国公労新聞 第1057号

憲法がいきる行政・司法の確立へ いま、国民の中へ国民とともに
  --国公労連第46回定期大会ひらく--  

 国公労連は、8月28日から30日の3日間、東京都内で、第46回定期大会をひらき、2000年度の運動方針を決定し、新役員を選出しました。
 大会は、2001年1月からの1府12省庁をはじめとする中央省庁再編を目前にひかえ、また、2年連続の年収切り下げと俸給表の改定見送りという史上最悪の人事院勧告が出されたなかでの開催となりました。
 大会討論では、足かけ4年となる行革闘争や、2年にわたる調整手当改悪反対のたたかいを通じて、「たたかえば要求は前進する」との確信が広がっていることや、運動への国民的な支持を広げる取り組みが職場・地域で多様に展開され始めたことなど、たたかいに裏うちされた多くの教訓的な発言が出されました。
 行革闘争では、1045名の組合員が参加し、全県で取り組みを成功させた全法務の「法務行政相談」、コンクリート構造物の強度を計測し、その危険性を明らかにした全建労の「行政研究活動」、相次ぐ医療事故の背景を告発する全医労の「宣伝物(パンフレット)の作成」など、行政改革の問題点を行政第一線の職場から「点検・公開」する取り組みの実践が報告されました。
 また、大会では、省庁再編や独立行政法人化などに対応した組織整備と同時に、「10人にひとりの世話役づくり」の取り組みなど職場での運動を強化することと、あらゆる運動を「国民の中へ、国民とともに」すすめていくことが、困難な情勢をきりひらくキーポイントであるとの意思統一がはかられました。
 なお、今大会の役員選挙で、中央執行委員長に堀口士郎氏(全労働)、書記長に小田川義和氏(全法務)を新たに選出しました。



2年連続の賃下げ許さない「要請署名」にとりくもう
  人勧の「完全実施」を政府が閣議決定

 9月19日、政府は、2000年人事院勧告の「完全実施」を閣議決定しました。国公労働者と家族の生活を直撃する2年連続の年収マイナスとなる一時金の0・2カ月切り下げや、俸給表の改定を見送るといった内容の勧告は、到底受け入れられるものではありません。 国公労連は、このような給与法「改正」に反対して、8月15日の勧告以降、職場からの「連判状」や上申行動などを展開してきました。閣議決定は、このような取り組みに示された要求の切実さや職場の怒りに背を向け、使用者責任を投げすてるものです。
 そして、人事院勧告の影響が、国公労働者だけでなく、私立学校、病院職員など750万労働者に直接およぶことをふまえれば、民間の年末一時金闘争や、来春闘の賃上げ、さらには、深刻な消費不況への悪影響も懸念されます。それだけに、公務員賃金の改善をすべての労働者の課題として、職場や地域から共同をひろげていくことが重要になっています。
 9月21日に開会された臨時国会で、政府は、10月上旬にも給与法「改正」案の提出をねらっています。国公労連は、公務労組連絡会に結集して、国会議員あての「要請署名」(団体署名)に取り組みます。緊急にたたかいを強め、署名を通して職場から怒りの声を国会に集中していく必要があります。

国公労連委員長就任にあたって
 国民とともに進める行革党争に全力を
  堀口士郎国公労連新委員長


 委員長に選任された堀口です。みなさんのご支援・ご協力をいただきながら全力でがんばる決意です。
 私は大会の議論をつうじて、次のことを痛感しました。1つは、「国民のみなさんとともにすすめる行革闘争」の重要性です。大会では、続発する医療事故の背景に、あまりにも少ない人員・労務管理の強化があること、劣悪な気象観測体制の実態、建設現場でのコンクリート劣化問題など、政府のすすめる行政改革、規制緩和、定員削減強行のもとで、国民のいのちとくらしを守るべき国の責任が、形骸化・後退させられている実態が生々しく報告されました。公務員労働者としての悩み、怒り、労働強化の根源がまさにそこにあると思います。
 2つめは、生活改善、労働環境改善の要求がいっそう切実・緊急の課題となっていることです。職場の仲間たちは長時間・過密労働のもとで健康・家庭を犠牲にしながら、行財政・司法の現場を必死で支えています。
 また、不当な人勧によって生活悪化を強いられる状況となっています。行政改革は省庁の統合、独立行政法人の発足など、いよいよ具体化の段階に入ります。
 このような情勢をみるとき、国公労働運動の「原点」である、みずからの要求実現と、国民のみなさんの望む行政改革の方向を、一体的に追求する運動の発展が、局面打開のキーポイントだと思います。「国民のなかへ、国民とともに」の運動を全国の職場・地域で実践したいと思います。
 私は、離島の職場で勤務した経験もあります。全国のみなさんと行政のありかたや日本の将来をおおいに語り合っていきたいと思います。
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藤田委員長の大会あいさつ(要旨)
 「歴史の節目」の国公運動 労働組合の「原点」の再確認を

 本大会は、20世紀と21世紀をつなぐ「歴史の節目」に位置する1年間の出発点と思います。直面している運動課題をめぐる情勢は、否応なく「歴史の節目」を実感させます。

●行政民主化土台に賃金闘争の前進を
 第1に、今年の人事院勧告は、労働基本権の代償措置というものがあり得るのか、公務員の賃金闘争はどうあるべきか、などの諸問題について、われわれにあらためて鋭く問いかけたと思います。  時どきの人事院勧告に影響をあたえてきた条件は何であったのか。1つは、時どきの政治・経済の動向であり、もう1つは、われわれ自身のたたかいをふくむ労働者全体のたたかいの前進状況であったと思います。これが、歴史の教訓です。  この教訓をもとに、いまの時期あらためて重視すべきだと考えるのは、国民とともにたたかう賃金闘争、という課題です。  公務員の賃金は、国民の理解と納得が前提にすわらなければなりません。それは、単に公務員賃金の社会的影響力を問題にするだけでは不十分です。  何よりも大切なことは、公務員労働者に対する信頼の獲得だと思います。行政民主化闘争が土台にすわらない賃金闘争はなりたたないと思います。

●行政闘争の教訓「国民のなかへ」
 第2に、1府12省庁体制や独立行政法人化がスタートし、行革闘争は新しい段階にはいります。国公労連の綱領的スローガン「憲法を暮らしと職場、行政のなかに生かそう」の具体的な実践の段階だと考えます。
 新省庁体制などについて、いまもなお賛美する論調が少なくありませんが、この「行政改革」は、歴史の歯車の逆転にほかなりません。
 足かけ4年間にわたるたたかいの教訓は大変貴重です。その真髄は、「国民のなかへ、国民とともに」というスローガンのなかに集約されているところです。 4年前、世の中はまさに「行政改革」一色でした。「行革」こそがこの国を救う、という世論誘導のもとで、「行政改革」に反対する者は「非国民」といわんばかりの風潮が支配的でした。そのような足のすくむようななかを、全国の仲間たちは、勇を鼓して地域に足をふみだしたのです。そして、ねばり強く世論に訴えてきたところです。
 そうした結果、こんにちでは無視できない世論の変化がはじまっていることを確信します。本当の意味での「行政改革」とは何か、について考える国民がふえていることは事実です。
 第3に、「歴史の節目」ということでは、20世紀をどう評価するかが大変重要です。科学・技術の飛躍的な進歩、平和と民族自決・人権と民主主義をめぐる各国人民のたたかいの歴史的な前進などは、まさに20世紀を特徴づける人類の偉大な到達点だと思います。
 同様に、わが国労働組合運動の状況をみますと、歴史の流れのなかでとらえれば、新たな前進の可能性が存在しており、その点を見落としてはならないと思います。
 わが国の労働組合の歴史は、まだ100年余にしかすぎません。しかも、前半は絶対主義的天皇制のもとにありましたから、まがりなりにも民主的な土俵にのって、まだ50年余にすぎないわけです
 そのなかで、全労連が誕生して、ようやく10年を経たばかりです。全労連は、財界など支配層の思惑に逆行して確実に前進しており、その存在こそが、わが国労働組合運動前進の最大の拠りどころであると確信いたします。  いま、われわれのまわりにも、「団結」とか「たたかう」という用語に背をむけたがる人びとが少なからずいることはたしかです。しかし、そのことは、必ずしも「団結」とか「たたかう」こと自体を否定しているわけではないと思います。そういう時であるだけに、労働組合は、その存在の原点を再確認する必要があります。労働組合が愚直な面を失ってはいけないと思います。もちろん、変化に対応する柔軟さは必要ですが、愚直と言われようと、労働組合は、その「初心」なり「原点」を忘れてはならないと思います。

大会全発言

●行革闘争
 行政民主化を柱に職場・地域で国民との「対話と共同」を

○「対話と共同」を軸に、国民本位の行財政・司法の確立にむけた世論のひろがりを追求してきた行革闘争をめぐって、19名から発言がありました。討論では、臨戦体制を確立してきた3年間のたたかいの到達点に立ち、「25%定員削減」反対署名や「全国縦断キャラバン行動」をはじめ、行政相談、懇談会活動など、職場・地域からの豊かなとりくみの経験が報告されました。また、来年からの新省庁体制や独立行政法人化がひかえているもとで、政策活動の重要性や、「国民の中に、国民とともに」たたかっていく運動継続の決意が強調されました。

東北(及川)
 「対話と共同」めざし、行政利用者アンケートにとりくんだ。国の機関のイメージとして「不勉強」「不親切」などがめだった。回収率は低かったが、貴重な声がよせられた。

全法務(石岡)
 国民との総対話運動として全支部での行政相談活動を追求。駅頭宣伝やマスコミを活用した事前PRが功を奏し800件の相談、68万の増員署名を集約した。支部の力量を高められた。
 愛知(川添)地区国公・単組を軸に対話活動を展開してきた。団体署名の集約は不十分だったが、民間の仲間の行革に対する考えが、国民の生活にかかわるものという意識へ変化してきた。地区国公の役割が重要だ。

全建労(山田)
 地方分権に関わって道路・河川を地方自治体にまかせる答申が出た。独自アンケート、住民対話など地域を巻き込んだ運動を展開して、地方議会請願採択、地方紙の報道などを実現させるなかで、組合員の確信を深めた。
 全医労(淀)医療事故の原因は、少ない看護婦のもとでの過酷な労働条件にある。看護婦に責任をなすりつける当局の姿勢など、安全に対して国はあまりにも無責任。病院統廃合反対とむすびつけ、地域に打って出る運動を広げたい。  

全建労(山本)
 公共事業のあり方について、政策提言や職場討議を広げている。官民労働者の共同行動として生公連署名やシンポ開催など、公共事業の転換と建設労働者の労働条件の改善を進め、ゼネコン本位からの転換をめざす。  

全労働(藤石)
 国民から相談を受けるには心の余裕が必要だが、人が足りず、充分に応えられない。国民世論を変えるなかで、大幅増員を実現したい。そのためにも、行政相談活動を積極的に追求する。  

全建労(中野)
 全労連の網の目キャラバンでは、労働組合、自治体要請にとりくみたい。そのための宣伝物として、各単組の関係の行政実態をまとめたパンフなどをつくってほしい。  

全労働(橋本)
 会社分割法は悪用されれば組合つぶしに使われる危険性がある。行革とも関連させて、自らの問題としてとりくむべき。また、不当労働行為法制の改悪もねらわれており、労働組合としてのとりくみ強化を。  

全厚生(杉浦)
 厚生行政の民主化を柱に、行政研究活動を積極的にすすめたい。岐阜では「双方向の対話」に発展。本省対策では、定時退庁行動や長時間残業の告発など、今後は全労働の仲間とともに力を入れたい。  

中国(富田)
 「国民の中に国民とともに」の実践が、島根の大田病院をまもるたたかいだった。医療研究集会やアンケート活動のなかで住民を味方につけてきた。たたかいを風化させないために、キャラバン行動で大田集会を開いた。  

全医労(保木井)
 国立病院・国立大学での独法化に反対して、地方からの共同闘争がもとめられている。全医労は、統廃合委譲反対と独法化反対で200万署名をとりくむ予定だ。国公労連の協力をお願いする。  

全港建(小濱)
 公共事業のムダが批判されるなか、いま、港の政策を議論している。政官財のゆ着を断ち切ることが求められる。10人に1人の世話役活動ともあわせて、民主的な公共事業のありかたについて国民の理解をひろげていく。  

高知(川村)
 95年以来の行革闘争では、まだ情勢を大きく変えるまでにはいたっていない。地域で活用できる行政レポートを組合員の手でつくっていくこと、全労連・県労連の影響力の拡大、政治の革新をはかることが必要だ。  

全建労(金子)
 公共事業をひとまとめにして批判する傾向があるが、治山治水事業は重要であり、地方では、公共事業が地域経済を支えていることも事実だ。「逆立ち財政」の強調ではなく、住民との議論をふまえた見直しが重要だ。  

全労働(木村)
 行革が新たな段階に入るもとで、行革闘争を国民的にひろげるためにも、自治体労働者との共同にむけ、公務大産別への働きかけを。「点検・公開」運動は、趣旨は理解するが、十分な議論と意思統一を。  

全気象(伊藤)
 有珠山噴火では、不十分な人員体制のなかで過重労働がつづいた。予算と人手不足で、常時監視できない火山がたくさんある。大幅増員や観測体制の充実など、国民のための気象事業の確立にむけて奮闘する。  

全建労(大槻)
 コンクリート劣化が社会問題になり、強度点検をしてみたら、30年前の建物の方が、いまよりも強度があったと、東北の行政研究集会で報告があった。自分の職場の問題点を明らかにするには勇気もいるが、その実践こそ必要だ。  

全税関(宮応)
 税関当局は、規制緩和こそ世界の流れとし、簡易申告制度の導入をねらった。全税関は、「誰に対しても同一手続を」の関税法の精神を前面にして、民間組合とも共同をひろげ、大きな歯止めを勝ち取った。

●賃金・労働条件  
マイナス勧告に怒りぶつけ調整手当のたたかいに確信

○賃金闘争、労働条件改善のたたかいをめぐっては、31名から意見がのべられました。とりわけ、2年越しとなった調整手当の改悪に反対するたたかいでは、中央・地方が一体となったとりくみにより人事院の当初のねらいをおしとどめるなか、手当改悪対象となった県国公を中心に、「たたかえば要求は前進する」との確信に満ちた発言があいつぎました。
 また、2年連続の年収ベースでの賃金引き下げ勧告が強行されるもとで、ストライキ体制の確立や労働基本権回復の必要性についての意見が出されました。

 福岡(蛇島)
 調整手当では、よくがんばったという職場の声がある。たたかう労働組合の姿を組合員にしめした。いっぽうで、行革・公務員制度改悪の一環だという認識が弱かった。今後、調整手当のあり方についても研究が必要。  

北海道(富塚)
 札幌・小樽の調整手当改悪反対で、寒冷地手当闘争以来の運動を展開し、国公労働者の団結は強まった。また運動に対する国民の理解も重要。そのためにも、国民本位の行政実現に努力することが大切だ。  

近畿(伊藤)
調整手当のたたかいでは、賃金構造基本統計調査の3年分の指数、誤差率、サンプル数や10万人未満都市のグルーピングなどについて学習を深めたことが、当局をおいこむ力にもなった。指標の不当性は明らかだ。  

愛知(若杉)
 愛知・東海で11月に国公・自治労連、医労連、全農林も参加する調整手当共闘会議を再開し、早朝宣伝行動・集会などで運動を展開。賃金カットに抗議する県職員の集会に参加するなど共同が広がった。  

九州(野田)
 調整手当では、6回の人事院交渉をはじめ、集会、デモなど総行動10回で、1万6千筆の独自署名、当局あての要求決議、打電、自治体・地域団体署名などにとりくんだ。たたかえば要求は前進することに確信。  

長崎(田代)
 調整手当のたたかいでは、長崎市内商店街へ署名行動に入るなど、官民問わず運動が前進した。その結果、長崎の手当改悪が阻止でき、久しぶりに組合の役割を示すことができ、労働組合の力を実感した。  

青森(小倉)
 夏季闘争では「せめて5,000円」の要求を掲げ、地区国公オルグ、代表者会議などで運動の徹底をはかり、署名、当局交渉を展開した。貸切りバスで往復7時間をかけて人事院交渉に参加するなど久々に盛り上がった。

総理府労連(柳)
 昇格闘争では、6者共闘による霞が関・総務庁前行動を成功させ、恩給・統計で要求が前進した。行革団体署名では、地域に足を出し、目標を上回る署名を獲得。これまでにない成果に組合員が確信を深めている。  

全通産(泉部)
 賃金闘争では、対政府交渉の強化と同時に、Vマップを活用して世論を変える大宣伝行動が必要。来年からの独法化のもとで、産別統一要求は底上げ要求で、各独法ごとでは有額回答迫るたたかいが必要。  

中国(藤井)
 調整手当見直しは暫定と新規指定との新たな矛盾を拡大した。在勤主義や定率主義を含め引き続き追及を。200年人勧の標準労働者比較や較差未配分は問題だ。地域春闘の活性化にむけてビクトリーマップの活用を。  

全通産(熊谷)
 人事院の標準生計費は、40歳台後半の年代層や大学教育費の実態をふまえていない。データを公開させるべきだ。なお官民とも男女の賃金格差がある。差別是正にむけて共同のとりくみを強化すべきだ。

全司法(岩満)
 賃金課題で確信をもって国民のなかへ入って行くために、節目ごとに職場での討議や学習を重視する必要がある。ストライキの提起にあたっては、国民の理解、職場感情、組織への影響などを考慮した対応がもとめられる。  

大阪(森井)
 労働相談を通じ、労働基準行政の後退が指摘されている。賃金闘争では、行政民主化の観点こそ必要だ。行政の見直しを実践したい。賃金闘争で、民間の交渉への参加を含めた具体的な方針提起を。  

全建労(沼尻)
 2年連続マイナス勧告に一部では敗北感もある。国民春闘のとりくみが人勧にどう反映したのか見えるような総括が重要だ。また、人勧の改善・改悪部分の取り扱いについて組合員の意見反映の場をつくってほしい。  

全運輸(田中)
 労働基本権確立のとりくみや、ILO署名などが形骸化しつつある。もっと権利問題について学習し、実践とむすびつけた議論の場をつくるべきだ。国鉄問題も重要な局面。全動労勝たせる会にも加入してほしい。  

全港建(山下)
 人事院が「代償機能」を果たさない状況をふまえ、労働基本権の確立と新たな賃金要求のあり方を検討する必要がある。公共事業の民主的転換をめざす生公連署名運動を通して、国民との対話と共同をすすめる。  

全運輸(松浦)
 ストにつぐ戦術としての早朝時間外集会は結集が困難になっているし、若い組合員から不満も出ている。政府・当局に対する圧力にもならないのではないか。他の形態はないのか、やるなら結集強化の方策を提起すべきだ。  

全運輸(八谷)
 春闘時の早朝集会や昼休み集会に青年の不満が多い。四国航空支部では交代制勤務のため早朝であれ、昼休みであれ、わざわざ家から出かけてくると言うことで不満が多い。交代制勤務に見合った集会の提起を。  

全労働(河村)
 賃金要求アンケートの内容・時期を検討すべきだ。人勧期要求の新たな考え方を早めに提起してほしい。マイナス勧告のもとで実力行使の目標について理論的整理が必要だ。賃金抑制を断ち切るため主体的にたたかう。  

全法務(金親)
 確信ある賃金要求の確立がもとめられている。要求額は多数を結集する3分の2ラインとすべきだ。人勧期要求は、労働と生活実態を反映し、国民の理解が得られる方向で議論すべき。実力行使体制の確立は早めに提起を。  

全運輸(宮垣)
 組合員、国民が理解できる賃金要求の確立と闘争が必要だ。全活会議での3目標と春闘アンケート結果の整合性ある結合が必要だ。人勧制度が機能を果たさないなかではスト体制の確立、基本権回復のとりくみが重要。  

全建労(明比)
 春闘で2万7千円の要求を掲げたが、政府・人事院の回答は従来の域を出なかった。人勧も2年連続で年収ベースマイナスでは、アンケートの集約数も落ちる。生計費重視のたたかいにむけ、今年は家計簿調査を行う。  

全通産(増田)
 要求アンケートでは、集計作業で一番大変なのが職場で行う第1次集計だ。パソコン集計の方法を開発したので、希望があれば配布する。  

全労働(森崎)
 総務庁、人事院は能力・実績主義強化を言うが、労組骨抜きのねらいもある。「信念に基づいて仕事を正しく行うのに組合が必要」という観点で、国民の正しい理解を得るとりくみをすすめよう。  

全建労(佐藤)
 全建労差別をねらい、建設省当局が「総合評価」をうちだしている。職場に差別をもちこむ人事評価制度は反対だ。今年の4月に国公労連として意見をだしているが、とりくみの強化を要請する。  

東京国公(三井)
 長時間残業は、霞が関だけでなく、地方にも広がっている。政府公約の1800時間達成の実行を迫りたい。同時に、労働時間に関するILO条約批准は、民間と共同できるとりくみだ。  

全通産(加藤)
 本省庁ではたらく仲間の残業問題は深刻で、健康破壊・過労死を生む温床になっている。組織拡大の成果があがらないのは、本省の人間関係の希薄さにも原因がある。長時間労働の解消にむけ違法なサービス残業の追及を。  

全国税(山口)
 時短要求は強い。フランスでは週35時間制実現で雇用も創出されている。国税では始業時間が東京、横浜が朝9時、川崎は8時30分という格差を是正せよという声が強い。横並びの運動の展開を。

●国民的課題
 沖縄から世界へ平和をアピール
 地方政治の革新を職場の声に

○平和と民主主義を守るたたかい、国・地方政治の革新をめざすたたかいなど、国民的課題にかかわって、6名から発言がありました。
 7月の沖縄サミットをめぐって、「人間の鎖」で嘉手納基地を包囲し、米軍基地撤去を世界にアピールした沖縄の仲間の報告をはじめ、大阪府民の力で知事を退陣に追い込むなかで、府政の革新をめざしてたたかった大阪国公からの発言などをとおして、あらためて国公労働者として、国民的課題の前進にむけた共同拡大の重要性が明らかになりました。

開建労(東浜)
 定時退庁行動では、当局からの命令を出させるなど一定の成果得た。サミットが終わって、基地の県内移転をせまる動きが強まっている。嘉手納包囲の成功をステップに、これからも沖縄から基地問題について発信していく。  

沖縄(中村)
 沖縄サミットで使われた費用800億円は、気象庁の1年間の予算額にも相当する。途上国で1200万人分の学校を建設できる。嘉手納基地包囲行動で世界にアピールできた。カナダ首相も沖縄の基地のひどさに言及。  

大阪(山田)
 大阪府知事選挙では、教宣資料を作成し、組合員に広げた。残念ながら当選はできなかったが、選挙闘争の柱と基礎を築くことができた。これからも地方政治革新を職場の声にする努力をしていく。  

福島(菅野)
 福島知事選では、独自の学習会にとりくんでいる。もっと労働組合として県政に関心を持ち、要求を確立すべき。国の行政民主化をすすめるうえでも、県政の民主化は重要な課題だ。知事選勝利にむけてがんばる。  

北海道(池上)
 有珠山噴火の被災者への支援のために、カンパ活動を全国に呼びかけた。集まった救援金は、噴火災害連絡会議を窓口にして日赤・北海道支部を通じて被災住民に届けた。全国からの協力に感謝する。  

全司法(井上)
 少年法改正法案は廃案になったが、秋の臨時国会に再提出しようとしている。刑事処分を14歳に引き下げる、むき出しの治安強化だ。日弁連の司法制度改革署名が150万集約された。200万めざしとりくみを強化する。

●組織の拡大・強化
 
「10人に1人の世話役づくり」で職場を基礎にしたとりくみを

○組織の拡大・強化をめぐっては、○○名から発言がありました。県国公の組織強化、職場の組合員拡大からはじまり、本省庁組織の強化、省庁再編や独立行政法人化を前にした組織の整備、さらには、青年・女性の組織強化など、発言は多岐にわたりました。
 討論を通して、組織方針の重点として提起している「10人に一人の世話役づくり」も追求しながら、職場を基礎にした、労働組合運動の原点に立った日常的なとりくみの必要性があらためて明らかにされました。  

全税関(上山)
 賃金差別裁判は極めて重要な局面を迎えた。「6・9集会」は画期的なとりくみとなった。差別是正、大蔵行政の民主化にむけた大蔵包囲行動は大きく広がっている。こうしたなか昇任・昇格で貴重な前進も勝ち取った。  

宮城(昆野)
 地域からの共同が重要だが、まだ受け身の運動にとどまっておりみずからのたたかいになっていない。民間との共同でも、一方的な協力要請ではなく、相互の対話こそ必要だ。その実践に、今後とも奮闘する決意だ。  

全通産(依田)
 研究所の独法化では、調整手当の支給額や、任期付研究者の組合加入促進などの課題がある。評価制度に対しては、職場の意見は必ずしも一致していない。労働条件を後退させないため、産別の闘争強化を要請する。  

全運輸(宮垣)
 運輸省内の独立行政法人対象組合との共同がすすんでいる。労働条件の低下を許さないために、国公労連への結集強化が必要。運輸行政の規制緩和などで、民間の交通運輸労働者などとの対話と共同をひろげる。  

総理府労連(小林)
 総理府共済は、連合系組合とも協力し、民主的に運営してきた。そのなかで、来年1月の省庁再編を前に、財産分割や委員選出で内閣府が非民主的な運営を押し通そうとしたが、これを阻止することができた。  

全運輸(市川)
 省庁再編で国土交通省となり、11の組合が存在、国公関係は2万7千人となる。国公加盟単組で共闘組織を結成、交渉などで統一対応をめざす。霞ヶ関の職場の組織強化・拡大にむけてがんばる決意だ。

全通信(井上)
 要求実現のためには、賃金闘争や行革で国民世論の構築は重要。全通信は行革を打破するため地域共闘重視を基本にたたかった。団体署名では、学習を強化しながら、春闘共闘加盟労組を中心に訪問活動にとりくんだ。

全労働(宮下)
 「10人に一人の世話役作り」が提起されているが、北海道では47の職場を20人の執行委員で総対話をすすめてきた。このなかで相互に意見が交流され、職場の団結が強化された。役員の若年化に対応したマニュアル作成を。

 総理府労連(小林)  統計センターと放医研では、独法化を前に、宣伝を強化するとともに、全職員への加入訴えにとりくんだ。省庁再編で組織の分散も心配されたが、当面現状維持でいくことを確認。個人加盟の組合結成の検討も必要。

宮崎(塚本)
 宮崎では県国公1500名中500名が全医労。中央省庁の再編に伴う組織整備では、独法化に伴う県国公規約の改正は必要ないのか。県国公への結集強化にむけ適切な指導を要請する。

全国税(山口)
 要求の多数派をめざし、昨年は転勤問題、今年は異動の内示前倒しで成果を上げ、昇格や組織拡大が前進。第二組合が危機感を持ち、全国税組合員の昇格をやめるよう当局に申し入れ、職員の反発を買っている。  

全労働(佐藤)
 省庁再編を前に職場で様々な問題もおきている。青年が組合役員になることを嫌う傾向も見られる。世話役作りは要求実現にとっても重要。厚生労働省への再編に対応し、本省5組織で共闘組織結成を決定した。

全医労(北川)
 11・13スト裁判の口頭弁論が9月に開かれる。スト処分は厚生省の周到な準備のもと全医労つぶしとして行われ、組織減となった。いま反転攻勢の時を迎えている。組織拡大で具体的な援助を要請したい。

東海(増田)
 2年余にわたり人事院中部事務局の交渉制限を受けるなか、対策会議を開催するなどして局面を打開してきた。今は北陸と一体で交渉しており、旅費援助を願う。ブロックでホームページを開設し、交渉や諸行動を掲載中。

石川(本多)
 ブロック・県国公は地域の国公の拠点になるとの立場で財政問題を検討。定削で財政がきびしく、書記給与もままならない。分担金値上げ問題で議論。単組間のアンバラあるが、単年度毎の値上げとなった。単組の指導強化を。

京都(九後)
 青年対策の遅れで県国公役員のなり手がいない。一方、京都市長選では青年が大きな役割を発揮。国公のホームページを活用し、青年のページの常設を。非常勤職員の組織化方針の具体化を早急にはかるべき。

全建労(荒木)
 男女共同参画法が国会で成立。建設省は女性の昇任昇格が極めて遅れており、職制への昇格は転勤が条件。国会でも共産党の瀬古議員が当局を追及。人事院も各省へ差別是正を求めている。国公も力の結集を。

東北(永田)
 国公女性交流集会では、財政確保のため物販活動をとりくんだ。現地では山形の特色を生かした催しを企画。全国から約6百名が参加し大きく成功した。女性協総会には東北6県から代表派遣するなど団結も強まった。

広島(石田)
 6月に広島で「青年平和の集い」を開いた。被爆の実相を伝え、戦争を風化させないとの立場で県青年協が主体となって準備。図書館に通い、学習を強め、当日は市内のガイドを努めた。全国から118名の参加で成功した。

全司法(馬部)
 久しぶりに東京で全国母親大会を開催。職場から100名の参加を目標に、楽しみながら準備も組織もとランチタイムコンサートや物販活動などにとりくんだ結果、70名の参加が実現した。要求に合致した行動となった。

○財政方針
   1999年度会計決算報告、会計規則改正案については、予算等小委員会、本会議とも満場一致で、2000年度財政方針案は反対なし、保留1の圧倒的な賛成多数で、承認・採択されました。

●産別機能強めるため月額会費を引き上げ

 2000年度財政方針については、行革闘争の臨戦態勢は解除しますが、独立行政法人の発足をはじめとした新たな段階での産別機能強化のため、中央執行委員会の体制強化など、所要の整備に必要な財政確立をおこなうことを確認しました。  具体的には、(1)月額会費を9月より25円引き上げ(640円)、年間会費(250円)及び闘争会費(年500円)は現行どおりとし、予算全般の節約と効率執行に努めつつ、運動に必要な予算措置をおこなう。(2)行革闘争臨時会費の徴収はおこなわず、独立行政法人労働者部会の設置に伴う経費は、当面、一般会計で予算化する。などを内容としています。 また、特別会計の処理・整理など、会計規則の改正をおこないました。
 これまで行革闘争特別会計で措置してきた費目は、一般会計および闘争特別会計で確保することとし、行革闘争特別会計は廃止します。同様に、裁判審理闘争特別会計、国際交流基金特別会計も廃止し、必要な予算は、一般会計で措置します。  

○国公共済会
 国公共済会99年度事業報告および2000年度活動方針案、2000年度役員候補が提案され、いずれも 承認・採択されました。
 99年度事業報告では、掛金は12億円を突破、加入者も約3万人と、この期も堅実な伸びを示したこと、給付された共済金は7億3千万円となり、過去最大規模の助け合いとなったことが報告されました。
 国公共済会の自主共済8度の運営状況は、個人生命共済と慶弔共済が赤字となったものの、他の制度は前年よりも剰余金を増やしています。収支全体でも、約2億円の剰余金を計上、準備金が7億6千万円に達するなど、財政基盤がより拡充されました。

●2年間で1万人の加入拡大めざそう

 2000年度活動方針では、加入者第一の立場で、予定純掛金を前年同様、69%とすること、退職者の掛金収納をはじめとする事務を国公共済会本部が取り扱うよう検討を開始することとしています。
 また、来年10周年をむかえることから、向こう2年間で1万人の加入拡大をめざすこととし、とりわけ4〜6月に力を集中して取り組む方針を確立しました。  なお、新しく専務理事に安部中央執行副委員長が就任しました。

○第46回定期大会で採択・承認された議案
 第46回定期大会に、提出された議案・報告はすべて採択・承認されました。以下、採択・承認された議案・報告です。
 (1)1999年度闘争総括および2000年度運動方針、2000年秋季年末闘争方針、(2)1999年度会計決算報告、1999年度剰余金処分、(3)1999年度会計監査報告、(4)2000年度財政方針、一般会計・特別会計予算、(5)規約改正、独法部会会則案の確認、改正手続きの拡大中央委員会への委任、(6)国公労連会計規則、書記局運営規定の改正、(7)国公共済会1999年度事業報告および2000年度事業計画、2000年度役員体制

○大会宣言(要旨)
 国公労連は、独立行政法人個別法や総定員法の「改正」、新たな定員削減計画の決定など、行政改革の「枠組み」が成立し、1府12省庁体制をはじめとする中央省庁等再編のスタートを目前に第46回定期大会を開催した。
 21世紀を目前に、今この国では、弱肉強食の市場主義を最善とする「構造改革」の嵐が吹き荒れている。バブル経済崩壊以降を「失われた10年」とする財界は、企業活動の重しとなっている不良債権処理に、公的資金の投入を繰り返し求めている。また、景気対策を口実にした公共事業のバラまきが、ゼネコンをはじめとする企業への支援策であることも明らかである。
 国・地方の財政を、一部企業の再生のために振り向けつづけていることが、国民生活の基盤を支える社会保障や教育などの諸制度を切り崩し、災害や安全に関わる公的サービスすら形骸化させている。そのことに、国民の多くが気づき「構造改革」に厳しい批判の声をあげ始めており、それは先の総選挙結果にも示された。  国公労連が足掛け4年にわたって、その組織の総力を挙げた行革闘争は、構造改革の突破口とされた行政改革に反対し、国民生活重視の行財政・司法の確立を求めるものであった。大規模署名や大量宣伝行動など、「対話と共同」を広範に追求した取り組みは、行政改革一色であった国民世論や国会内の状況を、着実に変化させてきた。 
 大会では、行革闘争の到達点に立って、引き続き構造改革に反対し、国民的な運動と連帯し、憲法がいきる行政・司法の確立をめざす決意を固めあった。  2000年勧告は、史上最低を更新する0・12%の僅少ベアで1960年代以降では初めて俸給表改訂を見送ったことに加えて、一時金0・2か月削減によって、2年連続で年収ベースの賃金水準がマイナスになるという許し難いものであった。そのようなもとで、調整手当の改悪が強行されたことも含め、人事院勧告とは何か、労働基本権の代償措置たりうるのかが鋭く問われるものとなった。特に、賃金引き下げまでも勧告にゆだね、労使交渉にまともに応じない政府の姿勢は、労働基本権を否定するものと言わざるをえない。
 大会では、そのような政府・人事院の攻撃と対峙し、勧告の影響を直接受ける750万労働者との共同と国民的支持を広げるため、職場・地域からの闘いを重視することを確認した。また、国民春闘の再構築を目指して、全ての労働者を視野においた賃金底上げを重視する全労連規模の闘いの発展のため、一翼を担って奮闘する決意を固めあった。  行きづまった自民党型政治と国民との矛盾が、一層激化してきている。政府・与党は、その矛盾を、公務員労働者への「行革」・減量化攻撃で切り抜ける策動を強めている。
 その点では、行政サービス切り捨てと減量化のねらいを貫徹させない闘いの強化が求められている。その第一歩として「行政点検・公開」を重視し、行政懇談会など「双方向の対話」に大きくふみ出すことを確認しあった。また、もの言わぬ公務員づくりを目的にした公務員制度改革に反対し、職場から行政民主化の闘いを強めていくため、「意思統一、全員参加、地域結集」という労働運動の原点に立ちかえった取り組みを、あらゆる場面で重視することを確認した。
 私たちは、21世紀につなぐこの1年を、「いま、国民の中へ、国民とともに」の取り組みを名実ともに実践し、日本国憲法の平和的・民主的原則にそった「国づくり」の展望を自らの闘いで切り開くため、職場・地域から奮闘することを宣言する。 2000年8月30日 国公労連第46回定期大会

○税関賃金差別賠償裁判の公正判決を求める決議(要旨)
 国公労連第46回定期大会  税関賃金差別賠償裁判は、74年6月に東京・横浜・大阪・神戸の四地裁に提訴して、既に26年が経過する長期の裁判になっています。  現在、大阪・神戸・横浜事案は最高裁第一小法廷に係属し、貴裁判所では東京事案が第一民事部で審理がすすめられ、本年3月27日結審となりました。
 裁判の経過では、95年2月の東京地裁では、「大蔵省・東京税関当局は差別意思を持って昇任・昇格などの人事差別扱いをした」と、原告勝訴の判決を下しました。  大蔵省・税関当局はこれを不服として、貴裁判所に控訴しました。控訴審では、当局側証人は具体的証拠も示さず、「原告は勤務成績が悪かった」などの証言を行ってきました。しかし、98年、東京税関の元幹部職員が大蔵省・税関当局による全税関労働組合への組織破壊攻撃の手口を「エコノミスト」など三誌で生々しく告発したように、大蔵省・税関当局が組合を破壊する目的をもって、人事をはじめあらゆる差別を行ったことは一層明らかになっています。
 税関は、貿易の第一線で国民の健康や安全、経済秩序の維持などをはかる重要な行政官庁です。職員は、国民全体の奉仕者として複雑・多岐にわたる業務を行っています。このような職場で、憲法・国家公務員法に違反した組合所属による差別が行われていては、国民のための民主的な行政を期待することはできません。
 貴裁判所が、税関賃金差別賠償裁判東京事案について、原告の主張を充分理解され、公正な判決を一日も早く下されるよう要請するものです。
 東京高等裁判所第一民事部江見弘武裁判長 殿

○全医労の91年「11・13職場大会」に対する不当処分の撤回、公正判決を求める決議(要旨)
 国公労連第46回定期大会  全医労は、91年11月13日に「看護婦の大幅増員、人事院夜勤判定の実現、賃金職員の定員化」などの諸課題をかかげて29分以内の時間内職場大会を実施した。
 これに対して厚生省は、全医労の中央役員と職場の支部長173人に「戒告」、副支部長及び支部書記長399人に「訓告」、職場大会に参加した一般組合員のうち「現認」できたとする2518人にも「厳重注意」の処分を強行するとともに、被処分者全員に対する勤勉手当カットという経済制裁をも行った。全医労は人事院に対して不利益処分不服審査請求を行ったが、人事院はこれを棄却。厚生省の不当処分と人事院の不当な裁決の取り消しを求めた行政訴訟に対し、東京地方裁判所は、「人事院判定がいまだ完全に実行されず、本件職場大会実施の目的、動機自体は無理からぬ」と認めながら、結論的には「二・八判定は延引しているだけ」として、全医労の訴えを棄却する矛盾に満ちた判決を出した。この不当判決に対して全医労は、いま東京高等裁判所での控訴審をたたかっている。 複雑・高度化している医療・看護のもとで、その実態に見合わない人手不足の職場では深刻な医療事故も頻発している。 また、今次給与勧告にみられるように、労働基本権の「代償措置」としての人事院の役割が問われ、公務員労働者の労働基本権回復闘争が重要課題として提起されている。
 こうしたもとで、「11・13職場大会」への不当処分撤回、公正判決を求めるたたかいを改めて重視し、全国的なとりくみを展開していくものである。

○「核兵器のない世界」を実現するために日本政府に核兵器廃絶への
積極的なイニシアチブを求める決議(要旨)

 国公労連第46回定期大会
 新しい世紀を迎えるにあたって、核兵器のない21世紀を実現しようとの思いは、いま、世界の多くの人々の新たな決意となっている。私たちは、日本政府に対し、被爆国政府にふさわしい役割を果たすよう、次のことを要求する。
一、日本政府は、国連ミレニアム総会において、核兵器廃絶の国際協議を直ちに開始するために全力をつくすこと。核兵器のすみやかな廃絶を求める諸決議に賛成すること。 
一、「核密約」を公表し、非核三原則の厳守・法制化をはかること。沖縄・名護への新基地建設をはじめ、すべての米軍基地を撤去・縮小し、米軍による超低空飛行訓練などを即時停止すること。新ガイドライン法(戦争法)の具体化・発動を行わず、日本国憲法の平和原則を厳守すること。
一、原爆症認定や被爆地域の是正・拡大など、被爆者援護行政の抜本的見直しを行い、国家補償にもとづく被爆者援護を実現すること。
 以上、決議する。

○9・3陸海空三自衛隊の「統合大演習」をやめ、
都民の生命・安全最優先の「防災訓練」の実施を求める決議(要旨)

 国公労連第46回定期大会
 東京都は、9月3日、陸海空三自衛隊が中心となった大規模な防災訓練「ビッグレスキュー東京2000」を実施しようとしている。この訓練では、首相が本部長となり、内閣安全保障・危機管理室、警察庁、消防庁、海上保安庁、防衛庁、国土庁、運輸省、建設省等の行政組織が全面的な支援体制を組み、自衛隊員を7100人も動員して、都内10カ所で「陸海空の統合運用と自衛隊を含めた総合的な広域支援訓練」を行う計画となっている。
 そもそも「防災」対策として強く求められているのは、大震災や火山噴火・津波・風水害などを予知するための気象観測・防災体制の充実や研究活動である。また、人命や財産の救済に必要な施設・機材の確保・充実、災害に強い街づくり、被災者への公的支援など、住民の生命と安全・財産を守る防災計画の策定と市民参加の防災訓練である。
 私たちは、憲法にもとづき国民の命と暮らしを守ることを責務とする国公労働者として、防災訓練から大きく逸脱し、治安訓練の色彩が強い今回の「統合演習」には反対である。9月3日の「統合大演習」を中止し、都民の生命と安全を最優先した、自治体や都民が主体的にかかわる真の防災訓練の実施を求める。
○来 賓
 全労連事務局長 坂内三夫氏  公務労組連絡会議長 福島 譲氏  行財政総合研究所副理事長 浜川 清氏  日本共産党衆議院議員 松本善明氏  顧問弁護団 竹沢哲夫氏  農民連代表常任委員 小林節夫氏
○支援の訴え
 全動労争議団団長 棚池正則氏  全動労争議団がんばれ  北海道国公・富塚さんの訴えで、全動労争議団に167,424円のカンパが集まりました。
○メッセージ 【労働組合関係】
 自治労連、全教、日高教、国労、検数労連、退共労、銀行労連、出版労連、新聞労連、福祉保育労、年金者組合、生協労連、通信労組、自交総連、全基労、全印総連、全労連・全国一般、都市公団労働組合、水資労、全損保、全信労、全日赤、全港湾、国会職連、特殊法人労連、全農協労連、建交労、医労連、郵産労、原子力研労組、健保労組、働きたいみんなのネットワーク、航空安全会議 【民主団体等】 中央社保協、国民大運動実行委、全国食健連、労働総研、婦団連、民医連、自由法曹団、原水協、平和委員会、全国革新懇、安保破棄中央実行委、非核の政府を求める会、日本原水協、民青同盟、自治体問題研究所、AALA連帯委員会、日中友好協会、労働共済連、年金実務センター、全生連、全商連、働くもののいのちと健康を守る全国センター、全国公害患者の会連合会、消費税をなくす全国の会、新婦人、日本母親大会実行委員会、国民救援会、機関紙協会、税理士・山岸房雄、日本労働者協同組合連合会、勤レク、音楽センター、労金協会、東京労金新橋支店、教宣文化社、アルファ・デザイン、機関紙印刷、あかつき印刷、全労済  

●本部中間答弁  小田川義和書記次長
職場から行政の点検・公開のとりくみをすすめよう

 調整手当改悪反対闘争にかかわって、各地域から、貴重な取り組みの経験と、たたかいに対する確信が述べられました。
 人事院が、賃金・物価・生計費の3指標に固執しつつも、最終的に「総合判断」をせざるを得なかったことは、地域と支給区分に限定した「見直し」の限界を露呈したものです。それだけに、調整手当制度について抜本的な検討が必要になっていると考えざるをえません。今回のたたかいでの追及点も含め、改善課題についての論議をすすめたいと思います。
 行革闘争にかかわっては、多くの貴重な取り組み経験が述べられました。行政アンケート、自治体要請、医療事故にかかわる職場実態告発、地方段階での行政研究活動、行政相談活動など、産別全体で強化をめざすべき取り組みの方向が示されています。
 とくに、全体で確認したいのは、全建労の大槻代議員の発言に示されるように、行政の「点検・公開」の取り組みは、「良い仕事、責任ある仕事」がしたいという組合員一人ひとりのレベルにまで深めていくことが必要だという点です。職場からの行政民主化の論議を深めあいたいと思います。
 また、定員、賃金など、国公労働者の労働条件ともかかわって、財政の問題が重要になっています。その中でも、公共事業のあり方にかかわっては、国民の視点での生活重視の事業への転換と同時に、総額抑制の議論がさけられないと思います。国公労連としての見解づくりを急ぎたいと思いますし、関係単組のご協力をお願いします。
 俸給表構造「見直し」も含む公務員制度「見直し」、とくに人事評価システムの問題についても多くの発言がありました。
 枠外号俸者の急増など、現在の矛盾の改善も必要ですが、行革の動きともかかわって「物言わぬ公務員」づくりを目的とした差別、選別強化のために、制度「見直し」がすすめられようとしていることを直視し、この課題での対応をおこないたいと思います。
 その点も含めて、公務員賃金闘争そのものの強化が必要です。その点では、要求アンケート段階からの職場での学習と討議を当面重視します。その際、実力行使態勢確立問題も含め、要求前進のため、主体的なたたかいをどう強めるのかの論議を活性化していただくようお願いします。
 すべての労働者を視野においた賃金底上げの全労連規模のたたかいで、国公労働者がどのような役割を果たすのか、来春闘では、その点をあらためて重視したいと思います。
 その際、来春闘にむけてはビクトリーマップ運動を再重視する方向で取り組みの具体化を検討したいと考えています。
 そのような春闘期の取り組みの上に、勧告期にむけた要求とたたかいについて、職場からの論議を強めることとします。
 長時間過密労働改善の取り組みを強化します。とくに、本省庁における過酷な実態を改善する取り組みは、組織強化・拡大ともかかわる重要な運動課題として、霞国公などとの連携も強め、産別全体で重視します。
 共済連合会・宿泊施設における「合理化」問題では、当該労組の仲間の生活と権利を守り、雇用と労働条件維持を基本に、同時に、共済掛金の運用にかかわる福利厚生問題であることもふまえ、対応に万全を期したいと思います。
 職場の取り組みの活性化にむけ、「10人にひとりの世話役」づくりを積極的に受けとめていただきました。21世紀につなぐたたかいは、職場と地域の運動を中心に展開することになります。その点を強調し、引き続く討議をお願いして、中間答弁とします。

●本部総括答弁  福田昭生書記長
歴史の転換点をふまえ21世紀への扉きりひらこう

 本大会の出席者は、16単組119人の代議員、9ブロック45県国公98人の特別代議員、70人のオブザーバー、本部を含めまして総勢328人でした。発言は、文書発言の2件を含めて78人でした。全体として建設的で、意欲的な発言でした。
 本大会の中心任務は、転機を迎えた国公労働運動を21世紀にむかってどういう方向に転換するのか、その情勢認識を一致させ、新しい運動の方向をうちだすことにありましたが、討論をつうじて、この任務を立派に果たせたのではないか、まず、この点を確認しておきたいと思います。

○明るいきざしに確信を持って前進を
 さて、いま時代は大きな転換点を迎えています。この大会は、20世紀最後の大会であり、また、21世紀への時代の節目にあたる大会でありました。それは、単に暦の上での節目にとどまらず、まさに転機を迎えた時代の節目に位置すると思います。
 20世紀という時代は、一面では野蛮な戦争の世紀でした。前半はまさに熱い戦争、後半も冷たい戦争でありました。しかし、その一方で、そういう戦争の時代を終わらせる、植民地の解放、民族の独立など平和と民主主義をめざす民衆のたたかいが大きく前進した時代でもあったわけです。日本の戦後の労働運動もその一翼を担ってきました。戦争直後の厳しい時代をへて高揚した労働運動は、70年代半ばの反動攻勢のもとで、暗い冬の時代を迎えました。「明けない夜はない」という言葉がありますが、今まさに、明るいきざしが見え始めたと思います。関西電力などの思想差別裁判での歴史的勝利をはじめ、これまで、労働運動前進の障害となってきた企業主義、反共主義の壁が崩れはじめています。労働者・国民の意識に画期的な変化が生まれているわけです。
 こうした変化に私たちの運動は追いついているのか、というのが現在の問題意識の核心であります。そのために、昨年の全活会議では、今後のすべての運動を貫くたたかいの旗印として、「国民の中へ、国民とともに」のスローガンを提起しました。それがしっかり受けとめられたということが、本大会の討論を通じて明らかになったと思います。
 討論を全体としてみれば、本部の提案した原案に大きな異論はなかったと思います。したがって、いくつかの論点にそって、新しく打ち出した運動の方向について改めて申し上げてまとめとしたいと思います。

○行政民主化闘争の質的前進へ
 まず、行革闘争であります。1府12省庁体制の発足という新たな局面をふまえた中心課題は、行政民主化闘争の質的前進という点にあります。「行政の点検・公開」の運動を提起しています。それは、新たな省庁体制を国民の立場から検証することです。そのために広範な団体との行政懇談会活動、行政レポート運動など、対話と共同を前進させなければなりません。全医労の医療事故問題、全気象の防災対策、全建労の劣化コンクリート問題など、行政現場からの報告がありましたが、これがまさに行政レポート運動であります。大事なことはこうした運動を職場からすすめることであります。そして、運動をつうじて、「お役人」から民主的国公労働者へと自己改革をすすめることを重視したいと思います。

○春闘、賃金闘争の本格的な強化を
 2つ目は、春闘・賃金闘争の前進であります。60年代の高度成長を背景に春闘が発展しましたが、今、大きな転換を迫られています。イケイケドンドンの時代が終わって、社会的な富の公正な配分を求める、まさに賃金闘争の原点に立ち戻る時期であります。そのためには、地域を主役とする賃金の底上げ、最賃闘争を軸に地域春闘を前進させなければなりません。同時に、公務員賃金闘争、対政府・人事院闘争を主体的に強化することが必要です。賃金要求についても春闘期と人勧期の要求の位置づけを明確にして、全活会議で提起した3つの基本目標の実現をめざして、要求のあり方を考えなければなりません。たたかい方も750万人勧関連労働者との共同、権利闘争との結合を本格的に追求します。

○10人にひとりの世話役づくり
 3つ目は、組織活動の強化であります。省庁再編、独立行政法人化に対応する組織の整備とあわせて「10人にひとりの世話役づくり」をめざす1万人オルグ運動と、「意思統一・全員参加・地域結集」をスローガンとして提起しました。最近、人事院が苦情相談制度をつくりましたが、職場に様々な悩みや苦しみがあふれていることの表れといえます。それは、労働組合の存在意義が問われていることでもあると思います。職場の仲間の悩みや苦しみに敏感に反応する労働組合であり続けたいと思います。職場に新しく労働組合を作りなおす意気込みで組織活動を前進させましょう。連合は、霞が関・中央省庁に連合の旗をたてると宣言しているそうです。どちらが国公労働者の真の利益の守り手なのか、受けて立とうというのが私なりの決意です。
 火山の噴火の予測をできても、自然現象である噴火を止めることはできません。しかし、人間がつくった法律や制度は人間の力で変えることができます。そこに確信をもって、新たな運動の前進にためにお互いの奮闘を誓い合いたいと思います。



●国公労連本部 新執行体制

 定期大会最終日に行われた2000年度の役員選挙において、すべての立候補者が役員に選任され、今期の新執行体制が決定しました。

○新委員長    堀口氏
○新副委員長 伍氏
○新書記長  小田川氏
○新書記次長  黒田氏
○新中執 川井田氏、阿部氏、先水氏、高森氏

 ◇今回の大会で、5年間、委員長をつとめられた藤田氏(全労働)が現役を勇退され、新たに堀口氏(全労働)が委員長に選出されました。
◇前中執の伍氏(全労働)が女性として初めて副委員長に選出されました。
◇福田氏(全運輸)が書記長を退任し、前書記次長の小田川氏(全法務)が新書記長に選出されました。また、前中執の黒田氏(全気象)が新書記次長に選出されました。
◇中央執行委員は、武城氏(全国税)、萱森氏(全司法)、鎮目氏(全運輸)が退任し、新たに川井田氏(全司法)、阿部氏(全運輸)、先水氏(全運輸)、高森氏(全通信)が選出されました。
◇高松克己氏が任期満了により顧問を退任し、今大会で現役を勇退された藤田氏が新たな顧問に就任しました。また、村岡忠義氏と吉澤健志氏が任期満了により、嘱託を退任しました。

中央執行委員長 堀口 士郎 全労働 (54)
中央執行副委員長 西田 祥文  全建労 (59)
   〃     伍  淑子 全労働 (58)
  〃      安部 昭雄  全労働 (57)
(国公共済会担当)
   〃      遠山  亨  厚生共闘(55)
書記長        小田川義和 全法務 (45)
書記次長  黒田 健司 全気象(42)
中央執行委員 柳川 達夫 全通産(59)
  〃    川井田 守 全司法(56)
  〃    阿部 春枝 全運輸(49)
  〃    野村 昌充 人事院職組(47)
  〃    服部 俊夫 全司法(44)
  〃    実川 和明 全法務(44)
  〃    松渕 秀美 厚生共闘(44)
(国公共済会担当)
  〃      飯塚  徹  全通産(43)
  〃      先水  徹 全運輸(42)
  〃      岡部 勘市 全港建(40)
  〃      津田 久則 全建労(37)
  〃      高森 孝義 全通信(35)
  〃      山川 秀史 全港建(25)
(上部団体へ派遣中の中執)
中央執行委員 熊谷 金道 書記局(53) 再(全労連派遣)
  〃      山瀬 徳行 全労働(52) 再(公務労組連絡会派遣)
  〃      木下 芳宣 書記局(48) 再(全労連派遣)
会計監査委員 永沢  晃 全国税(56)
  〃     河野 正典 全税関(47)
  〃     岸田 重信  厚生共闘(45)
顧 問 山本 守保
大倉 修二
松村 光隆
藤田 忠弘
嘱 託 笹沼 熈子
書 記 藤沢やよ枝
伊藤 良文
井上  伸
中田 智子
専門部配置(○は部長)
〈総務財政部〉
 ○服部、藤沢
〈組織部〉
 ○岡部、阿部、先水、 山川、井上
〈調査部〉
 ○実川、野村、伊藤
(教育宣伝部〉
 ○柳川、川井田、高森、 中田
〈独立行政法人対策部〉 
 ○飯塚、津田


○前役員 退任のあいさつ

 今大会では、国公労働運動の第一線で長く活躍してこられた委員長の藤田忠弘さんが現役を勇退されたのをはじめ、書記長の福田昭生さん、中央執行委員の萱森秀勝さん、鎮目武さん、武城順子さんが退任されました。みなさん、たいへんご苦労さまでした。

●新しい世代へバトンタッチ  藤田 忠弘さん

 所定の任期が切れましたので、本大会をもって退任させていただきます。各方面のみなさん方からいただいた、長年にわたるご指導・ご鞭撻に、そして友情に深く感謝申し上げます。
 国公労連本部には、書記長として4年、委員長として5年でしたから、都合9年間お世話になりました。この間、自分なりには目一杯がんばったつもりですが、何かと至らぬことが多く、ご迷惑ばかりおかけしたことをお許し下さい。
 第一線を退くにあたっての心境は、率直に申し上げて複雑なものがあります。一抹のさびしさがあることも事実です。しかし、いちばん大きいのは安堵感です。新しい世代へのバトンタッチを無事はたせたことは、何よりの喜びです。
 国公労連での運動をふりかえってみますと、さまざまなことが脳裡にうかびます。なかでも、全労連結成をはじめとする労働戦線再編のとりくみ、足かけ4年におよんだ行革闘争、国公共済会設立のとりくみなどは、もっとも印象深いものです。これらの運動にいささかでもかかわることができたことは、私にとってかけがえのない財産だと思っています。
 同時に、心残りもあります。たとえば、近く判決が予定されている全税関賃金差別裁判について、勝利判決を在任中に確認したかったこと。全国税が増勢への道をばく進する姿を確認したかったこと。総理府労連の昇任昇格闘争の大きな前進を確認したかったこと。などなどがその一例ですが、いずれもその成功を確信しています。
 あと3カ月もすれば世紀が変わりますが、新しい世紀は新しい体制でのぞむのがベストだと思います。幸いにして、いま、中央でも地方でも、経験をつんだすぐれた幹部・活動家が数多く輩出されています。私は、これらの仲間に大きな期待をよせています。
 全国の仲間のみなさんが、堀口委員長を先頭とする新執行部をささえ、いまの困難と立ちむかい、21世紀に花ひらく国公労働組合運動前進のため奮闘されることを切望いたします。

●使う筋肉がちがった2年間  福田 昭生さん

 2年間という短い期間でしたが、支えていただいた各単組、ブロック・県国公のみなさんに厚くお礼申し上げます。また、国公労連本部役職員のみなさんにも感謝しています。
 健康上の問題もあって退任させていただくことにしました。単組から通算して書記長稼業12年になります。そろそろ書記長としての「品質保持期限」がギリギリになりまして、少しちがった立場から、自分のできることをやらせていただこうと思います。
 国公労連での2年間、藤田委員長の言葉を借りれば単組とは「使う筋肉がちがう」と実感しました。おかげで多少まるくなったのではないかと思います。今後は単組で自分のできることを精一杯やろうと思います。今後ともよろしくお願いします。

●職場に労働組合の風を吹かせたい  萱森 秀勝さん

 97年から3年間、総務財政部と組織部を担当しました。各単組・県国公役員はじめ多くのみなさんのご協力により何とか役割をまっとうできたことに心からお礼を申し上げます。
 国公労連の役員は83年からの5年間につづき、二度目でしたが、いずれも国民犠牲の「行革」と公務員賃金抑制・制度改悪の攻撃に対して、臨戦態勢を確立して国公労連・単組・県国公が一体となった産別運動や国民的な運動を展開した時期でした。
 国公労連の役割が凝縮されて発揮された時期に本部の一員として仕事ができ、緊張と充実感をもってつとめることができました。
 4年ぶりの全司法本部への復帰となります。何よりも職場における労働組合の風を吹かせることを大切にしながら、国公の仲間とともに国民のための行財政・司法の実現にむけて、新たな気持ちでがんばりたいと思います。

●変革を進める人たちとの貴重な出会い  鎮目 武さん

 古きことばに、「真の良き師匠とは、弟子に何物かを教える者ではない。弟子をして弟子自身にめぐり会わせる者である」と、あります。
 私はとても幸運な人間です。人生において、航空保安の職場から国公労連へ、この3年、労働運動、社会の変革にかかわる人たち、そして出会いが、私の考えと生活に影響を与えてきました。出会いは、多くの示唆を与えてくれました。
 家族とともにくらす、自然とともに生きる、仕事に誇りをもち、自尊心を失わない。そんなシンプルな信条を、大切にしていきたいと思います。
 いま、そして今後も学ぶべきは、人生を愛することそのものかも知れません。貴重な出会いをつくっていただいたみなさんへ、心から感謝を申し上げます。
 ありがとうございました。

●労働時間短縮へねばり強くたたかう  武城 順子さん

 組合員のみなさん本当にお世話になりました。私が選出された3年前は人事院規則の女子保護がなくなるというときで、男女ともの労働時間短縮に向けた労働組合のたたかいが要請されていました。女性協は人事院に対し、規則の制定を強く願い、行動を強めてきました。
 今年の国公労連の議案では、中心課題に労働時間短縮とサービス残業の根絶が入っています。隔世の感がします。
 長い間、時間短縮は女性の問題として、要求作成から行動まで女性たちがねばり強く続けてきました。またセクシャル・ハラスメントについても国公労連の役員さえ後ずさりしていました。私の出身である全国税はアメリカで問題になっていた10年前から職場の実態をもとに取り組んでいたので、何だか奇異な感じがしたものです。この頃は「差別もセクハラ」という女性の実感が、だんだん職場に浸透してきました。国公労連も情勢に遅れず取り組むことを職場から期待しています。


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