国公労新聞 第1053号

 国民サービス切りすて、労働強化まねく
 定員削減計画に怒りを込めて抗議する

 ●5年間で4万3130人減の定員削減計画を閣議決定
 森内閣は7月18日の閣議において、2001年1月からの5年間で5・13%、4万3130人の国家公務員を減らす定員削減計画を決定しました。
 この計画は、「10年間で少なくとも10%」とする中央省庁改革基本法にもとづくものですが、後半の5年間については、その時点までの削減計画の実施状況などをふまえて、あらためて削減目標数を決めるとしています。

 ●さけられない行政サービス低下、長時間過密労働
 1968年からの9次におよぶ削減計画によって、職場はギリギリまで人減らしがすすんでいます。このうえ、「乾いたぞうきんを絞り上げる」ような削減計画の強行は、長時間過密労働など職員へのいっそうの労働強化を招くとともに、国民への行政サービスの低下が避けられないものとなっています。
 こうした職場実態に目をむけず、第9次の「5年間4・11%」をさらに1%上回る新たな削減計画を決定したことは断じて許されるものではありません。国公労連は、今回の閣議決定に強く抗議するものです。

 ●国民の命と安全を守るための要員配置の強化こそ必要
 今日の行政「改革」をめぐる議論のなかで、行政の「減量化」やスリム化が強調され、そのために、公務員の削減が行政「改革」の中心的課題であるかのような主張が繰り返されてきました。
 しかし、昨年のJCOによる臨界事故、日本列島各地を襲う火山噴火や地震による災害、未曾有の被害を出した食品中毒など、最近の事件・事故を例にとっても、いま必要なことは、国民のいのちと安全を守るための、必要な要員配置の強化をふくめた行政体制の拡充です。数あわせ、人減らしのみの公務員削減は、真の行政改革とは無縁であることをあらためて強調します。

 ●広がる生活重視の行政拡充の声
 国公労連は、この間、職場実態をかえりみない定員削減計画に反対し、行政需要の増大や国民のニーズに対応できる要員確保と国民生活重視の行財政の確立を求めてたたかってきました。
 今年取り組んだ国会請願署名は1万以上の団体から集約するとともに、署名を軸にした3年間のたたかいのなかで、700万人を超える賛同を得てきました。
 また、今春、各地で展開された「全国縦断キャラバン行動」では、多くの団体や自治体から、行政の充実を求める声が集まりました。
 さらに、全国の仲間が総決起した7月はじめの「定時退庁行動」につづき、削減計画の閣議決定がねらわれる段階では5日間連続の総務庁前要請行動を展開し、その中でも、民間労組をふくめて数々の激励・連帯の声が寄せられました。今後とも、こうした「対話と共同」をひろげ、国民本位の行財政・司法の拡充をめざす決意です。

 ●国民各層との共同大きくする職場・地域からのたたかいを
 新たな削減計画の決定につづき、さらに政府は、国立病院や国立大学の独立行政法人などをふくめて国家公務員の25%削減をねらっています。そのため、2001年からの中央省庁再編にあわせて、行政「改革」の「実績づくり」とばかりに、きびしい増員抑制をはかってくることは必至です。
 また、消費税増税や財政再建の「露払い」として、公務員攻撃が強められることも予想されます。
 こうしたなかにあって、行政体制の拡充にむけた予算・要員の確保を要求して、たたかいを継続・強化していくことが求められています。
 きびしい情勢にあっても、国民各層の賛同と共同のひろがりに確信を持つとともに、全国の仲間に対して、職場や地域からたたかいへのさらなる決起を呼びかけます。


21世紀の平和は、私たちがつくっていかなければ
--国公青年・平和のつどいinヒロシマ

 6月16日から18日まで、広島市内で国公労連青年協と現地実行委員会主催の「国公青年・平和のつどいinヒロシマ」が開催されました。「つどい」には、22県国公1ブロックから123名の仲間が参加し、現地実行委員のガイドによるフィールドワークなどで、核兵器廃絶、平和への想いを強くする充実した取り組みとなりました。

 ●被爆体験を聞き胸打たれる
 【国公労連青年協発】 「国公青年・平和のつどいinヒロシマ」は、参加者が自分で「見て・聞いて・感じる」ことで、平和の課題への青年層の関心を高めることと、県国公青年協を中心に組織強化を図ることを目的に開催したものです。
 初日の16日は、広島県被団協の末宗事務局長を招き、当時の被爆体験などを語っていただきました。原爆が爆発したとき、前を歩いていた友人の陰で右半身は無傷ですみ、一方、友人は全身に傷と火傷を負い一年後に亡くなったことを話し、「わずか30センチの差で人の人生を分けた原爆を許すことはできない」とのお話に、参加者は胸を打たれ、「私たち被爆者が生きている間に核兵器を全廃させたいとの想いもあるが、それより大きな願いは、私たちの想いを次の世代の若い人たちに伝えていくこと」という末宗さんの言葉に、参加者は自らの平和の取り組みについてあらためて深く考えさせられました。
 2日目の「フィールドワーク」では、市内の被爆建物や軍事施設跡などを現地実行委員会のガイドで見学したあと、船で呉基地の海上調査に向かい、強襲揚陸艦「おおすみ」やホバークラフト型揚陸艇「LCAC」などを間近で見ました。最後に、江波山気象館(旧気象台)を見学しました。

 ●ヒロシマは昔のことでなく現在と未来の問題
 最終日のまとめの集会では、広島平和委員会元事務局長の村中さんの講演を受け「広島は、過去の被害ではなく現在の被害。広島だけの被害ではなく、人類全体の被害。昔の出来事ではなく現在と未来の問題」との話しに、参加者の多くが共感しました。
 最後に、この「つどい」は、広島県国公・青年協の現地実行委員会の仲間の奮闘により、参加者全員が平和の課題への意識を高める充実した取り組みとなったことを明記しておきます。

 ●見て、聞いて、感じた参加者の声
 人類の明日のために核兵器を廃絶しなければ
 (全司法・九州の方の感想)講師の方のお話にあったように、戦争が、核が及ぼす被害は人類の被害であることを知り、人類の明日のために核を廃絶し、戦争のない永遠の平和をつくりあげていけたらと思いました。
 唯一の被爆国・日本が世界へ核廃絶の声を広げよう
 (全運輸・埼玉の方の感想)今回、生まれて初めて被爆者の方のお話を聞くことができ、今後の平和への取り組み、核兵器の問題をあらためて考えさせられました。各単組でも「平和ボケ」するのではなく、唯一の被爆国である日本が世界に向けて声を大にする必要を考えるべきだと思います。
 学んできた知識より格段に重みのあるものでした
 (全法務・静岡の方の感想)被爆者の方の実体験にもとづく生の声は、今まで私が学んできた知識に比較して格段に重みのあるものでした。あらためて核兵器は廃絶しなければならないと感じました。そして、これを機会に、自分自身で、できる運動を強めていかなければいけないと感じました。
 実際に自分の目で戦争の悲惨さを見ることが大切
 (全建労・岩手の方の感想)最近、戦争がいかに大変なことであるかが忘れられている所があるので、今回のような実際に自分の目で見ることができる取り組みを実施することは大切だと思いました。原爆投下から55年経過しているなか、被爆者の方のお話を聞く機会もたいへん貴重だと感じました。
 私たち自らが行動して21世紀を平和な時代にしよう
 (岩手県国公の方の感想)被爆者の方のお話もフィールドワークも、これまでは直接触れたことのないものに触れることで、戦争の、そして原爆の怖さ、悲惨さを実感しました。21世紀を平和な時代にするには、私たち自らが行動してつくっていかなければなりません。そして、私たちの子どもや孫が安心して暮らせるために奮闘しなければと思いました。
 休みの日に面倒だと思っていたが、参加してよかった
 (石川県国公の方の感想)広島に来る前は、休みの日に面倒だと思っていましたが、全然知らなかったことをたくさん学ぶことができ、本当に参加してよかったと思います。とくに、講演は熱の入ったお話で、平和に対する想いと、その想いを私たちの世代に伝えたい、伝えていって欲しいという気持ちがとても感じられました。世界中の人がこの話を聞いて事実を知り考えれば、絶対平和になると思いました。
 被爆者の方の願いを私たちがずっと忘れずに伝えよう
 (全気象・福岡の方の感想)被爆された方から直接お話を聞くのは初めてで、本などで知ってはいましたが、やはり重みがちがいます。被爆された方々は、みなさんご高齢になられていますが、これら貴重なお話を私たちはずっと忘れずに伝えていかなければならないと思いました。今回初めて広島を訪れて、断片的な知識がつながり、今後、平和に対する様々な運動をしていく上で、これらの体験は大きな原動力になっていくと思います。


核兵器のない21世紀へ
--行動と共同広げ原水爆禁止世界大会の成功を

 広島・長崎への原爆投下から55年。核兵器のない新しい世紀へ向けての架け橋となる原水爆禁止2000年世界大会が近づいています。(※日程は、8月2日〜4日=世界大会国際会議、4日〜6日=世界大会・広島、8日〜9日=世界大会・長崎)
 核兵器は「将来にわたる安全保障手段」などと主張するアメリカ政府に追随する日本政府―日米核密約による日本への核持ち込み―これらに対して、平和を願う草の根の運動は、日本では、全自治体の75%に広がっている非核宣言や非核の港湾をめざす取り組みの発展などに示されています。
 そして、世界でも、99年秋の国連総会で、非同盟諸国などによるすみやかな核兵器廃絶を要求する諸決議が、アメリカによる同盟国への圧力などの妨害にもかかわらず、圧倒的な多数で可決されています。
 核兵器のない21世紀をめざして、職場・地域から草の根の行動と共同を広げ、原水爆禁止世界大会を成功させましょう。

 ●国公労働者 平和のつどい
 *と き 8月5日(土)午後4時〜5時半
 *ところ KKR広島 広島市中区東白島町19-65 TEL082-221-3736
 *主 催 広島県国公・国公労連

つたえようヒロシマ・ナガサキ
国連NGOフォーラムに参加して

【国公労連・武城順子中央執行委員】 「つたえようヒロシマ・ナガサキ」共同代表団(日本原水協・日本青年団協議会・被団協で構成)の一員として、5月22日から5日間にわたってニューヨークでおこなわれた国連のNGOフォーラムに参加しました。このフォーラムには、100カ国を超えるNGO(非政府組織)から約1300人がつどいました。
 今年、国連では「軍縮会議」を開く予定だったのですが、アメリカの反対で開催できませんでした。そこで、アナン事務総長が、NGOの力をかりて、各国の政府に軍縮などを働きかけようとおこなったのが今回のフォーラムです。
 「被爆国日本」から参加した代表としては、「一日でも早く世界中から核廃絶を」と願う立場から今秋に開催される「国連ミレニアム総会」で、アナン事務総長の提出する「報告文書」に、日を限った核兵器廃絶の文言を入れさせることを最大の任務としました。
 私は、「女性の権利・人権セッション」で、「平和があってこそ人権も守られる」という内容で発言し、国家公務員として「憲法順守職場宣言運動」を紹介しました。私の発言が終わると、いろんな国の人々からベストスピーチ≠ニ言われ握手を求められました。(通訳の人が上手に訳してくれたからかな?とも思っています)また、国連内のロビーやセントラルパークなどで被爆の実相をパネルで伝えるとともに「ヒロシマ・ナガサキからのアピール署名」を集めました。
 これらの行動を通じて「ノーモア、ヒロシマ・ナガサキ」という言葉が、世界中に広がっていることを実感しました。


政府・人事院が人事評価システムの検討を強化

 ●総務庁と人事院が連携して検討進める
 総務庁の「人事評価研究会」は、5月31日に報告書「国家公務員の新たな人事評価システムの基本的指針について」(以下「報告書」と略)をまとめました。そして、政府は、6月14日の人事管理運営協議会幹事会で、「報告書」を活用した人事評価手法の検討をおこなうため、各省課長補佐級で構成する「検討会議」を設置しました。「検討会議」の庶務については、「人事院事務総局管理局の協力を得て、総務庁人事局において処理する」とし、これまでとはちがって、総務庁と人事院の連携で、新たな人事評価システムの検討を進める動きが強まっています。
 ●民主・公正・効率的な行政にとって重要問題
 民主・公正・効率的な行政運営の実現にとって、情実任用などを排除する公正な賃金や任用のしくみは不可欠です。しかし、国公職場における人事管理では、性別や労働組合の所属などによる差別が横行し、試験区分による特権的な昇進管理がおこなわれています。この点からも、人事評価システムのあり方は、職員や労働組合にとっての重大な関心事です。
 ●民間類似の能力・成果主義活用の意図だけ鮮明
 今回の「報告書」は、能力と業績を重視する人事管理システム確立のため、新たな人事評価システム(能力評価と業績評価)を構築・導入することをめざし、そのための具体的な評価手法のあり方(目標管理による業績評価や行動特性にもとづく能力評価)などを提言しています。「報告書」は全体として、行政スリム化などの「行政改革」の推進や、競争的な人事管理の強化、民間企業の評価システムの変化への対応などを意識したものとなっています。
 一方、人事院は、昨年7月にスタートさせた「能力、実績等の評価・活用に関する研究会」の討議結果を6月16日に「中間報告」としてまとめました。この「中間報告」は、全体として個人の評価を、賃金・昇進・配置などに結びつける民間類似の能力・成果主義にもとづく人事制度にシフトしようとする意図が貫かれています。内容的にも総務庁の研究会報告と大同小異のもので、両者の関係は不明確ですが、両者とも今後の人事行政の検討に大きな影響を与えることはまちがいありません。
 ●公平性・客観性・納得性ある公務にふさわしい評価制度を
 国公労連は、「中間報告」にさきだって4月に「意見書」を提出し、公平性・客観性・納得性をそなえた公務にふさわしい評価制度の検討を求めるとともに、職員の理解の得られる改革方向について提案しました。
 「中間報告」の内容は、部分的にはこれに配慮した面もありますが、全体としては、きわめて不十分な内容となっています(下表を参照)。
 今後、研究会では、来年3月の最終報告をめざし、評価システムの具体的な内容や実施にむけての「指針」の検討に入ることが予定されています。
 国公労連は、民主的な公務運営を目的とする評価システムの検討に基本をおくべきと考え、引き続く政府・人事院の検討を注視し、検討過程での労働組合としての意見反映に努力していきます。
 ●人事院「能力、実績等の評価・活用に関する研究会中間報告」の主な問題点
 (1) 行政サービスに対する国民の要請の変化、職員の価値観や就労意識の変化などを理由にあげ、新たな評価システムの必要性を主張している。現在の評価のしくみで、なぜ対応できないのかについては何の説明もなしに、変えることだけを主張している。
 (2) 官民の仕事のちがいより「共通性」のみを強調している。効率追求の民間の評価システムを活用しようとする姿勢だけが鮮明となっている。
 (3) 新たな評価制度が、公務組織の現実や圧倒的多数の公務員の業務の実態(公務員は、法令にもとづく正確で公平な職務遂行が求められている。そして、公務員は国民全体の奉仕者であり、国民の権利や安全と不可欠な業務の執行にあたり、商品開発のように個人の創意を存分に発揮するとか、リスクにチャレンジして失敗も許されるということはありえない。また、変化への対応を口実に、明確な展望もなしに安易な組織・業務の見直しなどの「リストラ」を進めるわけにはいかないなど)と、かけはなれたものになりかねない。
 (4) 公務の人事慣行である長期的評価や集団主義を過小評価し、短期的評価や個別管理を強化する傾向が強く意識されている。そうした発想の押しつけが、公務の職場の慣行や秩序を破壊し、職員の意欲とやる気を阻害し、職員同士の信頼や協力関係を損なうなど、公務能率に悪影響を与えかねない。
 (5) 評価の公平性・納得性を担保する検討が不十分であり、恣意的評価となる危険性がある。自己申告や目標管理といいながら、個別面談で事実上一方的な目標の押しつけにもなりかねない。評価結果への本人の同意原則や労働組合の評価基準・評価方法決定への関与なども想定されていない。


〈浜松地区国公〉市民とともに行革を考える行政井戸端会議ひらく
●地元3紙が大きく報道

【静岡・浜松地区国公発】浜松地区国公は、地域住民に国公職場の実態を知ってもらい、国民本位の行政実現とかけはなれた「行革」の問題をともに考える取り組みとして、「第1回行政井戸端会議」を7月2日に開催しました。今回は、3つの分科会〈(1)大学入試と教育問題、(2)雇用問題と労働行政、(3)登記業務と市民生活〉を設け、私たちから問題提起をして、市民からの要望を聞くという形式にしました。全体で50名の参加があり、それぞれの分科会で、国の機関に対する率直な意見や、今後この会議でとりあげて欲しいテーマなども寄せられました。地区国公では、引き続きこうした取り組みを進めていきたいと思っています。当日は、3つの新聞社が取材に訪れ、いずれも翌日の地方版で写真とともに大きく報道されました。


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