2005年8月2日
経済財政諮問会議
 議員 吉川 洋 殿
 日本国家公務員労働組合連合会
                            中央執行委員長 堀口士郎

 「総人件費改革の進め方について」と
題する意見書に関わる公開質問状

 7月27日に開催された経済財政諮問会議に、標記の意見が貴殿等から提出されています。
 総人件費改革が「小さくて効率的な政府」の第1歩だとするその意見書には、国の出先機関の現場第一線で働く公務員労働者で組織する労働組合として、受け入れがたい点が少なくありません。そのことから、とりわけの疑問点であると考える下記の事項について、貴殿の説明をお願いしたく、不躾ながら本質問状を送付いたしました。
 大変恐縮ですが、経済財政諮問会議での論議が急テンポで進められていることに鑑み、8月10日までの回答をいただくようお願いいたします。
なお、本質問状は、当連合会のホームページに公開する予定です。
                   

(1)現在でも、日本の公務員数(人口1000人当たり)は先進国中最低です。多様化している行政ニーズに、極めて効率的に対応していることは、この一事を含め、政府の関係資料からも明らかにされています。
 これ以上の公務員削減は、公務に求められる専門性の承継を困難にし、中立性や、公正さ、あるいは安定的・継続的なサービス提供を阻害することが懸念されます。
 意見書の取りまとめにあたって、この点は、どのように考えられ、整理されているのか、ご回答ください。

(2)公務運営にかかわって、これまでも経済的効率性が最重視された結果、総人件費削減のために組織の整理・合理化(統廃合)が強行され、行政サービスの「過疎化」が進展し、行政サービスの質と量は地域間で大きな格差が存在しています。
 既に閣議決定されている「5年間10%の定員削減計画」に加えた「純減目標」の設定は、地方支分部局の大規模な整理統合を前提にされていると承知します。それは、現状よりも地域における行政サービスがさらに後退することを懸念させるものです。
 意見書の取りまとめにあたって、全国的な均衡を保った行政サービス提供体制を維持、整備することの必要性はどのように論議されたのか、ご回答ください。

(3)「『歳出・歳入の一体改革』と整合的なものとし、総人件費を実額で相当程度削減」することを求めています。定員管理の対象とされる非現業国家公務員の総人件費(約4兆円)の削減がどの程度財政収支に影響するのでしょうか。公務員人件費と財政収支悪化の関係は実証できるのでしょうか。そもそも財政収支がなぜ悪化したのか、その原因はどのように分析されているのでしょうか。
 意見書では、その点に触れられていませんので、是非ご回答ください。

(4)公務員給与について、その決定の仕組みに問題があるということが意見書の前提となっているのでしょうか。労使交渉で公務員給与を決定するという仕組みについてはどのように議論が取りまとめられているのでしょうか。
 公務員労働者の基本的人権ともかかわる問題ですので、是非ご回答ください。

(5)定員管理の「手法」として、「純減目標」を設けるということは、行政ニーズの変化にかかわりなく、一律の「純減」を求めるということなのでしょうか。
 収益との関わりで人員を決定せざるを得ない民間営利企業と異なり、効率性だけでは人員を決定できない公務の特殊性はどのように検討されているのでしょうか。
 「純減」を求めるのは、最も人員の多い自衛隊も同様という考えなのでしょうか。
 基本的な方向でも結構ですので、ご回答ください。

(6)安定的に、中立、公正な行政サービスを提供することと、市場化テストによる民間開放が両立するのか否かは、未だ実証されていないと考えます。
 意見書では、総人件費削減の観点から、市場化テストの「有用性」を主張していますが、公共サービスが安定的に提供できる仕組みとしての問題点はないのでしょうか。ご回答ください。

(7)「基本指針」の取りまとめにあたって、行政サービスを享受する国民や、行政の執行を担っている公務員など、利害関係者からの意見を聞く考えはお持ちではないのでしょうか。
 私どもとしては、意見をお聞きいただく場を持ってくださるよう要請します。

   以上

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