民営化・独立行政法人化反対で政府行革推進本部を追及、自民党行革推進本部に要請
(国公労連「行革闘争ニュース」1998年12月9日付)

◆民営化・独立行政法人化反対で政府行革推進本部を追及
 国公労連は、12月4日・11時30分から、行革推進本部事務局との交渉を行いました。交渉には、小田川書記次長ほかの行革対策部メンバーが臨み、事務局側は井手参事官(独立行政法人制度担当)ほか4名が対応しました。
 冒頭、国公労連は、「大綱事務局原案が決定され、20機関の民営化、75機関+アルファーの独立行政法人化の検討対象機関・事務がリストアップされるなど、行政減量化の面で、基本法を一段と進める内容となっている。極めて問題だ。」、「この国公労連として、行政切り捨て反対の立場から繰り返し申し入れを行っているが、例えば独立行政法人制度の内容も未確定なまま、対象機関のみが議論され、しかも当該労働者にはまともに説明もされていない」、「20%削減のための検討はやめるべきだ」と追及しました。
 これに対して、参事官は、要旨以下のように回答しました。

 ○ 民営化については、行革会議最終報告の別表2を基本に検討してきた。別表1と2はスタート台が異なっており、1はまず民営化・廃止の是否を検討し、ダメとなれば独立法人化を検討することになる。国としてやる必要がないとなれば、民営化・廃止だ。
 昨日、自民党に、検討情況(各省の回答状況も)伝えている。政治的には、関心の高い分野だ。
 真珠検査所のように、廃止の結論が出ているものもあるが、他はこれからつめていく。 民営化の類型(株式会社か法人かなど)は、対象が決まってからの問題で未定だ。
 ○ 民営化、独立行政法人化とも1月末の大綱決定までには、対象やあらたな仕組みの結論を出さなければならない。
 ○ 独立行政法人制度では、制度官庁との調整も進めている。共済や宿舎、税制(無税対象となると思うが)などは、これまでの考え方を踏み出す回答を得ている。
 対象の検討基準は、今段階で固まっていない。各省と個別に議論している。
 別表1は検討の例示であり、それにしばられるものではない。一定理解が広がっており、アレルギーは10月末より減っていると感じている。
 ○ 独立行政法人は民営化とはことなり、企業会計を持ち込んでも独立採算性を前提とするものではない。
 予算、定員などの管理の弾力化をすすめ、自律的な運営が出来るようにする制度だ。行政組織法に位置づけたりすれば、硬直的な行政本体に引きずられて、柔軟な管理が出来なくなる。
 ○ 独立行政法人の職員を国公法に位置づけるなどの法的なあり方は、技術的な問題だ。公務員型となれば、同様の身分保障を措置することで、そのあり方については人事当局にも検討を求めている。処遇面での弾力化も独立行政法人制度の検討内容だ。
 ○ どこの独立行政法人を公務員型とするかや、民営化・独立行政法人化に移行する際の雇用継続の問題などは、個別の検討事項だ。今の段階では、決まっていない。大綱後の法案段階の検討となることもありうる。
 などと回答しました。
 これに対して、国公労連は、「個別の業務内容も検討せずに、数あわせのために方向だけを押しつけている、今の検討姿勢をあらため、労働組合の意見も十分反映できるよう、手順を踏むべき」、「制度の重要な柱である身分保障や雇用継続の点での結論も示さないまま、民営化や独立行政法人化の是否を回答しろと各省に求めるのか」と追及しましたが、参事官は「事務局は基本法の具体化に努力しているだけ」とする姿勢に終始しました。

◆12月8日、自民党行革推進本部・牧野事務局長に要請
 国公労連は、12月8日午後4時25分から自民党行革推進本部・牧野隆守事務局長(衆院議員)に対し、中央省庁等再編にかかわって要請を行いました。この要請は、別紙の要請書にもとづき行ったもので、福田書記長、小田川書記次長、杉浦中執、津田中執が参加。福田書記長が3つの要請事項を説明したのに対し、「要請の趣旨はわかった」と返答しました。なお、やりとりの中で自民党牧野衆議院議員が述べた見解要旨は以下のとおり。

自民党・牧野衆院議員:
 (1)独立行政法人は補助金や交付金の見地からみると、民間に近いというより国に近い。民営化の対象機関については12月10〜11日にヒアリングをやろうと思う。まだ一つひとつこれは良いとか、悪いとかは言えない。それぞれの機関の性格や歴史は千差万別で言いにくい。独立行政法人化については、まだ決めていない。ヒアリングもやっていない。
 (2)例えば病院でも色々あり、それぞれ歴史的経過を持っているが、地域病院としての地位を確保している。独立行政法人化について一つひとつ洗うことは不可能だし、識別もできず知識もない。国立病院、各省の病院、大学の付属病院みんな一律にできないか、その原則のもとで独立行政法人化ができないか、それは公務員型か非公務員型化などを聞こうと思っている。最後には身分の問題になってくる。何でも反対という話を各省から聞くわけにはいかない。一般論でなくて、各省で話してもらうよりしょうがない。
 (3)(情報が公開されず、職場に不安の声があると質したのに対し)  各省の官房長は労働組合と相談していないのか。スリム化ということは一方であるが、心配をかけないように身分保障ははっきりすべきだ。
 (4)独立行政法人は観念的なことだけではむずかしい。それに公務員型、非公務員型の2つになったものだから、なお分かりにくい

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