国公労新聞 第1071号

●「すべての労働者に賃上げを」「働くルール確立しよう」

新世紀春闘勝利!3・2中央行動 −−中央決起集会には全国から1万人が結集−−

 春闘のヤマ場を前にした3月2日、2001年国民春闘の勝利をめざす一大総決起の場として、「新世紀春闘勝利!3・2総行動」がとりくまれました。この行動は、民間と公務の労働者が一体となった文字どおり「全労働者の共同行動」として開催されたものです。官民39単産・団体約1万人が結集しました。
 当日は、「大企業のリストラ合理化反対」「すべての労働者に賃上げを」「働くルールを確立しよう」「森内閣はただちに退陣せよ」の声が、国会周辺や霞が関官庁街に、朝から夕方まで響きわたりました。
 国公労連では、全国から集まった1500人の仲間が、霞が関総行動にとりくみ、切実な要求実現を内外に大きくアピールしました。

〇会場の外にまで参加者が
 日比谷野外音楽堂で昼休みに開催された「中央総決起集会」には、会場の外まであふれるほどの人が集まりました。国民春闘共闘委員会を代表してあいさつに立った全労連小林議長は、「森自公保内閣のひとケタ台の支持率、KSD・機密費疑惑、史上最悪の失業率などに国民・全労働者の怒りは沸騰している。この力を集めて、すべての労働者の賃上げを勝ち取り、働くルールを確立するまでたたかいぬこう」とよびかけました。
 集会後は、国民いじめの来年度予算の採決強行がねらわれている国会にむけてデモが出発。延々と続くデモ隊列は、怒りのシュプレヒコールを響かせました。

〇3か所で要求行動を展開
 中央行動の中で、国公労連は、行革推進事務局前、総務省前、人事院前の3か所で要求行動を展開し、公務員制度改悪、能力・実績主義強化は許さないという決意を力強く示しました。
 1万人の力を集めたこの行動の成功を確信に、3月22日の「早朝時間外職場集会」の全員参加に向けてとりくみを強化しましょう。


●参加者の声
▼全港建松山港支部 山田 祥平 さん
 働きはじめて2年ですが賃金が安く、大幅賃上げは切実な要求です。悲しいことに、お金がないから休日はどこにもいけないことも…。省庁再編で地方整備局体制になり、経理ではたらく僕としては実務が増えて大変ですが、労働運動も力の限りがんばります。

▼全建労筑波地本地理支部 白井 宏樹 さん
 今の賃金では、生活は厳しいです。中央総決起集会では、民間の労働者を含め、たくさんの仲間とともに、大幅賃上げを勝ち取りたいと決意を新たにしました。職場は、人減らしと業務量の増加により大変な状況です。総務省には、大幅増員を強く求めたい。

▼全医労肥前支部 栗山 恵子 さん
 中央行動には初めて参加しました。新聞などで様子は見ていましたが、実際に参加してみると、予想以上の人が集まっており、労働組合の数の力を実感しました。職場では、2004年の国立病院の独立行政法人化の問題で、この先どうなるのかという不安が大きくなっており、先が見えないという状態です。


●2・21地域総行動 地域に結集し行動を展開

 2・21地域総行動では、国民春闘共闘や全労連などが全国1500か所で宣伝行動などを展開しました。
 各県国公では、さまざま行動がとりくまれました。
【香川県国公発】香川県国公では、輸入食品の検査が省略されている実態をつたえるとともに、独立行政法人化など行政サービス切り捨てに反対する内容の「行政改革反対ビラ」を作成しました。
 ビラは、県労連の地域総行動としてとりくまれた高松市内での街頭宣伝で配布されました。
 街頭宣伝には、県国公の組合員など約60名が参加し、「輸入食品で実際に検疫が行われているのはわずか3%」など、行政改革や規制緩和により国民の食生活が危うくなっている実態を訴えました。


●社会問題化する医療事故 背景には深刻な人員不足の実態

−−全国で看護婦増員の緊急署名を展開−−
【全医労発】昨年から、医療事故の報道が続いています。国立病院でも、人工呼吸器などの事故が起こっています。どんな場合でも、医療事故はあってはならないものです。
 しかし、医療事故の背景には、深刻な人員不足という職場実態を問題にせざるをえません。
 日本は他の先進諸国に比べて、看護婦がきわめて少なく、長時間過密労働を強いると同時に、患者さんへも大きなしわ寄せを及ぼしています。
 とりわけ国立病院は、他の公的病院と比べても看護婦が少なく、夜勤は月8日以内とする人事院が35年も前に出した「夜勤判定」さえ守られていません。そのため、7割を越える看護婦が健康に不安を感じており、切迫流産も3割を越える状況となっています。
 現場では、医療事故の報道に心を痛めながらも、「いつか自分も事故の当事者になるのではないか」という不安感とともに、上意下達の非民主的な職場運営のもとで、看護の達成感も得られなくなり、辞めたいと悩む看護婦が増えています。
 全医労はこうした状況を改善するため、さまざまなとりくみをすすめており、昨年の秋闘では、医療事故防止のための「提言」を発表し、厚生省・施設当局に対して「提言」にもとづく改善を申し入れました。
 また、11月28日には、シンポジウムを開催し、患者家族や弁護士など、医療を受ける立場からの率直な問題提起も受けながら、問題点を掘り下げ、医療事故防止のとりくみのあり方を明らかにしてきました。
 2001年春闘では、増員要求とあわせて、今通常国会での「国立病院の看護婦増員」の請願採択をめざし、5月末までの短期間で50万名を目標とする看護婦増員の緊急署名をすすめています。
 安全でゆきとどいた医療・看護の実現のため、寒さのきびしい中で横浜や熊本の繁華街で白衣の署名行動が実施されるなど、全医労の総力をあげた運動として展開されはじめています。


●3・1ビキニデー 反核平和の声を職場・地域から

 2001年3・1ビキニデー全国集会は、静岡市内で開催されました。
 全法務や全建労では、今年の3・1ビキニデーを成功させるため、パンフレットを活用し、反核平和の風を職場・地域から吹かせて参加するなど、国公労連全体では約50名の参加がありました。
 集会では、新しい世紀を迎えて、核による脅威から1日も早く解放された、希望のある時代にしようとの決意が、日本はもとより世界各地に広がっていることが報告されました。
 参加者は、核廃絶の世論と運動を強めていくとともに、国民平和大行進、原水爆禁止2001年世界大会を成功させようとの決意を固めあいました。


●独立行政法人の労組結成すすむ  

 4月1日から全通産に5つの独法労組
 全通産は、3月1〜2日に東京・晴海で臨時大会を開催し、4月1日から名称を全経済産業労働組合(略称:全経済)に変更するとともに各独立行政法人労働組合を結成するための規約改正を行いました。
 これをうけて、独立行政法人労働組合の結成が進んでいます。(別表参照)
 全通産は4月の独立行政法人化を目前に控えて、該当職場の労働条件の維持・改善のために全力でとりくんでいます。

別表  全通産の独立行政法人労働組合
3月2日に結成
 産業技術総合研究所労働組合
 製品評価技術基盤機構労働組合
 工業所有権総合情報館労働組合
結成に向け準備中
 日本貿易保険労働組合
 経済産業研究所労働組合



〇新労組結成で要求前進めざす
 産総研労働組合 吉門洋委員長
 産業技術総合研究所(産総研)の全国9つの地域の職場を直接1つに結ぶ産総研労働組合の出発です。
 独立行政法人への移行が具体化されるに伴い、独立行政法人は、重点化・効率化という名で職場の合理化や整理縮小をねらうという本質がどんどん露呈してきました。しかも当局は産総研でその模範を示すという動きを見せています。
 研究機関本来の役割を放棄する理不尽なやり方に、職場には怒りの渦が広がっています。3月16日には、全国の産総研の職場の仲間が本省に集結し、集会と引き続く交渉でこの怒りを当局にぶつけていきます。
 国公労連を含め、多くの仲間の参加により集会を成功させたいと考えています。


●革新候補を推せん 千葉県知事選挙

(3月8日告示 3月25日投票)

 国公労連中央執行委員会は3月5日、千葉県国公の要請をうけ、千葉県知事選挙に県労連などの幅広い民主団体などで構成する「明るい民主県政をつくる会」が擁立する、医師の河野泉さんの推せんを決定しました。
 河野さんは、三番瀬の埋立て、東京湾口道路などの巨大開発優先の自民党中心の県政から、住民の暮らしや福祉中心の県政に転換させることをめざして奮闘しています。
 また、首都圏の一角、人口600万人の千葉県で、自民党政治に「ノー」の世論が勝利をおさめることは、国政にもおおきな影響を与えることとなります。
 県民・労働者が主人公の新しい民主県政への転換をかちとるため、全国からの支援を呼びかけます。
〇河野 泉さん
 医師、市川市民診療所所長、平和と民主主義を守り革新統一をねがう市川懇話会代表世話人、元千葉県民医連会長

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