5月6日、国公労連・ 藤田委員長が参考人として意見陳述の予定

【国公労連「行革闘争ニュース」98年4月30日付より】

 5月6日午前中の参考人には、国公労連の藤田委員長が出席し、意見陳述を行うことになっています。また、連合・笹森事務局長も意見陳述します。なお、行財政総合研究所専務理事・浜川清法政大学教授が同日午後、学識経験者として意見陳述します。

□4/28昼休み 国公労連主催の行革議面集会に90名

主催者あいさつ・国公労連藤田忠弘委員長

 いよいよ正念場。会期はあと3分の1を残すのみ。重要法案は目白押し。国民との矛盾広がっている。橋本首相は、行革基本法案を最重要法案に位置づけ、連休明け早々にも衆院を通過させ、今国会で強行成立させようとしている。一方、内閣支持率は最悪であり、「危険水域」に入っている。その土台は悪政への国民の批判の高まりがある。国民の諸闘争と我々のたたかいを合流させよう残る時間はそうない、最後まで力を緩めず奮闘しよう。

国会情勢報告・児玉健次衆議院議員(日本共産党)

 日本共産党は、行革特別委員会の責任者に松本善明議員、事務局長に平賀高成議員となっているが、理事会中なので、私が代理で来た。
 この行革法案は、審議すれば審議するほど重要性、危険性が明確になっている。
省庁再編行革法案と財政構造改革法案は「橋本6大改革」の両輪だが、総括質問で追及したが、首相ははぐらかそうとした。なぜなら、一方の財革法はすでに破綻しているので、この関係を認めようとしない。「とにかく通して下さい」の逃げの答弁だ。行革基本法案はプログラム法だというが、それならなぜ、第43条3項で国立病院の統廃合をここまで詳しく書くのか。行革会議では別表で農水省の研究機関をすべて列挙し、独立行政法人は原則として企業会計制度を採用するとなっており、「3年以上から5年以内」で評価するとしてある。しかし、寒冷地では、寒さに強い新種をつくろうとしたら15年から16年はかかる。短期間に成果を出せというのは研究を荒廃させてしまう。
 21世紀の国づくりは全国民がやる仕事。国民に支持のない橋本首相は今辞めるのが仕事。本来、じっくり討論すべきところだが、彼らのカレンダーでは、連休明け早々に衆議院通過と書き込んである。財革法改正しないと補正予算審議ができない。行革基本法、財革法改正、補正予算のどれ一つしくじっても橋本内閣は倒れる。たたかいの輪を思い切って広げよう。

連帯挨拶・交運共闘坂田晋作議長

 行革基本法案は、交運労働者にとっても重要な問題を含んでいる。ガイドライン法が閣議決定されたが、交運労働者は民間協力というかたちで強制的にかりだされる。行革基本法の内閣機能強化と一体のものだ。国土交通省はゼネコンのための総合建設省づくりだ。全運輸は、総合交通省構想を出したが、われわれはこれに全面的に賛成だ。橋本「改革」には経営者もがまんならない。規制緩和、消費税引き上げと経営者も苦しめている。JR問題では、赤字を拡大し、国民の足を奪った。黒字経営は本州の三社のみ、独立経営は破綻している。

決意表明

総理府労連小林昇副委員長

 総理府労連としても独自の「行革闘争ニュース」を発行し、闘争態勢をつくっている。4月18日土曜日、3役が新宿・戸山ハイツに入って戸別訪問をした。一時間38名集めたが、中には、ぶっきらぼうな対応だったが、あとから10名分の署名を届けてくれた男性もいた。3・8中央集会では署名500名分集めたが、明日のメーデー会場でも集める。連休明け、労働法制、ガイドラインなどとの課題とも結合して、奮闘したい。

全医労渡辺伸仁書記長

 国立病院を独立法人化しようとしている。戦後、憲法25条の具体化として国民のための国立病院はうまれた。行革会議では、国立病院を残すかどうかの意見は拮抗していたと聞くが、会長の橋本首相の一言で、独立行政法人化ということにした。国民が決めるべきこと。行革委員会の中でも、小里総務庁長官は、国立病院が果たしてきた役割を認めていた。そのうえで、統廃合が進まないことに頭を痛めているといっていたが、当たり前のこと。その政策そのものが破綻しているのだ。必ず廃案にするため、奮闘する。

東京国公三井光夫事務局長

 東京国公は1月14日から行革課題で、毎週水曜の宣伝行動を実施している。とくに、3/36は東京駅前90名、4/23は渋谷駅前60名で宣伝をおこなった。立ち止まって聴いてくれるなど反応がある。連休明け、5/8に東京春闘共闘で労働法制で一斉宣伝するが、午前中は労働法制課題とあわせ行革課題での議員工作をおこなう。ニセ「行革」許さない決意でたたかう。

全港建・「国公行革大規模請願署名」と独自大運動で国会議員要請行動

 全港建は4月27と28日、「国民本位の行財政を求める請願課題と「全港建大運動」課題を結合して、参院・国土環境委員と衆院・運輸委員51名全員への国会議員要ソ行動を実施しました。
 行革大規模署名にかかわる要請では、はとんどの議員が、国公労連がまとめた法案の「問題点」を受け取るだけでしたが、吉田公一議員(衆・東京9区、民主)秘書は、「国公労連の資料は参考にしたい。賛同できる部分ある」、荒木清寛議員(参・愛知、公明)「民営化反対は賛同できない、民営化できる部分もあるはず」、岡崎トミ子議員(参・宮城、民主)秘書は「現場の人が直接、請願にくるのはいいことだ」などと回答しています。

□4/30行革特別委員会・参考人質疑(午前の部分)

「総務省では地方自治が埋没しないか」知事会、市長会、町村長会
「管理されすぎた国家社会からの脱却」佐藤京大教授

 衆議院行革特別委員会は、4月30日、午前9時〜12時40分にわたって、行革基本法と地方自治をめぐって、圓藤寿穂徳島県知事(全国知事会)、宮岡嘉雄松江市長(全国市長会)、黒澤丈夫群馬県上野村長(全国町村長会)、佐藤幸治京大大学院教授(行革会議委員)の4氏の参考人意見陳述と質疑を行いました。

*圓藤徳島県知事の意見陳述 (傍聴前に発言のため、記録できず)

*宮岡松江市長の意見陳述 7点指摘したい。(@A項は傍聴前に発言) B地方分権化を円滑に推進するため、企画立案や国と自治体の調整をはかる担当大臣を置くべき。C総務省は行政目的の異なる省庁が一つになるが、そのなかで地方自治が埋没しないか、どのように扱われるか不安だ。D国土交通省によって、巨大な公共事業予算の運営いかんが都市基盤の整備に大きな影響を与える。縦割り行政の弊害が是正されることを期待したい。権限移譲をふくむ規定を明確にしてもらいたい。E郵政3事業が特殊法人化・民営化されると、過疎地域の事情がますます厳しくなることを懸念している。F財政問題だが、財政負担を伴う権限移譲については予算措置をしてもらいたい。補助金については、整理・合理化し一般予算化をしてもらいたい。これまで地方分権について議論はされてきたが、実現されずにきた。中央省庁再編と地方分権を一体にして実現を期待している。

*黒澤上野村長の意見陳述 地方分権推進の立場から基本法に大きな期待をしている。@これまで地方分権の本旨がどれだけ生かされているか。通達・財政により国が個別に関与する仕組みになっており、住民自らの意思で決められないことが多い。画一的統制による無理や総合性の欠如が生じている。市町村は直接住民に接し、要求を汲み上げ、実態に応じた行政をしている。地方自治にもっと任せてほしい。A財政の裏付けのない地方分権は絵を描いた餅だ。国と地方の歳出総計に占める割合は1対2だが、租税の割合は逆に2対1となっている。地方の自主財源確保のため、地方税財源を充実してほしい。B国は、地方自治の維持・確立のための役割を果たしてもらいたい。基本法では地方自治が埋没する不安を表明していきたい。

*佐藤京大大学院教授 何のために行革をしなければならないか。行革会議の最終答申では、@グローバル化の進展のなか、国家・個人が有為に生きる道を探求する必要がある、A管理されすぎた国家社会からの脱却により、より自由・公正な社会を実現する、ことの2点をかかげた。このことをふまえ、どのような行革を行うべきか。行政権を国が行うにふさわしいものに限定し、国民・国会・内閣を一体としてとらえ、国民の政治責任を明確にし、内閣機能を強化する。中央省庁再編はより手段的な事柄・問題であり、長年の行政システムのサビを取り除き、有効機能に期するものである。
 中央省庁再編は、「国のかたち」の再構築の一部である。行革は全体的な「国のかたち」づくりの端緒である。基本法については、いろいろな議論があるが、重要なことは具体的な第1歩を踏み出すことである。
戸井田徹議員(自民党)は、「新省庁の名称は国民に受け入れられ、今の時代を反映したものでなくてはならない」「名称をかえるため国民運動を」ともっぱら自説を主張することに終始しました。参考人は、「わかりやすい」(圓藤)、「文字で省庁のイメージのもてるものに」(宮岡)、「やや即物的な表現のものもあり、議論の余地はある」(佐藤)と述べました。
北脇保之議員(民主)が「地方分権を地方分権推進委員会の勧告にもとづき推進となっているが抽象的だ。地方自主財源の方向も不十分だ。基本法で地方分権が推進できると思うか。」と問いただしました。これに対して、「基本法は国と地方の関係を対等の立場にたつものとしていることは評価できるが、これで十分とは思わない。今後いっそう地方分権を推進してほしい」(圓藤)、「当初、地方分権を本気でやるなと思ったが、昨今の成り行きをみると怪しくなり不安だ。特に税財源をどうするのか見えてこない」(黒澤)、「全国的な意見調整や中央省庁と自治体の利害調整のために地方自治所管大臣を置くよう地方6団体として意見具申している」(宮岡)とのべました。また、佐藤参考人に、「行革会議が国会の審議もえないで設置したこと、委員も国会が関与することなく内閣が任命し、すすめたことは、国民が主役になって行革をすすめる出発点として適切ではなかったのではないか」とただしました。これに対して、佐藤参考人は、「国際社会での国家の方向を突きつけられている厳しい状況 のなかで、日本の姿を早急にしめすため、政令でおこなうことを総理が判断したと思う。行革会議で提起したことを国会で議論することが大事だ」とのべました。福留泰蔵議員(新党平和)は、佐藤参考人に対して、「基本法は行革の第1歩というが、その次はどうなるのか」とただしたことに対して、佐藤参考人は「これにより国の形ができる。自立した個人の社会の仕組みをつくるためには、国会と司法改革が不可欠、とくに司法の力、プレゼンスを高める必要がある。」と述べました。また、「行革は国民から見ると小さな政府を期待しているがどうか」とただしたことには、「基本法は小さな政府を至上命題にはしていない。無駄なことははぶき、有効なもの、例えば内閣機能などは強化するということだ」と述べました。さらに、規制緩和すると自由になるというが、社会的に混乱しないか、との質問に対しては、「だから事前規制でなく、事後規制していく必要がある。司法改革を怠れば大変なことになる」と述べました。
佐々木洋平議員(自由党)は、「地方分権がすすまない理由は都道府県の合併が進まないことにある。」として、道州制の推進の方策をただしました。これに対して、圓藤・宮岡氏は「分権受け皿として体制整備が必要、パターンを提起し議論を開始している」「介護保険を機に合併の機運が高まっている」と述べましたが、黒澤氏は「合併によって住民の権限行使や自治権が奪われることを危惧。道州制も一遍にやると混乱する」と慎重な見解を示しました。
平賀高成議員(共産党)は、「財革法は3年間に10%の補助金カットすることを義務づけているが、それで地方分権がうまく行くと思うか」とただしのに対して、「うまくいくよう配慮してもらわなくては困る」(圓藤)、「関与の是正や分権化を期待しているが、財政が不透明で問題」(宮岡)、財政的に自立する姿になっていなければ絵に描いた餅」(黒澤)と述べました。また、「国土交通省により大規模な公共事業を計画し、地方財政に新たな負担を押しつけようとしているが、地方に財政負担させるのでなく、福祉など社会保障を充実させるべきだと思うがどうか」と意見を求めました。これに対して、黒澤上野村長は「これまでの施策でハード面の整備は進んだ。今後は、高齢化、少子化を考えると福祉のソフト面での財政投入が増える。今後、国も地方も重点的に財政投与に心がけるべきだ」と述べました。
深田肇議員(社民党)は、基本法は問題があっても成立するとの見通しを述べ、「成立に当たって、地方自治体として困ることがあれば言ってほしい」と述べたことに対して、あらためて地方分権の推進や地方財政確立への不安が表明されました。

□4/30行革特別委員会・参考人質疑(午後の部分)

「独立行政法人はもっと公務員の外に出すべき」伊藤議員(民主)
「ムダを削れば雇用が大問題に」倉田議員(平和)
「数年間の新規採用ストップなど思い切ったことが必要」中井議員(自由)
「国民の信頼を失っている内閣に提案をする資格はない」松本議員(共産)

 午後からは、省庁等改革基本法案のもととなった行政改革会議最終報告を、事務局長としてとりまとめてきた水野清氏にたいする参考人質疑がおこなわれました。
 最初に質問にたった民主党伊藤忠治議員は、官庁を大括りにすることで、それぞれの官庁が巨大なものになると批判、それに対して水野氏は「政策立案部門と事務実施部門を分離し、事務実施部門を外に出せば、巨大な官庁になることはない。首都機能移転に関わって試算をしたところ、政策立案に関わる中央省庁の公務員は3万人くらいで足りる」と答えました。
 さらに伊藤議員は「政策立案と事務実施の役割分担について、大胆にメスをいれたものとはいいがたい」としたうえで、これに関わって独立行政法人について「市場原理の導入とかフレキシブルな制度というが、例えば職員の身分が国家公務員のものがあったり、そうでないものがあったり、すっきりしない。もっと外部に出して(職員の)やる気がでるような制度とすべき」と主張しました。これに対して水野氏は「独立行政法人の制度のもとになったイギリスのエージェンシーを法制の整備をするのは無理ではないかということで、予算など柔軟な会計、定数にしばられない非公務員型の制度を提案したが、三現業は最後までどうしても公務員でなければならないという声があり、二つの身分で提案した。しかし、最終的には三現業は独立行政法人であるということそのものが問題だということで、与党で新型の公社という案をつくった」と経過を説明しました。さらに伊藤議員はスイスの郵政事業を例に出し、「21世紀を展望して、郵政事業のネットワークを活かし、再生・発展させるような観点から、本法案は中途半端。そういった議論が(行革会議で)でおこなわれなかったのか」 と質問しました。水野氏は「そういう議論は盛んにおこなった。民営化した事業の労 働組合からは民営化の議論を聞いたが、郵政や林野などの事業の労働組合からは、国 の事業としておこなうのでなければならないという声しか聞かれなかった。実際のところ、郵政事業についてはむしろ財投の仕組みの問題から議論し、少なくとも郵貯、簡保の資金は資金運用部には預託しないとなった。日本の郵便事業は現在でも民間との競合もあり、相当に効率的な仕事をしているし、新型の公社化でもっと能率的になるのではないかと思っている」と答えました。
 また、伊藤議員は電気通信事業について、情報化が進展するなかで、情報通信産業が経済産業省、電話の割り当てなど電気通信の調整が行政委員会として二つに分かれたのはなぜか、と質問しました。これに対して、水野氏は「電気通信そのものは一つの手段として、各省が利用できるような調整を総務省にもってきた。それに通信産業までいれるという考え方もあったが、そういったものに関わるのはそれぞれの省庁でおこなうべきもの」という考えを説明しました。
 地方分権に関わっては、伊藤議員が「行革は、地方分権と一体として住民に接する地方行政サービスを向上させることが重要」と主張、これに対して水野氏は「地方分権は村山内閣から地方分権推進委員会がスタートして議論が進んでいたので、同様の議論を限られた1年という行革会議で結論を出すのは期間が短いということで、議論は気にしていたがあえて(行革会議の)議題とせずに、地方分権推進委員会に委ねた」と回答しました。
 続いて質問に立った平和・改革倉田栄喜議員は、まず冒頭に本法案のもっているこれからの課題を質しました。これに対して水野氏は「一つは各省の任務について、法案のどこにも書いていない問題があり、経済産業省や国土交通省、農林水産省などにあるが、あえて行革会議では追求しなかった。いずれにせよどう整理するかは新たな設置法で考えることになるが、相当の難事業になるのではないか。二つ目は、独立行政法人の対象と範囲が問題となる。これができないと1府12省は大きなものになってしまう」と答えました。
 そのうえで倉田議員は「縦割り行政の弊害という批判に対して、行革に求められる地方分権、規制緩和の問題が大きな命題になると考えるが、それについてどのように考えているのか」と質しました。これに対して水野氏は、個人的意見とことわりをつけながら、「地方分権をするには受け皿をつくることが大事、具体的にはそれは(市町村の)合併と考える。いま、部分的な行政分野について広域行政が1000くらいあるが、部分的な合併でなく、理想は小選挙区の300くらいにまとまった大きな自治体のなかで、人材も求めてやっていかなければうまくいかないのではないか」、「そのためには政令指定都市の基準をさげて、30万〜50万くらいの都市で政令指定都市に準じた扱いをすれば、都道府県の干渉をうけずにやっていけるのではないか」と回答しました。
 また、規制緩和については「各省・各局が所掌している基本的な法律を改正すれば大きな(規制の)緩和につながる。すでに建設省では建築基準法、大蔵省では外為法、運輸省では需給調整の原則廃止、労働省関係では派遣労働のネガティブリスト化など、改革が進んでいるし、今後に期待したい」と回答しました。さらに倉田議員は裁量行政から転換し、民間的手法を導入するためには、公務にたいする評価基準が必要だと主張しました。それに対して水野氏は行政管理局が総務省に置かれて、事業については事前にするし、公共事業などは経済財政諮問会議に諮問したうえで、実施に移すことになる、と回答しました。また、倉田議員は「公務員制度では雇用問題が重要だが、公務の非効率と批判されているものをすべて切ってしまえばそれが大問題になるのではないか」と見解を質しました。水野氏は「一人の“ナマクビ”も切らないということを独立行政法人の制度設計に入れている。現在でも自然退職が年間1万人あり、それを補充しているが、そのことが損か得かは職場が判断することになるのではないか。そう考えれば自然に減るのではないか」と回答しました。
 つづいて、自由党中井洽議員は、かつて新進党が提出した行革法案と対比して、大臣もあまり減っておらず、また、公務員の数や通達をどれだけ減らすのか、明確でない、21世紀からの改革としては不十分ではないかと指摘しました。これに対して、水野氏は「独立行政法人をつくって政策立案と事務実施を分離、事務実施部門については外に出てもらうことになるが、そのことを中からの押し出す力として1府12省をつくるということがある。それに合わせて部局や課室も減らす。公務員の数については総定員法で規定する公務員の数のうち、まず郵政事業については公社化で80万人から50万人に減らしたうえで、その1割の5万人を減らすというのは、大変なことだと思う。大臣の数を減らすというのはキャッチフレーズとしてはいいかも知れないが、大きな省の場合は例えば、イギリスでは複数の閣僚を置くこともある」と回答しました。さらに中井議員は公務員数の削減について、「“ナマクビ”を切らないということは重要だが、仕事を思い切って減らしたり、数年間は新規採用をストップするなど思い切ったことが必要」と主張しました。
 また中井議員は「国会での議論を中央省庁の公務員ももっと聞いて勉強すべき。それなしには21世紀に向けた行政改革など議論できない」と主張、水野氏も「これからも行政をめぐってはさまざまな事件もあるだろうが、国会で長期的に行革を追求する必要がある」と同意しました。
 続いて質問に立った共産党松本善明議員は、水野氏が衆議院議員時代、特殊法人改革に関わっていた頃にマスコミなどに表明していた、行政のムダ使いについて、行革会議でなぜそういった行政のムダを省き、行政機構の腐敗を質すような観点の議論がおこなわれなかったのか質しました。これに対して、水野氏は「個人的には(ムダ使いは省くべきと)思っていたが、それはそれとして行革会議に与えられた役割に逸脱しないようにしてきた」とし、「ムダ使いを温存することになるということについては、公共事業などの長期計画については経済財政諮問会議に諮問した上でなければ、実施ができない制度設計になっている」、さらに「行政管理局が費用対効果の評価任務を持つことになり、この法律が成立すれば、行政のムダはなくなっていくのではないか」と回答しました。
 松本議員はさらに「すべての野党とも、内容の違いはあれ、行革が必要であることは一致しているが、国の形を決定づける基本法であれば、部分的でない総合的な議論を国権の最高機関たる国会で行革会議がかけたくらい十分に時間をかけておこなうことが必要。なによりも、国民からの信頼を失っている内閣にそのような提案をする資格はない」と主張しました。これに対して水野氏は「この法案は基本法であり、これから、まだ様々な議論が行われることになるだろうが、それぞれの場での議論を総合的にとりまとめていくのは内閣のおこなうべきこと」と回答するにとどまりました。
 本日の参考人質疑の最後に質問にたった社民党深田肇議員は、環境庁の省への昇格に至った議論の経過と環境省の権限について、さらに男女共同参画に関する現在の仕組みと新たな仕組みのレベルや質の違いについて質しました。
 これに対して水野氏は「環境庁の省への昇格については、地球環境に関する京都会議が開かれていたことなど、社会的環境のなかで特に省への昇格について反対意見がでなかった」ことを説明、男女共同参画会議については、「少子化の中で、女性にも社会の真ん中でその半分を担ってもらう必要があることから議論があったが、特に女性担当大臣というポストをおくのはなじまないということで、内閣府の中に官房長をトップとして一般的な諮問委員会よりも強いものをつくっていくということから考えたもの」と回答しました。
 委員会は、最後に次回の委員会を5月6日10時から開催することを宣言し、散会しました。

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