憲法ニュース 2005年6月2日《No5

●「いかなる戦争にも加担しない!」
憲法遵守宣言を職場で決議

   −全運輸労働組合−
 【全運輸発】全運輸労働組合は、憲法と密接にかかわる「仕事」に従事している公務労働者にとって、憲法改悪とりわけ9条の改悪は、働き方の転換が強制される重要な課題であることを踏まえ、昨年の秋闘段階から積極的に憲法改悪反対運動を展開してきました。
 具体的には、全運輸独自で「いかなる戦争にも加担しない!憲法にもとづく国民のための交通運輸行政の確立をめざす」ことを高らかに宣言した「憲法改悪反対」ポスターを作成し、すべての職場に掲示することを追求したほか、「全運輸憲法オルグ養成講座」を開催し、憲法改悪の動きや背景、各党の改憲案や改悪阻止運動のすすめ方について学習を深め、国公労連の「憲法語り部」登録を推進しました。
 さらに、「憲法遵守職場宣言」についても職場集会などを通じて意志統一するとともに、「憲法遵守職場宣言」ポテッカーを来庁者の目につく場所への貼付を目標に、とりくみを強めてきました。
 また、海上技術研究所・電子航法研究所・交通安全環境研究所で組織する、全運輸・運輸研究機関支部においては、16年前の1989年に「軍事研究に協力せず、運輸交通機関の安全と環境保全の研究をつうじて国民の福祉と生活向上に貢献する」ことを主旨とする「平和研究所宣言」を採択しました。以後毎年、宣言の主旨を風化させないよう確認するとともに、さらなる広がりを願って記念週間行事を開催するなど行政と職場に憲法を生かすとりくみを実践しています。
 今後も引き続き、各支部において全運輸の「憲法語り部」登録者を講師として「憲法学習会」の開催をめざすこととし、憲法改正の命運はわたしたちのさらなるとりくみが握っていることを確信しながら、「憲法改悪反対」の世論を喚起すべく、積極的に運動を展開していく予定です。

「9条を守る」広く共同
   −労組・市民・宗教者ら 集会に2400人−

 「有事法を発動させない!憲法九条改悪反対」を掲げて5月27日、陸・海・空・港湾労組20団体や全労連、宗教者、市民団体などの共同の集会が東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、2400人が参加しました。
 九条の会の小森陽一事務局長(東京大学教授)は「憲法九条が体を張って平和を守っているように、私たちは体を張って運動をつくっていこう」と呼びかけました。各界からマスコミ九条の会、日本民主法律家協会、日本民間放送労働組合連合会の代表が発言。戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動の代表やカトリック横浜教区司祭が次々と訴えました。
 労働組合の決意表明では、集会参加の労組代表(全運輸・全港建・全税関・全気象・国公労連)がのぼり旗を手に一斉に登壇。全日本海員組合の藤沢洋二副組合長が「ナショナルセンターの違いを超えて、憲法九条改悪反対の一点でたたかう」と力を込めて決意を述べました。集会後、銀座までデモ行進しました。

5月20日中央行動で署名を提出
   −衆参の憲法調査会委員にも議員要請行動−
 国公労連は5月20日、「許すな憲法改悪!守ろう国民生活 5・20国会包囲国民大行動」を展開。国公労連としてとりくんだ憲法「改正」反対署名の11万5千筆を提出、衆参の憲法調査会委員(計94名)への議員要請を実施しました。
 共産党議員からは賛同のエールをもらい、民主党の鹿野道彦衆議院議員秘書からは「憲法9条は守るべきだ。あとは新聞を読んでほしい」と語ったうえで、民主党山形県で発行した「号外・憲法記念日特集」が渡されるなど憲法調査会報告についての反応がありました。

※憲法調査会について「知らない」が7割(朝日新聞調査)を占めていることから、憲法調査会の最終報告を検証し、事実を伝えつつ改憲の動きを斬る連載記事をスタートします。国公労新聞6月21日付から7回シリーズで「検証・憲法調査会報告(仮称)」を連載しますので、職場等で活用してください。

憲法遵守職場宣言決議をしよう!
   −6月24日の中央行動で政府に提出−
 国公労連として昨年11月からとりくんでいる署名は、5月末で集約を終了しましたが、引き続き、地域に結集した改憲反対のとりくみをすすめることを確認しています。
○憲法遵守職場宣言運動の決議文は、6月24日の中央行動で政府に提出します。採択した「宣言決議」は各単組本部に至急、集約してください。
 また、昨年配布した「憲法遵守職場」ポテッカーを、職場の掲示板や休憩室などに掲示するとりくみの具体化を追求します。

改憲反対の世論が国会審議に影響
 国会の会期延長が狙われ、国会法「改正」案の提出も予断を許さない中、改憲を主張する側の動きも活発になっています。「九条の会」をはじめ改憲反対の世論が広がっていることへの危機感が、こうした動きにつながっています。

◆国会法「改正」法案  国会空転で暗礁?
 憲法「改正」に必要な手続きを定める国民投票法案を衆参両院の憲法調査会で審議できるようにする国会法「改正」案をめぐる調整が、「郵政民営化法案をめぐる国会空転で暗礁に乗り上げている」と産経新聞で報道されています。「『郵政民営化法案の審議は解散含みで国会運営には神経を使う。憲法どころではない』(自民党国対筋)という本音が漏れる」(5月26日付・産経)との記述もありました。

◆安全保障に関する論点整理を発表−民主党憲法調査会 国際・安保小委員会
 民主党憲法調査会の国際・安保小委員会(中川正春座長)は5月25日、安全保障に関する憲法論議の論点整理を発表しました。「平和主義の徹底」など「4原則・2条件」に集約したのが特徴。同調査会がまとめる「憲法提言」のたたき台として、同小委で協議を進めるとしています。
 4原則は、○平和主義に徹する、○自衛権は国連の集団安全保障措置が動き始めるまでの「制約された自衛権」と憲法に明記、○武力行使も含む国連の集団安保への参加を憲法に明記、○シビリアンコントロール(文民統制)の明確化−−を掲げました。
 一方、4原則の前提となる2条件として、○武力行使は最大限抑制的であること、○緊急事態への対応策などをまとめた「安全保障基本法」の制定−−を示しました。
 国連安保理決議に基づく多国籍軍や国連平和維持活動(PKO)への参加は、「武力行使も含むと整理したが、具体的内容は安保基本法で定められる方向とする」(5月26日・毎日)としています。

◆9条の改悪 容認の発言    −連合 笹森会長−
 連合は6月1日、第45回中央委員会を東京都内で開催しました。笹森清会長は、憲法問題について、「9条があるから、憲法は一切手を加えられない、触ってはいけないところから踏み越しを。そうでないと、本当に今の時代にあう日本のありようについての規定を決められないということになりかねない」とあいさつ。憲法九条の改悪容認を改めて表明しています(6月2日付・赤旗)。

◆埼玉知事 9条改憲エスカレート 「変えるべきは 変えるべき」
 埼玉県の上田清司知事は5月31日の定例記者会見で、憲法「改正」問題について問われ、「憲法は九条をはじめ、現状に合わない状況が出てきている。変えるべきものは変えるべきだ」とのべました。民主党衆院議員出身の上田知事は、以前から「私は憲法改正論者」だと公言。九条について「(国会で)きちんと決着をつけてほしい」と、九条改憲を促す発言を繰り返していました(6月2日付・赤旗)。

◆「通販生活」で憲法九条大論争
−自民党憲法調査会会長・保岡氏と井上ひさし氏が対談−
 雑誌『通販生活』2005夏号に、「憲法九条大論争」が巻頭特集されています。
 憲法九条をめぐって、わが国の将来を左右する論争が始まっているとして、両派を代表して保岡興治氏(衆議院議員・自民党憲法調査会会長)と、井上ひさし氏(作家・日本ペンクラブ会長)の対談を掲載。以下は、その一部分を紹介します。
○保岡氏:「イラク戦争やPKOで自衛隊が海外に出かける、あるいはわが国の周辺で北朝鮮とか台湾海峡の問題とか、冷戦の残滓が残っている状況で自衛の問題が深刻化してきた。したがって、いまもっとも国論が分かれている集団的自衛権や9条の見直しを現実的に認識する国民も徐々に増えてきているというふうに考えているわけです」
○井上氏:「自民党ご自身も、政治的安定、経済的繁栄、国際的地位をわが国が獲得するのに自民党が大変に貢献してきたということを自認していらっしゃるわけですね。そういう実績を日本国憲法のもとであげてこられたのに、その日本国憲法そのものを受け入れることをいつまでも拒んでいる。それどころか改定しようとしている。これは普通の常識ではわかりません。1人の公式な戦死者を出さず、部品はともかく、武器も売らずに60年間、日本を経済大国として繁栄させてきたという自民党の自負は国の基本的な平和憲法があったからこそだと思うんですね」
 なお、同誌に、衆院憲法調査会会長の中山太郎氏へのインタビュー記事「憲法九条をめぐる国民投票についての2つの疑問」も掲載されています。

●【「九条の会」など各地のとりくみ】

◆福島九条の会 講演に1900人
 今年2月に発足した「福島県九条の会」は5月28日、福島市内で発足記念講演を開き、1900人が集まりました。この講演会は、地元紙2紙に全面広告を出すなどの準備を経て開かれたものです。
 作家の早乙女勝元氏と下重暁子氏が講演。早乙女氏は、東京大空襲のなどの体験を紹介しつつ、現憲法では国民主権が保障されていると強調し「再び戦争の惨禍がないよう決意するのは私たち一人ひとりだ」と訴えました。下重さんは軍人の家庭で育ち、8歳で終戦を迎えた経験を紹介。「学校では、1945年8月15日を終戦日としか教えない。そのときの人々の思いを伝えないと意味がない。戦争の実態を語り次ぐのが、生き残った者の役目」と話しました。

◆鎌倉市が講演会の後援を取り消し
 鎌倉市在住の井上ひさしさん、内橋克人さんらが呼びかけ人となって6月10日に発足する予定の「鎌倉・九条の会」の発足記念講演会を、鎌倉市がいったん後援を決めながら、一方的にその撤回を通知してきました。理由は「市後援取り扱い指針の後援除外規定である『宗教性または政治性を含むもの』にあたる」というものです。
 鎌倉市は全国に先駆けて1958年に「平和都市宣言」をして平和市民憲章をもっており、準備会では市が後援するのは当然として3月16日に市に申請、同29日に後援決定したものを、4月28日になって取り消しを通知してきました。
 井上さんらは、「憲法では公務員の憲法尊重擁護義務が規定されている」として市長に直接面談して取り消しの決定を求めることにしています。(「九条の会第37号より転載)。

◆「九条の会・有明講演会」のための意見広告へのご協力のお願い
 (「憲法改悪反対共同センター」ホームページより)

 「九条の会」は、昨年の6月の発足以来、北海道から沖縄まで9都市で講演会を開き、24000人を超える参加で熱気ある集いとなりました。また、各界各分野、各地域の「九条の会」は1900を超えて結成され草の根からの運動が広がりつつあります。
 そこで、「九条の会」は来る7月30日東京・有明コロシアムで大講演会を開催することとし、その成功のために「意見広告」を掲載すべく、準備をすすめています。その費用は募金でまかなうことにし、郵便振替でお願いすることにしています。
 「九条の会」の主旨に賛同する方のご協力をお願いします。

 郵便振替口座 00130-1-760316
 口座名  九条の会意見広告 │
※お問合せ先 Tel・Fax 03-5213-8570

★憲法改悪阻止に向けた単組・県国公の様々なとりくみ(署名行動や学習会など)のメール通信やFAXをお寄せください。次号は6月下旬の予定です!
以 上

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