国公FAX速報 2006年5月26日《No.1727》
 重点事項 当該7単組で改めて問題指摘し追及
 行政改革推進事務局と交渉

 国公労連は、5月25日、14時から、単組書記長レベルの参加で、行革推進事務局との交渉をおこないました。
 「国家公務員5%純減」計画の策定をすすめる行革推進事務局は、5月中にも「行政減量化・有識者会議」の最終報告を取りまとめ、6月上旬の行革推進本部決定を行おうとしています。そのような状況もふまえ、重点15事項として、定員純減が迫られている事務・事業にかかわる単組(全運輸、全労働、全建労、全気象、全医労、全法務、全厚生)が交渉に臨みました。相手方は、行革推進事務局・川渕参事官外7名が対応しました。

 冒頭、国公労連・小田川書記長が、「重点15事項に焦点をおいた数あわせの純減計画策定は納得できない。あらためて対象となっている単組から問題を指摘したい」とし、参加者は次のような点(要旨)を主張しました。
○ 重要方針決定もふまえ、当初8事項を重点に純減数の積み上げが行われ、その後7事項が追加された。7事項は、補足的な扱いだと受けとめていたが、積み上げられて結果は、そうなっていない。8事項と7事項の関係はどうなっていたのか。
○ 推進事務局から厳しく詰められて、無理矢理、数字を出さざるを得なかったのが現状。したがって、定員純減ともかかわる職場対策も検討されていない。各省から出された数字は、確定数字扱いしないでほしい。
○ 民が必ずしも効率的とは言えない。市場化テストの有効性も検証されていないし、受託業者が出るかどうかも不確定な中での「純減数」。現状での職場の繁忙状況は深刻であり、体制整備こそ必要だ。
○ 純減数ありきでは、今後の行政ニーズの変化に対応できない。人減らし一本槍では、公務の専門性や技術力を維持できない。
○ 一体的な運営を行っている行政の一部を独立行政法人化するのは不適当。緊急時の対応、施策の企画立案、研究成果の現場での活用など、一体性は高い。それを損なえば、行政全体としては非効率になる。
○ 気象観測は、機械だけでなく有人観測を組み合わせることで予報精度を高めている。測候所の全廃では、その必要性に応えられない。
○ 医療センターが担っている政策医療は、充実こそ必要な分野だし、国の責任分野だ。04年の国立病院の独法化時点で、そのような理由から国の機関とされた。それから、どれだけの状況変化があったのか。また、多額な国庫からの借入金処理など、独法化前に整理しなければならない課題が未検討だ。
○ 行革事務局の検討と行政管理局の検討はどう整合しているのか。それぞれ純減の上乗せでは、職場はとても持たない。
○ 独法化を検討したが、他の方策で純減となったにもかかわらず、「独法化はなじまないという結論ではない」と「最終報告」にわざわざ付記する動きがあるようだ。議論の結果だけを書けば良いではないか。
○ 職場はマンパワーで持っている。また、公共サービスと民間企業活動は、その目的が一致しない。

 これらの主張に対し、推進事務局は、次のように回答(要旨)しました。
● 05年12月の「行政改革重要方針」で、重点8事項を閣議決定。その後、その重要方針の内容(例えば「規制改革会議で議論となった事務・事業」など)も手がかりに、有識者会議で追加7事項を確認して純減方策の策定を進めてきた。8事項は、「5%純減」達成のために、従来の定員削減計画とは異なる「深掘り」の検討を求めたが、追加した7事項についても、同レベルの問題意識で進めてきた。その点で、8事項先行で純減積み上げ、という考えは当初からなかった。
● 市場化テスト一般は、競争入札を実施することで、行政サービス全体の効率化を図ることにある。したがって、民間開放そのものが絶対的な目的ではない。ただし、純減計画達成とのかかわりで「市場化テスト」実施を明記している事務・事業については、民民入札で民間委託を実施ということが前提であり、出されている純減数は、定員上で実現可能なものと理解している。
● 定員削減と純減の関係にかかわって、「5年間10%の定員削減」は決定されているものであり、従来通りの手法で進め、1.5%の純減数確保をめざすことになる。加えて、15事項で3.5%純減の深掘りをということ。行政需要の変化は、定員削減計画の世界で、従来と同様の進め方(各省要求の査定)で行くことになる。
● 純減計画とかかわって独法化を選択した事務・事業については、問題指摘の部分も承知した上での各省回答と理解している。法人化を進める中での問題整理ということになる。
● 一般論として、実施事務の独法化検討は、引き続きあり得る。有識者会議としては、議論経過で独法化検討をもとめたものの時間の関係で結論に至らなかったものもあるという認識。したがって、独法化検討を有識者会議として免罪したということにならない。その点を明確にすることは必要だという議論状況にある。

 これらの回答もふまえ、「一度純減検討の対象や独法化の検討を求められたら実現するまで何度でも、という政府のやり方は、働く者の士気にかかわる」、「そもそも重点事項とされたところは、国のやるべき仕事ではない、と烙印を押されたとの受けとめもあり、それ自体問題」などと、重ねて追及しました。しかし、行革推進事務局は「行政実施の効率化要請は国民の声」、「問題指摘は真摯に聞く。同時に、行政効率化への協力も」などと回答し、「6月には配置転換も含めた純減方策を取りまとめたい」とする姿勢を変えませんでした。
 国公労連は、「純減5%」ありきの推進事務局の姿勢に改めて抗議し、交渉を終えました。
 以上

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