政府行革推進本部事務局「国民犠牲の行政リストラ計画づくり急ピッチ」 行政第一線=実施部門の役割を訴え、行政サービス切り捨て反対の世論広げよう

【国公労新聞第1002号98年11月11日付より】


 ●「行政スリム化に抵抗する省庁は予算削減」
 「公務員20%削減」の「公約」達成のために、民営化や独立行政法人化強行に躍起になっている政府は、それらに抵抗する省庁は「来年度予算を3割削減することも」(野中官房長官10月26日の発言)とする恫喝までおこなっています。

 ●各省の回答状況
  このような政府の圧力が強まる中で、10月30日には行革推進本部事務局が、「事務事業・組織等整理効率化検討状況」を公開しました。
 明らかになった各省の回答状況は、(1)民営化について、前向きに検討をおこなうとするものが一部あるが大半は困難、(2)一定の条件(財政的支援、適切な職員処遇、円滑な人事交流など)のもとで検討をおこなうものが半数近くあるが、困難としているものも半数、(3)地方支分部局の整理統合については、地方建設局と港湾建設局の統合など前向きに検討をおこなうとするものが一部あるが、大半は困難、(4)審議会について、廃止の検討をおこなうものが一部あるが、大半は困難、となっています。

 ●公務員べらしが「行革」の成果?
 11月4日に開催された行革推進本部では、小渕首相が「省庁改革は内閣の最重要課題の一つ」として、閣僚の協力を求めています。また、5日の推進本部・幹事会(各省事務次官で構成)では、11月下旬に予定している省庁再編関連法案と(減量化などの)計画大綱の事務局原案の取りまとめを早めるように「指示」が出されています。そして、「行政のスリム化に不退転の決意」で取り組むことを確認し、6日からは各省官房長レベルと事務局との折衝がはじまっています。
 このように、行政スリム化=公務員削減が「行政改革」そのものであるかのすりかえと扇動が強まっています。しかし、これほど理不尽で道理のない扇動はありません。官房長官の「予算削減発言」でも明らかなように、行政サービスの低下=国の行政責任を自ら低下させることを宣言して、「行政改革」を強行しようとしていることが事実として明らかになっています。

 ●行政リストラは許さない
 行政スリム化計画の大綱づくりが急ピッチで進んでいます。
 しかし、具体的な検討対象機関・業務が明らかになるにつれ、国民が望む行政改革とかけ離れた「改革」論議であることへの国民的な批判も広がっています。労働大臣が、11月4日の行革推進本部直後に、「職業紹介業務の独立行政法人化反対」を述べたと報道されるのも、そのような背景があるからです。
 地域経済が崩壊しかかっている時期に、さらに追い打ちをかけかねない地方支分部局の統廃合反対の声も出はじめています。
 いまこそ、行政第一線の実施部門が果たしている役割を広く訴え、その縮小廃止、切り捨て反対の国民世論を高めることが重要です。
 そのことから、国公労連は、自らの労働条件の課題でもある年金改悪反対のたたかいとも一体で、大規模な国会請願署名を11月18日から開始することにしています。


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