国公労新聞 第1005号
■1面
「行革大規模署名」「年金改悪反対署名」=「両輪の署名」ひろげ、
攻撃はねかえそう

 ●国公労連は、「行政サービス切りすての『行革』の中止、国民生活を重視した行財政への改革を求める請願署名」と「年金改悪に反対し、安心して暮らせる老後の保障を求める請願署名」を「両輪の署名」と位置づけ運動を進めています。組合員一人ひとりの力を寄せあって「両輪の署名」を広げ、大きな国民共同の力で、悪政と国民犠牲の行革攻撃をはねかえしましょう。

●急ピッチで進む、「行革」の具体化

 政府の行革推進本部は、99年4月までに「行革基本法」を具体化する関連法案や民営化・独立行政法人化などの「減量化計画」の決定をおこなうスケジュールでの作業を急ピッチで進めています。「行革基本法」の具体化を許さないたたかいは、正念場を迎えています。

●大企業本位vs国民本位の行革

 戦後最悪とも言われる深刻な不況に苦しむ労働者や中小企業経営者などを後目に、政府は、60兆円もの銀行救済策や12兆円もの国債発行でまかなうゼネコン救済の補正予算、法人税や大金持ち優遇の「税制改革」に狂奔しています。
 このような大企業むけの「経済対策」の一方で、年金支給開始年齢を65歳にくりのべる年金改悪や、雇用の不安定化をいっそう深刻にする労働者派遣法改悪などが進められています。
 21世紀直前のこの時期、不況と将来不安、雇用不安を拡大する大企業のための「改革」か、国民本位の行財政をめざす改革かの分岐点となっています。
●国民生活と職場・行政を守るために

 12月8日の衆議院本会議では、「財政構造改革法」停止法案が可決されました。しかし、停止された内容は、消費不況克服に不可欠な教育や医療、福祉、年金など「すでに計画済みのもの」は除外され、11兆円の国民負担はそのままです。同様のごまかしは、将来の税率引き上げを隠した消費税の「福祉目的税化」の論議でも見られるところです。
 「政・官・財」ゆ着の撤廃や、情報公開法案を先送りして、「行革」を公務員べらし、行政サービス部門の民営化にすりかえていることも同様です。
 このようなごまかしの「改革」が、国民生活をいっそう困難にし、職場を破壊することは明らかです。国民生活と職場・行政を守るために、政府がすすめる「改革」のごまかしを広く訴えることが求められています。

●「両輪の署名」で対話と共同を

 「行革」は、21世紀の「この国のかたち」を改悪するための突破口です。その中心は、国立試験研究機関や病院、学校、職業紹介、登記・供託など、国民生活にとってなくてはならない行政サービス部門を民営化・独立行政法人化して、国の仕事から切り離そうとすることにあります。
 「行革」を突破口に、公的年金を民営化し、病院経営を営利の対象にし、職業紹介を全面有料化するなど、「福祉国家」の解体がめざされています。自己責任と競争原理で、貧富の差を拡大する弱肉強食の社会に変えていく総仕上げとして、「行革」と年金改悪が位置づけられています。
 この点から、国公労連は、「行革大規模署名」(300万集約目標)と「年金改悪反対署名」(100万集約目標)の二つの署名を「両輪の署名」と位置づけ、政府の悪政に反対する国民的運動に積極的に結集していきます。

●署名は誰でもできる世論づくりの運動

 小渕内閣の支持率は、20%を切っています。この世論をさらに大きくして、悪政=「改革」推進の流れを変えることが、要求実現の展望を切り開く最短の道です。
 そして、世論を形にする署名を大きく集め、国会を包囲することが、政治の流れを変え、「行革」法案などの成立をくい止める力になります。
 そのために進める「両輪の署名」運動は、誰でもどこでもできる「対話と共同」の取り組みです。行政が果たしている国民生活への役割に確信をもって、一人ひとりの組合員が、これまでの署名集約を上回る目標を掲げて、協力を呼びかけられる最大の範囲に署名を訴えていきましょう。

■「両輪の署名」訴えのポイント

 私たちは、深刻な不況の今、国立病院や国立大学、登記・供託や職業紹介などを国の仕事では無くし、行政サービスを切り捨てる「行政改革」に反対しています。そんな「改革」ではなく、「政・財・官」のゆ着をなくし、大型プロジェクトへの税金のムダづかいをやめ、社会保障や雇用対策など国民生活を大切にする行政にあらためることを求めて署名に取り組んでいます。支給開始年齢の65歳くりのべなどの年金改悪に反対する署名ともども協力をお願いします。

■「両輪の署名」の取り組み日程

【11月18日】 ○「両輪の署名」の開始
【12月】 ○第1次団体要請(全労連傘下、国公産別の労働組合など「身近な」労働組合・団体への要請行動を展開)
【99年1月】 ○春闘討論集会での意思統一 ○第2次団体要請(連合傘下、民主団体などできる限りの団体に要請するとともに、第1次の要請団体からの署名を集約)
【2月】 ○地元選出国会議員要請(集約した署名をもとに国会議員の地元事務所に行革基本法の具体化反対、年金改悪反対を要請する)
【3月】 ○団体訪問(要請した諸団体を再度訪問し署名集約) ○中央段階での第1次署名集約(3月末) ○年金署名は、3月末に最大限集約をめざす
【4月】 ○署名の国会提出中央行動(第1次・4月中旬頃) ○国会議員、政党要請行動 ○全県キャラバン行動
【5月】 ○全国いっせい定時退庁運動 ○署名の最終集約(5月20日) ○中央集会(5月下旬)
■2面

●民営化・独立行政法人化反対大集会に1100人が参加(茨城県国公・学研労協)

 【茨城県国公発】茨城県国公は、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)と、11月28日につくば市中央公園で、1100名を超える多数の仲間の参加により、「国立機関の民営化・独立行政法人化反対11・28大集会」をひらきました。この集会は、11月13日から27日まで実施してきた県内主要駅頭宣伝行動「ハートキャラバン98」の総決起集会と位置づけ取り組みました。
 集会では、11月20日に発表された行革大綱原案が実行に移された場合、わが国にとって、21世紀に必要な技術と、医療、職業紹介など国民生活に必要な機能が確保できなくなることや、ここで働く公務員の身分や雇用が保証されていないことなどの問題点が報告されました。そして、集会の最後には、スローガン((1)病院、研究機関、検査、サービス部門の民営化・独立行政法人化反対、(2)政官財のゆ着構造を断つ、(3)高級官僚の天下り禁止、(4)行政の情報公開の推進、(5)国民生活の向上に寄与する行革の実現)を掲げ、年度末にかけた時期を正念場とし、全組合員が団結してたたかうことを決意しました。
 集会終了後は、市街地をデモ行進しました。また、当日は、新聞記者が取材に訪れ、翌日の朝日新聞朝刊などに集会が写真入りで報道され、国民にアピールする宣伝行動としても効果をあげました。

●県内4万筆の行革署名へスタートダッシュ
  --5地域で行革闘争地区連絡会を結成、42労働組合と訪問・対話(高知県国公)


 【高知県国公発】高知県国公は11月27日、早朝の宣伝行動を皮切りに、マスコミや議会要請、昼休み集会、労働組合への要請行動、繁華街での宣伝行動をおこない、のべ166人の仲間が参加して終日の行革闘争総行動に奮闘しました。
 「独立行政法人・民営化反対、くらしに役立つ行財政・司法の確立」と題した昼休み集会には120人を超える仲間が参加。自治労傘下の高知市職労書記長も激励にかけつけるなど、今後のたたかいにむけた総決起にふさわしいものとなりました。
 民放2社と新聞3社に対しての「行政改革に関する公平・公正な報道を求める要請」では、県民生活とのかかわりでの訴えが一定の威力を発揮し、労働組合への要請でも14人の仲間が42の労組を訪問・対話しました。
 11月24日から実施したキャラバン行動では、5地域で行革闘争地区連絡会を確立。県内4万筆の行革署名目標の達成をめざして足を踏み出したところです。

各地の行革シンポで国民共同ひろがる
●「行革シンポ」に120人(北陸ブロック国公)

 【北陸ブロック国公発】北陸ブロック国公主催の「行革シンポジウム」が、12月5日、金沢市内でひらかれ、民間労働組合からの参加も含め120人がパネリストの話に耳を傾けました。
 パネリストは、金沢大学教授・佐々木雅幸氏、長銀総研主任研究員・富沢木実氏、国公労連の小田川義和氏。シンポジウムでは、省庁再編などの行革問題が国民の生活に与える影響などを話し合い、パネリストからは「賛成」「反対」自由な立場からの発言を求めました。
 小田川氏は、「現在の行革は、理念もなく、内閣の権限を強化する一方で、国民に密着した部分を切りすてる単なる公務員べらしにすぎない。私たちは国民サービスに必要であることを訴えてたたかう」と発言しました。佐々木氏は、「理念もない現在の行革では、労働組合として対案の出しようのないものだが、一般的に対案を出して反対を主張することが好ましい」と述べました。富沢氏は、「行革は悪いことではなく、民間との分権化で官と民との適度の競争原理がはたらいてもいい」と発言しました。 会場からは、各単組の仲間による発言が活発に出されました。翌日の毎日新聞朝刊に、写真入りでシンポの模様が報道され、宣伝効果もあがりました。

●「行革」の問題点を国民の立場から告発!--東海ブロック国公シンポに126人

 【東海ブロック国公発】東海ブロック国公は、11月21日「告発!『行政改革』東海ブロック国公シンポジウム」を開催。シンポには、民間労組や一般市民、ブロック国公未加盟の国公労組も含めて、126人が参加しました。
 シンポジウムでは、朝日新聞の記者・中根勉氏が「新聞は、行革をどう書くか」と題して、新聞記者からみた「行革」問題を特別講演。中根氏は、新聞の視点は「税金がどう使われるか」で、国鉄債務問題や官官接待、大型プロジェクトなどを取りあげてきたと話し、国公労働者に対しても「行革が国民のためになるかどうか」という視点で貫いてもらいたいと期待を述べました。
 また、各省庁職場からの告発として、労働福祉省にされる全労働・全厚生から、国土交通省にされる全建労・全運輸・全港建から、独立法人化される全医労・全法務・全気象から、それぞれ「行革」の問題点を国民・利用者からの立場から告発しました。会場からは、全国税、財務局に働く仲間、運輸一般、建設ネ管理職ユニオン、農林の仲間らが発言。シンポは、参加者数・内容の点からも成功を収め、参加した仲間たちに元気を与えるものとなりました。

●国民犠牲の行革・教育改革--近畿ブロック国公シンポ

 【近畿ブロック国公発】11月21日、大阪市内で、大学教員・研究者への任期制導入に反対する大阪連絡会議主催による「中教審・大学審・行革路線を斬る―21世紀の教育と研究を考えるシンポジウム」がおこなわれました。シンポの協賛として近畿ブロック国公も加わり、教育・学校での問題点と、いま私たち国家公務員にかけられている行政改悪問題との交流を図るものとなりました。
 シンポで参加者の共通認識になったことは、「教育改革と行政改革という名のもとに国民犠牲を進めようとする根っこはひとつであり、ともにたたかっていくことが大切だ」ということです。シンポにより、共同のたたかいへの一歩が踏み出されました。

全労連が政府行革推進本部に申し入れ
  「国民・住民サービスの低下となる公務員べらしや独立行政法人化やめよ」

 全労連は、11月27日、政府の行革推進本部に対して、「行革基本法」にもとづく行革に反対の立場を表明し、以下の6点にわたり、申し入れをおこないました。
 (1)企業・団体献金、天下りを禁止し、情報公開をおこなうこと、(2)国民生活向上と労働者の権利確立を行政の基本にすえること、(3)公正で民主的・効率的行政を確立すること、(4)企画・立案部門と実施部門は一体とすること、(5)定員削減をやめ、公務員の労働基本権を確立すること、(6)公務員労働者・労働組合の意見反映を保証すること

■3面
人事院セクハラ防止の規則を制定--
来年4月から実施・職場からの取り組み強化を

 人事院は、11月13日、規則10―10に「セクシュアル・ハラスメントの防止等」の規則を新たに設け、具体的な通知を出しました。
 これは、昨年の141国会で雇用機会均等法が改定され、新たに事業主の配慮義務としてセクハラが設けられたことにともなう公務の対応としておこなわれたものです。

●昨年から国公労連は人事院交渉を実施

 国公労連は、これまで、昨年の人事院による実態調査の実施段階から交渉、折衝を重ねてきました。女性にとって関心の高いこの課題は、すでに以前からいくつかの単組の女性組織が要求としてとりあげ運動をしてきました。実態調査の結果は、3月に公表され、マスコミでも「公務職場に性的関係の強要を受けた女性が17%にのぼる」ととりあげられました。
 これまでの交渉で、セクハラを受けた女性が退職においやられていること、泣き寝入りしていること、訴えてもウヤムヤにされていること、興味本位に職場の話題になること、非正規職員が被害を受けていることなど切実な実態を示し、抜本的な対応を求めてきました。

●民主的な職場環境をつくるために

 今回の規則には、こうした要求が一定反映された内容になっています。来年4月1日実施を前に、職場に定着させ、民主的な職場環境をつくるうえで、労働組合の対応が大事になっています。どちらかというと、他の課題に比べてセクハラの課題は、放置すると当局がきちんと対応しない恐れがあります。その点で労働組合としての対応が重要になっています。
 女性のみを対象とした民間に比べ、公務では男女とも適用する制度となりました。また、対象者も職員の他に同じ職場に働く人すべてを含めていること、場所についても職場以外のところも含めていること、相談窓口の設置については職場内の他に、職場の外についても示唆していること、相談は第三者からもできることなど、柔軟な対応が可能なものになっています。

●真の男女平等求めて

 女性たちの期待が大きいセクハラ防止。労働組合が機能している職場ではセクハラも少ないと言われています。この春闘で職場からセクハラを一掃させ真の男女平等、民主的な職場づくりのとりくみをすすめましょう。

エキサイトを大きく広げよう--東海ブロック第2回青年女性交流集会を開催
 【東海ブロック国公発】東海ブロック国公第2回青年女性交流集会は、10月30日から31日、豊橋市のシーパレスリゾートで開催されました。参加者は、全体で26名(うち女性5名)。少人数の集会ですが、各単組・県国公の代表参加とあって、小規模集会と感じさせないものでした。
 1日目は、レクリエーションで「ソフトバレー大会」。各選手とも熱いたたかいを繰り広げました。2日目は、「国公青年運動を盛り上げよう」と題し、国公労連青年協・高山副議長が特別講演。前日のアルコールを吹き飛ばす熱弁を奮い、「エキW」を成功させることが、君たちの任務だと強調、今回参加した青年が、職場で10人ずつ誘い合えば、300人参加できます。大きく広げようと決意を固め合いました。続いて、青年と女性に別れた分科会を開き、それぞれ青年部活動や女性部活動での経験交流を行いました。
 東海ブロック国公は、今後「エキサイト」の成功めざして、引き続きがんばります。

大田市で市民集会を開催し450人が参加
 島根県大田市内で12月6日、「より良い市立病院をつくる市民集会」が開催され、全国から450人が参加しました。国立大田病院の市への移譲問題で、希望者全員の雇用を実現する運動を強化することを確認しあいました。


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