「公共サービス商品化」反対宣伝行動用スポット原稿
(2006年2月13日作成)


▼宣伝スポット原稿〈全運輸〉自動車検査・登録の民間化は国民の安全を脅かします

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 政府や規制改革・民間開放推進会議が昨年末にとりまとめた「行政改革の重要方針」「規制改革・民間開放の推進に関する第2次答申」では、公務業務の民間開放を推進することが盛り込まれています。
 その中で、自動車登録業務などは、マニュアルさえ整備すれば民間でも実施することが可能であるとしていますが、本当にそうでしょうか。
日本の自動車保有台数は、04年3月末現在で約7,700万台にのぼり、国民2人に1台の割合になっています。

 自動車の検査・登録業務は、国民の生命・財産を守るという観点で、「所有権の公証」「安全基準の確保」を図るものであり、納税、犯罪捜査の基となるデータなど重要な役割をはたしています。とりわけ、国民の生命を守るその安全基準の確保については、現在、自動車検査独立行政法人で自動車検査を実施することで、新規登録時の検査と毎年あるいは2年毎に安全確認を行う継続検査や走行している自動車を検査する街頭検査を行っています。

 また、高級車などの盗難事件が頻繁に発生し、他の業種では、個人情報の流出事件も相次いでいます。そうした状況のなかで、マニュアルさえ整備すれば、誰が自動車登録業務をしても良いということになるのでしょうか。国民の財産や個人情報が本当に守られるためには、政府が直接実施するのが最善です。
さらに、自動車の安全基準(保安基準)に適合していない自動車が、日常的に道路を走行移動することは、非常に危険なことです。その安全基準の適合性を確認する自動車検査を全て民間に任せ、基準に適合しない自動車の修理・整備の指示や走行停止の命令を行えるでしょうか。

 現在、自動車登録・検査業務は、全国どこでも同じ内容で、厳正、迅速かつ確実に処理しています。各都道府県93カ所に国の運輸支局、自動車検査登録事務所、自動車検査独立行政法人の検査部、事務所が設置され、専門的な知識を持って対応してしています。
 しかし、営利追求、効率化が最優先される民間化となれば、このような体制が維持される保障はありません。

 私たちは、自動車検査・登録を民間が行うことに次のような不安を持っています。
 一つは、利益追求となり、検査・登録手数料が値上げとなるのではないか。二つには、手続き窓口が縮小される地域が生まれるという点です。サービスの質が低下し、国民の負担が増えると考えています。
 また、登録情報の管理がおろそかになり、国民の個人情報が流出する危険があることや、不正な登録が判断できず、盗難車の転売が横行するのではないかなどの不安を持っています。
三つには、安全基準に適合しない自動車が走行し、横浜での母娘が走行中、大型トラックはらはずれた前輪に惹かれ母親が死亡するなどの交通事故が増加するのではないか。
 また、不正改造車が横行し、自動車検査・登録の公正な取引など秩序の確保が困難となります。まさに、今世間を騒がしている「耐震構造偽装問題」と同じ結果となるのは、明らかです。
 いま、政府が行おうとしている自動車検査・登録の民間開放は、国民の安全や財産保護、社会秩序の維持という自動車検査・登録制度を根幹から崩壊させるものに他なりません。

 国の業務は、国家として国民のみなさんのくらし、生命、財産を保障する大事な業務です。是非とも、公務業務の民間開放に反対する声をあげて頂き、私たちのとりくみを御支援下さるようにお願いします。



 ▼宣伝スポット原稿〈全労働〉人間らしく働くルールを壊す雇用・労働分野の規制緩和反対

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、いま、働く人たちに深刻な事態が進行しています。日本の労働者の3分の1は、パートや派遣・請負などの非正規雇用となっています。こうした非正規労働者は、いつ契約を打ち切られるかわからない不安定な立場に置かれています。同時に、正社員とくらべて不当に低い賃金を強いられ、将来設計が描けない実態にあります。
 一方、正社員の働き方も異常です。企業の人員削減によって一人ひとりの業務量は激増しました。そうした中で、長時間労働が蔓延して、過労死・過労自殺という悲惨な事態が後を絶ちません。また、不払い残業も横行している実態にあります。その背景には、政府が企業の求めに応えて、人間らしく働くためのルールを壊してきたことがあります。

 みなさん、少子化問題が言われる中、いま求められるのは、将来に希望が持てる安定した雇用の拡大と、家族揃って夕食が取れるように、長時間労働を厳しく規制するなど、働くルールを確立することです。
 しかしみなさん、財界はまったく反対の要望を繰り返しています。政府の規制改革・民間開放推進会議は、昨年12月21日、「第2次答申」を発表しました。そこでは、少子化への対応として、驚くべき内容が書かれています。

 規制緩和を求める彼らの少子化対策は、まず第1に、ホワイトカラーを労働時間管理の対象から除外することです。アメリカのホワイトカラー・エグザンプションを参考例としていますが、何時間残業しても、残業手当の支払いはなくなります。一体どうして不払い残業の合法化が少子化対策なのか、とうてい理解できません。

 「第2次答申」は、深夜業規制の緩和も、「少子化対策だ」と言っています。人間の生理に反する深夜労働は、人体に悪影響を及ぼすもので、むしろ少子化を加速させるものにほかなりません。これを少子化対策という神経は異常と言うしかありません。

 ほかにも、労働者派遣業の規制緩和も少子化対策、製造業で技術の伝承が困難になっているのも、派遣の規制緩和で解決できると、奇妙な言い分を並べています。

 みなさん、こんな不合理な要望を認めるわけにはいきません。国民の安心・安全が求められるいまこそ、雇用・労働分野の規制強化が必要ではないでしょうか。



 ▼宣伝スポット原稿〈全厚生・社会保険事務所前宣伝行動用1〉社会保険庁の解体的組織再編は社会保障構造改革の先導役

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、財界・大企業やアメリカ言いなりの政治を強行する、小泉自民党内閣のもとで、医療・年金・介護をはじめとする社会保障制度の大幅な切り捨てが進められ、国民生活の格差は拡大する一方です。しかし、政府の各種調査やマスコミのアンケートなどにおいても、日々の暮らしと老後生活の充実のために、年金や医療をはじめとする社会保障制度の拡充を求める、国民の声はますます強くなっています。

 みなさん、一昨年6月、多くの国民の反対の声を無視し、自民、公明両党の強行採決により、100年不安といわれる年金制度の大改悪が行われました。今でも負担が重く未納・未加入による空洞化が社会問題化している国民年金や、中小企業の経営を圧迫している厚生年金の保険料は、今後11年間毎年引き上げられます。また、老後生活の要でもある年金給付水準は、2023年度まで自動的に引き下げられます。こうした制度の大改悪に対する国民の不信や不安が極限に達しているにもかかわらず政府自民党は、今度は、医療制度の改悪を行うことを決定し、開会中の通常国会に関連法案を提出しようとしています。

 2002年10月の高齢者1割負担導入、2003年4月のサラリーマン3割負担に続く改悪の主な内容は、(1)70−74歳の負担割合を現行の1割から2割へ。そして現役並み所得者は2割から3割に引き上げられます。(2)また、75歳以上の扶養家族についても新たに保険料を徴収する。しかも介護保険と同様に年金からの天引きとなります。(3)さらに、高齢者の長期入院患者については、食費と居住費が全額自己負担となります。(4)そして、高額医療費の自己負担限度額も大幅に引き上げられます。−−このようにまさに「金の切れ目が命の切れ目」といっても過言ではないとんでもない改悪であります。

 みなさん、さらに政府自民党は、こうした医療制度の改悪を、業務を執行している社会保険庁の解体とあわせ強行しようとしています。確かに社会保険庁を巡る保険料の無駄遣いや、一連の不祥事等は極めて深刻な問題であり、率直な反省と業務・サービス体制の改善が求められていることは当然のことですが、健康保険と年金制度は、制度発足以来国が責任を持って運営してきました。制度の充実が益々求められる中で、こうした社会保険庁の解体は、制度に対する国の責任放棄・縮小であり、健康保険制度の民営化への一里塚であることも予想されるところです。

 私たち国公労連は、国の責任と負担の軽減を目的とした医療改悪を推し進めようとする小泉自民党政権に対し、社会保険庁の解体的組織再編が、社会保障構造改革の先導役として、また、職員の選別雇用なども含んだ重大な問題として、医療制度改悪と社会保険庁「改革」の持つ問題点を広く世論に訴え、国民本位の医療保険制度の実現のために奮闘していきたいと考えます。



 ▼宣伝スポット原稿〈全厚生・社会保険事務所前宣伝行動用2〉社会保険庁の解体は、社会保障制度に対する国の責任放棄

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、財界・大企業やアメリカ言いなりの政治を強行する、小泉自民党内閣のもとで、医療・年金・介護をはじめとする社会保障制度の大幅な切捨てが進められ、国民生活の格差は拡大する一方です。しかし、政府の各種調査やマスコミのアンケートなどにおいても、日々の暮らしと老後生活の充実のために、年金や医療をはじめとする社会保障制度の拡充を求める、国民の声はますます強くなっています。

 みなさん、こうした国民の声を無視し政府自民党は、2004年の「年金改悪」、2005年の「介護保険改悪」、そして今年は「医療制度の改悪」と、日本の社会保障制度の大改悪を強行しようとしています。
 2002年10月の高齢者1割負担導入、2003年4月のサラリーマン3割負担に続く改悪の主な内容は、(1)70−74歳の負担割合を現行の1割から2割へ。そして現役並み所得者は2割から3割に引き上げられます。(2)また、75歳以上の扶養家族についても新たに保険料を徴収する。しかも介護保険と同様に年金からの天引きとなります。(3)さらに、高齢者の長期入院患者については、食費と居住費が全額自己負担となります。(4)そして、高額医療費の自己負担限度額も大幅に引き上げられます。−−このようにまさに「金の切れ目が命の切れ目」といっても過言ではないとんでもない改悪であります。

 みなさん、さらに政府自民党は、こうした医療制度の改悪を、業務を執行している社会保険庁の解体とあわせ強行しようとしています。確かに社会保険庁を巡る保険料の無駄遣いや、一連の不祥事等は極めて深刻な問題であり、率直な反省と業務・サービス体制の改善が求められていることは当然のことですが、健康保険と年金制度は、制度発足以来国が責任を持って運営してきました。今回の健康保険と年金制度の分離は、保険料の都道府県単位の運営という格差の拡大と、負担増を合わせて伴うことも指摘されています。制度の充実が益々求められる中で、こうした社会保険庁の解体は、制度に対する国の責任放棄・縮小であり、健康保険制度の民営化への一里塚であることも予想されるところです。



 ▼宣伝スポット原稿〈全厚生〉国民の願いに応える社会保障行政の実現を

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 みなさん、これまで、医療・年金・介護など、社会保険制度の改悪が連続して行われ、保険料負担が引き上げられる一方、給付水準は切り下げられてきました。さらに政府は今、社会保障の一体的な見直しと称して、制度改悪をすすめています。この通常国会では、お年寄りいじめの医療費負担増をすすめる医療制度改悪がねらわれています。

 政府は、医療の分野で、民間開放、市場化を押し進めています。病院への営利企業の参入、保険が利かない診療を拡大しようとしています。社会保険制度の公的保障の範囲を限定し、国の役割を縮小して、制度改悪をすすめています。これは、社会保険を儲けの対象にするものです。日本とアメリカの保険会社は、社会保障改悪の間隙をぬって、新たな商品を売り込む算段です。財界は、社会保険の民営化、民間保険化をねらっています。

 みなさん、年金、医療、介護などの社会保険行政は、国民生活になくてはならないものです。これらの制度は、憲法25条にもとづき、国民の生存権保障を具体化したものです。国は、社会保険制度をよりよい制度にするために努めなければなりません。憲法が明確にうたっています。「小さな政府」と称して、大きな国民負担を強いることは、この方向とは全く逆の話です。市場原理で競い合い、営利目的の民間企業に置き換えて、国民の安心、安全は守れません。

 老後が安心して暮らせる年金制度をつくること、安心して受けられる医療制度をつくること、介護保障を拡充することこそ、国民の願いです。小さな政府で、大きな国民負担に跳ね返ってくるのは、ゴメンです。社会保障制度を充実させることは、政府の責任です。国民の願いに応える社会保障行政を実現させるために、ご支援とご協力をお願いします。



 ▼宣伝スポット原稿〈全法務〉不動産・会社などの登記業務は民間開放になじみません

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 いま、小泉構造改革により進められようとしている「公共サービス」の改革について、国の機関で働くものの立場からみなさんに訴えたいと思います。
 私たちの国では「公共サービス改革」の代表格として、規制緩和や公共業務の民営化があげられます。

 しかし、みなさん、昨年4月に発生したJR西日本福知山線の事故は、民営化されたJRが利潤追求を最優先したことが原因であり、耐震偽造事件は国の許認可を民間に任せてしまったことが問題となっています。更に最近ではライブドア事件も商法の規制緩和を悪用したことが原因となっており、バラ色に宣伝された規制緩和や公共業務の民営化は直接国民の生命や財産を脅かす大問題となってきています。

 ところが、みなさん、小泉内閣は同じ過ちを繰り返そうとしています。それが今進められている「公共業務の営利企業への開放」であり、それを推進するために、開会中の国会に「公共サービス改革法案」を提出しようとしました。

 さて、私たちの職場法務局では国家公務員である登記官が守秘義務のもと提出された申請書を厳正に審査し登記しています。登記は、経済活動の基盤となる信用制度であり、登記官によって厳正に審査され登記簿に登記されてこそ中立・公正な制度が維持できます。このような制度であるからこそ、国民のみなさんはその登記を信頼し、不動産を売買したり、それを担保にして金融機関からお金を借りたりしています。しかも国が責任を持っているからこそ、万一、国の行為で損害が出た場合には国が保障し、耐震偽造事件のように民間会社が責任のなすりつけあいをするようなことはありません。

 しかし、登記業務の民間開放となれば、中立・公平な制度が維持できなくなるばかりか、民間では必然的に利潤の追及が行われます。利潤を求めるとなれば、登記相談の有料化、各種証明書等の手数料引き上げなど、利用者の負担が増えるばかりか、儲けにならない地方では業務の切り捨てが行われ、全国一律のサービス提供ができなくなります。
 このような理由から登記は、国が責任を持って実施すべき公共サービスであり、民間開放にはなじみません。
 民間開放された後になって「こんなはずではなかった」では遅いのです。今だからこそ私たちの主張を理解して頂きたいと思います。



 ▼宣伝スポット原稿〈総理府労連〉国勢調査などの統計調査を民間会社にませてよいのでしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 総務省統計局は昨年10月に実施した「国勢調査」をはじめとして、毎月公表される結果が注目を集めている失業率や消費者物価指数のもとになる「労働力調査」や「家計調査」「小売物価調査」などの統計調査を行っています。また、独立行政法人統計センターは統計局や他の省庁から受託した統計調査の集計を行っています。

 「国勢調査」などの統計調査はほとんどが県や市町村から公務員である調査員が事業所や世帯にうかがう形で実施され、世界的にも高い水準の統計調査が実現しています。統計調査は長期間の結果を比較して国民のくらしや雇用の改善に活用されており、将来にわたって生き続ける国民共有の財産ということが出来ます。

 しかし、今、統計調査の民間開放が叫ばれ官民を競争させる「市場化テスト」や総計センターの民営化が行われようとしています。競争入札で調査実施者を決定することになれば地域や年度によって実施者が異なることから、ノウハウの蓄積が難しくなります。個人情報にふれる統計調査員が、民間企業の社員では、プライバシーが侵される危険があります。

 競争入札となれば、結果精度よりも安上がりであることが優先され、回答率を上げるために調査票の偽造など「安かろう、悪かろう」となりかねません。実際、そうした例もあります。市場調査やアンケートとは異なり、長期間の変化を重要視する統計調査は、やり直しはききません。

 政府は民間に国の業務を開放すれば景気が良くなると言いますが、実際には事業を受注した企業が利潤を得ても、安上がりに仕上げるために不安定雇用が増えることや調査結果の利用が有料になることも心配され、庶民にとっては何の利益にもなりません。

 私たちは精度の高い統計を迅速に作成し、広くみなさんに使っていただくというこの仕事に誇りを持って取り組んでいます。公共サービスを商品化してはならないという私たちの運動にご協力をよろしくお願い致します。



 ▼宣伝スポット原稿〈全港建〉民間委託・民営化が本当に国民のためになるでしょうか?

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 政府は昨年10月4日、「平成18年度以降の定員管理について」を閣議決定し、今後4年間で国家公務員の定員を27,681人(8.35%)削減することを決定しました。これを受けて、私たち国土交通省地方整備局港湾空港関係の職場には321人(10.73%)の定員削減が押しつけられました。
 さらに政府は12月24日、「行政改革の重要方針」を閣議決定し、その中で今後5年間で国家公務員の定員を5%以上純減することを決定しました。
 これらを実現するため、今、国家公務員の職場では、官業の民間委託や民営化が強引に押し進められ、様々な問題が起こっています。

私たちの職場では、要員不足のために業務がまわらず、非常勤職員や委託労働者が急増しています。海洋環境整備事業のゴミ・油回収船では、ほとんどの船舶で常勤職員数と非常勤職員数が逆転していたり、1隻まるごと民間委託している例もあります。また、デスク職場でも、工事の監督業務や発注業務で民間委託が進められています。
 これらは、(1)人件費は削減できても別の予算からそれ以上の支出をしており、政府の進める行政の効率化・財政再建にも明らかに矛盾していること、(2)安全の確保や秘密の保持に支障が生じていること、(3)公務サイドの技術力が著しく低下していること、など様々な問題を生じさせています。
 また、要員削減は超過労働や職場の人間関係の悪化をもたらし、失踪者や「心の病」に苦しむ職員を生みだすなど、大きな問題となっています。

 港湾や空港など良質な社会資本整備のためには、国自らが計画・設計・積算・監督・検査などの業務を行うことが必要です。特に、公平・公正・中立が求められる監督・検査業務は重要です。昨年末に発覚し大きな社会問題となった「耐震強度偽装問題」も、「規制緩和」「官から民へ」の方針のもと、建築確認・完了検査を民間でも実施できるようにしたのが根本原因です。国民の命と財産を守るための業務を営利目的の民間に委ねた弊害が形となって現れたものです。

 私たちは、効率的な行政の実現に反対するものではありません。しかし、政府が押し進める画一的な定員削減と、民間には馴染まない官業の民間委託・民営化に断固反対するものです。みなさんのご理解とご支援をよろしくお願いします。



 ▼宣伝スポット原稿〈全気象〉自然の脅威から国民の生命と財産を守るために気象事業の拡充を

 ご通行中のみなさん。私たちは、法務局、職業安定所、裁判所、税務署、国立病院など、国の機関で働く職員でつくる労働組合、国公労連(○○県国公など臨機応変に)です。

 近年、地球規模の異常気象が大きな関心を集めています。わが国でも「観測史上初」、「観測史上最大」などの見出しが新聞紙面を賑わすなど、自然の猛威にさらされています。

 2004年は新潟中越地震をはじめとして、台風の上陸数が過去最大となり、2005年に入っても、記録的な豪雨により、全国で尊い人命や国の財産が奪われました。こうしたなかで、きめの細かい防災情報の提供をはじめとする、いっそうの気象事業の拡充が求められています。

 しかし、気象事業全般を支えるべき気象庁の実態はどうでしょうか。精度の高いきめ細かな防災情報を望む声は年々高まっていますが、気象庁の年間予算は約700億円(国家予算全体の0.1%)と10年間ほとんど変化していません。
 そのため、監視観測体制の最前線である測候所が45か所も廃止されました。また、気象庁の定員についてもピーク時より585人も純減となっています。科学技術の発展と機械化がすすみ、瞬時に大量の情報を取得・処理できるようになりましたが、それを活かす技術者が年々減っています。気象庁の実態は、国民の期待や要望に相反している状況にあります。

 スマトラ沖地震と津波の被害を受けて、2005年1月に神戸で国連防災会議がおこなわれ、最終報告の中に、「国の直接の責任で防災体制の強化を」おこなうことが盛り込まれました。また、全気象労働組合が、これまでおこなったアンケートでも「国民の生命と財産にかかわる分野はスリム化すべきでない」との意見も多数寄せられています。
 私たちは、気象庁が国の機関として、引き続きその役割を発揮することが気象事業の発展に欠かせないことだと考えています。自然の脅威から国民の生命と財産を守り、国民の期待とニーズに応える気象事業の拡充に、ご協力をお願いします。

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