「公共サービス商品化」反対宣伝行動用スポット原稿
(Ver.3)2007年2月13日作成


▼宣伝スポット原稿〈全運輸〉自動車登録の民間化反対

 自動車登録に関する最近の動きでは、政府の規制改革・民間開放推進会議が昨年12月にまとめた「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」のなかで、法律上、民間に権限を与え、法令や契約で措置すれば「民間開放することに何ら支障は認められない」と決めつけています。

 このことは、公務職場の総人件費抑制の施策に基づくものであり、公務員の数を減らすことはもとより、「安全」「安心」をも切り捨てる施策であることは明白であります。

 このような一方的な「決めつけ」に対し、わたくしたちの意見も聞いていただきたいと思います。

 自動車登録の職場では、今、自動車を保有するために必要な多くの手続(検査・登録、保管場所証明、自動車諸税の納税等)を、インターネットを活用しオンラインで、しかも一括して行うことができるようにしようとしています。こうした登録のワンストップサービス化によって利用者は窓口に出向かなくても手続きができるという利便性の向上が図られます。このことで仕事の効率化をはかり職員の削減をすすめるという計画です。

 しかし現実は、オンラインでの申請が急激に普及する状況にはありません。なぜなならば誰もがインターネットを活用できる環境ではないからです。また、オンライン申請に必要な個人認証のための住基ネットの普及率はわずか0.7%と、全くと言っていいほど進んではおらず、仕事の合理化はすすんでいません。

 その一方では、後を絶たない自動車の不法投棄の防止とリサイクル促進のため、自動車重量税の還付制度への対応など新たな仕事が増えていますが、これに見合った職員は配置されず、現在の要員数で精一杯のなか頑張っているのです。

 このように仕事は減らずに職員の削減だけがすすめられていますが、現実は職員を減らす余裕などどこにもないのです。

 また、わたしたちは車検証に記載されている「個人情報」を有しております。車をお持ちのみなさん、一度は車の車検証をご覧になったことがあると思いますが、車検証には「所有者」「使用者」といった個人情報が記載されています。その車が全国に7,900万台あります。ということは、7,900万の「個人情報」を預かっていることになります。

 さらには、車の名義を変更するにしても、廃車するにしても、車検を受けるにしても、国でいただいている手数料は、1,000円前後であります。しかし、民営化されれば、独立採算で運営する以上、この手数料が値上げされることは容易に想像ができると思います。

 こういった個人情報を含めた公共的な行政サービスを、営利を目的とした民間企業が公平・公正・中立の立場で運営していくことはできないと考えます。

 国が、公務員が、この役割を担っているからこそ「安全」で「安心」なのではないでしょうか。



▼宣伝スポット原稿〈全労働〉人間らしく働くルールを壊す雇用・労働分野の規制緩和反対

 ご通行中のみなさん。私たちは、労働基準監督署、公共職業安定所(ハローワーク)、法務局、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、いま、日本の労働者に深刻な事態が発生しています。

 日本の労働者の3割は、パートや派遣・請負などの、不安定・非正規雇用となっています。こうした不安定・非正規労働者は、出勤時間や勤務日だけでなく、勤務先までも携帯メール一本で都合良く変更されたり、いつ契約を打ち切られるのかわからないという不安を抱えつつ、社会保険などの保障も無いケースが多く低い時給で年収300万、200万を切る収入で酷使されています。さらにひどい状況になると、本人が知らない間に雇用契約から個人事業主として請負契約にされ、法的に労働者保護の枠外に押しやられ、より過酷な収入や労働条件を押しつけられている実態も聞こえてきています。

 また、正規労働者はどうかと言えば、非正規よりも著しい長時間過密労働の渦に埋没させられています。長時間過密労働が原因と考えられるメンタル疾患発症数や過労死・過労自殺の件数は年々増加の傾向です。

 ワーキングプアの増大、格差社会の到来などと、盛んにマスコミで取り上げられていますが、こういった問題が取り上げられること自体は必要なことですが、報道は氷山の一角でしかありませんし、大企業を中心とする財界は、「自己責任」のかけ声とともに「安心して働く職場作り」という当たり前の使用者責任を放棄しています。

 昨年発足した安倍政権下の経済財政諮問会議において、労働・雇用問題が取り上げられ、日本版ワイトカラーエグゼンプションと呼ばれる労働時間規制の適用除外や労働基準法の適用除外につながる労働契約法導入、労働者派遣事業の完全自由化、労働行政、特にハローワークの民間開放の促進が財界などから求められ、積極的に検討していくことになりました。こうした財界要望に屈した形で、厚生労働省の労働政策審議会では、労働者側代表の反対意見を並記しつつも、日本版ホワイトカラーエグゼンプションの導入を答申し、厚生労働省も法案化を諮問しています。(法案を国会に提出しました。)報道では、参議院選挙をにらんで、残業代ゼロ法案とも言われる日本版ホワイトカラーエグゼンプションについては、成立が(国会提出が)見送られたと言われていますが、選挙後には議論が再浮上することは必須です。
大企業・財界のねらいは、こういった労働者の働く権利の「規制緩和」だけでなく、ハローワークや監督署の業務を民営化や民間開放して、財界の息のかかった人材ビジネスを通さないと、この日本では働くことができない、システムを作ろうとしていることは明らかです。これは労働者だけの問題ではありません。大企業の意に沿わないと中小零細企業では、社員やアルバイトを採用することすらできなくなるのです。

 このようなねらいを許さず、安心して働くことができる日本を取り戻しましょう。



▼宣伝スポット原稿〈全厚生〉国民誰もが安心して暮らせる社会保障制度を

 社会保険庁は、国民年金や厚生年金の保険料を集め、年金の給付を確定したり、年金の支払いを行う国の行政機関です。

 政府は、社会保険庁を「解体・廃止・6分割」する方針です。年金の業務を公務員でなく、公法人で行うものです。さらに、業務をできる限り民間企業に委託して、「公務リストラ」をすすめようとしています。これは、社会保険庁の解体・民営化です。政府は、この法案の準備をすすめ、3月中旬に国会提出しようとしています。

 政府は、国民の信頼を回復するため、と言って改革をすすめています。しかし、年金制度の現状はどうでしょうか。04年の年金改革では、100年安心、持続可能な制度をつくるといって、大改悪を強行しました。国民の年金不信は、保険料を引上げ、給付水準を切り下げた政治の責任です。社会保険庁を解体・民営化しても、年金制度が良くなることはありません。

 では、解体・民営化は、誰が望んでいるのでしょうか。保険で儲けようとする大企業、保険業界や金融機関です。公的年金を、儲けの対象にすることは、憲法に照らして、許されません。 公的年金の運営は、長い期間、確実な管理が必要です。加入記録や保険料の管理など、国が責任を持ってこそ、安心できる制度運営が保障されるのです。事務や事業の業者が入れかわっては、安定的な運営はできません。社会保険行政は、国が責任をもって行うことが必要です。

 社会保険庁改革では、雇用問題が深刻になっています。自民党は、「新組織へ今の職員がそのまま移行することは許されない」「分限(解雇)条項を発動すべきだ」などと主張しています。新組織への採用では、「国鉄分割・民営化」の時と同様の仕組みがつくられようとしています。JRへの採用では、国鉄職員の「差別・選別採用」が行われ、国際的にも批判されました。そんな事態を再び、起こしてはなりません。公務員は、国民全体の奉仕者です。憲法にもとづき、公正・公平な行政を行うために、身分も保障されています。政治的に、恣意的に分限(解雇)処分を行うことなど、到底、許されません。

 政府は、社会保障の予算を徹底的に抑えようとしています。国民には、痛みを強いて、結局、儲けるのは大企業ばかりです。憲法25条は、国民の生存権を保障しています。誰もが安心して暮らせる年金制度、社会保障制度をつくるために共同を広げましょう。



▼宣伝スポット原稿〈全法務〉登記は国が責任を持ってこそ、信頼性・安全性が図られます

 ご通行中の皆さん、私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 約5年半にわたって継続した小泉内閣は、トップダウンで行う手法によって、「小さくて効率的な政府」の実現に向け、「官業の民間開放」や「総人件費改革」を徹底的に推し進めてきました。

 この路線を引き継いだ安倍首相は、「官邸主導のリーダーシップ」を強調し、「筋肉質」な「小さくて効率的な政府」をめざすとし、様々な施策を推し進めています。

 2006年5月、「行革推進法」、「公共サービス効率化法」が成立しました。

 私たちが行っている「登記事務」については、行革推進法第48条第2項において、「その実施を民間に委ねることの適否を検討し、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする」と定められています。

 また、公共サービス効率化法に基づく、「公共サービス改革基本方針」では、「証明書交付等事務」について、平成20年度から市場化テストによって民間に開放することが明記されています。

 さらに、規制改革・民間開放推進会議においては、登記事務の民間開放に関する検討が行われ、「登記事務の民間開放について、公正・中立・公益性の担保に関しては、法律上又は契約上受託者にその要件を課すことで十分に対応できる、事務もマニュアルが整備されれば行うことができるものであり、登記事務の民間開放に関し検討する」とされています。

 登記は国が保証する信用制度です。

 私たちの職場法務局では、国家公務員である登記官が守秘義務のもと提出された申請書を厳正に審査し登記しています。登記は登記官によって厳正に審査され登記簿に登記されてこそ、中立・公正な制度が維持できます。

 このような制度であるからこそ、国民の皆さんはその登記を信頼し、不動産を売買したり、それを担保にして金融機関からお金を借りたりしています。しかも国が責任を持っているからこそ、万一、国の行為で損害が生じた場合には国が保障するのです。

 しかし、登記事務の民間開放となれば、中立・公平な制度が維持できなくなるばかりか、民間では必然的に利潤の追及が行われます。利潤を求めるとなれば、登記相談の有料化、各種証明書等の手数料引き上げなど、利用者の負担が増えるばかりか、儲けにならない地方では業務の切り捨てが行われ、中央と地方の格差が拡大し、全国一律のサービス提供ができなくなります。

 このような理由から、登記は国が責任を持って実施しなければならない公共サービスであり、その事務は国家公務員たる登記官が行わなければなりません。

 登記は国が責任を持ってこそ信頼性・安全性が図られるのであり、民間開放には絶対になじみません。民間開放された後になって、「こんなはずではなかった」では遅いのです。今だからこそ私たちの主張を理解して頂きたいと思います。



▼宣伝スポット原稿〈総理府労連〉国勢調査などの統計調査を民間会社にませてよいのでしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 総務省統計局は「国勢調査」をはじめとして、毎月の結果が注目を集めている失業率や消費者物価指数のもとになる「労働力調査」や「家計調査」、「小売物価調査」などの統計調査を行っています。また、独立行政法人統計センターは統計局や他の省庁から受託した統計調査の集計を行っています。

 「国勢調査」などの重要な統計調査は、ほとんどが県や市町村から公務員である調査員が事業所や世帯にうかがう形で実施され、世界的にも高い水準の統計が得られています。統計は国や地方公共団体の施策に用いられるだけでなく、そうした施策の是非を判断する材料として、私たち労働組合も含め、広く国民に活用されている国民共有の財産です。

 しかし、今、公務員の削減と「市場化テスト」等による公共サービスの民間開放が叫ばれ、統計調査の実施や集計についても、その対象にあげられています。競争入札で調査実施者を決定することになれば、地域や調査年によって、実施者が異なることになり、ノウハウの蓄積が難しくなります。個人情報にふれる統計調査員が、民間企業の社員では、プライバシーが侵されるという危惧によって回答率が激減することもあります。そうなれば、同じ結果精度を保つためのコストは増大することになります。

 また、競争入札となれば、結果精度よりも安上がりであることが優先され、回答率を上げるために調査票の偽造など「安かろう、悪かろう」となりかねません。実際、そうした例もあります。歴史的事実を統計数値の形で把握し、長期間の変化を重要視する統計調査は、やり直しはききません。

 政府は民間に国の業務を開放すれば景気が良くなると言いますが、実際には事業を受注した企業が利潤を得ても、安上がりに仕上げるために不安定雇用が増えることや結果の利用が有料になることも心配され、庶民にとっては何の利益にもなりません。

 私たちは精度の高い統計を迅速に作成し、広くみなさんに使っていただくというこの仕事に誇りを持って取り組んでいます。公共サービスを商品化してはならないという私たちの運動にご協力をよろしくお願い致します。



▼宣伝スポット原稿〈全港建〉民間委託・民営化が本当に国民のためになるでしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 今、私たちの職場では、要員不足のために業務がまわらず、非常勤職員や委託労働者が急増しており、国民の共有財産である社会資本の整備に支障をきたしています。

 港湾や空港など良質な社会資本を整備するためには、国や自治体自らが計画・設計・積算・監督・検査などの業務を行うことが必要です。特に、公平・公正・中立が求められる監督・検査業務は重要で、公共事業の要(かなめ)です。大きな社会問題となった「耐震強度偽装問題」も、「規制緩和」「官から民へ」の方針のもと、建築確認・完了検査を民間でも実施できるようにしたのが根本原因です。国民の命と財産を守るための業務を営利目的の民間に委ねた弊害が形となって現れたものです。また、手抜き工事による品質低下も大きな問題となりましたが、これは監督・検査体制が不十分なために起こった事件です。社会資本の整備は、国や自治体が十分な体制のもとで責任を持って行うことが何より重要です。

 私たちの職場では海洋環境整備事業も行っており、海面を掃除するためにゴミ・油回収船を所有していますが、ここでも十分な要員の確保ができていません。ほとんどの船舶で常勤職員数と非常勤職員数が逆転していたり、1隻まるごと民間委託している例もあります。これらは、@人件費は削減できても別の予算からそれ以上の支出をしており、政府の進める行政の効率化・財政再建にも明らかに矛盾していること、A安全の確保に支障が生じていること、B技術力が著しく低下していること、C緊急事態への対応力が低下していること、など様々な問題が生じており、国民の期待に十分応えられる体制とはなっていません。

 本来、国民が求めているものは、国民の「生命と財産」を守ることであり、「安心・安全の公共サービス」です。それは、市場経済が求める効率化には馴染まない性格のものであり、「官から民ありき」ではなくて、「官でしかできないこと」、「官だからできること」を考えていくことが大切なのではないでしょうか。その上で、必要要員を確保し、国民の期待に応えうる体制づくりが国や自治体の責任です。

 私たちは、効率的な行政の実現に反対するものではありません。しかし、政府が押し進める画一的な定員削減と、民間には馴染まない官業の民間委託・民営化に断固反対するものです。国民の権利保障を後退させる公務・公共サービスの民営化や「市場化テスト」の安易な導入を行わせないためにも、みなさんのご理解とご支援をよろしくお願いします。



▼宣伝スポット原稿〈全建労〉公務リストラで国民生活が脅かされる

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 いま、財政赤字を理由とした公務リストラの一環として「官から民へ」の流れが強められています。本来、国が責任を持って行うべきである分野での切り捨てが進められようとしていますが、国民生活の安全は守られるのでしょうか?

 2005年、耐震強度偽装事件が大きな社会問題になりました。国・自治体で行うべき検査を民間の指定検査機関で実施できるように民間開放を進めてきたために発生した事件です。中立・公正な立場から住民の安全を守るため行っていた検査を利益優先の民間企業に開放した結果です。

 また、12年前の「阪神・淡路大震災」では、公共施設の手抜き工事が大きな問題になりました。手抜き工事を無くすには納税者の立場で専門的技術をもつ公務による監督・検査でしっかりチェックすることが大切ですが、今まさに、その監督・検査を民間にまかせようとしています。

 昨年は、相次ぐ台風の上陸などにより多くの人命と財産が犠牲になりました。河川・道路などの公共施設も大きな被害を受け、国民生活に多大な影響を与えるなどあらためて安全な施設を作ることの大切さが明らかになりました。

 「官から民」ということで河川・ダム、道路の施設管理業務も民間開放の対象として検討が進められていますが、公共施設の管理を民間にまかせた時に災害時などの危機管理、防災対策はどうなるのでしょうか。

 米国では危機管理局まで一部民営化して被害の救援を民間委託したためハリケーン被害では災害対策が困難になり「小さな政府の小さな救援」と問題になったことで見直す動きもあります。

 国民の安全・安心を守ることが行政の責任であり、災害が発生した場合は迅速に対応することはもちろん災害を事前に防ぐための防災対策をしっかり行うことで国民の生命と財産を守るべきと考えています。

 ご通行中のみなさん。私たちは『安全・安心、貧困と格差のないもうひとつの日本』の実現をめざしています。今、宣伝カーの周りで私たちの仲間が配布しておりますビラをぜひ受け取っていただき私たちの主張をご一読の上で理解とご協力をお願いします。

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