大蔵省職員の汚職に対する処分発令に関する談話

1998年4月28日 国公労連書記長・西田祥文

1. 本日、大蔵省は、一連の同省職員の汚職腐敗行為に対する処分を発令した。「民間金融機関等との間に行き過ぎた関係があった」とされるものに対する処分が、停職1、減給17、戒告14、訓告以下の処分を受けたものを合わせると処分者は112人に上っている。処分対象職員の多さに加え、調査対象が大蔵本省と出先機関(国税庁のぞく)の定員の1割弱1050人にものぼったことは大蔵省と金融機関との癒着が組織的かつ構造的であることを改めて示しており、心底からの怒りを禁じざるを得ない。

2. 同時に、今回の調査と処分が、「民間金融機関等との間に行き過ぎた関係があった」者のみを対象とし、汚職腐敗と行政が歪められた実態の全容解明も、金融界との癒着の構造を断つこともせず、一連の事件の幕引きを狙ったものであることを指摘しなければならない。国民の大蔵省・大蔵行政への怒りと不信は極まっており、信頼回復には何よりもまず自浄努力が求められているにもかかわらず、トカゲのしっぽ切りで幕引きするならば、国民の怒りと不信感は一層増大すると言わなければならない。

3. 大蔵省の進める金融行政は、大銀行には30兆円もの国民の血税をつぎ込む仕組みを作り、「競争力強化」を手助けするが、中小企業への貸し渋りは事実上放置している。このうらには、金融業界との幹部を先頭にした底知れぬ癒着があると広く指摘されている。その一方で、透明な金融行政を進める上で、今後ますます重要となる金融検査は、いわゆる企画立案部門の風下におかれ、「業界振興」の政策により歪められて来たことも明らかとなった。この歪んだ行政が、不良債権問題を一層悪化させたことも広く指摘されいる。一連の大蔵不祥事は、こうした構造が必然的に生み出したものである。

4. また、こうした汚職腐敗と行政の歪みを生む背景には、大蔵省職員の労働条件と権利を守り、国民のための行政をめざしてきた労働組合を敵視し、弾圧し、いわば批判勢力の存在を許さない姿勢をとり続けてきた労務政策があることも指摘しなければならない。

5.国公労連は、全体の奉仕者としての国家公務員の役割を確認し、真に国民生活重視の行政としていくためにも、今回の大蔵官僚の汚職事件で明らかになった問題の真の改革を進めるため、当面以下の措置をとることを主張する。 (1)金融業界から総会屋・政治家への利益供与と大蔵省官僚に対する接待の真相と実態を明らかにするため、国会に調査特別委員会を設置すること。 (2)大蔵省官僚の金融機関、特殊法人への「天下り」を即刻禁止すること。また、「キャリア税務署長」など国家公務員T種採用者を特権的に扱う人事システムを民主的に改めること。 (3)大蔵省の金融監督、指導の基準を開示し、監督・検査結果等を含めた情報公開を徹底するなど、公正で透明な行政を確立すること。 (4)大企業本位の経済施策中心の行政から国民生活重視の行政への転換と金融の検査・監督部門の独立性確保と体制充実を図ること。 (5)腐敗とゆがみをただし、責任を明確にするため重要な金融機関の監査役、特殊法人の監事への法律家や会計の専門家の外部からの任命を行うこと。 (6)違法行為や反社会的行為の「内部告発」や、業務執行について職員が内外に意見を表明する自由を保護する法の整備を行うこと。また、当局の施策を批判する労働組合を敵視する労務政策を改めること。




6. 国公労連は、政官財癒着構造の打破と、民主、公正、効率的な行政を実現するため、広範な国民とともに奮闘する決意であることを表明するものである。 以上


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