一方的な行政スリム化計画の策定に反対し1月段階の取り組み強化を

【国公労連「行革闘争ニュース」1998年12月28日付】

 (1)政府は、12月26日までに、独立行政法人化や民営化の対象する機関・事務も含め、行政スリム化計画のの最終的な検討に入った模様で、行革闘争は年明けから重大な局面を迎えることになります。各単組から情報や各種マスコミ等の報道によれば、行政改革会議の最終報告で、独立行政法人化の「検討対象となりうる」とされた各種研究機関や国立病院・療養所、検査事務等のうち、動物医薬品検査と船舶検査、航空機検査、無線検査、食糧事務(食糧検査を除く)は、業務の民間委託によって大幅に業務を縮小することを前提に、独立行政法人化を見送る方向と言われています。しかし、その他の機関・事務については、推進本部で、あくまでも独立行政法人化を強行決定する論議が進められています。また、統計センターについては、総務庁当局が、「独立行政法人化の検討受け入れ」を統計職組に「通告」してきています。
 また、民営化の検討対象とされていた機関・事務のうち、食料検査やアルコール専売などを除く航海訓練所など13機関・事務の独立行政法人化も決定されようとしています。
 さらに、行革会議最終報告や行革基本法では「経営形態のあり方を検討」とされていた造幣事業や印刷事業なども独立行政法人化の検討が求められています。

 (2)この間、国公労連は、「一つの独立行政法人化・民営化も許さない」との立場で、職場段階からの取り組みを背景に、政府・行革推進本部や各省追及、政党・団体要請などを強めてきました。また、法案審議に焦点をおいた「両輪の署名」も取り組み始めています。このような中で、多くの各省当局が「(検討対象機関・事務の)独立行政法人化は不適切」と表明する状況も作り出してきました。しかし、「国家公務員の20%削減」の「首相公約」に固執する政府・自民党は、予算編成段階での折衝も活用しながら、最終報告の別表1、2の対象機関・事務のすべてを民営化もしくは独立行政法人化する立場での締め付けを強めてきていました。

 (3)このような経過の中で、重要な役割を果たしているのが内閣官房長官、総務庁長官、内閣官房副長官(3名)で構成する「5者会議」です。首相の権限強化と一体の内閣官房の「企画・立案」機能の強化が、民主的な手続きを無視した強権的な「意思決定」に直結することをこの間の経過が示しています。「5者会議」での結論を先におき、各省には有無を言わせないために短期間の検討時間しか与えない、「緘口令」を引いて、労働組合にも情報を流させないようにする、労働条件の重大な変更であるにもかかわらず労働組合や職員の意見反映さえ保障しない、対象機関の選定=数あわせが先行し、制度の詳細な内容が不確定なまま「結論」を迫るなど、到底民主的な検討とは言えない経過です。
 このような状況から、政府の中央省庁等改革推進本部の対応も、きわめて不誠実であり、国公労連の再三の申し入れにもかかわらず、責任ある対応を先送りにしています。

 (4)以上の経過からも明らかなように、マスコミ等が報道する行政スリム化の検討状況は、きわめて一方的なものであり、労働組合として断じて受け入れることのできないものです。急遽、独立行政法人化の対象業務として浮上した造幣、印刷の現業部門の全造幣、全印刷の両労組も反対声明を明らかにするなど、闘いは広がっています。
 すでに取り組み指示をしている1月段階の行革闘争の補強(職場決議の集中、1月18日の週の宣伝行動など)も含め、両輪の署名を軸にしたたたかいを強化し、不当な大綱決定に反対するとともに、独立行政法人・民営化に反対する多様な取り組みのさらなる強化が求められています。
 新年・1月からの出足早い取り組みで、小渕内閣の不当な攻撃を跳ね返していきましょう


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