国公労新聞 第1085号

●3年連続の一時金カット・公務員制度の「改悪」を許さない!!

 賃下げ勧告の強行や、政府による公務員制度「改革」がすすめられるなか、私たちの生活と仕事を守るため、2001年秋闘のたたかいが重要になっています。
 とりわけ、9月中旬にも人事院勧告取り扱いの閣議決定が予想され、また、公務員制度「改悪」問題での交渉が9月から本格化するもとで、出足早いとりくみが求められています。
 しっかり意思統一し、職場や地域からのたたかいに結集しましょう。


○2001年人勧

官民の較差はわずか313円、俸給表の改善は見送り
 人事院は8月8日、俸給表・諸手当の改善を見送り、期末・勤勉手当を0・05月引き下げる給与勧告をおこないました。
 官民の給与較差は、わずか313円(0・08%)で、史上最低だった昨年の447円をさらに下回りました。
 この較差は、「暫定的な一時金」として、12月分を一括して3、756円が来年3月に支給されますが、期末・勤勉手当の減額がそれを上回るので、年収で3年連続のマイナス勧告となります。
 いっぽう、育児休業が3年に、介護休暇は6か月にそれぞれ延長されるなど休暇制度の改善がはかられます。子供の看護のための休暇も新設の方向です。
 これらは、切実な要求にもとづくねばりづよいたたかいの成果です。男女共同参画社会がめざされるもとで、実効ある制度が強く求められます。

▼賃下げ勧告が「代償措置」と言えるのか
 2年連続で俸給表の改定を見送り、3年連続で期末・勤勉手当の引き下げる勧告は、私たちが求めてきた「平均5千円」というギリギリの賃上げ要求や、悪化する公務員労働者の生活と労働の実態からして、とうてい受けいれられません。
 人事院勧告は、労働基本権制約の「代償措置」として、本来、公務員労働者の生活改善のためにあるべきです。賃下げをせまる勧告のどこが「代償措置」と言えるのでしょうか。
 勧告の取り扱いについては、9月中旬にも閣議決定が予想されていることから、政府に対して、使用者としての責任を徹底して追及し、「勧告にもとづく賃金引き下げの給与法『改正』反対」の要求をかかげ、勧告直後からたたかいを強化していく必要があります。

▼職場の怒りを「連判状」にして政府に提出
 国公労連は、小泉首相にあてた「職場連判状」を提起しています。「3年連続の賃下げは許さない」という一人ひとりの声を集め、職場の怒りや要求の切実さを政府にしめしていきましょう。

○公務員制度改悪

「交渉」は9月から本格化、闘争本部に課題別プロジェクトを設置
 国公労連は7月26日に、公務員制度改悪問題で政府行革推進事務局との交渉を実施しました。
 交渉では、行革推進事務局から正式に「基本設計」の提案を受けるとともに、今後「基本設計」全体を対象に行革推進事務局と交渉・協議を行うことを確認しました。
 いっぽう人事院は、今年の人事院勧告のなかで、基本設計の具体化にあたって、行革推進事務局への協力を明らかにしています。こうした協力をえて、12月の公務員制度改革「大綱」決定にむけて、作業が加速することは明らかです。
 このため、国公労連では、9月からの「交渉」本格化にむけ、公務員制度改悪反対闘争本部の下に、人事管理システム、労働基本権などの課題別プロジェクトを設置、国公労連・各単組が一丸となって交渉と行動を展開していきます。

▼所属長交渉を配置、職場からの追及を 
 2001年秋闘段階では、職場から使用者である政府に対して「改革」の問題点や矛盾点を追及するとりくみが重要となります。
 国公労連では、10月1日から5日を「統一交渉強化期間」として、所属長交渉を配置し、上級官署への上申や、行革推進事務局に対して「意見書」の提出をせまります。
 また、10月から、管理職を含むすべての国公労働者を対象に、政府あて「要求署名」にとりくみます。

▼地域でのとりくみで国民世論を広げよう
 国民的な支持を広げるたたかいも重要です。10月1日から11月21日までの全労連「くらしと雇用を守る全国キャラバン行動」に積極的に結集しながら、「民主的公務員制度確立賛同署名」で、対話と共同をひろげます。また、県労連などとの行政懇談会や、100万枚のビラ宣伝も具体化します。
 「国民の中へ、国民とともに」の実践をこれまで以上にすすめ、「ものいわぬ公務員づくり」をねらう「改革」を阻止しましょう。

▼「基本設計」をどう見るのか すべてのブロック国公で学習会

 労働組合の幹部を対象にした公務員制度改革の学習会は、8月中にはすべてのブロック国公で開催されます。
 すでに学習会を開催したブロック国公では、6月29日に出された「基本設計」の内容についての理解を深めており、2001年秋闘にむけ、すべての職場で学習会を開催していくことが必要となっています。

▽四国ブロック国公
 中国ブロック国公の学習会は、52名の参加で8月9日に広島市内で開催されました。会場からは、国公労連のとりくみについて多くの意見が出され、参加者はたたかう意志を固めあいました。

▽北陸ブロック国公
 8月10日に金沢市内で開催された北陸ブロック国公の学習会には、33名の参加がありました。会場からは、職場段階での学習の強化が必要であるとの意見が出されました。

●国公労連第47回定期大会
 と き 8月28日〜30日
 ところ 虎ノ門パストラル
      東京都港区虎ノ門4−1−1
      電話 03−3432−7261


●核兵器廃絶条約の協議速やかに

「国連と各国政府にあてた手紙」ほ採択
 原水爆禁止世界大会ひらく

 21世紀最初の原水爆禁止世界大会が、8月3日から9日にかけ広島と長崎で開催され、世界20カ国の代表をふくめ、広島・長崎あわせて8500人が参加しました。
 昨年の国連ミレニアム総会で核兵器廃絶を求める決議を採択したものの、いまだに核戦力を維持・強化する動きがあるもとで、今年の世界大会は、「『核兵器廃絶の約束』の実行を核保有国に求めよう」をメインテーマとして、さまざまな討論がくりひろげられました。 
 3日の国際会議(広島)では、米ブッシュ政権のミサイル防衛計画と、それに協力する小泉政権の姿勢を厳しく批判する意見が相次ぎ、また、8日の4カ国の政府代表によるパネル討論(長崎)でも、核兵器を持たない各国政府と世界の草の根組織が力をあわせ、核保有国を包囲し、核廃絶を迫る運動の重要性が強調されました。
 最終日の長崎の閉会総会では、「核兵器全面禁止・廃絶条約交渉の速やかな開始」を求める「国連と各国政府にあてた手紙」を採択。「反核・平和運動の新たなうねりを草の根から」との思いを胸に、参加者全員で決意を固めあいました。

▽核兵器を1日も早くなくすため世界の女性と力を合わせようと「核兵器なくそう女性のつどい」が長崎市内で開かれ、1000人が参加しました。世界大会では若者の参加がとても多く、元気で活発な発言が相次ぎました。


▽語りあい、交流深めた国公労働者「平和のつどい」
 8月8日、長崎県国公と国公労連の共催で、国公労働者「平和のつどい」(写真右)がひらかれました。全国から集まった65人の国公労働者の仲間が、平和について語りあい、交流を深めました。


●「小泉改革」に対決する共同ひろげよう
 
−−全労連第29回評議員会を開催−−

 全労連第29回評議員会が、8月2・3日の両日に開催されました。
 定期大会が隔年開催となったことをふまえ、今回の評議員会では、1年間の運動を総括し、秋のたたかいにむけ意思統一しました。6月にオープンしたての「新全労連会館」ホールには、単産・地方組織から150名が集まり、熱心な討論をくりひろげました。

○全国キャラバン行動と全国討論集会の成功を
 運動方針では、倒産と失業をもたらす「小泉流改革」に対決する共同をひろげるため、10月から11月にかけて全県を巡る「全国キャラバン行動」を柱に、国民大集会(10月23日)や「怒りの霞が関行動」(同24日)などが提起されています。
 また、11月8日から3日間、石川県で「第3回全国討論集会」を1500名規模で開催することを確認。集会では、1年間の討論を通して決定された「21世紀初頭の目標と展望」の実践にむけ、「働くルール署名」など重点的な運動の経験交流や、組織拡大・強化にむけた議論を深めます。
 評議員会では、「600地方組織、200万全労連」確立をめざす「組織拡大基金」の構想案がしめされ、来年の定期大会にむけて討議をすすめることが確認されました。 すべての方針は満場一致で採択されました。なお、役員4名の退任にともなって補充選挙が行われ、国公労連からは、黒田書記次長に代わって、新たに山瀬徳行執行委員が非常任幹事として選出されました。


●社会保障けずり国民に「痛み」押しつけ

 −−政府、来年度概算要求基準を決定−−  
 政府は8月10日、来年度予算の概算要求基準を決定しました。「聖域なき構造改革」を前面に、国債発行額を30兆円以下に抑え、公共投資、一般政策経費を10%カット、社会保障費、義務的経費の伸びを抑制するものとなっています(図参照)。



 その一方で、構造改革枠とし、重点7分野(環境、少子・高齢化、地方活性化、都市再生、科学技術、人材育成、IT)の予算を拡充し、一般歳出の総額は47兆8千億円となっています。 重点枠要求は、今のところ一般政策経費の20%が認められていますが、今後、経済財政諮問会議の調整によって9月末までに半分程度に削減するとしています。また、国債発行を抑えるために、さらに1兆6千億円程度を査定段階で削る方針です。
 社会保障費では、自然増経費1兆円の7千億円への縮減を打ち出し、給付改悪や国民への負担増によって新たな「痛み」を押しつけようとしています。
 また、公共投資関係費は10%削減するとしていますが、8月末に提出する各省庁の要求は、「要望」という形で前年度並みの額を認めており、査定段階でどう減額されるかが焦点です。 重点分野関連だとこじつけし、ムダな大型プロジェクトに予算が付けられ、そのしわ寄せで生活関連の事業が削減される恐れもあり、監視が必要です。


●小泉首相は靖国参拝やめよ

−−9氏の呼びかけで緊急集会・デモ−−

 8月7日、9氏(都立大学・山住名誉教授、全労連・小林議長ほか)が呼びかけた「首相の靖国神社参拝に反対する緊急集会」が開かれました。200人を超える参加者は、集会後、国会へ向けデモ行進しました。こうしたなか、小泉首相は13日に靖国参拝を強行。国内はもとより、中国・韓国などアジア諸国から批判の声が高まっています。


◇お詫びと訂正
 国公労新聞8月1・11日付(1084号4面)のクロスワードパズルの出題で、IとLが逆になっていました。ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。


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