測候所廃止(無人化)の拡大に関する声明

1997年12月19日 全気象労働組合中央執行委員会


 気象庁当局は12月17日、今年3月の5か所の測候所廃止(無人化)の強行に引き続き、来年3月に廃止する5か所(伏木・秩父・むつ・新庄・白河)の測候所を明らかにした。
 私たちは、測候所廃止に関して、常時監視・防災体制がとれない、地域への気象情報が弱体化する、観測の継続性が失われるなどの問題点を具体的に指摘してきた。この間、「自動観測機器の障害により欠測が生じた」、「廃止された測候所の機能は、地方気象台では十分には補完できない」など、私たちが指摘してきたことが現実のものとなっている。
 このような問題点が生じているにもかかわらず、気象庁当局が当該地域の住民や地方自治体の声を無視し、再び測候所の廃止を拡大しようとしていることに対し、断固抗議する。
 測候所は、おもに観測点、気候区、地場産業の三点を考慮して配置され、その地域の気象と自然環境を監視・観測する最前線であると同時に、地域住民の生命と財産を自然災害から守るという重要な任務と、農業・漁業・産業・交通・観光など、あらゆる分野にわたって国民の生活に必要な気象・自然現象に関する情報を提供してきている。
 測候所廃止反対の地域住民の意思は引き続き増加し、全体で5県72市町村から「測候所廃止反対、機能の整備・拡充」の決議や意見書が採択され、気象庁をはじめとする関係機関に提出されている。国民に奉仕すべき行政機関として、行政の主人公である意思をまったく無視した廃止の強行は問題であり、社会活動や住民生活の要望に応えて発展してきたこれまでの気象事業の歩みからも相容れないものである。
 私たちは、気象事業の発展によって、地域住民の期待に応え、測候所の機能を整備・拡充し、きめ細かで的確な防災情報・気象情報の提供をめざしている。このため私たちは、現在全国で展開している「気象事業整備拡充運動」のいっそうの前進とともに、地域住民や利用者団体とともに共同の運動として、測候所の機能拡充のたたかいを発展させていくものである。

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