2005年4月20日
規制改革・民間開放推進会議議長
宮内義彦 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 堀口士郎

市場化テスト等、民間開放に関わる要求書

 貴会議は、3月25日に閣議決定された「規制改革・民間開放推進3か年計画(改定)」にもとづき、「市場化テスト推進室」を設置して、「モデル事業」の推進と市場化テストの本格導入にむけた法的を枠組みも含めた制度の整備に着手している。
 政府は、すべての官業を対象にした「市場化テスト(官民競争入札)」を民間開放のための横断的手法と位置づけ、その際、規制改革や民間開放は民間企業のビジネスチャンスの拡大とも位置づけている。これでは、公共サービスも金次第とされ、あまねく公平にサービスが受けられなくなりかねない。そして、社会的な不平等と格差を拡大する結果さえ懸念される。

 公共サービスの役割の一つは社会的不平等の是正を、継続的、安定的に行うことである。営利企業が効率的であるという場合、よりもうけの大きい分野へ投資を集中するために迅速な参入と撤退の自由が保障されているのである。貴会議は、法的な措置によりサービスの質を確保するという議論をしているが、撤退の規制など「ユニバーサル・サービスの維持」にかかわっては、十分な議論がなされていないと認識している。そうであれば、安定、継続的なサービス提供の妨げになりかねない。

 私たちは、現在の状況でも社会的格差が拡大し、そのことに起因する国民の不安、不満が急速に高まっていると実感している。その点からも、進められようとしている規制改革や市場化テストには賛同できない。また、公務労働者の権利や労働条件への悪影響が懸念されるにもかかわらず、その点での議論もほとんど行われていないことも問題である。
 以上のことから、貴職に下記事項の実現を強く求めるものである。


1. 公共サービスは、公正が効率よりも求められることを踏まえ、資力の差によりサービスの享受に差が付けられるような民営化、民間開放は行わないこと。
2. 撤退の自由によって安定的、継続的なサービス提供を妨げられるような市場化テスト、民間開放は行わないこと。
3. 規制緩和の効果について検証を行うとともに、今後影響を被る各層の意見を幅広く聴取し、国民的な議論により、公共サービスのあり方を検討すること。
4. 雇用・労働条件に大きな影響を受けるおそれのある公務・公共部門労働者・労働組合との十分な協議を行うこと。


以上