国公退職連ニュース
No.84 2005年5・6月号
日本国家公務員退職者の会連合会
東京都港区西新橋1-17-14リバティ14
国公労連(気付)03-3502-6363

「国公退職者9条の会を結成」
代表委員に 岡本、笹沼、高松、藤田さん

 今年1月末から準備されてきた、「国公退職者9条の会結成総会」が4月7日、東京・霞ヶ関にある商工会館で開かれ、81人が出席しました。2ヶ月という短い期間に目標の100人をこえる177人の賛同署名が寄せられ、カンパも多く寄せられています。全建労退職者の会は、この日に合わせ役員会を開催、大分・長野県在住の役員が出席、また全通信の元副委員長はこの結成総会のために岐阜から出席しました。

経過・要綱を承認採択
 会は吉澤準備委員の司会でスタート、高松準備委員が若干の経過と情勢の報告を行い、国公労連から堀口中央執行委員長が来賓として激励の挨拶をされました。続いて目的、事業体制、財政を中心とした、運営要綱を安部準備委員が提案・説明を行い、全員一致で承認されました。
 役員は代表委員4名、事務局長・同次長各1名を満場一致で選出されました.(氏名は2面に)。
 代表委員を代表して、藤田忠弘さんが挨拶、身に余る任務ですが光栄ですと前置きして、「憲法問題では攻めの闘いが必要で、.一歩前進する時は反動攻勢が生じるが、前進する闘いの中に身を置いて、総力をふりしぼって憲法第9条を守り抜くために力をあわせ奮闘しましょう」と訴えました。



 財務報告は25万円をこえるカンパで、宣伝、事務局運営を行なってきたことが詳細に示され、承認を受けました。カンパは持続して取り組むこととしました。
 最後に「今こそ、現役の国公労働者に呼応して、日本国憲法を守るという一点で共同し、憲法擁護の歴史的大運動の一翼を担うために、『国公退職者9条の会』を結成しました」というアピールを笹沼代表委員が読み上げ、満場の拍手で採択されました。
 熱気あふれる会場退職者・OBは久しぶりに現役にもどった雰囲気に笑顔が輝いていました。

四つの真実、攻勢的に
記念講演坂本修弁護士


 続いて、「憲法改悪阻止一私たちの手で『もう一つの日本を』」の表題で坂本修弁護士(自由法曹団団長)が記念講演を行いました。
 坂本さんは冒頭、@改憲は“天下の大事”A改憲阻止か実施かは“天地の違い”B三つの視点で見る・不利(困難)と有利、そして切り開く視点、C・要求と大義は強い、・真実は勝利する、・決めるのは私たちの四点について、事実にもとづく切り込んだ説明がされ、出席者は聞きのがすまいと、真剣な眼差しが講師に集中していました。
 今までの他の憲法講演会とのちがいは、「4つの真実」として坂本弁護士は、積極的、攻勢的な内容で迫りました。
 第一の真実−憲法の価値をつかもう一「今も旬」そして「今こそ旬」それは徹底した平和主義は憲法九条であり「今こそ旬」。
 第二の真実−改憲の正体。
 「戦争をする国」弱肉強食の国にするための改憲、それは民主主義、人権、生活を多重的に奪います。
 第三の真実−勝利の展望をどこに見るのか?
 大義と本当の国民要求は私たちの側にある。そして世界の流れは憲法の側に、第2次世界大戦後の世界の流れ・国連憲章など。アジアに広がる改憲批判の声と新たな平和構築の流れがある。国内では9条の会など運動に光が見え、共同の広がりがあります。
 第4の真実−「もう一つの日本」を私たちの手で。
 (ジョン・レノンの歌う)想像してみよう。「もうひとつの日本を」。平和に生き、人間らしく生活し、アジア、世界の人々とともに生きる。憲法第9条を生かしきる国は、人間らしく生きられる国になります。
 講演の結びは、「決めるのは私たち」と確信に満ちた言葉が響き、「かってない事態にかってない運動を、共同こそ大義」と訴え、私たちの未来は私たちで決めるのです、と結ばれた。
 講演が終わってひらかれた交流会は、余韻がお酒と混じり旧交を温めながらの会を終えました。

国公退職者9条の会
第1回役員会ひらく

 国公退職者9条の会は4月9日の結成総会をうけて、第1回役員会をひらき賛同署名を中心とした、概略次のような取り組みを確認し、対応組織に文書を発出することとしました。

1 「賛同署名」推進のために
@ 退職者の組織があるところはそこを中心に進めます。
A 退職者組織のないところでは、単組ごとまたは国公単位で取り組んでいきます。
(2)「氏名公表賛同署名」は、各級機関のOB役職員を対象にしていますが、「賛同署名」は一般の国公退職者とその家族、現役労働者とその家族、友人・知人を対象にします。

   選出された役員
   事務局長に安部さん


 代表役員(アイウエオ順)
 岡本五郎(現国公退職連会長):国公各退職者会代表
 笹沼煕子(元国公労連女性協議長):元中央各本部女性役職員代表
 高松克己(元国公労連副委員長・OB会世話人):準備会代表
 藤田忠弘(前国公労連委員長):元中央各本部役職員代表

 事務局長
 安部昭雄(現国公労連顧問・元国公労連副委員長)事務局次長
 吉澤健志(現国公退職連事務局長・元国公労連執行委員)

2 署名の集約について
(1)「氏名公表賛同署名」は、一定の時期に国公労新聞等で発表することを考えていますので、集約できた都度、事務局あて(国公労連本部)、FAX(03-3502-6362)または郵送で
送付する。
(2)「賛同署名」は、一定集約できたところで(できれば月単位で)、まとめて郵送する。

3 地方での「国公退職者9条の会」発足めざして
 各単組退職者の会、各単組・ブロック県国公等の協力を得ながら、各地方で「国公退職者9条の会」の発足をめざします。
4 「賛同カンパ」とりくみ
(1)本会の運営にあたって「賛同署名」を進める際に、「賛同カンパ」をよびかけていきます。
「賛同カンパ」は「1口500円」で「何口でも可」


憲法・増税を掘り下げる
第7回「考える会」ひらく


 国公退職連第7回「考える会」が3月9日、箱根KKR宮ノ下でひらかれ、8つの会から23名が出席しました。
 今回は憲法と税金の二つの課題で問題提起をうけ、「情勢の見方」を整理し討議が集中されました。その概要をお伝えします。

輝く日本国憲法そして9条
全経済小泉委員長

 国公退職連第7回「考える会」の第1のテーマは、「輝く憲法そして9条」と題して、全経済委員長の小泉さんの講演がありました。
 憲法改正の動きが、かってない規模と強さで推し進められていますが、各種世論調査では、憲法を読んだことのない国民は60〜70%、憲法改正(9条を含む)すべきだとの意見が30〜40%、特に若者にこの傾向が強いことが指摘されました。
 そして、政治、財界、マスコミ、アメリカなどの憲法をめぐる特徴的な動きを分析するとともに、1950年朝鮮戦争を契機に警察予備隊が創設され、52年に防衛隊、54年に自衛隊へと変遷し、90年の湾岸戦争から「国際貢献」の名のもとに、有事法制の法制化など、平和憲法を形骸化する既成事実が積み重ねられてきている影響の重大性も指摘されました。

改憲精力は日本をどう変えようとしているのか
 時代にあった改憲、環境権などの加憲、国際貢献・防衛権の明記など改憲を主張する意見はいろいろありますが、日本経団連は憲法9条と96条(憲法改正手続き)改正を優先させるべきと主張しています。その背景には80年のイラン`イラク戦争で三井物産の石油化学プロジェクトが破壊され、撤退させられた経験や、製造業の海外移転と発展途上国の政情不安などのリスクがあり、国際的な政情安定のため、自衛隊を活用しようという狙いがあります。また、国民投票法など改憲手続きの緩和によって、いつでも改正できるようにする狙いもあるとしています。

改憲阻止の展望
このような改憲の動きに対して、04年6月に有識者による「9条の会」アピールが発表され、全国で1000ヶ所をこえる地域の9条の会が作られています。憲法改悪を阻止するためには「まず、憲法を知ること、学ぶこと」そして、世界中に知られた「第9条」の輝きを改めて確認すること。戦争の悲惨さや愚かさを若者に語り、伝えること。「憲法9条の改正には反対」の多数派を結集し、「9条の会」を職場・地域に広げること。そのために退職者の知恵と力が必要なことが訴えられました。(泉部)

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