参議院「主な論点及びこれに関する各党・各議員の意見」
(事務局整理案)のポイント

○ 報告書作成プロセス
 幹事会オブザーバーである共産党、社民党も参加して、作成方針を検討。

○ 報告書内容

〔総論〕
・三原則維持は、共通の認識

〔憲法前文〕
 歴史・伝統・文化など、憲法前文に書かれるべき理念・内容については、意見が分かれた。

〔天皇〕
 象徴天皇制を維持することについては概ね共通の認識。元首と書くかについては消極的。女性天皇には概ね賛成。

〔平和主義と安全保障〕 
・9条と平和主義の理念
 平和主義の維持及び9条1項の維持は概ね共通の認識。2項改正については意見が分かれた。
・自衛権の有無(集団的自衛権を含む)
 個別的自衛権を有することについては共通の認識。集団的自衛権を認めることについては、@認める、A認めない、B制限的に認める、に意見が分かれ、
 また、認める立場であっても、@憲法上明記する、A解釈で可能、との意見が分かれた。
・自衛隊の位置付け
 自衛隊の存在を、憲法上明記するかについては意見が分かれた。
・シビリアン・コントロール
 シビリアン・コントロールを強化すべきことは概ね共通の認識。
 自衛隊を憲法上明記する立場では、シビリアン・コントロールも明記することが概ね共通の認識。
・国際連合
 国連を重視すること、しかし安保理をはじめ改革が必用なことは共通の認識。
・国際貢献
 国際貢献に寄与すべきは共通の認識。しかし国連の集団安全保障活動等など、軍事貢献については意見が分かれた。
・緊急・非常事態体制
 憲法上明記するかについては意見が分かれた。

〔基本的人権〕 
・国際的な基本的人権への取り組み、
 国際人権法の尊重は概ね共通の認識。
・公共の福祉、義務
 公共の福祉の考え方、義務の重視については意見が分かれた。
・法の下の平等
 マイノリティの人権尊重については概ね共通の認識。
 外国人地方参政権など外国人の権利については、意見が分かれた。
・表現の自由
 メディアやIT技術の発達に即した規制の在り方については、意見が分かれた。
・新しい人権
 知る権利、プライバシーの権利、環境権、生命倫理、犯罪被害者の権利などの新しい人権について、保障すべきは共通の認識。ただし憲法に明記するかについては意見が分かれた。

〔国会〕
・二院制と参議院の在り方
 二院制の堅持、直接公選制の維持は共通の認識。再議決要件緩和、首相指名権返上に慎重であるべきことは概ね共通の認識。

〔内閣〕
・議院内閣制
 議院内閣制の基盤は衆参両院であるべきことは概ね共通の認識。
 首相公選制には否定的意見が大半。

〔司法〕
・違憲立法審査権、憲法裁判所制度
 現在の最高裁の憲法裁判に対する消極的な態度に不満であることは共通の認識。
 憲法裁判所制度導入の是非については意見が分かれた。

〔財政〕
・私学助成
 私学助成の必要性は共通の認識。89条改正の必要性については意見が分かれた。
・予算・決算の在り方と会計検査院
 参議院の決算重視は共通の認識。会計検査院を国会あるいは参議院に付属させるかは意見が分かれた。

〔地方自治〕
・国と地方自治の役割
 国と地方は対等の関係というのが共通の認識。地方財政強化も共通の認識。
・住民自治・基礎的自治体の強化、住民投票制
 住民自治・基礎的自治体の強化については概ね共通の認識。
 住民投票の法定化については意見が分かれた。
・地方分権・道州制
 地方分権の推進は共通の認識。道州制は、意見が分かれた。

〔改正、最高法規〕
・改正手続と国民投票制
 改正要件の緩和については意見が分かれた。
 国民投票法制定は、速やかにと改正時でよいとに意見が分かれた。

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