国公労新聞 第1097号

●「小泉改革」に地域から反撃
 
国公労連第112回拡大中央委員会 −−2002年春闘方針を決定−−

 国公労連第112回拡大中央委員会は12月14〜15日の2日間、「国民総ぐるみの春闘で、雇用・くらし・いのちを守ろう!『小泉改革』に地域から反撃を」をスローガンに開催され、賛成多数で2002年春闘方針を決定しました。


 堀口委員長は、「春闘要求を前進させるには、『小泉構造改革』と大企業の横暴を徹底して追及することが重要であり、全労連提起の国民総ぐるみの雇用・くらし・いのちを守るたたかいに積極的な役割を果たしていく」とし、公務員制度改革については、「この間の運動によって検討スケジュールを遅らせたが、『大綱』は労働基本権を回復せず、能力・実績反映の制度を導入する方向であり、政府・推進事務局による一方的な作業を許さないたたかいに全力をあげる」とあいさつしました。
 2日目には、東京公務公共一般労働組合(公共一般)の白神委員長から、自治体関連に働く非常勤職員等の組織化についての報告がされ、「公共一般のような個人加盟の単一労働組合は、不安定雇用労働者の労働条件にとって重要。国公労連も組織化をすすめてほしい」と呼びかけました。

▽行政相談活動では多くの教訓が
 討論では、公務員制度改革に対するたたかいに多くの意見が出されました。この秋闘で集中してとりくんだ「行政相談活動」では、国民との対話が図られたなど多くの教訓が報告され、また、全体で5000名が結集した「11・30中央行動」の成功を確信に、民主的な公務員制度の確立を求める運動を強める決意も相次ぎました。

▽全税関賃金差別裁判勝利報告も
 拡大中央委員会では、全税関上山委員長から、「12月13日、最高裁は税関賃金差別裁判の東京事案について、国による団結権侵害を認め、250万円の支払いを命じた。10月25日の横浜事案とともに、全税関として歴史的、画期的な勝利であり、27年余にわたる皆様のご支援・ご協力に感謝する」と勝利判決の意義について報告が行われました。

〇総括答弁(要旨)
 総括答弁にたった小田川書記長は、「2日間で45名が発言。全体として方針を積極的に受けとめ、地域に打って出て、2002年国民春闘の一翼を担って奮闘する決意を固めあった」とし、次の点を強調しました。

▽基本的構えと課題
 (1)職場段階での情勢の学習と意思統一の重要性、(2)地域運動を最重視する産別運動強化、(3)公務員制度民主化など、国民本位の行財政・司法確立をめざすたたかいと春闘の結合、(4)要求、行動、交渉での産別闘争強化、を重視する2002年春闘の基本的構えと重視する運動課題の一致がはかられた。

▽医療改悪反対
 全労連が提起する4月中旬の国民的ストライキには、国公労連として「休暇宣伝行動」で結集することとし、同時にとりくむブロック連鎖キャラバンとあわせ成功をめざす。

▽組織拡大
 骨格案として提起した「チャレンジ30(組織拡大4カ年計画)」が積極的に受けとめられた。その具体化に向け、産別全体の知恵と力を集中していく。

▽賃金闘争
 賃下げ相場の危険性もあることをふまえ、「時給1000円」「初任給引き上げ」の賃金底上げ要求を広く地域にも訴え、理不尽なリストラを強行する大企業の社会的責任を追及する宣伝行動に力を注ぐ。

▽公務員制度改革
 大綱決定をふまえた政府・推進事務局との交渉・協議を継続・強化しつつ、「大綱」の問題点を国民的に明らかにするとりくみを展開する。
 総括答弁のあと採決が行われ、賛成多数で春闘方針が承認され、職場討議にかける「統一賃金要求案」を確認しました。

〇第112回拡大中央委員会で採決された決議
 ▽一方的な「大綱」決定は断固反対!民主的公務員制度の確立を求める決議
 ▽「税関賃金差別裁判」最高裁判決をふまえ、謝罪・是正と労使正常化を求める特別決議
 ▽「全医労11・13ストに対する処分取消、いのち守る裁判」の公正な判決を求める決議

〇来賓
 全国労働組合総連合  西川征矢副議長
 公務労組連絡会    駒場忠親議長
 日本共産党      矢島恒夫衆議院議員

〇メッセージ (順不同・敬称略)
 銀産労、自交総連、水資労、全印総連、銀行労連、全厚労、生協労連、全教、建交労、年金者組合、学研労協、日高教、自治労連、日本労協連、全動労争議団首都圏オルグ団、郵産労、革新都政をつくる会、自由法曹団、全国消費者団体連絡会、労働共済連、全日本民医連、全労済、婦団連、全国革新懇、母親大会連絡会、働きたいみんなのネットワーク、民青同盟、日中友好協会、中央社保協、国民救援会、中央労金新橋支店、陽光堂印刷

〇2002年春闘アピール(要旨)
 2002年春闘は、大企業の横暴を糾し、国民に犠牲と痛みを強いる「小泉構造改革」と対決し、「雇用・くらし・いのち」を守るため、「国民総がかりのたたかい」が求められている。
 第112回拡大中央委員会では、民主的公務員制度確立、公務員制度改悪反対、賃金改善・底上げ要求の実現など、国公労働者の切実な要求を高く掲げ、全労連が提起する「2.20列島騒然・地域総行動」をはじめとするたたかいに総力をあげることを確認した。また、全労連がすべての労働者・国民に呼びかけている「国民的ストライキ」に、「休暇宣伝行動」、「ブロック連鎖キャラバン行動」など、職場・地域からの取り組みで結集し、国立病院・療養所の独法化反対の要求も結合し、医療制度改悪、「小泉構造改革」の流れを変える国民的な運動の一翼を担って奮闘する決意を固めあった。
 これ以上の国民・労働者いじめは許さない、その怒りを胸に、確認した春闘諸行動の成功にむけ、すべての国公労働者が決起しよう。転換期の2002年春闘を、地域に打って出て、意気高くたたかい抜こう。

 2001年12月15日
                    日本国家公務員労働組合連合会
                      第112回拡大中央委員会



●藤田 忠弘顧問を推せん  −−中労委労働者委員候補−−

 国公労連は、第112回中央委員会において、2002年10月1日に選任される第27期の中央労働委員会労働者委員候補(国営企業・特定独立行政法人担当)に、国公労連顧問(前委員長)の藤田忠弘さんを推せんすることを確認しました。
 藤田さんは、「中央労働委員になんとしてでも任命されるよう全力をあげる」と候補者としての決意を表明しました。

●2002年春闘方針ダイジェスト
 国民総ぐるみ春闘で 雇用・くらし・いのちを守ろう

▼雇用 大企業は雇用拡大で社会的責任を果たせ
 小泉内閣が強引にすすめようとしている「聖域なき構造改革」。あらゆる国民に耐えがたい激痛をもたらしています。
 ITバブル崩壊による大手電機、自動車や不良債権の最終処理による大手銀行でのリストラ競争が横行し、これが全産業へと波及しています。その結果、10月の完全失業率は過去最悪を更新し5.4%に達してしまいました(図1)。

 図1 急増する完全失業者


 大企業は総人件費抑制のため、労働者の転籍・出向や分社化など身勝手な人減らし合理化をすすめていますが、同時に、このような大企業のリストラを支援するための法整備、労働力流動化促進策を打ち出してきた政府の責任は重大です。
 大企業の社会的責任を投げ捨てた姿勢を厳しく追及するとともに、小泉政権のリストラ支援策や不良債権最終処理をやめさせ、失業者救済、雇用確保の政策が緊急に強く求められています(表1)。

 表1 大気行のリストラ計画


〇行政サービス切り捨て「小泉構造改革」
 公務員の職場でも大変な事態となっています。30年以上にわたる定員削減により、行政サービスと労働条件が大きく後退しています。その結果、医療事故、航空機のニアミス事故など国民の安全を脅かしたり、サービス残業の横行や心身の病による在職死亡や自殺者があとを絶たたず、公務員労働者の「いのち」も危うくなっています。
 また国民から存続が求められているにもかかわらず、国立病院・療養所の廃止を含む統廃合・移譲、独立行政法人化が、さらには自動車検査や統計センターの独立行政法人化、国立大学の法人化も強行されようとしています。
 私たち公務員労働者も含め、国民すべてに激痛をもたらす「小泉構造改革」。
 2月20日の「列島騒然・地域総行動」や4月中旬の「全国民的ストライキ」などのとりくみで、「国民総ぐるみの社会闘争としての春闘」を構築し、「小泉改革」に立ち向かっていきます。

▼くらし 悪政・大企業の横暴を許さないたたかいを
 2001年度のGDPの実質成長率がマイナス1%に見込まれるなど、厳しい経済状況のなかにあっても、大企業は労働者にリストラや賃下げをせまりながら、一方で多額のもうけをためこんでいます。
 全労連のビクトリーマップでは、主要20社の連結決算による内部留保の総額は36兆円を超えており、内部留保の1.3%の取り崩しで、15000円の賃上げが可能であることを明らかにしています(図2)。

 図2 主要20社 内部留保の状況


 連合は、2002年春闘では、ベースアップの統一要求見送りを決め、鉄鋼労連、電機連合などの産別組合でもベア要求を断念しており、「賃上げなし」で春闘をたたかうとしています。
 こうしたなか全労連・国民春闘共闘は、2002年春闘では、個別の使用者と交渉し、ストライキをかまえて賃上げを迫る『従来型』のたたかいとともに、政府の悪政と大企業の横暴そのものとたたかう「国民総ぐるみの社会闘争としての春闘」の必要性を強調しています。

〇賃金底上げをめざし地域の仲間とともに
 私たち国公労働者の生活は、3年連続の一時金削減などにより年々厳しくなっています。
 国公労連は、全労連・国民春闘共闘の提起もふまえ、(1)組合員と家族の切実な要求を掲げて使用者・政府を追及することと、(2)賃金底上げ闘争を軸とする国民春闘発展の一翼を担って地域から奮闘するという「二重のとりくみ」を展開します。
 政府・使用者に対しては、切実な要求を集約したアンケート結果をふまえた賃金改善要求を提出し、回答を迫ります。同時に、公務員制度改革での焦点が賃金・人事管理制度の改悪におかれていることをふまえ、公務員賃金闘争の基本目標((1)初任給改善、(2)ライフサイクルに応じた水準確保、(3)専門と経験の蓄積に応じた加算)と、「短期評価の賃金反映反対」などの要求を掲げ追及を強化します。
 また、すべての労働者の賃金底上げ、最低賃金の改善、ILO94号条約にもとづく公契約法・条例の制定による下請・委託単価改善を求める運動を、地域の仲間とともにたたかうことが必要です。

▼いのち 社会保障は国の責任、さらなる負担増を許すな
 政府は2002年度から医療費の大幅負担増を計画しています。その内容は、保険料の引き上げ、健保本人3割負担、70〜74歳の2割負担など患者負担の大幅増となるものです(図3)。

 図3 厚生労働省が狙う医療制度改悪の内容


 公務の職場でもこれまで共済制度の自主性を軽んじて、財務省の指導で政府の動きに連動し直ちに改悪に追従してきたことから、通常国会で審議される医療保険改悪のゆくえは目が離せません。
 すでに2001年度からは、国庫負担削減のあおりで高齢者医療費の負担増や年金・失業給付の削減、介護保険料の全額徴収など3兆円の負担増が押しつけられており、深刻な不況にさらに追い打ちをかける冷たい政治といわざるをえません。
 97年には本人負担が2割に引き上げられたことで、外来診察が激減。消費税率アップとも重なったこの時の9兆円にものぼる国民負担増が、今の長期不況の直接の引き金になったことは記憶に新しいところです。

〇社会保障を空洞化させてはならない
 リストラ・解雇による失業者の増加、親企業の海外移転、不良債権処理を口実とした銀行の貸し渋りや「貸しはがし」による中小企業の倒産・廃業などで、年金や医療保険の掛け金が払えない人が急増し、いま日本の社会保障制度は急速に空洞化への道をつきすすんでいます。
 小泉内閣はそのスタート直後から「医療抜本改革」を掲げ、「骨太方針」として閣議決定しました。その中身は「国民一人ひとりが痛みを分かち合って」いくとし、負担増だけではなく「株式会社方式による病院経営」や「公的医療の範囲の見直し」など、国民のいのちを人質にとって、医療を金儲けの道具化することを狙っています。
 小泉首相はこの「改革」を、患者・保険者・医療機関の「三方一両損」と表現しましたが、この保険者は本当は被保険者のことで、保険者=国は全く損をしないばかりか、20年間で実に20兆円もの国庫負担を減らしています。高い薬価で大もうけする製薬会社の利権にも手がついていません。自律と自助ばかりが強調され、そこには社会保障に対する国の責任など全く感じられません。

〇小泉内閣の医療切り捨て阻止
 「公共事業に50兆円、社会保障に20兆円」という先進諸国では類を見ない逆立ちした財政運営を改めるだけで、国民負担増なしに医療の充実は十分可能です。
 政府は、医療制度改悪と一体で国立病院・療養所の統廃合・移譲、独立行政法人化を強行しようとしており、2002年通常国会で大きな争点となります。
 国公労連は、小泉内閣の医療切り捨て許すな!を全面に掲げ、4〜5月にとりくむ「ブロック連鎖キャラバン行動」を全組合員の参加で展開します。

▼公務員制度改革 「大綱」の閣議決定を強行、労働基本権は現状のままに
 公務員制度「改革」をめぐって、政府・行革推進事務局は、2000年12月の「行革大綱」にもとづき、2001年3月の「大枠」と6月の「基本設計」を節に政治主導で検討をすすめ、12月25日に私たちの強い中止要求を無視して「大綱」の閣議決定を強行しました(表2)。

表2 公務員制度「改革」に関わる主な経過

 
2000年12月1日 行政改革大綱          政府が閣議決定
2001年3月27日 公務員制度改革の大枠      行革推進事務局が決定
   6月29日 公務員制度改革の基本設計    行革推進本部が決定
      9月20日 新人事制度の基本構造     
(議論のたたき台)
行革推進事務局が提示
     11月 6日 新人事制度の原案           行革推進事務局が提示
  11月22日 組織・定員管理にかかわる基準  総務省行政管理局が公表
     12月 4日 新人事制度以外の原案      行革推進事務局が提示
     12月12日  公務員制度改革大綱の原案    行革推進事務局が提示
  12月25日 公務員制度改革大綱       政府が閣議決定

 国公労連は、こうした強権的な「改革」検討に反対し、6月のILO総会での「政府公約」をふまえ、行革推進事務局との20数回の「交渉・協議」を通じて、3要求(労働基本権の回復、信賞必罰などの制度改悪反対、天下り禁止など制度の民主的改革)の実現を徹底的に追及してきました。
 さらに、大量宣伝行動や全国28カ所での行政相談活動のほか、「11・30中央行動」に過去最大規模の3800名(全体で5000名)が結集して政府を包囲するなど、職場・地域から全力でたたかってきました。
 今回の最大の争点は、行革推進事務局が、労働基本権問題(特に労働条件決定システム)をいっさい明らかにしないまま、能力等級を軸とする新人事制度の検討を優先させ、各省の人事管理権限の強化と人事院の機能・権限の縮小を図ろうとしたことでした。
 国会でも人事院の「代償機能」性が追及され、政府は「給与勧告だけでなく、級別定数も勤務条件」と答えざるを得ませんでした。にもかかわらず、「大綱」が一方的に「労働基本権制約の現行維持」を通告したことは言語道断です。

〇「総対話と共同」に全力でとりくもう
 2002年春闘では、こうした経過をふまえ、上記3要求を何としても実現するため、賃金闘争とも結合して中央・地方で政府・当局追及などのたたかいを徹底的に強化するほか、ILO提訴なども検討します。
 とくに、今回の「大綱」が労働基本権を制約したまま、「キャリア制度の合法化」や「天下りの自由化」など国民の批判に逆行することを広く訴えていきます。
 そのため、3月下旬のシンポジウム開催、4〜5月のブロック連鎖キャラバン行動に連動させた大量宣伝行動や行政相談活動(会)の集中実施など、国民との「総対話と共同」のとりくみに全力をあげます。

●平均17000円(4.5%)引上げ
 国公労連2002年春闘統一賃金要求(案)
 

 国公労連の「2002年春闘統一要求」は、2月1日に開催される第113回中央委員会で決定されます。
 「平均17000円(4.5%)」の賃上げなどの統一要求(案)のポイントをまとめました。職場での積極的な討議を呼びかけます。


〇賃金闘争は労働運動の原点
 2002年春闘での賃金改善のたたかいは、とりわけ重要な意義をもちます。
 (1)私たちの賃金闘争は、デフレ不況下の内需拡大に向けた組織労働者のたたかいの一環です。
 (2)公務員制度改革による個別管理の強化、能力・成果主義賃金導入の動きが強まっており、それをはね返し、団結を強め、全員の賃金水準引き上げと公平な賃金決定を求めていかなければなりません。
 (3)労働基本権の制約を当然とする政府の姿勢を変えさせるためにも、改めて賃金・処遇改善にあたっての使用者・政府の責任を追及することが重要です。
 国公労連は、このような立場から、アンケートに示された組合員と家族の切実な要求を大切にして、政府に対する積極的な賃上げ回答を迫るとりくみをすすめます。

〇生活改善とともに不況克服を
 アンケートをもとにした要求は、組合員の大多数の生活の実態を根拠にしたものであり、たたかいの基礎でもあります。
 長引く消費不況や度重なるリストラの影響で失業率が5・4%にもなりました。また、パートや派遣など不安定雇用労働者が増えています。こうしたなかで、「大幅賃上げを勝ちとるのは無理ではないか」といった声も聞かれます。現に大企業労組の一部には、雇用か賃上げかといった選択を迫られるもとで、賃上げ要求を行わないところも出てきています。
 しかし、多くの組合員は賃上げを望んでいます。公務の職場をみても、年収ベースで3年連続マイナスとなり、「生活が苦しい」と感じている仲間が7割弱となっています(図1)。こうした生活実感にもとづく要求でたたかうことなしには、雇用も賃上げも勝ちとることはできません。

 図4 あなたの家の生活実態は?
   (国公労連2002年春闘、わたしの要求アンケート結果から)


 
 政府・大企業の賃金抑制攻撃が激しくなっているなか、私たちが賃上げ要求を掲げてたたかうことは、労働者ひいては国民全体の懐を暖める一助としても積極的な意義があります。

〇統一要求案の概要
 「平均17000円(4.5%)」の賃上げと「V種初任給12000円(8.5%)引き上げ」要求を中心に統一要求案を提起しています。
 2002年春闘に向けた「わたしの要求アンケート」の集約状況は、12月17日現在で64622人です。要求額を昨年と比較すると、1万円(17.9%)、1万円未満(9.5%)など低めの要求が昨年より増えており、3万円(26.8%)、5万円(14.1%)といった要求額は減少しています。とくに昨年は第3山となっていた5万円が1万円に逆転されたのが特徴です(図2)。

 図5 2002年春闘でいくらの賃金引き上げを要求しますか
   (国公労連2002年春闘、わたしの要求アンケート結果から)



 そのようなアンケート結果をもとに、一人ひとり異なる賃金要求を「最大公約」し、6割以上の多数の仲間を結集できると考えられる「3分の2ライン」に着目して提起しました(表3)。

 表3 2002年春闘賃金要求アンケートの傾向
   (国公労連2002年春闘、わたしの要求アンケート結果から)

        2002年春闘 2001年春闘 前年との比較
加重平均 28,500円 32,654円 −4,154円
並  数  26,435円  26,834円 −399円
中位数  25,261円 28,405円 −3,144円
3分の2ライン  16,929円 21,529円 −4,601円

 なお、全労連は、すべての労働者に15000円以上の賃金底上げを図ることなどを提起しています。

〇2002年春闘統一要求(案)の具体的な内容(抜粋)
1 賃金水準の大幅改善
 国公労働者の賃金を平均17,000円(4.5%)引き上げること。
 また、パート・アルバイト等の非常勤職員を含め、国公職場に働く労働者の最低賃金を月額相当150,000円(時間給1,000円、日額7,500円)以上とすること。
2 俸給表体系、手当などの配分
 賃金改善にあたっては、初任給引き上げを前提に、世帯形成に伴う生計費の負担増と経験勤続年数に応じた賃金水準を維持する賃金体系を基本とした配分を行うこと。なお、初任給を以下のとおり 改善すること。
  高卒V種初任給(1−3)は、153,900円とすること。
  大卒U種初任給(2−2)は、186,400円とすること。
3 賃金体系などについて
(1)賃金体系について、世帯形成にともなう生計費の増大や、経験・勤続(専門性向上要素)に応じた体系を維持すること。
(2)前記の点をふまえ、行政職(一)表での俸給体系の目安となる級号俸の本俸改善を以下のとおりとすること。

   <モデル賃金要求額>

年 齢 引き上げ要求額 要求率 本俸改善要求額 備 考
18歳 12,000円 8.5% 153,900円 1−3
35歳  17,000円 5.9% 303,300円 4−8
45歳 19,000円 4.9% 405,600円  6−14

(3)定期昇給制度の改悪は行わないこと。
(4)公務の特性、公共性をそこなう能力・実績重視の給与制度への見直しは行わないこと。短期的な(実績)評価結果を直接的に賃金に反映させる給与制度の改悪、運用の「見直し」を行わないこと。
4 一時金は、現行水準の切り下げを行わないこと。また、「役職別傾斜支給」及び「管理職加算」をやめること。一時金への業績反映を行わないこと。
5 「同一労働同一賃金」の原則による全国共通の賃金制度を堅持する立場から、地域間格差を直接反映させないこと。

●2002年国民春闘の主な行動展開

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