国公労新聞 第1033号

ストップ! 自自公の暴走

●行革関連法案を衆院で採決強行
 11月25日の衆議院本会議では、独立行政法人個別法など行革関連法案が、わずか3日間の審議で採決が強行され、民主、共産両党が反対したものの、自民、自由、公明、社民の賛成多数により可決されました。参議院段階の審議にむけて、国公労連は、12月3日の中央行動や国会傍聴行動・議面集会などを展開し、法案の成立を許さないとりくみを進めています。
●年金改悪法案、前代未聞の差し戻し
 自自公与党三党が、数の力で、年金改悪法案を11月26日の衆院厚生委員会で強行採決。しかし、公聴会の前に採決の日程を決めるなど議会のルールも無視した暴挙に、野党が結束をかためて反撃し、国会が空転しました。11月29日には、衆院議長の裁定により、厚生委員会への差し戻しと審議の継続がなされ、年金改悪法案を阻止する条件が広がっています。


25%定削反対署名・行政相談でアピール〈愛知県国公〉
 --85名が参加し700筆の署名集める
 【愛知県国公発】愛知県国公は、11月20日、東海ブロック国公とともに、「25%定員削減反対署名」と「国立大学の独立行政法人化反対署名」など各単組独自署名での宣伝署名行動とあわせて「無料なんでも行政相談」を名古屋中区栄にてとりくみました。
 各単組から85名が参加し、宣伝カーの上からリレー方式で職場実態を訴え、署名への協力を求めました。うさぎとパンダのぬいぐるみによるアピールやふうせんも配り、土曜日午後の2時間行動でしたが反応はよく、約700筆もの署名が集まりました。
 「無料なんでも行政相談」は、登記、年金、労働条件、車検、税金、弁護士による法律相談、血圧測定も用意し、チラシの配布、宣伝カーやハンドマイクで宣伝して、国家公務員労働組合のとりくみを市民の方々にアピールすることができました。


仲間のいのちを守ろう
 --長時間労働の改善めざす交流集会ひらく
 霞が関「不夜城」といわれる本省庁職場の長時間残業の解消をめざし、「長時間労働の改善をめざす交流集会」が11月24日夜に開催されました。この集会は、国公労連と東京国公、霞国公の三者が、共同してとりくんだもので、約70名が参加しました。
●霞が関不夜城で10名が過労死
 霞が関では、連日、深夜までの残業がつづき、仕事の中身も、予算や法令作成、国会対応など密度が濃く、それが引き金となって、すでに97年以降10件近くの過労死・過労自殺がおこっています。こうした実態をあらためることは、本省庁職場の切実な要求です。
 集会では、「過労死110番」などで活躍されている岡村親宜弁護士が、過労死弁護団での経験から、労働組合としての運動のあり方などについて講演しました。岡村氏は、「年間3万人をこえる自殺者が出る非常事態のもとで、だれもが過労死や自殺においこまれる素地をもっている」として、労働組合が危機感をもち、専門対策部を常置するなどして、労働者の「かけこみ寺」となるべきだと問題提起しました。
●「タコ部屋」につめこんで24時間働け!
 各職場からの報告では、「残業解消アンケートで3割が毎月40時間をこえて残業している実態が明らかになった。いのちを守るたたかいとして運動している」「まず職場での残業解消にむけた意識を高めるために、アンケートの結果を幹部職員・管理職に配布した」など、調査活動をとおした運動の大切さが強調されました。
 また、この一年で仕事を苦にしたと思われる自殺があいついでいる労働省本省、膨大な法令作成のために、各部署や地方から集めた職員を「タコ部屋」におしこんで、まさに24時間働かせている通産省など過酷なまでの仕事の実態が「告発」されました。
●行革でいっそう深刻に
 人事院が、年360時間の超過勤務規制の目安をしめし、各省当局も、キャンペーン期間をもうけ、深夜の職場巡回や、健康管理のためのメンタルヘルス担当者を置くなどしています。しかし、こうした対策が、ストレートに残業解消につながっていないことに大きな問題があります。
 行革のもとで定員削減がつづけば、こうした事態はいっそう深刻になります。労働組合をあげての時短闘争が重要となっています。そのことからも、この集会を、長時間残業の改善にむけた出発点にしていく必要があることが全体で確認されました。


 99年国公全活会議特集〈基調報告のポイント〉
 いま国民の中へ、国民とともに

 --転機迎えた国公労働運動、全活会議で意思統一を

 2000年春闘を目前にひかえた12月16〜17日、「転機を迎えた国公労働運動、いま、国民の中へ、国民とともに」をスローガンに99年国公労連全国活動者会議を開催します。
   21世紀を前にして、雇用や賃金など国民生活の破壊、平和と民主主義の危機が進行しています。歴史の転換期といえる局面に見合った国公労働運動の発展をめざして、当面重視する運動課題とたたかいの基本方向を意思統一する、それが今回の全活会議の目的です。

●〈情勢の特徴〉すすむ雇用・賃金・生活破壊、平和と民主主義の危機
 今後の運動の課題を考える上で重要なことは、情勢をどうみるかということです。

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 戦後最悪、最長の不況のもとで、労働者・国民の状態悪化が急速に進行しています。
 猛烈なリストラ「合理化」のもとで、失業者の数は、戦後最悪の数字が続いており、300万人を突破しています。その一方で、「労働力の流動化」政策の結果、パートや派遣など不安定雇用労働者が増加し、雇用の破壊・流動化が深刻です。
 賃金も総額人件費管理が強化され、「業績・成果主義」賃金の導入と「労働組合不在」の状況をつくりだす「賃金の個別化」が進行して、「賃下げの時代」ともいわれる事態を迎えています。
 規制緩和・自由化政策のもとで、中小業者、自営業者は経営危機にあえぎ、コメ・農産物自由化は、農業を破壊し、医療・年金、社会保障の切り捨ては、高齢者をはじめ社会的弱者を直撃しています。
 また、「オール与党化」という政治構造がつくられ、「戦争法」の強行に象徴されるように、憲法の平和原則を乱暴にふみにじる「戦争ができる国」への転換が強行され、平和と民主主義の危機も進行しています。
 こうした労働者・国民の状態悪化の根源には、政府・財界の21世紀戦略としての「構造改革」路線があります。そして、この構造改革の「推進装置」として、今回の行政改革が位置づけられています。

●構造改革に対抗する新しい力の芽生え
 しかし、こうした危機的状況が進行する一方で、それに対抗する新しい運動の芽も着実に育っています。 「戦争ができる国」への転換は、平和を愛する根強い国民世論との対立はさけられません。規制緩和・自由化政策は、中小・自営業者、農民など、これまでの保守政治の支持基盤そのものを掘り崩しています。
 さらに、急激な雇用と賃金破壊によって、労働者をしばりつけてきた「企業主義」と「反共主義」の基盤がゆらぎ、急激に希薄化し、21世紀へのまともな労働運動発展の展望をきりひらくものとなっています。
   情勢のきびしさと、その一方ですすんでいる労働者・国民の意識の変化と新しい運動発展の可能性。ここに、今日の情勢の特徴があります。
 こうした情勢をふまえて、全活会議では、当面重視する課題として、(1)行革闘争、(2)春闘・賃金闘争、(3)国公産別組織の強化、の3課題を提起し、そのたたかいの基本方向について意思統一することとしています。

●〈行革闘争〉広範な国民と共同を
 行革闘争では、今回の行政改革を国民的に検証する立場から、憲法理念にそった国の役割・責任を各行政分野から追及することを基本に、当面の重点として、(1)国民生活の基盤を支える制度の改善と行政実施体制の確立、(2)財政の国民的改革、(3)行政減量化への反撃、(4)公務員制度の民主化、の4課題を提起しています。
具体的な運動の重点としては、国民の声を行政に反映させるための行政相談活動の活性化、広範な国民との行政懇談会活動の展開、歳入・歳出のゆがみとムダをはじめ、行政実態の告発と行政研究活動の強化、行政内部の民主化運動、などを打ち出しています。

●〈春闘・賃金闘争〉公務の役割を発揮し、国民春闘に結集を
 春闘・賃金闘争では、賃金闘争の前進を阻んでいる要因をあきらかにし、今日的な賃金闘争の基本目標の明確化((1)初任給の底上げ、(2)ライフサイクルに応じた生計費の確保、(3)熟練と専門性が正当に評価される賃金)、「能力・業績主義」賃金との対峙、権利闘争との結合、公務員賃金の社会的影響力をふまえた公務員労働組合の役割発揮、の4課題をすえています。
 また、運動の方向として、地域の運動を軸に国民春闘・地域春闘の強化、産別統一賃金闘争の強化を提起しています。

●〈組織強化の課題〉国民の期待にこたえ、地域に密着した運動
 2001年1月から新たな省庁体制がスタートします。国公産別組織の整備・確立では、独立行政法人となる組織の国公労働運動への結集、省庁再編に対応する共闘体制の強化を基軸に、公務関連労働者を視野に入れた広がりのある産別組織の確立をめざします。
 そのための第1の柱として、国民の期待にこたえ、きびしい攻撃に打ちかつ、確固とした産別組織の確立、第2の柱として、地域に密着した地方組織づくり、第3の柱として、全労連運動の発展・まともな労働運動の前進をめざすこと、を提起しています。


〈本の紹介〉
『独立行政法人--その概要と問題点』

(福家俊朗・浜川清・晴山一穂編著)   定価2100円
 複雑な制度をわかりやすく解説


 日本評論社より『独立行政法人―その概要と問題点』が出版されました。
 本書は、国公労連が行財政総合研究所に研究委嘱した「省庁再編の問題分析」の結果をもとに、独立行政法人制度の詳細な検討分析をおこなったものです。内容は、Q&A形式の「独立行政法人FAQ」と、論文編「中央省庁改革の全体構造と独立行政法人」、「資料編」の3部で構成されており、複雑な独立行政法人制度をわかりやすく解説した組合員必読書です。

 ■注文先 日本評論社販売部 電話03-3987-8621 FAX03-3987-8590


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