国公労新聞 第1082号

公務員制度改悪

国民に痛みを強いる「基本設計」ノー
 −− 運動に確信を持ち、たたかいの強化を


 政府・行政改革推進本部は、6月29日に公務員制度改革の「基本設計」を決定しました。
 「基本設計」は、3月に示された「大枠」の具体化であり、断じて容認できません。

 「基本設計」では、信賞必罰の人事管理の具体的内容として、(1)能力等級制度をはじめとする任用、給与制度の「改革」、(2)目標管理制度などの評価制度の「改革」の方向を明らかにしています。
 また、級別定数や組織・定員の管理を各省大臣にゆだね、人事院の組織と役割を抜本的に見直すとするいっぽうで、労働基本権の回復については「十分検討」とする姿勢にとどまっています。
 さらに、国家戦略スタッフ群や、企画立案と実施の分離、T種試験制度の温存、などで、キャリア特権制度をより強化するものとなっています。また、「天下り」を人事院の事前承認から大臣の直接承認にして、規制を緩和しています。
 推進本部は、この基本設計に基づいて、「内閣官房主導のもと」に「職員団体との意見交換」をおこないながら、12月を目途に「公務員制度改革大綱」をとりまとめると表明しています。
 国公労連は、「大枠」に基づく公務員制度の改悪に反対し、各単組、ブロック・県国公が一体となってたたかってきました。
 20万筆近い署名の集約や、300万枚におよぶ大量ビラ宣伝にとりくんだことなど、これまでの運動をさらに発展させ、国民に開かれた行政と公務員制度の確立にむけ、国民的なたたかいを発展させ、一方的な改悪を阻止しましょう。
 基本設計の詳細や今後の具体的なとりくみについては、国公労新聞号外(7月21日付)に掲載します。


●信賞必罰で行政サービスはこうなる!?

佐賀県国公が佐賀県労連などと共催で集会ひらく

 【佐賀県国公発】佐賀県国公では6月29日、佐賀県労連、佐賀県高教組などとの共催で「公務員制度改革」学習・交流集会を開催し、100名を超える参加がありました。
 全労連熊谷金道副議長からは、「政財官のゆ着を断ち切り、国民本位の行政・公務員制度が必要」と、今回の公務員制度改悪のねらいと問題点などについて報告を受けました。
 また各単組は、それぞれ「信賞必罰で行政サービスはこうなる!?」というビラを作成し、公務員制度改悪による行政サービスの悪影響を参加者に訴えました。
 佐賀県国公では、今後、民間のなかまや国民との共同を広げ、行政の民主化をすすめるとともに、公務員制度改悪を許さないとりくみを強化していきます。


●東京・大阪ともに充実した2日間
 
−−国公労連第15回労働学校−−  
 国公労連第15回労働学校は、初めて大阪(6月15・16日)、東京(6月29・30日)の2か所で開催し、東西を合わせると昨年の3倍近い255名が参加し、熱心に講義に聴き入りました。
  第1日目の第1課では、「小泉流改革」に焦点を当て、「痛み」を押しつける改革の問題点や国民生活との矛盾について、神戸大学の二宮厚美教授(大阪)、桜美林大学の藤田実教授(東京)から講義をうけました。 第2課では、法政大学の早川征一郎教授から「能力・成果主義賃金の狙いと問題点」と題して、民間の動向や、公務員制度改悪の問題点にかかわっての講義がありました。
 これらの講義とともに、「公務員制度の現局面と国公労連のたたかい」について小田川書記長から、特別報告があり、全体討論で理解を深めました。
 2日目の第3課では、関西勤労者教育協会の中田進氏(大阪)、労働者教育協会の大高保明氏(東京)から「魅力ある労働組合活動の前進に向けて」と共通のテーマで講義をうけました。
 また、最後の第4課では、国公労連前委員長の藤田忠弘顧問から「国公労働運動の前進をともに考えよう」と題して、藤田さんが歩んできた国公労働運動の歴史が具体的に語られました。
 参加者からは、「内容の濃い学校だった」「もう一度、仲間を連れて聞きたい」「行政民主化の重要さを再認識した」などの感想も寄せられ、東西ともに参加人数、内容含め充実した労働学校となりました。


●国立試験研究機関交流集会ひらく

 第19回国立試験研究機関交流集会は、6月27日、つくば市において開催され、200名を超える参加がありました。
 集会では、海部宣男国立天文台長の記念講演が行われ、その後の分散会では、各試験研究機関から、独立行政法人化に伴うさまざまな問題について意見交換が行われました。


参院選特集2
 ●くらしと行政を守る一票を

 「小泉内閣をどう思う?」を前号で特集しました。果たして、小泉内閣の派手なイメージ戦略に隠された、自民党政治の中身は本当に「変わる」のでしょうか?

●変えましょう! 金でむすびついた汚れた政治
 企業・団体献金の根絶と高級官僚「天下り」の禁止を
 KSD汚職、どんな事件だったか覚えていますか?巨額の資金が、自民党や公明党に流れ込みました(図1)。
 汚職根絶のため「解党的出直し」と叫ぶ小泉首相ですが、KSD事件の解明は国会でも棚上げにされ、自民党丸ごと汚染の実態はまったく究明されていません。
 企業からの政治献金が、政治を汚す温床となっているのに、小泉首相は「政治献金がどうして悪い」と居直っています。これで、本当の改革ができるのでしょうか。
 
○民主的な公務員制度改革を
 政官財の癒着を改革するためにも、高級官僚の「天下り」禁止など民主的な公務員制度改革が切実にもとめられます。 
 しかし、6月29日の「公務員制度改革の基本設計」では、本省課長以上の天下りも、大臣承認にするとして「天下り自由化」をすすめようとしています。企業・団体献金の根絶、「天下り」禁止ができる政治の実現が必要です。

○教育改悪三法成立に民主党が手助け −−十分な審議もしないなんてひどいよ!−−
 「教育改革」の柱として今国会で審議された教育改悪三法が、十分な審議もなく、国会最終日に成立が強行されました。
 見過ごせないのは、民主党が、修正案まで提出して、自公保三党に手を貸したことです。「小泉首相と改革のスピードを争う」という民主党の政治姿勢が、こうした場面で実際に明らかにされた形です。



●変えさせません! 世界に誇れる平和憲法
 戦争に協力する流れを止め私たちの手で憲法を守ろう
 超「タカ派」と評される小泉首相は、「首相公選制」を手始めに、憲法を変え、ゆくゆくは、第9条に手をつける考えです。
 そして、集団的自衛権を使ってアメリカの戦争に協力し、いずれ日本に軍隊をつくり徴兵制を……。 
 憲法改悪の流れをここで押しとどめなければ、戦争にむけた流れが一気に加速されるのはまちがいありません。
 憲法擁護の義務を負っている国公労働者だからこそ、憲法を守り、発展させることのできる国会は切実な願いです。
 平和憲法は、変えさせない決意をしめすのが、あなたの大切な一票です。

●変えられます! 大切なのは選挙で自分の態度をしめすこと
 みんなの力を集めれば政治は必ず変わります
 「痛みをともなう改革」がすすめば、中小企業経営者、農民、商工業者など、これまで自民党の支持基盤となってきた人たちの営業と生活も直撃します。
 すでに、構造改革がすすむにつれ、自民党は選挙のたびことに得票を減らし(図2)、小泉首相をかつぎ出した自民党の足元はグラグラです。
 これらは、自民党の支配が、一気に変わる条件をしめしています。



○棄権はキケン(危険)!
 そして、変えるのは私たち。いよいよ7月29日が投票日。人気だけで選んだり、棄権をしたのでは、悪政をすすめる勢力の思うツボです。みんなの力を集めれば、政治はかならず変わります。変えられます。
 ここではっきり態度をしめさなければ、政治も暮らしも行政も、良くすることはできません。
 選ぶのは、あなたです。貴重な一票を、くらしと行政を良くするために行使しましょう。

●変えるのは私たち! 7月29日は、選挙にいこう!
21世紀最初の選挙で、私たちの願いがかなう社会をつくりましょう。


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