中央省庁等改革推進本部顧問会議第1回会議の議事録

【国公労連「行革闘争ニュース」98年6月30日付より】


 6月24日に開かれた中央省庁等改革推進本部顧問会議第1回会議の議事録を紹介します。顧問会議は、今後、推進本部の進捗状況に応じて開催されることになっています。
中央省庁等改革推進本部顧問会議
第1回議事概要
1 日 時  平成10年6月24日(水) 10:00〜10:50

2 場 所  内閣総理大臣官邸大客間

3 出席者

(顧問)
今井敬顧問、小池唯夫顧問、堺屋太一顧問、佐藤幸治顧問、高原須美子顧問、得本輝人顧問、西崎哲郎顧問、藤田宙靖顧問、山口信夫顧問
(推進本部)
橋本龍太郎本部長(内閣総理大臣)、村岡兼造副本部長(内閣官房長官)、小里貞利副本部長(行政改革担当大臣/総務庁長官)、額賀福志郎本部長補佐(内閣官房副長官)、古川貞二郎本部長補佐(内閣官房副長官)、
(政府)
水野清内閣総理大臣補佐官
(推進本部事務局)
河野昭事務局長

4議題

(1)内閣総理大臣あいさつ
(2)内閣官房長官あいさつ
(3)行政改革担当大臣あいさつ
(4)顧問会議座長あいさつ
(5)顧問自己紹介
(6)会議の運営等について

5会議経過

(1)橋本内閣総理大臣のあいさつが別紙1のとおりあった。
(2)村岡官房長官から「今回の中央省庁等改革は政府の大改革であり、スリム化、効率化を進めるもの。今までの裁量型行政からルール型行政に変えなければならない。国民にも良くなったといわれるようにしたい。これから抵抗が大変だと思うが、私も抵抗を押切りながら、顧問の皆様の御意見をお聞きしてやっていきたい。」とのあいさつが行われた。
(3)小里行政改革担当大臣(総務庁長官)から「総理と官房長官のあいさつに全て尽きている。地球の動きが止まってもこの課題は止まらない。不退転の決意で進めていく必要がある。総理、政府、国会も含めてといえるが、大変な期待がかかっており、顧問の皆様方には指導、助言、監視をお願いしたい。」とのあいさつが行われた。
(4)今井座長から「今回の改革は何としても成し遂げる必要があり、今後は基本法に忠実に実現化することが課題となる。顧問として最大限その責務を果たす覚悟です。総理のご指名で座長という重責を担うことになりました。よろしくお願いします。私が出席できないときには、佐藤顧問、藤田顧問に座長の代理をお願いしたい。ご協力お願いします。」とのあいさつが行われた。
(5)顧問の自己紹介が行われた後、今井座長から本部長補佐等の紹介、事務局長から事務局幹部の紹介が行われた。(顧問名簿は別紙3のとおり。)
(6)顧問会議の議事の公開について、審議が行われ、別紙2「顧問会議の議事の公開についての申し合わせ(案)」のとおり申し合わせが行われた。
(7)顧問会議の運営等に関して、各顧問から以下のような発言があった。
*行革は常に取り組み続ける必要がある。今回は総理の指導力で戦後の行政を変える歴史的なものとなっている。
*顧問会議について(1)中央省庁等改革基本法について正確な認識を持つために、事務局が完全に立ち上がった後、一定期間後、例えば8月末以降に勉強会をやってはどうか。(2)各省の個別にわたる問題にも取り組まなければならないので、専門部会を顧問会議の下に置いて、相談できるようにしてはどうか。(3)本部事務局の中に顧問会議の担当を作ってはどうか。」との提言があった。
*これに対し、本部長から(1)行政改革会議で積み上げてきたものを引き継ぐという趣旨で、勉強会の機会をつくりたい、また、必要な資料があれば、事務局の方に言っていただきたい。(2)顧問会議の下の専門部会のようなものが必要かどうか、今後、顧問会議を運営していく中で相談して頂きたい。行政改革会議において、どのような議論がなされたかについては、水野総理補佐官がフォーロしているので、事務局がフル稼動していない現時点では、水野氏に連絡いただくのが良いのではないか、との発言があった。
*行政改革会議の委員をやっていたが、引き続き顧問の仕事をすることになったので、基本法の趣旨が貫徹するよう力を尽くしたい。
*第3次行革審の時も中央省庁改革について議論があったが世論も盛り上がらず、ほとんど動かなかった。しかし、今回立派な基本法ができ感動した。いよいよ具体化にとりくむこととなる。危機対応に敏感で、改革の実行力がある小さな国に在住した経験も紹介したい。
*省庁再編については労働界では官公労がセンシティブであるが、基本法に沿った形で、官公労の側の理解も得るように努力したい。
*金融制度改革は先行しているが、改革の中核は行革であり、実現できるかどうかに日本民族の将来がかかっている。海外では、基本法が成立したことを日本も本気で改革に取り組んでいるとみて高く評価している。
*行革会議は自分で案を作り、後は批判されるだけでつらかったが、今度は他人の作った案を批判する立場で気が楽である。その反面、今度の推進本部は具体的な問題について、法律の形で決め打ちをしなければならず、責任も重い。
*行革会議で案をつくった際の前提として、規制緩和や地方分権をやった上で残った機能について再編を考える、ということだった。しかし、案をつくったときにはまだ、規制緩和については、行政改革委員会が議論して、基準はあったが具体的な結論は出ていなかったし、地方分権については、地方分権推進委員会の議論で、機関委任事務の廃止の方向は出ていたが、事務の移譲についてはまだできていなかった。そのため、規制緩和や地方分権については、前提ではなく同時平行でやっていくことになり、基本法もそういう考え方できている。本来の理論的な前提としての規制緩和、地方分権を具体的な形とするべき。地方分権については公共事業の地方分権などを課題として第5次勧告に向け作業していると聞く。地方分権推進委員会の第5次勧告を中央省庁改革の前提として取り込んだ上で作業をしていくべき、との発言があった。
*これに対して本部長から
 地方分権推進委員会のこれまでの勧告は、古川官房副長官を中心とし、自治省をはじめ関係省庁が連携をとりながら作業を進めているところ。来年の年明けには、中央省庁改革の関連法案が法制局の審査にかかることを前提とした上で、分権関係の法案化作業は年内に終えるよう指示し、このスケジュールで作業を始めたところであるが、厚生省でも、建設省でも、地方分権推進計画に基づき改正を要する法律が各々100本を超えているとのことである。地方分権推進委員会は、10月末ぐらいに、今までと異なった切り口の第5次勧告を出すとのことであるので、それを受け取って、中央省庁改革の設計図の土台としたい。規制緩和でも同様であり、例えば運輸関係の需給調整の廃止が基本の柱となっている。これは当然、中央省庁改革の設計図の土台に入ってくる。公共事業の見直しについても、国土交通省が公共事業の中心となるが、その設計図は、基本法でも規定しているように、まず、企画立案機能と実施機能を分離した上で、企画立案機能を本省に残す。同時に基幹的な事業として国に残るものについては、ブロック毎に予算を一括配分し、そこで実施する。今後、執行部門はブロックが中心になって、どうしても国が直接やらなくてはいけないものだけに限定していく。それ以外は、できるだけ統合した補助金を地方に交付するということである。そうしないと、ここが巨大な組織になってしまう。今後は、当然、総合的な補助金として与えるものが、公共事業の中心とならなくてはいけない。この点は、かなり各省庁の抵抗があると覚悟した上で、この設計図を維持できるよう、是非、顧問会議でもチェックしてもらいたい。
 また、現在128ある局の数を90に近づけることとしており、課等の数も900に近づけるとしている。
 また、現在の定員削減計画を引き続き継続するほかに、独立行政法人の通則法ができ、実際に独立行政法人に移行し、郵政事業が郵政公社化した際には、残った公務員数が、その後のベースになる。その上で、10年間で10%を定員削減するという計画であるから、定員削減は、実際にはかなりの課題になるが、これを行わないとスリム化が行えない。
 顧問会議では、規制緩和や地方分権推進委員会の動きにも目配りしてもらい推進本部がこれを生かしているか、監視、ご助言、ご忠告を頂きたい。
旨の発言があった。
*推進本部は3年間というが、実際には来年4月に法律を出すとすれば、相当大車輪で大きな負担がかかるだろう。今回の行革には中小企業を含め経済界も大きな期待をしている。これからが本番である。
*情報公開法の制定が行革の大前提になっていたと思うが、今後の見通しはどうか。また、今回の行政改革は、社会経済システムの変革を目指すものであり、これを行えば、当然、司法の在り方を同時に考えないといけないと思う。司法の在り方自体は行革会議の議題ではなかったが、司法改革について今後の見通しはどうかとの質問があった。
*これに対して、本部長から情報公開法は既に国会に提出済である。「知る権利」という言葉が書かかれていないとか、管轄裁判所が東京に限られる等の論点があるが、行政機関を対象とした結果、特殊法人の情報公開については、将来に問題を先送りしている。これは、「特殊法人」という名前の通り、その形態が様々であり、統一したルールが作れなかったためである。この点は、別の法体系で今後やらなくてはいけないと思う。ある程度、類型化しておこなわなくてはいけない。また、司法改革についても、現在、自民党で検討を行っており、また、「司法制度調査会」を内閣に設置すべきという要望がきており、現在、自民党が検討している範囲の内容でいいのか、他に検討する点があるのかどうかを含めて、古川官房副長ッのところで検討してもらっている。また、日弁連が従来とは異なり積極的に議論に参加してもらえるのではないかとの説明があった。
*顧問会議としても、総理に意見を申し上げる前に事前に問題点を検討する必要があるのではないか。会議のやり方にしても、総理が出席されるもののほかに、顧問だけのものなど、様々な形の会議があってもいいのではないかとの発言があった。
*座長から顧問会議の役割は、あくまでも推進本部が主体的に進める作業を注視し、重要な事項について本部長に対し意見を行うことであり、行政改革会議の最終報告に新たな内容を付け加えることではないことをここで改めて確認したい旨の発言があった。
*これに関連して、本部長から、要するに、顧問会議の役割は、推進本部が「なまけないよう、脱線しないよう」監視するということである。まだ、各省の頭も切り替わっていない。省庁改革は、いわば役人の人生を変えるのだからある程度はやむをえないとは思うが、各省は変っていないことを前提として、いかに住み分けるのかという議論になりかねないので、そういった点も気をつけて欲しいとの発言があった。
*基本法に基づいて我々が発言することや各省から新たに派遣されてきた事務局の人々が基本法をどう受けと止めるかなど、認識の開きがないように、早急に勉強会を開催したらどうか。との提言があり、
*これに対して本部長から法制面や事務的な面でのまとめについては、事務の官房副長官に任せ、政務の官房副長官には、政治の立場から取りまとめをお願いしたいと思っている。事務局のメンバーが全員そろうのは、7月15日以降であり、しばらくの間は、顧問の皆様方には、何かご確認したい件があれば、水野総理補佐官にお願いしたい。旨の発言があった。
*これに関連して、総理補佐官から、行政改革会議から続けてやるのは、民間出身の1人のみであり、他の人は全員親元に帰ってしまい、どうしても、どんな議論があったのか等空白となることが生じてしまうことになるかもしれないが、重大な空白を生じないようにしなければならないとの発言があった。
(8)次回以降の会議については、推進本部の進捗状況に応じて開催することとされた。
以上
(文責中央省庁等改革推進本部事務局)
−速報のため事後修正の可能性有り−


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