【公務の公共性を考える集会 主催者あいさつ】

2005年6月4日
国公労連中央執行委員長 堀口士郎

 大変ご多忙ななか、集会にご参加いただいた皆さんに心よりお礼を申し上げます。
 本日の集会の目的につきましては資料集で一定説明しているところですが、補足的に若干の問題意識を申し上げ、あいさつとさせていただきます。

 国公労連が「明日の国公労働運動」を考える場合、公務の公共性をどのように考え、今日的な理論構築をはかり、現実の運動をどのように発展させていくのか、ということは私たちに課せられたもっとも重要なテーマであります。
戦後の敗戦の瓦礫のなかから立ち上がった国公労働運動は、60年の歴史を積み上げてまいりました。
 私たちは行政に携わる者の労働組合として、「行政は国民に由来する」との立場から、行政の民主的発展と政治革新の運動を一体的に追求してまいりました。
 その基本は憲法に沿って国民の生存権、人権保障の立場から、その事務・事業は公務として公務員が実施主体となるべきものであること、その遂行にあたっては憲法15条に基づく全体の奉仕者として、民主・公正・効率的な行政運営を追求することでありました。
 そして、その努力をつうじて国民本位の福祉国家の実現と、自らの働きがいを追求してきたのだと思います。

 その基本原則は不変でありますが、いまの時代に生きる私たちをとりまく情勢を見る時、次の3点を考え、議論を発展させていく必要があると思います。
 1つは、改憲の動きとの関係であります。
 いま、国家権力を制限し、人権保障を基本とする現行憲法の理念を根本から否定し、戦争する国づくりのためには、民主主義、基本的人権をも否定する攻撃が強まっています。
 これを許すことは、行政の基本的性格やあり方、公務員としての仕事の内容を反国民的に大きく変えることにつながります。
 この攻撃との対決抜きには行政の民主化や公務労働の質的充実がありえないことを、全国の仲間たちの共通の認識にしなければならないと思います。
 2つは、新自由主義改革が強行されるもとで市場原理優先、民間開放の攻撃がさらに強まっていることです。
 これらの攻撃の本質・狙いをあらためて明らかにしながら、今日的な理論的対抗軸をどのように構築していくのか、これまで築き上げてきた考えを補強すべき部分、あるいは大胆に転換する部分など課題は大きいと思います。
 本日の集会を契機にこれまでの運動の実績の上に、私たちの対抗軸をどのように補強・構築していくのか、智恵と力の結集が求められています。
 3つは、これらの攻撃のもとで国民との連帯を重視しながら、公務員労働者の権利性をどのように担保していくのかという点です。
 労働基本権が制約されているもとで、公務組織の改変や縮小・後退、労働条件の不利益変更が一方的に強行されています。
 そのような状況のもとで、公務に携わる労働者の権利を守り、国民本位の行政の推進、公務労働の民主的な担い手をつくる運動をどのように発展させていくのか、これも今日的な重要課題であります。

 国公労働運動の国民連帯の基盤は、国民とともに考え、国民とともにたたかっていく行政民主化闘争であります。
 21世紀初頭、国民とともに歩む国公労働運動の民主的発展の方向性を見い出し、私たちがどのような役割を果たしていくのかという点について、歴史的な挑戦を開始していかなければなりません。
 そのためには、行政研究活動、行政民主化闘争を新たな決意で発展させていくことが求められていると思います。 
 それがいまの時代に生きる国公労働者の歴史的使命だと思いますし、その立場からの皆さんのご奮闘を心からお願いするものです。

 皆さんのご協力をお願いしてあいさつを終わります。
以上