国公労新聞 第1050号

 7/3〜5定時退庁行動に全員結集を
 --定員削減、マイナス勧告許さず、仲間のいのちと健康を守ろう

 国公労連は、7月3日(月)から5日(水)までの3日間を「全国統一行動期間」とし、「定時退庁行動」を中心とした職場からのたたかいを展開します。とくに、中央行動がおこなわれる5日を、全国いっせいの「定時退庁行動日」に位置づけ、「退庁時集会」なども配置し、すべての職場からの統一した取り組みをすすめます。定員削減や賃金切り下げ勧告を許さず、仲間のいのちと健康を守るたたかいに、全国の組合員の結集をよびかけます。

  ●「10年間で10%」の定削計画の決定を7月中にねらう政府

 来年1月からのスタートが法定されている新たな定員削減計画は、非現業国家公務員だけを対象にしていることや、独立行政法人化などをふくめた「25%定員削減」の政治目標が閣議決定されていることを考えれば、これまでの定員削減計画とは量的にも質的にもちがったきびしさが予想されます。
 いま、職場では、9次にわたる定員削減の強行で、極限まで人べらしがすすみ、いっぽうで業務量が増大していることから、恒常的な残業や休日出勤など労働強化がすすみ、健康破壊も深刻となっています。過酷な労働強化によって、本省庁の職場では、過労死や過労自殺という悲惨な事件までおきています。
 また、パートやアルバイトなどの非常勤職員や派遣労働者の比率も増大してきています。この上、「10年間10%」の削減が押しつけられれば、さらなる労働強化や行政サービスの後退はさけられません。
 総務庁は、7月中にも定員削減計画の決定をねらっていますが、国公労連との交渉のなかで、「削減率は法律で決まったものであり、各省庁と相談して決める」(5月26日、横田副管理官)としています。このため、今後、総務庁から各省当局に対して、「10年間10%」の目標達成をせまるさまざまな圧力が強まるものと予想されます。
 このことからも、まず各省当局に、もうこれ以上の定員削減は不可能との立場を明確にさせていくことが重要になっています。そのため、所属長交渉などを強めつつ、「一人たりとも削減は許さない」との決意を、職場からの取り組みをとおして、政府や当局に示していくことが求められています。

  ●「ベースダウン」の危険性さえある今年の人事院勧告

 昨年の人事院勧告では、低ベアにくわえ、一時金の0・3月の切り下げにより、年収ベースで前年を下回る「マイナス勧告」となりました。50年以上にわたる勧告制度の歴史のなかでも初めての異常事態でしたが、今年の勧告では、「ベア・ゼロ」や「定昇割れ」という、昨年以上にきびしい民間の賃上げ実態から、「ベースダウン」による賃金(本俸)引き下げの勧告の危険性さえある状況となっています。
 その上に、一時金の2年連続の引き下げや、調整手当の改悪がねらわれるなかで、国公労連が人事院勧告期にむけた要求としてかかげている「平均5千円」の実現をせまりながら、生活悪化をまねく賃金引き下げに反対するたたかいに全力をあげることが、今夏勧告にむけたたたかいの重点となっています。
 賃金課題における、政府・人事院による賃金引き下げをねらった、かつてない攻撃の強まりをあらためて職場から確認しつつ、生活を守り、改善するために、勧告期にむけて全国の仲間の力を集中したたたかいが重要です。

  ●すべての仲間の参加で

 以上のような情勢をふまえて、定削計画や勧告作業が本格化してくる7月3日から5日にかけて「定時退庁行動」を中心とした職場からのたたかいをすすめましょう。この行動を「仲間たちの生活と健康、いのちを守り、職場を守るたたかい」と位置づけ、人間らしく働ける職場づくりにむけて、すべての組合員の参加で成功させましょう。


 
許すな差別、守れ人権
 --全税関闘争決起集会に1000人
 

【全税関発】6月9日、東京・千代田公会堂で、「ゆるすな差別、まもれ人権、全税関闘争勝利6・9決起集会」がひらかれ、国公の仲間をはじめ、民間労組、争議団の仲間1千名が参加し、会場は熱気にあふれました。
 スライドと音楽、ナレーションによる全税関のたたかいのあゆみ、40年にわたる大蔵省・関税局、税関当局との組織破壊・人事差別攻撃とのたたかい、そして人間の尊厳と職場の民主主義を守るために26年にもおよぶ「賃金差別是正裁判」がドラマチックに「構成劇」で報告されました。
 引き続いて、いま200万部を超えて広く国民に読まれている山崎豊子さんの小説『沈まぬ太陽』の主人公・恩地元のモデルで、元日本航空労組委員長の小倉寛太郎さんの講演がおこなわれました。
 小倉さんの講演は、最初に山崎豊子さんからの取材のいきさつをユーモアたっぷりに紹介され、会場は笑いのうずに包まれました。そして、自らの戦争体験や職場でのたたかい、アフリカ生活で得た教訓などを語ってくれました。最後に、大蔵省の卑劣な分裂・差別攻撃とたたかい続け、いまも国民の健康と安全を守る税関行政を追求している全税関のたたかいに共感を示しながら、「ライオンに襲われるバッファローは、一頭が襲われたら仲間でライオンに立ち向かう。しかし、ヌーは、『今回は自分でなくて良かった』と、仲間を見放してしまう。みなさんがバッファローのように仲間を大切にする団結を強くしてほしい」と、『沈まぬ太陽』の主人公のイメージと重なり合うエールを参加者に送りました。
 そして、集会よびかけ団体を代表して、実行委員長である国公労連の藤田委員長が、集会の成功と全税関のたたかいの前進と裁判闘争勝利のため、参加者のいっそうの支援を訴え、終了しました。
 なお集会には、農民連・茨城県西産直センターから、千個のおにぎりと熊本産の晩柑が届けられ、参加者に配られました。

 ●集会参加者の声
 

〈集会の構成がおもしろく、たたかいの歴史よくわかった〉
 集会の構成がおもしろく、わかりやすかったです。スライドでこれまでの全税関のたたかいの歴史がよくわかったし、原告の人の生の声は説得力がありました。小倉さんのお話も、寅さんとさくらさんの寸劇もおもしろかったです。(19歳、女性)

 〈裁判勝利、税関の民主化へ、大きな元気と展望をくれた〉
 スライドとナレーターそして陳述書の朗読で構成された全税関の歴史と裁判の経過、何かひとつの演劇を観るようでとてもわかりやすくたいへん感銘を受けました。また、小倉さんのお話もユーモアと含蓄に満ちたもので時間の経過も忘れて聞き入りました。裁判勝利、税関の民主化に向かって大きな元気と展望を与えてくれた集会でした。(男性)

 〈原告の方々の人生の重みが伝わってきた〉
 「原告番号○○番…」簡潔な呼びかけの後に、名のりを上げ、スポットライトが消えるたび会場の暗いなかに原告の方々の人生の重みが伝わってきました。勝利解決に向けてのご健闘をお祈りします。(男性)

 〈しっかり支援したい〉
 遠くで見て、聞いていた程度の全税関のたたかいでしたが、きょうからしっかり支援したいと思います。とても良い集会でした。(女性、民間労働者)

 ●特別講演をおこなっていただいた小説『沈まぬ太陽』の主人公のモデル・小倉寛太郎さんからの手紙

 「過日の貴組合の集会では、皆様の多年のご健闘を知り、かえって私が大いに元気づけられました。改めて心からの敬意を表するものであります」


 読者のひろば

 〈何が何でも定員削減をやめさせなければ〉
 全法務京都支部山城分会の方から
 今年4月から配置がえとなった職場は、定員削減のため2年連続減員となった庁です。てっきり暇な職場かと思ったら大間違い。何が何でも定員削減を阻止しなければ、と思う今日この頃です。

 〈25%定削とても許せない〉
 全厚生岐阜支部大垣分会の方から
 25%定員削減…4分の1も削減して従来の業務量がこなせると本当に思っているのだろうか。とても許せない!

 〈あらたな定削はさらなる労働強化とサービス低下に〉
 全司法大分支部中津分会の方から
 定削の波をもろにかぶっている私たち行(二)職員。あらたな定削計画が強行されると、さらに、労働強化と行政サービス低下となるのは、目に見えています。

 〈とんでもない定員削減〉
 全労働北海道支部苫小牧職安分会の方から
 いま北海道は、完全失業率6・5%…行政サービスへの需要が益々増加するなか、定員削減なんてとんでもない。定削を主張する人は、ハローワークの状況を見たことがあるのだろうか。

 〈職場がパンクしちゃう〉
 全司法京都支部家裁分会の方から
 私の職場では、定員削減など論外です。事件増で、増員しないとみんなパンクしちゃいます。


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