国公労新聞 第1101号

●医療改悪・有事法制 −−国民生活破壊の法案許すな−−
 
「痛み」の政治にストップを

 2002年度予算案審議が進む通常国会。「外圧」も受けて、政府がデフレ対策の検討をはじめ、民主党、共産党が予算組み替え要求を出すなど、論戦が本格化しています。
 また、外相の更迭問題にまで発展した「族議員」の行政介入や、相次いで発覚している議員秘書の「口利き」など、行政をゆがめている癒着構造の是正も重要な課題になっています。
 さらに、アメリカと共同の軍事行動を想定し、有事の際に在日米軍や自衛隊に、国民の人権制約の「権限」を付与する「有事法制」関連法案が、3月にも国会に提出される状況が強まっています。

〇医療解体にひた走る
 政府・与党は2月11日、健康保険本人の医療費負担の3割への引き上げ(現行2割)時期について、来年4月とすることで合意しました。
 政府の医療制度「改革」の内容は、@健保本人の医療費を3割負担にするA政府管掌健康保険(政管健保)の保険料率をボーナスを含む年収ベースにし8・2%に引き上げる、B高齢者の1割負担を徹底する、などとなっています。
 しかも、医療「改革」をごり押しするため、社会保険病院の「合理化」や保険料徴収事務の一元化の検討まで言及しています。
 4月からの診療報酬の「改定」で、差額ベッドの対象を拡大するなどの患者負担増は早々と決めており、公的な医療制度の解体にひた走ろうとしています。

〇雇用・いのち・くらし守れのたたかいを
 大企業のリストラは、電機大手が計画を上積みするなど歯止めのない状況になっているにもかかわらず、政府は有効な対策をとろうとしていません。
 BSE(狂牛病)で深刻な打撃を受けている農家などに対する国の責任にもほおかむりを続けています。それは、小泉「構造改革」が、国民の「痛み」に無頓着だからです。
 国民生活を危機に追い込む弱肉強食の競争社会から、国民のいのち、くらし重視の政治への転換を迫る運動強化が必要です。
 国民生活を破壊する法案に対し、「国民総ぐるみ」で反撃するたたかいへの結集を強めましょう。

●公正任命求め署名を柱に
 第27期中労委労働者委員 −−藤田氏の選任実現めざす−−

 第27期中労委労働者委員の公正任命を求めるとりくみがスタートしました。
 1月25日、純中立労組懇・MIC・全労連で構成する労働委員会民主化対策会議は、出陣・決起集会を全労連会館で開催しました。この集会で、国営企業・特定独立行政法人担当委員候補の藤田忠弘氏(国公労連顧問)と、民間担当委員候補の今井一雄氏(出版労連委員長)の選任をめざす決意を改めて確認しあいました。
 今後、国公労連として、衆参両院議長あて請願署名と総理大臣・厚生労働大臣あて要請署名を5千団体、民主化会議全体では1万団体を目標にとりくみます。

〇長野・和歌山地労委、相次いで選任される
 1月15日には長野地労委労働者委員に県労連・工藤きみ子副議長が選任され、2月に和歌山地労委でも、和歌山県地評・滝寿行事務局次長が選任されています。
 こうした任命の動きを力に、すべての産業別組合と地域でとりくみを広げ、中労委労働者委員の公正任命を実現し、さらに各地労委の公正任命に弾みをつけていくことが求められます。

〇労働者の権利を守るために
 いま、民間・公務を問わず労働者の権利を無視したリストラ攻撃が激しくなっています。
 中労委労働者委員15人すべてが連合系に独占され、地労委でも非連合系はごくわずかです。これは、実際の組合の組織状況と大きく異なっており、連合以外の組合が不当労働行為救済、紛争のあっせん、調停、救済を申し立てた際に、労働者委員との信頼関係を築くことが難しく、対応が不十分にならざるをえません。こうした状況では、労働組合法の目的である団結権保護、権利救済を達成できません。
 中央労働委員の公正任命は、全国の労働者の権利を守るうえできわめて大きな意味を持っています。

●「雇用守れ」などで座り込み

 2月5〜7日、全労連と国民大運動実行委員会が共同で、国会前座り込み行動を展開しました。
 参加者は、「医療改悪反対」、「解雇規制法を」、「有事法制反対」などの横断幕やのぼり旗をかかげ、国会前に座り込みました。
 農民連の仲間が、BSE(狂牛病)による損失補償を訴えるなど、各層が決意表明しました。

●国民のいのち削る小泉「医療改革」つぶそう
 

 小泉内閣は、国民のいのちを削る「医療制度改悪」や「国立病院・療養所の統廃合・移譲、独立行政法人化」を強行しようとしています。
 国公労連は、4月12日の「国民的ストライキ」に結集し、4月15日から「ブロック連鎖キャラバン行動」を展開するなど、「国立病院つぶし」に反対し、国民いじめの政策の転換を求め、とりくみを強めています。

〇国立病院・療養所の統廃合・移譲  −−患者・住民無視の廃止ゆるすな−−
 1986年、厚生省(当時)は、国立病院・療養所計239施設を165施設にする再編計画を公表、1999年にはさらに13施設を削減対象に加え、あわせて87施設の削減をすすめています(表1)。

 表1 国立病院・療養所の再編計画の進捗状況

  区 分 対象施設数 実施数 残 り
統廃合による削減 48 23 25
移譲による削減 39 23 16
87 46 41


 政府・厚生労働省は、2004年度の国立病院・療養所の独立行政法人化までに、統廃合・移譲を完了させるとして、2001年4月には、32施設の「対処方策」を発表しました。
 この「対処方策」では、移譲対象施設の稚内、弟子屈、登別、秋田の4施設と、統合対象の11施設を廃止することが盛り込まれています(表2)。

表2 「対処方策」で廃止の対象とされた施設

移譲対象施設(4施設)
国立登別病院、国立弟子屈病院、国立療養所稚内病院(以上、北海道)、国立療養所秋田病院(秋田)

統廃合対象施設(11施設)
国立十勝療養所(北海道)、国立小児病院(東京)、国立小児病院二宮分院(神奈川)、国立療養所西甲府病院(山梨)、国立静岡病院(静岡)、国立豊橋病院(愛知)、国立療養所岐阜病院(岐阜)、国立療養所金沢若松病院(石川)、国立療養所鳥取病院(鳥取)、国立療養所原病院(広島)、国立療養所筑後病院(福岡)

(注)国立静岡病院は2001年10月、国立療養所東静岡病院との統合により廃止


▼社会保障の充実は国の責任
 政府・厚生労働省の地域住民を無視した一方的な統廃合・移譲に対して、各地で「守る会」が結成され廃止反対のとりくみが広がっており、地方議会での統廃合・移譲、独立行政法人化反対の採択もすすんでいます。
 現在開会されている通常国会に国立病院・療養所の独立行政法人化「個別法案」が提出される予定です。独立行政法人化は、経営効率優先の施設運営で患者と職員に負担を強いるものです。このような「国立病院つぶし」は、医療改悪と一体です。社会保障の充実は国の責任とする世論を大きく広げることが求められています。

〇医療改悪 −−健保本人3割負担に国民は耐えられない−−
 政府・与党は、サラリーマンなど健康保険本人の医療費負担を3割(現行2割)に引き上げる時期について、来年4月からとすることで合意しました。健康保険法改正案などの関係法案は、2月下旬にも提出の動きとなっています。
 健保本人の医療費負担は1997年9月、1割から2割に引き上げられたことで、深刻な受診抑制がおこりました。さらに3割負担ともなれば、国民の負担は耐えがたいものになります。



 今回の医療制度改革に関わっては、「医療制度の抜本改革を先延ばしにしてきたつけを、サラリーマンに回すものであることを政府・与党は厳しく反省しなければならない」(2月13日、朝日新聞社説)などのマスコミ報道もされています。
 国家公務員の共済掛金については、来年4月から、ボーナスを含めた年収ベースで算定する「総報酬制」が導入されます。大企業のサラリーマンらが加入する組合健康保険や中小企業の政府管掌健康保険などの被用者保険の保険料も同様の方式となり、実質的な負担増となります。



 公務労組連絡会が実施した2000年家計簿調査では、実収入の約4分の1が税金や社会保険料支出となっており、負担率は年々増加しています。総報酬制による保険料の負担増に加え、医療費本人負担3割の実施は、3年連続の賃下げのもと、激痛を強いるもので決して認められません。

●地域レポート 3

〇青森県 大湊病院の移譲で全員の採用勝ち取る
 【青森県国公発】
青森県国公は、大湊病院の移譲、青森病院の岩木病院への統廃合、八戸病院の結核病棟廃止などを、行政改革の象徴的な問題として、全医労の仲間とともに奮闘しています。
 大湊病院の移譲では、患者や住民から「経営が成り立たないというが、だからこそ国でやるべきである。国の政策には憤りを感じる」「下北地域で重要な医療機関」「結核病棟が廃止になって、浪岡町の岩木病院までいかなければならず大変だ。距離にして約150キロ、車で片道約3時間、雪道だと4時間以上かかる」などの意見が寄せられ、地域世論も盛り上がりました。
 しかし、厚生労働省の攻撃は厳しく、大湊病院は3月1日に移譲することを決定してしました。
 たたかいは、希望者全員の採用実現へと移り、山場では、むつ市内においてこれまでにない規模での決起集会、デモ行進を行いました。
 運動の成果もあり、採用枠が増え、希望者全員の採用を勝ち取ることができましたが、給与は20〜40%の減収というひどいもので、労働条件向上に向けて新たに結成される労働組合にたたかいを継続していかなければなりません。
 独立行政法人化阻止に向けたたたかいでも、地域での声をさらに盛り上げていくため、「行政改革」の名の下で行われる患者・住民サービス切り捨ての問題を、民主的な公務員制度「改革」を求める運動とともに地域に訴えていきます。

●<シリーズ> 職場はいま…12  国立療養所秋田病院

 なんとしても病院を残したい  −−住民投票はかならず勝利します!−−

 国立療養所秋田病院は、秋田市から南に約30km、県南部の本荘市内の国道7号線沿いにあり、近くに海水浴場や公園などがあり、自然環境にも恵まれています。
 地域住民の声を無視し、一方的に秋田病院を廃止しようとしている厚生労働省に対し、正面からたたかっている全医労秋田支部(組合員161名)を訪れました。

 秋田病院には、県内唯一で東北最大の160床の重症心身障害児(者)病棟があります。診療科目は内科、小児科、歯科の3科で、地域の医療にもなくてはならない施設です。
 1986年に秋田病院が経営移譲対象施設として名指しされ、昨年4月の厚生労働省の「対処方策」では、2003年度に廃止する計画が発表されました。
 国立病院の移譲に関して政府・厚生労働省は、これまで「地元合意が得られ、移譲先が見つかるまでは国立での運営を継続する」との国会答弁を繰り返してきました。
 しかし、16年間にわたる存続運動で、県内69市町村のうち62市町村議会において、国立病院としての存続決議がされるなど移譲反対の声が広がっていました。
 それに業をにやした厚生労働省が、国会答弁も反古にして病院廃止を打ち出したものです。

〇住民投票実施しよう「市民の会」設立へ
 この廃止計画に対し「国は地元の意志を無視している。本荘市民の意志が『廃止反対』『存続・拡充』であることを国に示すため、住民投票を成功させたい」とする地元の声が高まり、昨年12月2日、「住民投票を成功させる市民の会」(市民の会)が設立されました。
 秋田県は、全国的にも公立の病院が少なく、一方、高齢化は全国でもトップクラスで、65歳以上が人口30%を超えている町村もあります。高齢者医療のためにも、国公立病院は重要であり、「国立として存続すべき」という声は県内に広がっています。
 秋田県医療労働組合連合会書記長の佐竹良夫さんは、「市民の会事務所にはほぼ毎日足を運んでいます。今回のたたかいは、医療費3割負担などの小泉『医療改革』とのたたかいと一体であり、小泉首相と対決しているとの意識でがんばっています。絶対に勝ちます」と決意を語りました。

〇直接請求署名過半数をめざす
 現在「市民の会」では、3月初旬からの「住民投票条例の制定を求める直接請求署名」開始に向けて準備をすすめています。本荘市は人口約45000人。署名を集める「受任者」は3000名を目標とし、「直接請求署名」は有権者の過半数をめざしています。
 住民投票条例が採択されれば、6〜7月に住民投票を実施。秋田病院の存続を住民投票で示すこととなります。

〇3・2受任者集会で本荘市民が決起
 3月の署名開始に向けて、本荘市内の150町内会のすべてで、「秋田病院について語る会」を開くこととしており、戸別ビラ配布も行われています。また3月2日には、決起の場として「受任者大会」の開催が計画され準備がすすんでいます。
 市民の会の事務所では、常に元気な女性の声が聞こえてきます。「秋田病院存続のための住民投票の話しを聞いて、力になりたい思い何度か足を運んでいるうちに、秋田市から毎日約1時間かけて来ることとなりました」と語るのは、昨年まで全医労東北地方協議会の書記を務めていた大山由紀子さんです。現在、大山さんは、名簿整理や文書発送など事務所に欠かせない存在となっています。

〇患者・住民のための医療が重要
 「患者の立場を考えれば、廃止なんてあってはならない。政府・厚生労働省のやり方は納得がいかない。患者・住民の医療を守るために、地元の意志をはっきり国に示しましょう」1月30日の全医労秋田支部定期大会は、鈴木繁子支部長のあいさつで始まりました。
 秋田病院に入院している重症心身障害児(者)は、一人での生活が困難で、日常の生活は職員の介護が必要です。また、病弱や不登校の児童も入院し、隣にある秋田県立本荘養護学校と一体となって教育と医療の連携をはかっています。このような特徴のある秋田病院は、地域ボランティアとの30年来にわたる大きな絆にも支えられ、地域医療の重要な拠点となっています。
 鈴木支部長は、「重症心身障害児(者)にとって、環境が変わることは良くありません。現在の施設の拡充こそが必要です」と病院存続の重要性を語りました。

〇住民投票に勝利し、立ち枯れ作戦の中止を
 移譲対象施設とされて以降、秋田病院の予算は削減され続け、医師は補充もしない、新しい医療機器は購入しない、病棟を閉鎖するなど、いわゆる「立ち枯れ作戦」が行われています。
 支部大会で書記長の佐藤公雄さんは「当局の『立ち枯れ作戦』をやめさせるためにも、私たち組合員も「市民の会」とともにたたかい、勝利することが必要です。当局は住民投票を阻止するため、労働組合への弾圧も厳しくなっていますが、負けてはいられません」と力強く議案の提案を行いました。

「市民の会」ではホームページを開設。応援のメッセージなどをお寄せください。
http;//m-akita.cool.ne.jp/shimin/
E-mail;jyumin@crest.ocn.ne.jp

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 (定価 450円、年間購読料 5,850円)
特集 公務員制度改革問題
 総論:「この国のかたち」改革と公務員制度改革大綱
                専修大学教授  晴山 一穂
    公務員法の基本理念を覆す「大綱」路線
         行財政総合研究所理事 川村 祐三
 各論:国公労連四つのプロジェクトから
    ○人事制度にかかわる「大綱」内容の批判
    ○超勤縮減は「最重要課題」ではなかったのか?
    ○「大綱」と労働基本権回復のたたかい
    ○「大綱」のいう「適正な再就職のルール」は何をもたらすか
行政相談活動の到達点と特徴
2002年春闘−国公労連「私の要求アンケート」集計結果の概要

 ◎ 購読に関する問い合わせは、国公労連教育宣伝部まで
   電話:03-3502-6363
   e-mail:jihou@kokko.or.jp

●[鶏口] −−「100人の村」に思う−−

 試される一人ひとりの「発想」と、たたかい

 昨年12月に発行された『世界がもし100人の村だったら』(池田理代子・再話、マガジンハウス)。世界・63億人を100人の村に縮めると、100人のうち「52人が女性、48人が男性」ではじまる内容は、「20人が栄養がじゅうぶんではなく、1人は死にそうなほどです。でも15人は太りすぎです」、「すべての富のうち6人が59%をもっていてみんなアメリカ合衆国の人です。74人が39%を、20人がたったの2%を分けあっています」と続く。
 『21世紀日本への期待』(都留重人著、岩波書店)。「トンネルの中の日本」の現状を「人心の荒廃」、日本経済、政治の混迷、の3点から説き明かす。そして、今こそ発想の転換が必要だと論じる。「宇宙船地球号内でのグローバル化」でおきている貧富の格差拡大、環境・文化の破壊などを鋭く告発し、「(世界との)共生と自立」を21世紀日本への期待として述べている。
 二つの書籍とも、一部の勝者をうみだすアメリカ型の「グローバル化」を厳しく批判し、「この村」=宇宙船地球号全体に目を向けている。その目線の先には、「アメリカの戦争」に加担する戦争法や有事法制が、力による「この村の支配」と映るに違いない。少しでも安い労働力を求めて世界を駆け回る多国籍企業は、「この村」を引き裂く「非道な力」でしかない。「いのちも金次第」とする「痛み」を国民に強いる政府は、「この村」のリーダーとしての資質が問われることになる。
 21世紀初頭、「この村」=宇宙船地球号に生きる私たち一人ひとりの「発想」、「非道な力」とのたたかいが試され続けているのではないか。厳しさが強調される春闘ゆえに、その思いが強くなる。

●国民的ストライキの成功へ −−公務労組連が春闘方針を決定−−

 公務労組連絡会は、2月8日、全労連会館において第22回臨時総会を開催し、2002年春闘方針、月額で1万7000円以上の引き上げなどの春闘要求を決定しました。
 総会には、単産代議員、オブザーバー、地方代表者など69名の参加があり、各単産からのとりくみの報告などを中心に活発な討論が行われました。
 全医労渡辺副委員長は、国立病院・療養所の独立行政法人化に反対し、国立医療機関として充実・拡充をめざしていく決意を表明、国公労連・高森中執からは、2002春闘での休暇宣伝行動などのとりくみの決意を報告しました。
 また、小田川書記長からは、労働基本権について交渉・協議がないまま「公務員制度改革大綱」が決定されたことに関わって、全労連規模でILOへの働きかけを行うことを報告。阿部中執からは、育児休業制度を職場で周知し活用するために、女性だけでなく全体のとりくみとしていくことの必要性を訴えました。
 750万労働者との対話と共同を追求した「大量宣伝行動」や、4月12日の「国民的ストライキ」の成功を公務全体でめざすことを確認。最後に春闘アピールを採択して、閉会しました。

人間らしい生活ができない! 宮城県国公が標準生計費で「生活体験」
【宮城県国公発】 

 宮城県春闘共闘会議が、昨年11月に1か月間にわたって実施した「最低賃金・標準生計費生活体験」の報告会が、2月7日、仙台市内で開かれました。宮城県国公は挑戦者30名のうち6名が出席、体験期間中の大変さを報告するとともに、今後の最低賃金闘争のあり方などについて話し合いました。    
 この「生活体験」運動は、91年に宮城一般労組が、パート賃金引き上げを目的に始め、94年から毎年、県国公もとりくんできました。 人事院が勧告で示す標準生計費をもとにして暮らせば、どんな結果になるかを実証するのが、「生活体験」です。
 結果は、30人のうち、4人が棄権。やり遂げた生活体験者でも、黒字になったのは4人だけでした。26人のうち一人世帯(独身)の全国標準生計費(12万3690円)には6人が挑戦しましたが、4人が公務員宿舎や親と同居にもかかわらず、平均3万5185円の赤字。また、宮城県の最低賃金(日額4932円)などさらに厳しい条件で挑戦した仲間も。
 報告会では、体験者から「食べていくだけで、人間らしい文化的な生活は難しい」「民間アパートなどに住んだら、生活できない」「休日は外出せず、外食は厳禁、友達付き合いもできない」などの苦労話も。最賃闘争の重要性を体で実感したとりくみでした。  

●国公労連 役員の横顔 No.8

 
 ○木下 芳宣中執(書記局出身)
   今も昔も「教宣活動」のプロ

 東京都荒川区の生まれではあるが、大学時代は京都での生活。
 81年1月、国公労連の書記として採用される。教宣部での13年間では、国公労新聞の紙面で、職場の組合員の生きいきとした姿を伝えた。当時「こだわりのキノチャン」と言われたものだ。
 国公労新聞新年号で、日本最北の離島・礼文島の一人職場登記所や、瀬戸内の海面清掃船(港建職場)などの現場取材は、今でも印象深く記憶に残っているという。
 96年からは国公労連中執となり、98年には全労連へ派遣され、2年間、国民運動局で他団体との共闘の仕事を担ってきた。現在は、教育・出版局で機関紙「全労連」の発行などで奮闘している。
 趣味は映画、写真だが、今はひと休みの状態。最近の趣味は、ベランダでのガーデニング。昨年夏、そこにキジバトが巣をつくり、2羽のヒナが無事巣立っていった。

 ○高森 孝義中執(全通信出身)
  持ち前の明るさで職場をリード

  180センチ、60キロ。生まれ育った石川県「奥能登」での高校時代は、スマートだった。
 84年、金沢市内の北陸電波監理局に。24才で北陸支部青年部長になって以降、持ち前のキャラで楽しく活動を展開。レクや宴会の裏方を積極的に引き受け、家の中はアウトドアグッズの山。16年の職場運動の実績を反映してか、気がつけば体重が90キロに。
 97年から2年間、石川県国公事務局長として地域活動に目覚める。当時提案した「毎月の街頭宣伝行動」は、今も県国公で引き継がれている。
 2000年からは国公労連中執となり、教宣部で国公労新聞編集とホームページを担当。「いかにわかりやすく伝えるか」をモットーに、日夜努力を惜しまない。
 スポーツ観戦が好きで、野球・プロレスなどジャンルは広い。オールディーズを軽快に踊る姿は、本部の誰も目撃していない。

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