2005年4月20日
経済財政諮問会議議長
(内閣総理大臣)
 小泉純一郎 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 堀口士郎

行政サービスの充実のための施策を求める申し入れ書

 政府は2004年12月24日、「簡素で効率的な政府を構築し、財政の建て直しに資する」ことを目的とする「今後の行政改革の方針(新行政改革大綱)」を閣議決定し、スリムで効率的な政府」の実現を図るとし、国の事務・事業の見直し、民営化、民間委託、独立行政法人への移管等、組織・業務の減量化を掲げています。
 これら、地方支分部局等の事務・事業の縮小や民営化・民間化、市場化テストによる官民競争の導入、一律の定員削減などは、国民の権利保障にむけた国の役割・責任をあいまいにするだけでなく、行政サービスの重大な低下を招き、公務員労働者の身分・労働条件にも深刻な影響を及ぼしかねません。

 また、地域における国家公務員給与のあり方について、総人件費削減にむけた本格的な議論が展開され、民間議員からは公務員賃金決定のあり方にも踏み込んだ提案がされています。
 貴会議では、「市場化テスト法案(仮称)」の枠組みも含め、公務の民間開放や総人件費抑制を主目的とする政策方向を「骨太方針2005」として決定しようとしています。しかし、先にも言及した定員削減の悪影響が職場では表面化していることを無視し、労働基本権の制約の下における勤務条件決定のルールを踏みにじる「政策」決定は、財政危機がその口実であったとしても容認できるものではありません。

 以上のことから私たちは、「骨太方針2005」の検討、決定にあたって、行政サービスの真の充実のための組織・定員、労働条件関連予算の充実にむけた検討を、定められたルールを遵守して行うよう下記事項を申し入れます。


1. 定員・給与削減などの総人件費抑制策を一方的に決定しないこと。国民生活に直接かかわる行政サービス充実と公務員労働者の働く環境整備のため必要な措置を講じること。
2. 規制改革や「市場化テスト」による「公共サービス商品化(民営化・民間開放)」の施策を一方的に決定しないこと。
国公労連をはじめ、関係者との協議や国民からの意見を反映する手だてを講ずること。
3. 労働基本権制約の下における勤務条件決定ルールを変更しないままで、公務員賃金決定に介入等は行わないこと。


以上