国公FAX速報 2005年10月12日《No.1673》

「公共サービス効率化法(市場化テスト)案の骨子」の説明を求める

 国公労連は10月12日、規制改革・民間開放推進会議が9月27日にまとめた「公共サービス効率化法(市場化テスト法)案の骨子」についての説明を求めました。説明は、規制改革・民間開放推進室の岩佐企画官、市場化テスト推進室の松下氏と宮崎氏の両参事官補佐が行い、国公労連は小田川書記長と飯塚独法対策部長ほか3名で対応しました。

 冒頭、岩佐企画官から、「例年であれば7月末には中間とりまとめを行うが、今年は郵政改革を問う総選挙があり9月下旬にずれ込んだ」、「年末にむけては、今回提言しているものだけでなく個別の規制改革も含めて検討することとなる」、「官業の民間開放では、各省ヒアリングの状況を中間的に報告している。規制の見直しについては、通達等行政基準のあり方について提言している」と包括的な説明を受けました。
 市場化テストに関わっては松下参事官補佐が提言の「概要」(規制改革・民間開放推進会議HPに掲載)にもとづいて説明。説明の概要(ペーパーを補足的に説明した事項を中心に)は以下のとおり。

 「市場化テスト」の内容・意義については、国が責任を持って行ってきたサービスを、官が担うのか、民が担うのか、という趣旨。コアは委託型であり、やった結果として再入札でなく民間移譲もあり得る。
 「基本方針」に関わって、「不要な公共サービスの廃止」とは、民間が落札し、所管省庁の関与が少なく十分なサービス提供が可能な場合には、再入札を行うのではなく公共サービスとしては廃止することも想定している。その場合、民営化しても一定の補助金を支出することも考えられる。
 「規制の特例措置」について、法律上公務員でなければならないとされている事務・事業について、特例措置で対応するもの。法律事項である場合は、その都度国会での法改正が必要となる。実際問題としては、官民競争入札にかける際に個別の規制緩和の要否の判断がある。構造改革特区法と同様に一括法の中で決められないということではない。
 「第三者機関」について、入札にあたって官が著しく有利にならないように第三者機関が中立的立場で干渉していくもの。
 「公務員制度」に関わっては、民間が落札した場合の公務員の身分や処遇の問題であるが、10月4日の参議院予算委員会で村上大臣が「今後の課題」としつつも、「配置転換が基本」と回答(別紙参照)しており、これをベースに検討している。
 今後のスケジュールについては、「会議からは法案化に必要な情報をいただいている」とし、通常国会での法案提出を念頭に置いた作成作業を行っていることを示唆しました。 

(別紙)
 ○ 若林正俊君 それでは次に、仕事の流れを変えるという視点での課題でありますが、市場化テストと言われているものの導入についてお伺いしたいと思います。

(中略)
 ○ 若林正俊君 そこで、ある仕事をこれは民間がやるというので民間が入札で取った場合、そこで働いていた公務員をどうするかという問題があるんですね。そういう意味で、徹底的にこれで人減らし、仕事減らしをしていこうとすれば人減らしになると。その人減らしは、現在の公務員制度の中で、それだけでできるんだろうか。その点について、村上大臣、どうですか。

 ○ 国務大臣(村上誠一郎君) その点は非常に今後の大きな課題でありますが、当分の間はやはり、今ある人員で配置転換をしながらやはりしのいでいくということが私は重要じゃないかなと、そういうふうに考えております。

 ○ 若林正俊君 しかし、ここはきちっと詰めないと、配置転換だけじゃなくて、場合によっては仕事量が減ってくるんですから、分限免職の活用、今も制度としてはあるんですけれども、その運用面で、やはり仕事がなくなったらそこで働いている人も辞めてもらわなきゃいけないというようなことにも踏み込んでいかなきゃいけないと、私はそう思いますけれども、どうですか。

 ○ 国務大臣(村上誠一郎君) 委員も公務員経験者であられると思いますが、リー即ツモでそこまで行ければ一番いいと思うんですが、なかなか現実というのは、やはり激変緩和措置をとりつつ丁寧な説明をしながらやっていくことが私は肝要だと思います。その点につきまして、若林委員が言われるような方向に行くように一生懸命努力したいと、そういうふうに考えております。

 ○ 若林正俊君 せっかくの御努力をお願いいたします。総理は、郵政民営化は殺されてもいいからやるんだと、こうおっしゃられます。そういう気迫でひとつやってもらいたいと思います。
(以下略)


(補足)説明の概要は以上のとおりですが、9月27日の「骨子」にもとづいた法案化作業が始まっていることも踏まえた対応が求められています。「市場化テスト」の制度化反対を基本に、骨子の内容を明らかにさせ、その諸問題点を暴露していくとりくみを進めます。

以上


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