「独立行政法人個別法などの成立にあたって
(談話)



 本日(12月14日)の参議院本会議で、86機関・事務(59法人)の独立行政法人個別法などの行革関連法案が、民主党、共産党などの反対の中で強行成立した。11月8日に国会に提出された法案は、約1400の法律に関連していたことにも示されるように、国の行政を全面的に「見直す」行政改革の「仕上げ」の意味をもっていた。そのような重要な法案が、衆参あわせてもわずか32時間程度の短時間の審議で成立させられたことに、満身の怒りをこめて抗議する。

 国会審議でも焦点となった独立行政法人個別法案については、個別の機関・事務を独立行政法人化する基準やその理由、さらには安定的な法人運営の担保などが追及された。しかし、政府はそのことにはまともにこたえず、効率的な法人運営や「減量化」の達成、中期計画終了時の評価による法人の改廃、などを強調し、行政事務のリストラ「合理化」策として独立行政法人を「活用」しようとしていることが一層浮き彫りになった。
 行政サービスの提供にかかわる国の責任発揮をせまり、人減らしや賃金切り下げ、法人組織の改廃などを許さず、公共性と労働者の労働条件をまもるたたかいはこれからが正念場である。政省令はもとより中期目標や中期計画の策定、さらには労使自治にもとづく就業規則などの制定への対応など、さらに取り組み強化が求められている。国公労連は、引き続き、そのような取り組みに全力をあげる。

 今、国民の生活や安全を破壊する規制緩和や行政の切り捨てが相次ぎ、雇用不安や将来不安を覚える国民が激増している。また、神奈川県警での相次ぐ不祥事にも見られる特権官僚の「モラルハザード」に対する国民の批判が再び強まっている。成立した行革関連法案が、国民の不安を解消し、行政と官僚制度のゆがみをただすものではないことは、政府が、行政改革=「公務員25%削減」のみに固執していることからも明らかである。
 国会終盤の最大の争点となっている衆議院比例定数削減にかかわっても、その必要性を主張する与党の論理は「民間でのリストラ、公務での行革が進展している中で、国会議員も」という逆立ちした「俗論」にある。行政改革=公務員削減は、民主主義を掘り崩し、国民の要求を切り捨てるための「口実」にも使われている。「25%削減」に象徴される行政「減量化」の流れをはねかえすことは、アメリカ・財界本位の「この国のかたち」改革を押しとどめる中心的な課題である。

   国公労連は、引き続き、行政「減量化」攻撃と対決したたたかいの発展をめざす。行政改革に疑問や不安を感じている多くの国民と共同し、悪政推進の自自公政権に国民の審判を下すため解散・総選挙をもとめ、2001年1月からの省庁再編、4月からの独立行政法人設立の実施をくい止めることも展望して、行政改革反対のたたかいを継続する。
 この間、署名や中央行動、連日の国会行動などに奮闘された全国の仲間に心から敬意を表明する。行革関連法案の成立という局面で、国民と共に行政の民主的改革をもとめるたたかいにむけ、あらたな決意を固めあうことを全国の仲間に呼びかける。

  1999年12月14日      

日本国家公務員労働組合連合会  
書記長  福 田 昭 生


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