国公労新聞 第1077号

●21世紀最初のメーデー −−中央メーデーに約8万人結集!

−−50万署名、各地でとりくみスタート!−−

 5月1日、第72回中央メーデーを東京の代々木公園で開催し、絶好のメーデー日和のなか約8万人が参加しました。代々木公園での開催は、全労連結成以来、初めてのことです。
 集会では「国民の手に政治をとりもどし、暮らしと雇用を守る経済の再建を」と訴えるメーデー宣言を採択しました。
 当日は国公労連・東京国公から約2200人の組合員が参加しました。各単組は、それぞれ創意をこらした公務員制度改悪反対、小泉新政権批判のプラカードや横断幕、張りぼてを手に、沿道の住民に意気高くアピールしました。
 また、全国各地のメーデー会場では、各県国公がいっせいに公務員制度改悪反対の署名行動をとりくみました。その結果、中央で400筆、広島県国公250筆、兵庫県国公170筆、愛知国公116筆など、短時間のとりくみのなかで署名を集めました。 
 こうしたとりくみを出発点にして、民主的な公務員制度の確立をもとめて、この5・6月に力を集中し、50万署名や300万ビラ配布など国民世論に訴えるとりくみを職場・地域で急ピッチですすめ、6月8日の中央行動には大量の署名をつみあげましょう。


●ジュゴン守れ、米軍基地反対
−−東京で平和キャラバン集結集会

 沖縄県名護市を3月10日に出発した「ジュゴンと平和を守れ!米軍新基地建設反対!」全国縦断平和キャラバンは、4月28日、東京都内で集結集会を開きました。
 2千8百枚の団結旗がはりめぐらされた会場には約500人が参加。集会後は銀座までパレードし、平和と基地反対を訴えました。


●核兵器をなくそう
 −−国民平和大行進に700人

 5月6日、東京・夢の島で、原水爆禁止国民平和大行進の出発式がおこなわれ、東京↓広島コースがスタートしました。全体で700人、うち国公の仲間は、60人の全運輸をはじめ200人を超える参加がありました。
 デモ行進では、全国税の作成した「いま、平和が、憲法が危ない」と憲法9条を明記した横断幕が注目されました(写真上)。当日は天気もよく、連休最後の日曜日とも重なり、子ども連れの仲間も。21世紀を核兵器のない希望ある世界にするため、沿道の人たちに明るくアピールしました。


●国民のための公務員制度確立を
−−全労連が5・16緊急中央集会ひらく

 5月16日、全労連「公務員制度改革」対策本部は、東京都内で5・16緊急中央集会を開催し、各単産から約200人が参加しました。
 小泉新首相が「聖域なき構造改革の断行」を声高に叫び、憲法改悪などの危険な動きに対し、民主的な行政と教育の実現にむけて運動を発展させる決意を固めあいました。
 なお、集会では小田川書記長が決意表明。「国民の批判や願いに応えるならば、政官財のゆ着をただすことや、労働基本権の回復こそ改革の中心課題。国民に訴え、たたかおう」と呼びかけました。


●特集 夏季闘争方針案 書記長インタビュー
 −−公務員制度改悪・賃金の切り下げをゆるすな−−

 国公労連は、6月6日に第111回拡大中央委員会を開催し、夏季闘争方針案と人事院勧告期要求案を決定します。
 今年の夏季闘争では、「公務員制度改悪」を許さないたたかいが重要な時期を迎えます。また、人事院勧告をめぐっても、3年連続の賃金引き下げを許さないたたかいが焦点となっています。
 今号では、夏季闘争方針案のポイントを、国公労連小田川書記長に聞きました。

 −−4月26日に小泉内閣が発足しましたが、夏季闘争は、どのような情勢の中でのたたかいとなるのでしょうか。
小田川書記長 これまでの夏季闘争は、春闘をふまえ、人事院勧告制度など国公労働者の労働条件決定にかかわる現実の仕組みのもとで、労働条件の改善、実利を勝ちとるたたかいが中心でした。
 21世紀最初の年は、7月29日に予定される参議院選挙や6月24日の東京都議会選挙など、この国の「進路」を決める重要な政治戦をひかえています。
 国公労働者にとって、いま最大の課題となっている公務員制度改革も、その発端は自民党の参議院選挙対策からでした。そのことにも明らかなように、私たちのくらし、はたらき方に直接・間接的に影響する多くの課題が、参議院選挙の争点になっています。
 国民の不人気もあって退陣した森前首相にかわった小泉首相は、「聖域なき構造改革」をすすめることを表明しています。「聖域なき」の中身は、郵政民営化など一層の行革・公務員べらしであり、医療費負担の増大など社会保障制度の切りくずしです。
 また、民間シンクタンク(ニッセイ基礎研究所)でさえ、中小企業の倒産、失業者のさらなる増加を危惧する「緊急経済対策」は、「構造改革」の柱です。加えて、歴代の首相では、はじめて「改憲」を公然と主張しています。
 「構造改革」とは、失業・倒産は当然、社会保障は自己責任とする一方で、国際的な競争に勝ち残る企業を手厚く保護し、改憲と軍事大国化をめざす社会への転換を「最終的」におこなおうとするものです。
 国公労連はこれに反対し、夏季闘争では、全労連に結集して、「企業のもうけより国民生活」を重視し、これまで以上にたたかいを強めたいと思います。

○行革大綱にもとづく「この国のかたち」づくりに反対
 −−公務員制度改悪を阻止するためには、どのようなたたかいが必要となっていますか。
 小田川 「中央省庁再編は行革のはじまり」と小泉首相も所信表明でのべています。組織「改革」の次は人の「改革」だとして、公務員制度改革が中心の課題となっています。
 具体的には、@賃金制度の「抜本改革」を軸とする信賞必罰の人事管理(年功賃金・終身雇用の改革)、A各省の人事管理権限の強化(実施部門の総「独法化」)、B人事院制度の全面見直しが「改悪」の中心です。
 賃金・人事管理制度を「職務(仕事の役割、専門性、経験)」を基軸とするものから、能力や実績の評価に基づくものに変え、人事院勧告を形骸化して、各省が総人件費の枠内で「責任」をもって運用する仕組みに変えようというのです。賃金や処遇の格差はあたりまえ、評価によっては賃金の切り下げも、といったことも考えられます。
 KSD事件にもみられる「政官財」の癒着に、国民の批判が強まっている時に、そこにはメスをいれず、実施部門の「合理化」=行政サービス切りすてのため「逆立ちの改革」をおこなおうとしているのです。
 しかも、公務員労働者の働くルール(労働条件)の「改革」であるにもかかわらず、政府が一方的に決定しようとしていることも問題です。
 「労働条件の変更は、労使の協議を尽くす」という「あたりまえのルール」さえ、今の政府は守ろうとはしていません。その点では、露骨な労働組合攻撃でもあります。
 国民のための民主的行政をおこなうためには、民主的な公務員制度の確立こそ求められます。国公労連は、「大枠」にもとづいた「基本設計」を許さず、労働基本権確立をふくむ制度の民主化のたたかいに、組織の総力をあげます。
 全労連が、4月16日に発足させた「公務員制度改革対策本部」の協力も得つつ、「みずからの課題はみずからのたたかいで解決」する決意を固め、50万署名や300万ビラの配布など国民世論への働きかけを重視したいと思います。

○行政の減量化に反対するとりくみ
 −−行革基本法により国民のために行政の切り捨てがすすめられようとしていますが。
 小田川 4月1日に57の独立行政法人が設立されました。明らかになっている中期目標・計画では、人件費を除く運営費交付金を、対前年比で一律1〜2%削減することが盛りこまれています。独立行政法人制度が総額予算管理方式による減量化目的の制度であることが、事実として明らかになっています。
 また、行革基本法にもとづく「公務員25%削減・30%コスト削減」の具体化・強化もねらわれています。 郵政事業庁が、5年間で1万4千人の職員削減を決めた、とする報道がおこなわれています。「構造改革」の一環として、財政構造改革をすすめる動きも出ています。
 むだ遣いともいえる浪費で破綻状態にある財政のツケを、行政実施部門に押しつける動きを強めることは確実です。
 公務員制度改悪反対とも一体で、国民のための行政サービス切りすてに反対し、政府・当局追及を強めていきます。
▽国立病院をめぐっては
 さらに、政府は、国立病院・療養所の独立行政法人化の法案を、来年の通常国会に提出することを「行革大綱」で明らかにしています。そして、2004年度までに「国立病院・療養所の再編成(全体計画)」を達成するとして、4施設の廃止をふくむ「対処方策」を明らかにしました。地域の医療サービスに国は責任を負わない、とする切りすて方針です。
 国公労連は、このような国立病院・療養所の再編合理化・独立行政法人化に反対し、請願署名運動を6月下旬から開始します。
▽司法制度改革は
 司法制度改革も重要な段階を迎えます。6月12日には、司法制度改革審議会の「最終報告」が予定されています。財界などからは、「構造改革」の一環としての司法制度改革を迫る動きも強まっています。「労働者にとって信頼できる司法制度を実現するための要請」団体署名の集約を急ぐとともに、来年度概算要求にむけて、司法の人的・物的拡充を求めるとりくみをさらに強めていきます。

○賃金改善 大衆行動で人事院を包囲 
 −−賃金改善のため、人事院に対してはどのようなたたかいを展開していくのでしょうか。
 小田川 政府・人事院の春闘期の回答は、「人事院勧告制度尊重」、「民間準拠」という従来回答にとどまっています。「電力、自動車などベアゼロ続出」(5/10・日経新聞)という春闘結果からすれば、3年連続の賃金引き下げやベアゼロ勧告の危険性がなくなったとはとうてい言えません。
 また、政府の公務員制度改悪に迎合し、人事院が賃金制度改悪の具体化を強行する危険性もなしとは言えません。
 そのような情勢認識から、統一要求書の一斉提出、上申闘争などで、当局の使用者責任追及を強め、職場連判状、中央行動など大衆行動で人事院を包囲するとりくみを強めます。
 同時に、不当な賃下げ勧告をうけた政府が、まともな交渉もおこなわないままに「賃金切り下げの閣議決定」をおこない続けてきた過去2年間の経過に照らしたたたかいの体制づくりも必要です。「3年連続を許さない」立場から、全単組が組合員の意思確認のうえに、とり得る最大限の実力行使態勢の確立をめざした論議をすすめることとしています。
 公務員労働者に対する攻撃がかつてなく強まっている今、不当な攻撃には、全力でたたかう、という労働運動の原点に立ちかえることが大切だと考えるからです。

○「かえろうデー」を設定
 −−長時間過密労働など公務の職場でも働くルールの確立が必要となっていますが‥‥。
 小田川 非常勤職員の最低労働条件確保の課題も含め、長時間過密労働の男女ともの規制強化や、働き続けることができる労働条件の確保など、働くルールの再確立をめざすとりくみは、過酷な定員削減や公務員制度改悪ともかかわって、重要な課題です。
 とくに、本省庁職場の長時間過密労働解消の課題を重視し、毎月第3水曜日を労働組合としての「定時退庁行動日(かえろうデー)」に設定し、早朝宣伝行動など強力なとりくみをすすめます。
 また、人事院に対して、公務の職場実態にみあった男女共同参画基本計画「指針」の策定を求め、とりくみを強めます。 
 総務省人事・恩給局は、退職手当制度見直しの基礎資料とするため「民間企業退職金実態調査」を実施しています。
 昨年12月に閣議決定された行革大綱でも「長期勤続者が過度に有利となる退職手当制度を改める」ことに言及し、公務員制度改革の「大枠」でも同様に内容が盛り込まれています。
 退職手当制度改悪に反対し、職場段階からの体制づくりをすすめます。
 また、行(二)職員の労働条件等の改善に向けて、行(二)労働者全国集会を開催し、要求とたたかいの交流をはかります。

○組織の強化を重視
 −−組織強化・拡大についてはどんなとりくみに重点を置きますか。
 小田川  4月から6月を「春の組織拡大月間」とし、新規採用者や異動者、未加入者などに総当たりして、組織の拡大をめざします。
 「10人に一人の世話役づくり」など、職場の日常活動の強化や、地域での国公労働者の共闘を一歩づつ前進させていくこと、独立行政法人組織での「過半数組合」の引き続く追求も重視したいと思います。


●人勧期の統一賃金要求案 基本的な考え方

 −−2001年の人事院勧告期要求の基本的な考え方を教えてください。
小田川 人事院勧告期では、生活改善につながる賃金改善という「生計費原則」は維持しつつも、「民間賃金との均衡」や「国民の納得性」に重点をおいた人事院追及が重要となります。
 近年の民間での賃金闘争は、全体としての水準引き上げと同時に、成果主義賃金導入など賃金制度改悪とのたたかいにも重点が置かれています。国公労働者にかかわっても、人事院による俸給体系見直しや、公務員制度改革での職務給廃止論議など、賃金制度改革の課題が急浮上しています。
 2001年勧告では、民間企業での賃金制度改悪を公務に直接持ち込ませないたたかいを展開することも大きな課題であり、そのことを明確にする要求が必要になっています。

○要求額について
 −−生活改善をめざすために、具体的にどのような要求を掲げ、人事院勧告期をたたかうのですか。
 小田川 提起する「要求額・5000円」の案は、春闘要求の切実性をふまえつつ、勧告制度のもとでも生活改善の実現をせまる「歯止め」要求として位置づけます。
 750万労働者に直接影響し、政府がその決定に責任を持つ国家公務員賃金は、社会的な影響力を持っています。2000年の消費者物価指数、勤労世帯の消費支出はともに対前年比でマイナスという現在の状況の中で、公務員労働者が賃金改善要求をかかげることは、消費拡大による不況克服のきっかけとなるものです。
 また、勤続・経験年数もふくめた官民賃金の厳密な比較、過酷な定員削減の一方での業務量の増大や、無定量な超過勤務の蔓延などの労働密度の変化、2年連続で一時金が切り下げられたことによる生活水準の低下など、公務員労働者の生活と労働の実態をふまえ、賃金改善を要求することは、民間均衡の観点からしても正当なものです。
 人事院勧告期では、生活改善要求の切実性を基本におきつつ、生活防衛の「歯止め要求額」をかかげ、労働と生活実態に即した賃金改善を迫るとともに、政府・人事院による賃下げ攻撃、能力・実績主義強化の人事管理、賃金制度改悪を許さない要求を明確にし、たたかいに全力をあげます。

2001年人勧期の国公労連統一要求案

1 公務員労働者の労働と生活の実態に照らし、賃金水準を 平均5,000円引き上げること。また、すべての年代について、賃金の抑制、切り下げは断じて行わないこと。
2 国公正規労働者の最低賃金である初任給について、格付け改善も含めた引き上げをはかること。
 そのことから、高卒V種初任給(1−3)は150,000円以上とすること。
3 職員の各年齢段階に応じた生計費増、公務員としての経験の蓄積や専門能力の高まりを十分考慮した中堅・高齢者の賃金体系の維持改善を行うこと。そのため、本俸について行政職(一)表を以下のように改善すること。
  

級・号俸  現行本俸 引上額 引上率
2級 6号 200,500円 3,700円 1.8%
4級 8号 286,300円 4,200円 1.5%
6級16号 400,000円 5,000円 1.3%
6級21号 419,300円 5,200円 1.2%

 なお、他の俸給表についても、これに準じた引き上げ改善 をはかること。
4 給与制度「見直し」について
(1)民間の「能力・成果」給に準じた制度改悪は行わず、公務員の職務と専門性を基準にした公平な処遇が可能となる給与制度を検討すること。
(2)昇給制度の改悪は行わず、高齢者の昇給停止制度は廃止すること。
(3)短期の勤務実績評価結果(査定)による賃金格差を持ち込む俸給体系の「見直し」は行わないこと。
(4)能力・実績評価結果の給与・処遇への反映を目的とした「能力、実績等の評価・活用に関する研究会」報告による施策の具体化は行わないこと。
5 一時金については、期末手当のみ年間6カ月以上とすること。また、「役職別傾斜支給」および「管理職加算」をやめること。
6 扶養手当について、支給範囲、支給額を改善すること。いわゆる「教育加算」について、大幅な引き上げ改善を行うとともに、「扶養手当加算額」とし比較賃金外の手当とすること。
7 住居手当は、都市部や持家をはじめ、その支給内容を改善し、負担の程度に見合った支給額の引き上げを行うこと。
8 超過勤務手当の支給割合を150%に、深夜勤務および休日給の支給割合を200%に引き上げること。


●シリーズ 職場はいま・・・
 独立行政法人・航空宇宙技術研究所
  過半数組織達成にむけ、心ひとつに
  独法後も研究の発展と労働条件改善めざして

 東京都調布市の閑静な住宅街の中にある航空宇宙技術研究所。調布市(本所)と三鷹市(調布飛行場分室)、宮城県角田市(角田宇宙推進技術研究所)の3カ所に職場があり、職員・非常勤・アルバイトを含め500名以上の職員が働いています。
 研究活動を地道におこないつつ、4月からの独立行政法人化のもとで、組織を拡大させながら、労働条件の改善にむけてたたかいをすすめている総理府労連・航空宇宙技術研究所労働組合(航技研労組・組合員280名)を訪問しました。

 「宇宙」と聞くと遠くはなれた世界のようですが、ここでは、次世代超音速機の研究や、航空機の安全確保のための技術研究などを通して、国民の安全と地球環境をまもる研究をすすめています。
 民間ではできない基礎研究を担うことからも、研究設備の充実など、国が役割を果たすべきなのに、今年の4月から独立行政法人化し、国の機関から切りはなされました。
 独法化されれば、「目に見える」成果がもとめられます。
 たとえば、独立行政法人には3年から5年の中期目標の期間が設定され、その業績は評価委員会によって「評価」されます。「その結果、航技研では民間企業から依頼されてデータをとる業務が増えたり、当局も『外的ニーズに対応しろ』と外部資金に頼った『応募型』の研究も増えつつあります」と副執行委員長の小山忠勇さんは話します。
 また、短い期間で成果を出す研究のみで、長期的な視野にたった基礎研究が切り捨てられる危険性があります。
 くわえて、能力・業績強化の賃金導入や、人件費削減のために派遣研究員が増えることも危惧されます。
 実際に、独法後いくつものグループに「併任」させ、それぞれの業務を数字で競わせたり、一人でたくさんのテーマを抱えている実態も表面化しています。

○執行委員2名増員し、拡大作戦スタート!
 研究環境の悪化は、労働条件の後退にとどまらず、国民生活にもかかわる問題です。こうした攻撃を許さないためには、当局と対等にわたりあうことのできる「強い労働組合」がどうしても必要です。
 とくに、独法では、労使交渉により労働条件が決定されます。労働組合が強いかどうかが労働条件を左右します。そのためには非常勤・アルバイト職員も含む「労働者の過半数」を代表する労働組合をつくることが求められていました。
 そこで、航技研労組では昨年秋から執行委員を2名増員し、組合員一丸となった組織拡大作戦をスタートさせました。

○機関紙を全職員に配布
 具体的には、機関紙「週刊オービター」をアルバイトもふくむ全職員に配布し、組合未加入者むけの「組合のとりくみ紹介」や、独法化の疑問や不安の声に応える「独法に関する法令解説」など学習シリーズを毎号特集して、紙面を充実させました。教宣担当の高木亮治さんは「週刊オービターは、組合員同士をつなげる重要なパイプになっています」と機関紙活動の大切さを話します。
 また、ビラやポスターで幅広く組合加入をアピールし、昼休みには「組合なんでも相談」窓口を開設しました。

○メールも活用し呼びかけ
 一人ひとりへの地道な呼びかけも重視しました。職種や世代によって内容を変え、手紙やメールをおくり、加入をねばり強く訴えました。拡大の成果や失敗談もメールで交流、お互いに励ましあって組合拡大がすすみました。執行委員の小松増美さんは「仲間全体が、なにかをやらなくちゃ!という雰囲気でした」と楽しそうに話します。

○非常勤やアルバイト職員も視野にいれて
 非常勤・アルバイト職員の組織拡大にも力を入れました。賃金水準の低い非常勤職員の組合費を500円に引き下げ、処遇改善問題を検討する「非常勤・アルバイトワーキンググループ」を立ち上げ、機関紙「ひじょうきんつうしん」も発行しました。 
 また、昨年11月に120名を越えるアルバイト職員にアンケートを実施しました。アンケートでは、休暇への不満や独法後の雇用の継続への不安が寄せられており、それらの要求にもとづいて交渉し、有給休暇の改善などを勝ち取っています。
 アルバイト職員に組合加入を訴えると、「声をかけてくれるとは思ってなかった」「待っていた」など反響が相次ぎました。

○組合に高まる信頼感、つよまる団結
 こうした努力が実り、2月22日に組織の過半数の達成を宣言しました。組織担当の星野健さんは「そのころは4月1日が目の前にせまり、緊張の連続。必死でした」と苦笑い。そうしたまじめな姿が職場にも伝わり、「組合ががんばっているので、感激した」といって、組合加入届けをもってきてくれた人もいました。
 「労働条件を改善させるためには、数の力はとても大事です。みんなで協力しあい、集中的に組織拡大をとりくんだ成果です」と執行委員長の野崎理さんは語ります。
 組合の力がためされるのはまだまだこれからですが、評価制度などでも組合の主張を、当局に認めさせています。「独立行政法人移行をのりこえ、仲間の団結が深まりました。これからも国民が必要とする研究めざしてがんばります」と書記長の山根敬さんは、抱負を語っていました。

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