憲法ニュース 2005年9月21日《No.8》

●一人ひとりの「憲法守れ」の熱い思いが「きんき9条の会」結成へ
   全国税近畿地連

 【全国税近畿地連発】全国税近畿地連は、今年6月下旬に「きんき9条の会」を発足させました。地連機関紙が「全国税きんき」であることから、「きんき」と名付けました。
 昨年9月、大阪中之島公会堂で「九条の会」発足記念講演を聞きに行ったことが「会」発足のきっかけです。30分前に会場へ着きましたが、すでに長蛇の列をなしており、びっくりしました。1100名しか入らない会場に1500名が詰めかけ、残暑厳しいなか2000名が会場を取り囲み、計3500名の熱気に満ちた大阪講演を聞きました。
 「憲法守れ」の気持ちをもつ仲間がこんなに大勢いることに、私たちは確信と自信を深め、「組合として何ができるのか」を議論した結果、職場に「9条の会」をつくることになりました。

「入ります」の一声だけで加入できる「サークル型」めざす
 「きんき9条の会」は、国税職員やその家族、友人など、憲法9条と平和を愛する方なzら誰でも参加できます。「一人ひとりの意識の問題」との認識から、組合員にポスターとチラシを配布する程度するにとどめ、これまでは地連として積極的な勧誘はしていません。希望者が直接、地連書記局へ加入の意思表示をする方式としたために、呼びかけ人以外はまだ数人にとどまっています。
 今後は、ネットワークをつくるため、さまざまな「九条の会」との連帯をめざして、一緒に交流や学習を深めていきたいと考えています。企画を紹介するチラシもつくりながら、広く呼びかけていくつもりです。
 ちなみに、「会」の加入届はありません。「『きんき9条の会』に入ります!」の一声だけで会に加入できる「サークル型」をめざして、ただいま会員募集中です。
 改憲を阻止し、日本を「戦争をする国」にしないためにも、「きんき9条の会」が憲法9条を守ろうとする国税職員の「砦」になることを期待して、地道に「九条の会」を続けていきます。

「きんき9条の会」申し合わせ事項
憲法9条と平和を愛する方なら、誰でも参加できます。会費はいりません。
1. 憲法9条を守り、憲法改正に反対します。
2. 集会や署名に参加します
3. 「九条の会」と連帯します
(※いま「第1次呼びかけ人」なので、呼びかけ人も募集しています)



●「9条改正すべきでない」6割 「戦争放棄」を評価85%
   大阪国公が「憲法9条緊急アンケート」を実施

 【大阪国公発】 大阪国公は、昨年10月の定期大会で「守ろう9条!くらしと職場に憲法を!」のスローガンを確認するとともに、「憲法改悪阻止闘争本部」を設置し、府民過半数署名の達成をめざして、職場・地域で奮闘することを確認しました。
 1年目のとりくみとして、大阪国公では、職場や組合員に憲法への意識を高めてもらうことを目的として、「憲法を行政に生かす大阪の会」(略称:国公革新懇)と共同で、「憲法9条緊急アンケート」をとりくみ、9単組から794名分を集約しました。
 集約結果を簡単に紹介します。改憲議論について「関心がある」と答えた人は74.6%と国公職場での意識の高さが伺えます。また、現行憲法の戦争放棄については85.1%が「評価する」、海外での武力行使については76.7%が「反対」、9条改正については61.3%が「改正すべきでない」と答えるなど、平和憲法の意義を高く評価しています。
 しかし、「9条改正すべき」との答えが29.3%と決して少なくない数字になっています。改正すべき理由の多くが、「既に存在している自衛隊の明記」や「自衛権の明記」などで、「戦争放棄」までも改正すべきという意見は少数にとどまっています。また、意見欄には、「労働組合が平和課題に取り組むのはおかしい」「思想信条の自由に反するのではないか」など意見が寄せられました。

9条改悪は生活改善など要求前進の大きな妨げ
 しかし、9条改悪=アメリカの戦争に協力するということです。改憲勢力のねらいもそこにあります。世界では戦争が繰り返され、今でも続いています。戦争はまた新たな戦争を生み出すだけで何も解決しません。そのことは過去の歴史が証明しています。
 さらに、自衛隊がどんどん海外に出ていくことは、国家予算を圧迫し、増税や社会保障の改悪につながり、最後には、国民生活に負担と犠牲を強いることになります。9条改悪は生活改善をはじめとする要求前進の大きな妨げになることは明らかです。労働組合として「9条改悪反対」は当然の要求です。
 大阪国公は、こうしたアンケート結果を2年目の活動に活かし、職場・地域で「9条改悪は許さない」の共同をさらに広げていきたいと考えています。しかし、労働組合という枠の中だけでは、限界があります。組織の枠をこえ、9条改悪反対の1点で共同できる組織作りが本当に重要となっています。大阪国公も、この秋闘期間中に、大阪で働く国家公務員やOBの方、国公職場周辺で働く労働者に呼びかけ、「大阪国公9条の会」を結成したいと考えています。



●九条の会 誰もが参加できる「会」をいたる所に
   ユニークな「会」のとりくみを紹介します

 「九条の会」は7月30日の「有明講演会」で、「『九条の会』アピールに賛同する広範な人びとが参加する『会』を、全国の市区町村、学区、職場、学校」につくり、「相互に情報や経験を交流しあうネットワーク」を広げることを呼びかけました。その一助に、ユニークな「会」を紹介します。

■夜間中学に「九条の会」
 東京には8つの夜間中学があります。その夜間中学の間で「夜間中学九条の会」が結成されました。4月16日には29名が参加して、第1回の集会が開かれました。集会には在日の生徒たちがたくさん来て、それぞれの思いをトークしました。「夜間中学には各国の生徒がいる。平和でなければ…」と足立四中の竹山先生は語りました。憲法の精神を実現するのは、私たちの行動ですと、夜間中の先生方に「会」への参加をよびかけました。
 第2回「夜中九条の会」は6月25日開かれ、12名が参加しました。うち3人は夜間中学の生徒・元生徒でした。元文花中社会科教師の遠藤先生が「日本国憲法の成立」と題して、日本書籍の歴史・公民教科書を使い、憲法9条成立の歴史的意義を述べました。参加者からは「憲法9条があるのに、なぜ自衛隊があるの?」の疑問の声や、「9条第2項に『前項の目的を達するため』と条件づけられていることはどんな意味があるんだろう?」という講師からの問いかけなどがありました。また、靖国神社問題や憲法「改正」をうたう「つくる会」教科書採択についても意見が交わされました。
(「九条の会」第50号から転載)

■「9条がなくなると学校はどう変わる?」月1回の学習会〜北海道白老町教職員九条の会
 7月に発足しました。月1回の学習会をやっており、1回目は、発足集会として9条の会ビデオを視聴したあと、それぞれ9条への想いや疑問を出し合いました。
 2回目は、1回目に疑問としてでた「9条がなくなると学校はどう変わるのか」をテーマに話し合いました。
 次回は白老町内の喫茶店で7時から軽食・コーヒーを飲みながら行います。前回の話の中で出された、もう一度今の日本国憲法の価値を学ぼう!ということがテーマになる予定です。

■「マラソン憲法講座」〜かごしま九条の会
 「マラソン憲法講座」に取り組んでいます。9月2日の事務局会議で、第4回講座を10月15日におこなうことを決めました。テーマは自民党の「8・1憲法草案」で、自民党が11月15日に前文を含めた改憲案を発表することに対応できるようにするものです。小栗実・鹿児島大教授が講師です。
(「九条の会」第51号から転載)



●政治情勢

 9月21日に開会した特別国会。憲法問題では、自民党が衆院各派協議会で提案した改憲のための国民投票法案を審議する特別委員会の設置をめぐる議論が重要課題となります。
 「創憲」を掲げ、自民党と改憲を競い合う民主党は、「9条2項削除が持論」と公言する前原氏が代表に就任し、その動向に注視が必要です。

■与党 憲法特別委を設置する方針
 総選挙後の新しい国会の構成・運営について協議している衆院各派協議会が9月20日開かれ、与党側が再度、憲法調査特別委員会の設置を提案しました。
 与党は同委の設置目的を「日本国憲法改正国民投票制度に係る議案の審査等及び日本国憲法の広範かつ総合的な調査(国会法第102条の6の調査をいう)を行うため」としています。
 自民・公明両党は9月21日朝の幹事長・国会対策委員長会談で、憲法改正手続きを定める国民投票法案を特別国会に提出する方針を決めました。民主党に共同提案も視野に協議を呼び掛けたうえで、成立を目指すとしています。当初は来年の通常国会への提出を予定していましたが、同法案の制定に前向きな前原氏が民主党代表に就いたことを踏まえ、提出を前倒し。
 日経(9月21日夕刊)には、「与党がすでにまとめた同法案は、(1)国会が憲法改正を発議した日から30日以後90日以内に投票を実施、(2)国政選挙の有権者が投票権を持つ−−などが柱。与党は22日にも衆院に特別委員会を設置する方針だ」と報道しています。



●資料の紹介

「九条の会有明講演会」(135分)ビデオ・DVD完成
 7月30日に行なわれた「九条の会・有明講演会」の全講演が収録された)ビデオとDVDが完成しました。当日の講演会には全国から9500人が参加し、各講師の含蓄あるお話しに大きな感動と勇気をいただきました。当日参加できなかった方、これから憲法問題を考え学びたいと思っている方、各地・分野の「九条の会」を作っていこうと努力されている方の参考になります。申込は、下記へ直接お願いします。
○講師   三木睦子、鶴見俊輔、小田実、澤地久枝(ビデオ出演)、奥平康弘、大江健三郎、井上ひさし(登場順)
○定価 1500円(送料は別)
○製作・著作権 九条の会
○申込み先 (株)プラスワン
電話 03-5803-7871
ファックス 03-5803-7872

憲法会議・労教協「憲法問題学習資料集2」発行
〜自民党「改憲条文案」で改憲は新しい段階へ

 「学習の友社」が、憲法会議・労働者教育協会編「憲法問題学習資料集2」を刊行しました。
 8月1日に自民党が発表した「新憲法第1次案」と現行日本国憲法との「対比表」や、自民党・民主党の改憲案、憲法改正国民投票法、憲法調査会報告書、財界と労働組合(連合)、日本の防衛計画など、収録資料が充実しています。
 ぜひ、職場・地域での学習資料として活用してください。
○定価   1000円
○連絡先 学習の友社
電話 03-5842-5641
ファックス 03-5842-5645



●今後の予定

■「秋の学習・交流集会」
 自民党は、8月1日に「新憲法草案条文案」を発表し、秋の党大会に向けて検討を開始しました。また、公明党や民主党、財界、「連合」も憲法9条の「改悪」にむけた態度を明らかにしています。今年の秋は、憲法9条の明文改憲にむけた動きが強まるものと思われます。当連絡会は、今後の憲法擁護の運動に役立つように下記日時に「学習・交流会」を計画しました。
 皆さんのご参加をお待ちしています。
*日時   9月26日(月)18:30〜
*場所 エデュカス東京7Fホール
*会費 500円(資料代他)
*演題 「憲法をめぐる情勢とたたかいの課題」
*講演 渡辺 治(一橋大教授
*主催 憲法を守る東京連絡会
*連絡先 03-5940-6088(東京平和委員会)

■「建設人・九条の会」発足記念集会
 〜建設に携わる私たちは戦争協力を拒否します〜

*日時   9月27日(火)13:30〜
*場所 豊島公会堂
*参加費 無料
*ミニコンサート きたがわ てつ
*講演 田中 隆 弁護士
*報告 小森 陽一 「九条の会」事務局長
*お話 戦争体験
*発足総会 提案 永山 利和(日大教授)
*主催 「建設人・九条の会発足記念集会実行委員会」
*問合せ先 「建設人・九条の会設立準備委員会」事務局
03-3299-8720(建設政策研究所内)


以 上

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