国公労新聞 第1100号

●転換点の2002年春闘 −−「国民総決起」春闘の一翼をめざそう−−
 
第113回中央委員会で要求決定と方針補強

 国公労連は、2月1日、5階会議室で第113回中央委員会を開催し、2002年春闘統一要求を決定するとともに、昨年12月の第112回拡大中央委員会で決定した2002年春闘方針についても、その後の情勢変化をふまえて必要な補強を行いました。
 また、この日の午前中に開催したブロック代表者会議でも、全国300カ所開催・1万人オルグ養成をめざす「春闘討論集会」の前進的な到達状況と、2〜4月段階の具体的な行動配置状況を確認しました。

 中央委員会の冒頭、堀口委員長は、「国民生活と日本経済の悪化が一層深刻となり、『小泉構造改革』との矛盾がますます拡大している。今春闘は局面を転換するチャンスであり、そのうねりを確かなものにしていこう」と力強くあいさつ。次いで、小田川書記長が、統一要求と春闘方針の補強を提案しました。

〇賃金底上げ要求の実現に全力
 賃金闘争では、要求アンケートの結果をふまえ、春闘統一賃金要求として、17000円(4.5%)引き上げを提案。公務に働く非常勤職員等の「時間給1000円」以上への引き上げ、「初任給改善」とともに賃金底上げに全力をあげます。
 討論では、民間のきびしい賃下げ攻撃にたじろがないためにも、「今年も家計簿調査を実施した。生計費重視のとりくみ強化を」(全建労)、「初任給の引き上げを、公務員制度改悪反対とからめて重視すべき」(全経済)などの活発な意見が出されました。

〇評価制度の試行許すな
 公務員制度改悪反対闘争では、「大綱」の撤回・再協議を求めるとともに、労働基本権制約のまま、本省・キャリア優遇、市場原理導入の「改革」を押し返すため、小泉「構造改革」と対決する国民的運動の強化について意志統一。
 今後、行革推進事務局との交渉を強めるとともに、労働基本権の回復はもとより、新人事制度導入を前提とした「評価制度の試行」を許さないとりくみ強化を改めて確認しました。

〇「休暇宣伝行動」みんなの力で成功を
 また、行動配置として、連合・大単産が賃金要求を掲げず、正規社員の雇用確保に埋没している中で、地域の中小企業労働者を励ますとりくみが重要になっています。
 2月20日の地域総行動、3月14日の民間支援のとりくみなどを全国で成功させ、たたかいのうねりを、4月12日の「国民的ストライキ」につなげていくことを確認しました。国公労連は、この国民的ストライキに、12日を焦点としつつ8日からのゾーンで「休暇宣伝行動」に結集します。
 また、この行動も起点に5月連休前までにかけて、「ブロック連鎖キャラバン行動」を展開します。
 討論をうけて国公労連本部が答弁を行い、すべての議案を圧倒的多数で採択し、「たたかいながら組織を整備し、拡大もすすめよう」と、国民春闘の一翼を担って奮闘する決意を固めあいました。

〇国公労連の主な行動展開
▼2月13〜15日 
 第1波全国統一行動
 (職場集会の開催、要求書の提出、〜3月13日まで上申闘争)
▼2月20日
 第2波全国統一行動
 (「列島騒然・地域総行動」への結集、宣伝ビラ配布、50万労働者との対話)
▼3月13日
 中央行動(2000名規模)
▼3月14日 
 NTTなど「大企業包囲」全国一斉宣伝行動日
▼3月下旬(20日前後)
 第3波全国統一行動
 (屋外基本の職場集会・デモ・立て看板など「目に見える大衆行動」を展開)
▼4月12日(8〜12日のゾーン)国民的ストライキ
 (全組合員参加「休暇宣伝行動」)
▼4月15日〜5月10日
 ブロック連鎖キャラバン行動

●全労連評議委員会
 4月に「国民的ストライキ」 −−各分野で連鎖的な共同行動を展開−−

 全労連は、1月30・31日に第30回評議員会を開催し、雇用・くらし・いのちを守る国民総決起の「2002年春闘方針」を決定しました。

〇雇用・くらし・いのち、3課題をリンク
(1)「雇用」の問題では、NTTの11万人「合理化」攻撃と果敢にたたかっている通信労組へのカンパを含む全面的な闘争支援をはじめ、リストラ反対、雇用と仕事確保のたたかいに全力をあげるとしています。
 また、社会的に焦点となっている「ワークシェアリング」については、総額人件費の削減を前提とした政府・財界のやり方ではなく、長時間・過密労働の改善による雇用の拡大を要求しています。
(2)「くらし」の問題では、大幅賃上げ・賃金底上げ・最賃引上げを三位一体で追求し、「時給1000円以上」の実現を特に重視してたたかうとしています。
 また、公的(関連)事業に働く仲間の賃上げをめざして、「公契約」(委託事業に従事する労働者の労働条件を公正に確保する)、「リビングウェイジ」(生活保障賃金)などの運動にもとりくみます。
(3)「いのち」の問題では、健保・共済本人3割負担など医療制度の大改悪に対し、「国民総決起春闘」の最大課題に位置づけてたたかいぬくとしています。
 そして、今春闘の主な行動配置として、「2・20地域総行動」「3・13集中回答、3・14全国統一行動」の成功をバネに、4月12日に「国民的ストライキ」を提起しています。
 国公労連からは、小田川書記長が「全国的な組織の特性を生かし、公務員制度課題を含め、方針の全面的な実践に全力をあげたい」と決意表明しました。

●女性協 もっと「働き方」を考えよう −−男女共同参画・育休など熱い議論−−

 国公労連女性協議会は1月26〜27日、12単組、22県国公、3ブロック国公など60人の参加で拡大代表委員会を東京都内で開催しました。各単組・県国公からは、次から次へと40人の発言がありました。

〇女性の採用・登用求め当局追及を
 討論では、各府省が出した「女性の採用・登用の拡大計画」について、「数値目標が明確にされていない。原因分析がされず、実効性に欠けている」という意見が多く出されました。
 当局に「計画」の実行を迫ると同時に、明確な目標を出させることと、超過勤務の縮減や単身赴任など勤務環境の整備などの重要性が語られました。

〇子育てや保育問題も議論することが大切
 育児休業制度の改正については、「3年も取ったら、職場復帰が難しいのではないか」「任期付採用といっても資格職種は難しい」など、職場での定着運動とあわせて、子育てや保育の問題を議論する大切さが出されました。
 また、「働き方」が変えられてくるなかで、生理休暇の必要性が改めて強調されました。

〇県国公の活動で広がる連帯
 組織の問題では、職場が忙しくなる中で県国公の運営が困難さを増しつつも、「会議を定例化し、地域に出ていくことで公務員制度改革の意味を再認識できた」「単組をこえて学習が深まっている」などが語られました。
 また、有事法制定の動きが強まるなかで、有事立法に反対する運動の必要性も強調されました。同時に、「女性の憲法年連絡会」の意見広告カンパにも積極的にとりくむことを確認しました。
 2002年春闘における一つひとつの課題に女性の視点で結集していくことを確認し、拡大代表委員会を終えました。

●青年協 職場から春闘をたたかおう −−県国公活動で実践的な報告も−−
 

 国公労連青年協議会は、2月2〜3日、横浜市内で、11単組、14県・2ブロック代表者など40人の出席で拡大代表委員会を開催し、春闘方針を決定しました。

〇好評だった靖国神社見学
 討論では、昨年9月の秋季中央行動で実施した靖国神社見学について「良かった。ぜひ今後も目で見る学習を」といった好評の声が多くの単組から寄せられました。
 また、熊本県国公からは、県国公の幹事会運営について「懇親会やレクを通じて幹事会内の人間関係を作っていくことが大事。そうすれば互いに協力し合う気持ちが生まれる」と実践によって得た教訓が報告されました。
 今年の代表委員会は、延べ48人から発言があり、ほぼ参加者全員が発言するという活発な討論となりました。特に、春闘の具体的行動について、職場の青年がより結集しやすい手だて、情報交換・整理を求める意見が多く出されました。
 議案は総括、方針ともに満場一致で採択され、参加者は「団結がんばろう」三唱を最後に、それぞれの職場でがんばることを決意しあいました。

●初任給改善で賃金底上げを −−6割の国公青年が「生活が苦しい」−−

 全労連青年部が2000年にとりくんだ「働く青年の要求アンケート」(国公労連の青年=約5500人)では、家計の状況について、「預金ができる」と答えたのは3割で、そのうち既婚の青年に限ってはわずか1割という結果でした。アンケート実施後、3年連続一時金が切り下げられたことから、当時よりもさらに家計が苦しくなっていることが予想できます。
 国公労連の2002年春闘アンケートでも、約6割の青年が「生活が苦しい」(「かなり苦しい」「やや苦しい」の合計)と回答しており、多くの青年労働者がまともな生活もままならない深刻な低賃金実態に置かれているのです。
 青年協が掲げる「青年が自立できる賃金を」「結婚してもまともに暮らせる賃金を」という要求は、青年の生活実態をもとにした切実な要求です。
 青年の賃金を改善させるためには、賃金の底上げとなる初任給の大幅な改善が必要です。初任給は「賃金の起点」であり、「一人前に生活を営むための最低水準」です。現行の賃金体系では、初任給が極端に低い水準からスタートし、全体の賃金水準が押さえ込まれています。そのことが青年層を中心に「能力・実績主義」賃金への「期待」にも結びついています。
 国公労連は、賃金改善にあたり、初任給を政策的に改善することを要求しています。今春闘で、職場から使用者責任追及のとりくみが重要です。

●税金の実務処理を学ぶ  −−国公労連・国公共済会が「税務学習会」−−

 1月24日、国公労連と国公共済会は、「税務学習会」を都内で開催し、13単組57人が参加しました。
 これは、公益法人に対する国税当局の動きをうけて、実務処理などについて学習したものです。
 学習会では、公認会計士の坂根利幸氏による「労働組合と法人税・消費税」と題する講演が行われました。坂根氏は、法人税や消費税など、税金のしくみ全体を豊富な資料で、わかりやすく解説してくれました。
 参加者からは、「講演は、大変分かりやすかった。財務担当者として、常に勉強し、新しい知識を得ることが大事なことだとつくづく感じた」、「この学習会を継続し、定期的に開催してほしい」との、積極的な意見が多く出されました。
 「学習会」では、今後とも税務処理を適正に行っていくとともに、組合員の「助け合い、支え合い」活動である国公共済会の発展をめざして、いっそう奮闘することを確認しあいました。

●読者のひろば
 非常勤職員とともに春闘をたたかおう  総理府労連・統計職組の方から
 

 総理府労連・統計職組では、2002年春闘・働くみんなの要求アンケート(非常勤職員用)を昨年11月に実施し、多くの非常勤職員(178名)から回答をえた。
 「賃金が安い」が47%、「常勤職員で働きたい」「職場や仕事がなくなるのではないか」が、職場での不満や不安のベスト3(3つまでの重複回答)。これを反映して、時給100円要求が30%、400円以上が22%。フリー記入では、要求がもっとも強いのは有給休暇(現在、有給休暇はなし)。ボーナスがほしい(これも現在はなし)、長期雇用(現在最長2年)の要求も。
 賃金底上げの要求とともに、雇用不安のまっただ中にいる賃金職員(アルバイト)と、どう手を携えて春闘をたたかうか。組織化を含めて、議論を進めたい。

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