし、「周辺事態法」では、戦闘地域には行けず、支援活動中に攻撃される危険がうまれたら、活動を中断し、その場から逃げ、武力行使はできないとしていました。
 有事法案(武力攻撃事態法案)では、日本への武力攻撃が「発生した場合」「おそれのある場合」「予測される事態」の3つのケースで「有事法制」を発動するとしています。
 この法案では、日本がまだ攻撃を受けていない「おそれ」や「予測」の段階でも、政府の判断ひとつで武力攻撃が可能となります。

〇海外で武力行使を可能に
 さらに政府は、他国の領海で活動する自衛隊への攻撃についても、「わが国に対する計画的、組織的な攻撃だと認定される」(福田官房長官)ならば、「有事法制」を発動するとし、在外公館に対する攻撃も「諸般の状況によっては武力攻撃に該当する」(福田官房長官)としています。
 いま自衛隊は、PKO(国連平和維持活動)協力法によって、ゴラン高原と東ティモールへ、テロ特別措置法によってインド洋へ部隊を派遣しています。これらの部隊にかかわって、「武力攻撃に該当する」事態だと日本政府が「認定」すれば、「有事法制」を発動し、自衛隊による武力行使も可能となります。
 ブッシュ大統領は、イラン・イラク・北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけ、先制攻撃も辞さないと公言し、ラムズフェルド国防長官は、「時には先制攻撃も必要。攻撃は最大の防御」とまで言っています。これに対し、小泉首相は、「アメリカの安全保障上の戦略として、あらゆる選択肢を残しておくということだと理解している」と、先制攻撃さえ容認しています。
 まさにアメリカの戦争へ、日本が積極的に参戦していくための「備え」が「有事法制」です。

〇首相に強大な権限を集中
 有事法案では、「武力攻撃事態」と判断した首相が、安全保障会議で「対処基本方針案」なるものをまとめ、閣議で決定し、内閣に対策本部を設置して実行します。そして、安全保障会議も、閣議も、対策本部もすべて責任者は首相です。首相が「対処方針」を決めれば、有事法制は発動します。国会は、そのあと承認を求められるだけです。



●国民の基本的人権ふみにじる憲法違反の有事法制は許さない

〇国民に戦争協力を強制、自治体が従わない場合は首相が「直接執行」
 これまで、「周辺事態法」では、国民や地方自治体に「協力を求める」だけであったものが、有事法案は、戦争への「国民の協力」を義務づけ(「武力攻撃事態法案」第8条)、地方自治体に首相が「指示」し、従わない場合は、首相が「直接執行」できるとしています。
 また、有事法案には、「指定公共機関」として、日本銀行、日本赤十字社、NHK、NTT、電力・ガス・通信などの各事業者が明記されています。実際にどの事業者を指定するかは、国会にはかられず、政府が勝手に政令で広げることができます。
 小泉首相は、「従業員に対し、国が直接命令を発することは想定していない」と述べていますが、国が直接命令を出さなくても、「指定公共機関」が戦争協力を拒否できない仕組みがつくられる以上、そこで働く労働者にとっては上司からの「業務命令」で協力が強いられることになります。
 憲法は、「国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利」(第11条)としています。しかし、有事法案は、戦争をすることが最優先という立場に立って、この基本的人権について平然と「制限が加えられる」ことを明記しています。
 こんな戦争には協力したくない≠ニいう思いで、食料や燃料の保管命令を拒否した人に対して、有事法案では罰則が適用されます。「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(第19条)とした憲法の精神を、「有事法制」は、まっこうからじゅうりんします。その上、今回の有事法案は、2年以内に具体的な権利制限のための法律を自由につくれるという仕組みも持っています。

〇戦争遂行・国民強制動員が国公労働者の業務に
 「有事法制」で、私たち国家公務員の仕事は一体どうなるのでしょうか?
 「有事法制」が実施されると、国家公務員労働者の業務においては、ストレートにその影響を受けることになります。「武力攻撃事態法案」では、国(国家公務員)、指定公共機関(独立行政法人)に対応の責任が明記され、国は、「組織及び機能のすべてを挙げて、武力攻撃事態に対処するとともに、国全体として万全の措置が講じられるようにする責務」を第4条で明記し、軍事的な責任業務を明らかにしています。
 法案によれば、内閣総理大臣が本部長で、すべての国務大臣が本部員となり、軍事優先の責任が課せられ、それによる業務命令や指示を拒否したりすれば、懲戒免職処分ですから、罰則がついているのと同じです。

〇二度と戦争遂行の手先にはならない
 さらに、戦争のために国民が動員され、財産が取り上げられる規則が導入され、この手続きの実行者にさせられます。いわば国民の権利侵害の先兵の役割を担わせられるということです。しかも、国土や環境の保全、国民の生命や安全のための管理・業務権限も容赦なく剥奪され、国の施設の使用も職員の動員も軍事優先で行われ、国民への行政サービスの業務は完全に破壊されるという最悪の事態となります。
 国公労働者は、戦後まもなく、「二度と戦争遂行の手先にはならない」と「官庁民主化」のたたかいに立ち上がり奮闘してきました。「戦争をする国への転換」が、行政改革や公務員制度改革をともなって進められている中で、平和憲法・基本的人権の実現にもとづいた「行政民主化」に全力をあげ、「有事法制3法案」を必ず廃案に追い込みましょう。

〇戦争で気象予報は軍事情報として極秘となり国民の命が奪われる〈全気象〉
 気象事業は、軍隊が作戦を行うためには欠かせない軍事情報となる側面があります。1941年12月8日、太平洋戦争突入と同時に気象情報は極秘にされました。そうした中で、1942年8月と43年9月に台風が来襲。国民は十分な備えをとることができず、それぞれ1千名前後の死者・行方不明者を出す大災害となりました。「ひとたび戦争になれば、気象災害から国民の命と暮らしが守れなくなる」という歴史の教訓からも、「有事法制」をなんとしても廃案にしなければなりません。

〇私たちのたずさわる港湾・空港施設が戦争物資調達の基地港に〈全港建〉
 政府が「有事法制」を発動すれば、私たち全港建の仲間がたずさわった港湾・空港施設は、自衛隊への武器・装備・弾薬をはじめとした戦争物資の調達をする基地港とされる危険があります。港湾・空港施設が軍事優先で使用され、土木技術者である私たちは、軍事目的の港湾・空港などの建設に動員される危険性があります。

〇二度と白衣を戦場の血で汚さない〈全医労〉
 国立病院の看護婦は、1950年に始まった朝鮮戦争で動員され、野戦病院でアメリカの傷病兵の治療を強制されるという痛恨の経験を持っています。命を守る看護婦は、命を奪い奪われる戦争を許しません。二度と白衣を戦場の血で汚さないため、ストップ!有事法制!

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