憲法ニュース 2005年5月12日 《No.4》

●学ぶと、夢と希望が生まれる!
愛媛・憲法学習会に1200人

   −愛媛県国公が呼びかけ−
 【愛媛県国公発】 「憲法をたのしく学ぶ学習会」が4月24日、松山市内で開かれ、衆参の憲法調査会最終報告が出された直後でもあり、「憲法を学びたい」と大学生ら1200人(国公は150人)が参加しました。
 学習会は、きたがわてつ氏が25年間歌い続けている「日本国憲法前文」からはじまり、記念講演で伊藤真氏(伊藤塾塾長・法学館憲法研究所所長)は、「憲法を学ぶと夢と希望が生まれる」とし、「前文、9条の積極的非暴力平和主義は、ひとたび放棄したら二度と取り戻せない。改憲は、国民の人権を国のため、国防のため、国際貢献のためと、制限する根拠を与えるもの」と強調しました。
 第二部のきたがわてつ氏によるコンサートでは、イラクで人質となった高遠菜穂子さんの詩に曲をつけた「シュクラン・ジャジーラン(どうもありがとう)」やジェームス三木氏作詞による憲法賛歌ともいえる「わたし(=日本国憲法)を褒めてください」などを熱唱。学習会の最後は、舞台に実行委員会スタッフなど100人が上がり、「ヒロシマの有る国で」を大合唱し、割れんばかりの拍手の中、閉会となりました。
○国民の人権を守るため、国家権力に対する歯止めとなるのが憲法
 学習会の参加者からは、「多数決でも奪ってはならない価値を明文化したものが憲法」「社会の秩序を維持するため国民に対する歯止めとなるのが法律。国民の人権を守るために国家権力に対する歯止めとなるのが憲法。両者は正反対の方向を向いているもの」というような話が印象に残ったとの感想が寄せられました。「日本の憲法では、平和を単なる国家の政策ではなく、個々人が主張できる人権(平和的生存権)として定めている点が他の国の憲法と違うという話には、ちょっと目からウロコの感覚を味わいました」との感動も寄せられています。
 宣伝力(行動力)に劣る愛媛県国公も、圧倒的な宣伝力を持つ相手に、地域に出て、訴え続けることが、地道ではあるが最も重要であることを再認識し、奮闘する決意をあらたにしました。

●護憲ライダーが憲法集会で大人気!
   −朝日、毎日などで紹介 兵庫県国公が奮闘−

 【兵庫県国公発】5月3日、兵庫県憲法会議が憲法集会を神戸市内で開催し、700人が参加しました。兵庫県国公の「護憲ライダー」が寸劇を披露し、「人々の無関心につけ込んで、憲法を変えようとする動きを阻止しよう」と呼びかけました。
 朝日新聞には、カラー写真で「憲法を身近な問題として考えようと寸劇が披露された」と護憲ライダーが紹介され、毎日新聞は「アトラクションで『護憲ライダー』が改憲をたくらむ悪の軍団を退治して喝さいを浴びた」、読売新聞と赤旗にも掲載されました。
 兵庫県国公の「護憲ライダー」は、平和や憲法の各種集会では引っぱりだこで(出演料がタダだから!?)どこでも結構人気者です。とくに子どもに受けがよく、ショーが終わってもなかなか解放してくれません(泣) 。集会の参加者が結構同じ顔ぶれがいるので、脚本はそのつど変えて、いろんなキャラクターを登場させ、見る人を飽きさせないように苦労しています。
 今回の5・3憲法集会では、小泉が(役名は「人生いろいろ様」)、お笑い芸人「ひろし」風のギャグ(音楽付き) で集会参加者を洗脳しようとするのを、護憲ライダーが登場して、憲法の理念で倒し、みんなに無関心であってはならないと呼びかけました。そんな、こんなで、楽しくがんばっています♪
 ちなみに、護憲ライダーもだんだん有名になって、各地から「うちもやりたいんだが…」との問い合わせが殺到しています。先月、視察に来た京丹後市職労では「平和連帯ゴケンジャー」としてメーデーにデビューしました。いま、各地で護憲ライダーの弟分も活躍しています。

一人ひとりが憲法改悪の重大性を認識
   −全法務盛岡支部で学習会−
 【全法務発】 全法務では、定期全国大会で、「9条」をはじめとする憲法改悪に反対し、職場と地域に憲法を活かすたたかいに全力をあげることを確認し、「憲法改悪阻止闘争本部」を設置し、各地本・支部でとりくみを強化してきました。
 盛岡支部では、署名のとりくみをはじめとして、「あたらしい憲法のはなし」、「漫画で考える憲法改正『9条の消えた朝』」をそれぞれ全組合員に配布し(山形支部も同様に配布)、組合員一人ひとりの学習の強化を図ってきました。また、各分会においても、各地域労連で提起する改憲阻止のとりくみに積極的に結集しています。
 また、青年・婦人部員を中心に支部独自の「憲法学習会」を開催し、盛岡支部の熊谷支部長から「憲法『改正』、その露払いとしての教育基本法改悪」と題し講義が行われました。支部長からの実体験として、『我が子に「人を殺せ」と教えたくない』のエピソードが紹介されました。
 憲法改悪阻止のたたかいは、「ここまでやった」という総括をするのではなく、「改悪阻止」という結果のみが求められる、いわば「一発勝負」のたたかいであることを再度確認し、組合員一人ひとりが平和の大切さ、憲法改悪の重大さを認識したうえで、各地域でのとりくみへの積極的な結集を図りながら、憲法改悪を阻止するため、全国の仲間とともに今後も奮闘していく決意です!
なお、全法務全体の署名の集約数は、27,666筆(5/11現在)と目標に及ばない状況となっていますが、最後の追い上げを図っていきたいと思います。また、「憲法遵守職場宣言」のとりくみについては、現在集約中ですが、90の職場から採択した報告がありました。

「9条を守る大きなうねりを」
   −8団体共同の5・3憲法集会に5000人以上−
 憲法記念日の5月3日、「九条を守る大きなうねりを!とめよう憲法改悪 2005年5・3憲法集会」が東京・千代田区の日比谷公会堂で開かれました。憲法改悪阻止各界連絡会議や許すな!憲法改悪・市民連絡会議など8つの宗教者・市民団体が共催したもので、今年で5回目。5千人以上が参加しました。
 集会後、参加者は「9条は世界の宝」「誇憲」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げ、銀座をパレードしました。(※詳細は国公労新聞5月21日付で掲載します)

5月20日中央行動で署名を提出!
   −第3回憲法改悪阻止反対闘争本部を開催−−
 国公労連憲法改悪阻止闘争本部は5月12日、第3回闘争本部を開催しました。小田川闘争本部事務局長(書記長)が、改憲の動きや九条の会が全国に広がっている情勢を報告。職場における憲法学習や九条の会に呼応するようなネットワーク作りの一環としての憲法「語り部」登録推進と、改憲反対署名の追い上げを強調しました。
 単組からとりくみ報告と議論をうけ、以下の点を確認。引き続くたたかいを意思統一しました。
(1)国公労連として11月から取り組んでいる署名は、5月20日中央行動を最終集約とする。中央行動デモ行進終了後、衆参の憲法調査会委員の議員を対象に要請行動を実施。
 今後は地域に結集したとりくみをすすめる。
(2)憲法遵守職場宣言運動の決議文は、6月24日の中央行動で政府提出。
(3)憲法「語り部」登録を幅広く広げる。
(4)地域の宣伝行動などに結集。6月以降は、「9の日」と第三水曜日を「公共サービス商品化」反対とリンクした宣伝行動にとりくむ。

9条改憲を強引に「方向づけ」
   −自民・民主・公明が共同歩調−
 5年間にわたって議論してきた国会の憲法調査会が、まとめの最終報告書を議決しました(衆院4月15日、参院4月20日)。議長に提出された報告書の焦点は、「9条2項」でした(詳細は国公労新聞5月1・11日合併号参照)。国民投票法については、国会の議論が郵政民営化を優先することから今国会での上程は具体化されていません。しかし、大幅な国会会期の延長も示唆されており、予断を許さない局面です。
 「21世紀の日本と憲法」有識者懇談会(民間憲法臨調)は5月3日、東京都内で衆参憲法調査会長などが出席する憲法フォーラムを開きました。中山太郎衆院憲法調査会長(自民党)は調査会報告書取りまとめや調査会運営に積極的協力姿勢をとってきた民主党の対応を「(野党として)歴史的だ」と称賛。憲法調査会を国民投票法案などを審議する常任委員会へ改組する問題で「自民、民主、公明3党の合意はあるので連休明けには国会内の議論はまとまる。憲法改正に向けた国民投票法案の成立をはかる」と述べました。

◆国会の憲法調査会を「知らない」は71% (朝日新聞)
 「平和実現のための原典として現憲法を受け止めている」 (中国新聞)
 終戦から60年目の憲法記念日を迎え、新聞やテレビなどマスメディアも憲法問題をとりあげました。
 読売新聞の調査では、抽象的な憲法「改正」賛成は多数でも、9条については「改正」は44%で、「厳密に守る」や「解釈・運用で」といった「改正」反対派が46%です。憲法を改正して集団的自衛権を使えるようにすべきだというのはわずかに31%です。
 朝日新聞の調査では、9条改正反対が51%と過半数を占めます。朝日新聞社説は、国会の憲法調査会を「知らない」という人が71%、最終報告書の内容を「知っている」人が3%などの調査結果を引きながら「永田町と世論とのずれ」を指摘しました。
 河北新報は「『平和主義』をいかに貫くか」を問い、中国新聞は「憲法論議『9条』 そんなに不都合なのか」と、「ヒロシマ・ナガサキなど戦禍に苦しめられた国民は、平和実現のための原典として現憲法を受け止めている」、9条2項を改変しようという議論に焦点をあてて、「『戦力不保持』は平和主義の要 見直す理由が見あたらない」(琉球新報)など、国民世論と結びついた地方紙の護憲論調が目立ちました。

◆自民新憲法起草委の諮問会議17人内定
 自民党新憲法起草委員会(委員長・森前首相)は5月10日、首相・衆参両院議長経験者や民間有識者らで構成する諮問会議のメンバー17人を内定しました。内定したメンバーは、中曽根、海部、宮沢、橋本の各元首相、民間から日本経団連副会長、経済同友会代表幹事、日本商工会議所副会頭など。18日に初会合を開き、4月にまとめた憲法改正草案の「小委員会要綱」に検討を加え、「起草委要綱」を作成すると読売新聞(5月11日付)は報道。自民党の新憲法起草委員会は今月から改憲草案要綱のとりまとめに入ります。
 
◆自民党に歩み寄る民主・憲法提言
 民主党は、「憲法提言」中間報告を4月25日の憲法調査会総会で公表。「歴史、伝統、文化を踏まえた国の形を明示」「制約された自衛権の明確化」「国連主導の集団安全保障活動参加」などを報告しましたが、論点整理に比べて、進展はほとんどなかったとしています。当初、中間報告の試案には@国連決議を前提にした海外での武力行使、A自衛隊の憲法上の明記−が盛り込まれていましたが、民主党内の強い反発もあり、中間報告への明記は見送られました。
 東京新聞は「改憲は『遠い』割れる党内」「『自衛隊』見解に差」という見出しで、「民主党が当初、3月公表を目指していた改憲案のたたき台・「憲法提言」の完成が遅れている」(5月10日付)と報道しています。民主党は、自民党に歩み寄るなかで、矛盾は深まっています。

●【「9条の会」など各地のとりくみ】

◆北海道が全開−6月までに100万筆目指す!
 地域センター43、「九条の会」123確立  
 北海道の「憲法改悪反対運動推進センター」は、4月12日に第6回運営委員会を開催し、道民100万署名を6月30日までに突破するための意思統一をはかりました。会議では憲法調査会が最終報告を強行提出し、自民・公明・民主が「改憲案」を次々検討具体化しつつあること、国会法改定や国民投票法案の国会提出を狙ったすり合わせ作業が行なわれている情勢を議論。署名の到達が20%程度に到達しているなか、100万目標達成期日の6月30日までに何としても突破するため、以下のような意思統一をはかりました。なお、道内には4月12日現在43の地域センターが結成されており、それぞれ有権者数、有権者過半数目標、署名目標、集約数、目標比を明らかにしながら、取り組みを推進しています。また、「九条の会」は地域60、職場24、分野13、全道6、合計123組織が確立されています。(「共同ニュース」No27より転載)。



★憲法改悪阻止に向けた単組・県国公の様々なとりくみ(署名行動や学習会など)のメール通信やFAXをお寄せください。次号は6月中旬の予定です!
以 上

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