2003年7月4日《No.155》

「非公式協議」を直ちに中止せよ!
 暴走を始めた推進事務局を追及!

 国公労連は、本日午後、行政改革推進事務局と交渉を実施し、同推進事務局が7月2日に各府省に対して「公務員制度改革関連法案」(国家公務員法「改正」案、能力等級制法案及び給与法「改正」案、官民交流法「改正」案)の全条文を提示し、「非公式協議」を開始したことについて、厳しく糾弾するとともに、直ちにこれを中止するよう求めました。
 交渉には、国公労連から堀口委員長、山瀬副委員長、小田川書記長ほか1名が参加し、推進事務局側は堀江事務局長、春田室長ほかが対応しました。
 やりとりの概要は以下のとおりです。(注:〇は国公労連、●は推進事務局)

 ◆ 約束やぶりの「非公式協議」を開始した真意を明らかにせよ!

 冒頭、堀口委員長が、これまでの推進事務局との交渉の到達点〈(1)いつまでにという期限はなく、「問答無用」の進め方はしない、(2)「国家公務員法108条の5」に準じ、労使の立場で対応する、(3)ILO勧告もふまえた労働基本権問題を含めた交渉・協議を進める〉があるにもかかわらず、7月2日に、「公務員制度改革関連法案」の条文案を各省に示し、「非公式協議」を開始したことに抗議し、真意を明らかにするよう追及したところ、堀江局長は要旨以下のとおり回答しました。
● これまでも申し上げてきたとおり、「大綱」に基づいた公務員制度改革の検討をすすめ、今国会に法案提出をするというのが推進事務局に与えられたミッション(使命)である。国会会期末が迫ってきた中で、自民党・野中委員会から、非公式でもいいから条文を見た上で議論をしたい、との申し入れがあった。しかし、与党とはいえ政府内部で検討もしていないものを出すわけにも行かないので、各省に対して非公式というかたちで示し、意見を求めたものである。通常国会も延長に入り厳しい状況だが、労働組合と誠実に話をしていくという考えは、政府として変わっていないし、問答無用で閣議決定するようなことはしたくないとの考えも変わっていない。立場や意見の違うところはあるが、一致点を見いだし、取り入れられるところは取り入れていきたいと考えている。

 ◆ 交渉継続中の「非公式協議」開始は、誠実義務違反だ!

 「誠実対応」を口にしながら、その一方では今国会への法案提出に固執する推進事務局のやり方に対し、国公労連は以下のとおり厳しく糾弾しました。
〇 3月末に「公務員制度改革関連法案の論点の整理」が示され、国公労連が質問書を出し、その交渉を継続している真っ最中のはずだ。そうした中での条文提案・非公式協議であり、これまでの交渉の経過に照らして極めて不誠実と言わざるを得ない。「大綱」が強行決定された後の交渉で、室長は我々の追求に対して「協議時間が十分ではなかった。こういうことは今後あってはならない」と回答したではないか。「問答無用で見切り発車はしない」と繰り返すが、与党協議のために各省に「非公式」に法案を出すなどは、正に問答無用のやり方に他ならない。直ちに非公式協議を止めるべきだ。
〇 確かにこれまで議論はしてきているが、「大綱」「2次原案」「論点の整理」と立て続けに示され、しかもそれぞれの繋がりが全く不明なままだ。交渉の度ごとに新しいバージョンが出されているようなもので、これではまともな議論など出来るわけがない。
● 現在は法案作成の途上であり、作業の部署が変わったり、国会でのやりとりを踏まえて修正されることもある。決して土俵が変わったわけではない。皆さんからの質問もベースにして、3月に論点というかたちでまとめた。それぞれの段階でのまとめ方はあったと思われるが、決して議論が途切れたというわけではなく、それまでの議論が無意味になったということもない。法案の中味を詰めたところで表現が変わったものもあるが、検討を加えた結果、中身が深まるものもある。検討を積み上げた結果である。

 ◆「非公式協議」をやりたいなら、各省レベルの対応も保障せよ!

 自らの対応を正当化する姿勢に終始する推進事務局に対し、国公労連はこれまでの交渉経過をふまえて、各省レベルでの労使協議の保障も追及しました。
〇 現行制度でも人事行政の運用主体である各省は、その範囲で使用者責任をおっており、集団的労使関係も認められている。「非公式協議」とはいえ、職員の労働条件に影響する法案について、そのレベルの労使協議をどう保障するのか。
● 制度がスタートするまでの期間も含めて、職員の理解を得て、納得がいくようなかたちで進めていかなければいけないという考えは変わっていない。各省に対しても、意見を出してもらう目安で7日までと言ったが、それが全てではなく、ひとつの区切りとして示したものだ。提示した法案も、然るべきタイミングで労働組合に示すよう言ってある。

 以上のやりとりの後、堀口委員長が「国公労連との交渉・協議を真摯に継続する意思があるのか。その意思があるのなら、論点と条文の違い、変更した理由などを明らかにし、条文を国公労連にも正式に提案するなど、労使の立場での交渉をすすめる土俵づくりをおこなうべきだ。各省レベルでの交渉の保障を含め、引き続き、来週早々にも交渉を実施せよ」と強く申し入れたところ、局長が来週早々の交渉実施を了承したため、本日の交渉を終えました。

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