行政改革関連法の成立にあたって(談話)

 5月26日、参議院本会議において、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案(「行政改革推進法案」)」及び「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案(「市場化テスト法案」)」など、行革関連5法案が可決され成立した。
 国公労連は、これらの法案が「国民生活にかかる国の責任を放棄する『小さな政府』づくりの計画」であり、「行政サービスと公務員労働者に深刻な打撃を与える」との認識から、全地方議会への要請行動や請願署名約25万筆を携えた国会議員要請行動、全労連「もう一つの日本闘争本部」に結集した全国キャラバン行動などでの国民世論への訴えなどの取り組みを展開し、法の成立反対を訴えた。
 26日の法案採決は、そのような我々の要求に応えていない。そればかりではなく、国民生活にとっての公務・公共サービスの必要性や、規制緩和・民営化の下で起きている安全・安心の破壊や様々な格差の拡大、地域経済の疲弊などの問題点の解明や審議が尽くされたとはいえないもとで採決されていると考える。国公労連は、それらの点で、「行革関連法案」の成立に強く抗議する。
 「行革関連法案」の成立も受けて、政府は国家公務員の「5%純減」計画を確定し、配置転換や新規採用抑制策などの「純減方策」やこれと関わる「雇用調整本部」の設置を行うとともに、法にも含まれている公務員の労働基本権を検討する「専門調査会」を行革推進本部のもとに置くことを決定しようとしている。また、総人件費削減のため、公務員賃金の水準引き下げとなる官民比較方法「見直し」や公務員賃金制度「見直し」の圧力を強めようとしている。
 国公労連は、労働条件の改変に関わって、当該労働組合や労働者の意見反映の保障もないまま、雇用が不安定となり、労働条件の不利益変更が繰り返されることに断固反対する。労使自治の確認もないままに、公務とは異質のノルマ主義を持ち込もうとする人事管理の民間化にも反対する。総人件費削減を目的に、「官民イコールフィッティング」を強調して進められる年金、退職制度の一方的な改悪も含め、「行革推進法」成立を最大限強調した公務員攻撃に、ねばり強く反撃していく決意を新たにする。
 国公労連は、引き続き、全労連「もうひとつの日本闘争本部」への結集をさらに強め、「小さな政府」の危険な本質を広く国民に訴え、「公共サービス商品化」に反対する共同の取り組みを広げるなど、「行革推進法」の一方的な具体化を許さない取り組みに全力を挙げる。行政サービスの質と量の維持・改善をもとめ、財政再建のみを口実に公共サービスの切り捨てをさらに進める「骨太の方針2006」の閣議決定に反対するたたかいを並行して展開する決意を表明する。
 2006年5月29日
                     日本国家公務員労働組合連合会
                     書記長 小田川義和

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