2002年11月28日《No.125》

推進事務局が国公法・能力等級法・給与法
“三位一体”の国会提出を突然提起
ILO勧告ふみにじる一方的な進め方に国公は抗議

 国公労連は11月26日午後「新人事制度2次原案」の内容に関する7回目の交渉を行いました。今回の交渉は、これまでの交渉で残されていた「組織目標・行動基準」、「人材育成」、「上級幹部職員の新人事制度」、「救済制度」について、交渉・協議を行いました。全体の具体的内容は、後日闘争ニュースでお知らせします。
 この交渉の中で、国公労連は、一部の省庁において国公法改正に関わり、「国家公務員法と能力等級法と給与法の3つを同時に国会提出したいという趣旨の話があったと聞いたが」と前置きし、その事実関係を追及したところ、推進事務局側は、その事実関係を認めました。
 推進事務局は、国公労連と交渉・協議している最中に、別途一部省庁に組合にも提案していない案を示し併行して検討を進めるなど、ILO勧告をまったく無視した不誠実なやり方を行っていたことを認めました。推進事務局に対して、国公労連は、抗議し、改めて誠実な対応をはかるよう申し入れました。
 以下、関係するやりとりの部分を取り急ぎお知らせします。 (国公労連:○、推進事務局:●)

○ 国公労連は、一部の省庁において国公法改正に関わり、国家公務員法と能力等級法と給与法の3つを同時に国会提出したい、という趣旨の話があったと聞いたが事実関係はどうか。
● 現在のところ、そういう方向で検討している。
○ では、推進事務局から各府省に対してそういう説明をしたことはあるのか。
● 相談を始めている。
○ それはおかしいではないか。少なくとも今日の議論からも分かるように、能力等級法や給与法は、新人事制度の原案の中身の煮詰まり具合と関連する、ということが一致した認識のはずだ。また、この原案で国公法改正をどう進めるのか、改正の骨子だけでも示すべきだと、この間繰り返し主張してきた。10月の「たたき台」や「試行」のスケジュール提案を受けた時にも同様のことを言っている。仮に今聞いたような方向だとしたら、なぜ各府省だけで、こちらには言わないのか。労働組合ときちんと協議をすると言ってきたではないか。方針転換があったのならなぜ言わないのか。
● みなさんに納得してもらえる説明ができるとは思わないが、一応の説明をさせてもらうと、いろいろ検討すべきことが詰まっている状態ではない。しかし、われわれの考えを少しでも説明したいと思い、こういう場を設けている。その一方、平成15年中に国家公務員法を改正するということは決まっている。関係する法律をどう作っていくかだが、国公法は関連する法律が非常に多い。その中で具体的作業のスケジュールも、中身が完全に固まっていなくても、大体の目標を立てて検討を進めなければならない。そうした中で国公法、能力等級法、給与法の3つを平成15年中に改正し、その他の関連する法律は平成16年中を目標に改正し、平成18年からの新人事制度へのシステム移行に間に合うよう、遅滞なく法改正を進めなければならない。その中でどれを最初に改正するか、他の法律の改正はどうなるか。一度改正した法律が後からまた改正し直さなければならないといったことのないよう、整合的にやらなければならないと考えている。そのために同時並行的に、検討を進めているということだ。
○ それはそちらの考えであって、これまでの議論の経過や交渉での回答からいっても、とても整合しているとは言えない。そもそも、新人事制度については中身の議論も詰まっていないし、納得しているものでもない。評価制度についても、「試行」もせず能力等級法や給与法が作れるのかという問題が絶対に出てくる。何がいちばん問題かと言えば、ILOの勧告にもあるように、労使の合意をめざした協議を行わないことだ。そうであるならどういう考えでどういう日程なのか、どういう議論をするのかを提案してもらわなければならない。「協議」になっていないし、合意にもなっていない。今回のような方針転換があるのなら、なぜこちらに提案しないのか。今日のところは事実関係を確認した上で、そういう事実がこちらに何の提案もなしに進められていることに対して強く抗議しておく。やり方も中身も不誠実であると言わざるを得ない。改めて、推進事務局としての対応方針を早急に示してほしい。そうでなければ、10月以降提案された事項について、国公労連として責任ある対応はできない。

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