アピール99


 今日私たちはここに集い、あらゆる立場の違いを超えて「日本国憲法を守る」という一点で手をつなぐことを誓い合いました。

 「平和憲法」ともいわれる日本国憲法は、日本が行った侵略戦争に対する深い反省の上に制定されました。日本の政府と国民は「もう二度と戦争はしない」と世界に誓いました。そして「戦争をしない国」となるため戦争放棄・戦力不保持を定めた第9条を筆頭に、基本的人権の尊重(第11条)、集会・結社の自由(第21条)、生存権保障(第25条)、労働基本権(第28条)など、人類普遍の権利が保障されました。

 この憲法の下で国家公務員は、戦前の「天皇の官吏」から、「国民全体への奉仕者」(第15条)へと変わり、国民の基本的人権実現を目的とする行政・司法の業務に従事することになりました。
 私たちの生きがいや働きがいは、ここから生まれてくるものです。今日まで私たちの先輩、そして私たちも「平和憲法」のもとで、誰もが幸せを追求できる社会を創り上げるため日々努力してきました。

 ところが戦後60年が過ぎ、この「平和憲法」を変えて「戦争する国」にしようという動きが本格化しています。自民党は「新憲法草案」を発表し、「9条2項」を改変し、日本を「戦争をする国」に変えようとしています。また、改憲の是非を問う国民投票を実施することが企まれています。
 民政部門を切り捨て、軍事や治安、「国際競争力」強化に必要な部門に国の役割を重点化しようとする「小さな政府」と憲法改悪の動きは一体のものです。
 「憲法を尊重し擁護する義務」(第99条)を負っている私たちは、こうした憲法をないがしろにする動きを許すことができません。

 いま、日本全国、津々浦々で様々な「九条の会」が結成されています。私たちの「国公99条の会あいち」もこの流れに沿うものです。今日を新たな出発点に、各職場で憲法を語り、仕事を語り、憲法の光が明るく暖かく社会のすみずみを照らすよう、「不断の努力」(第12条)を続けていきましょう。

                    
  2006年4月22日
                      国公99条の会あいち結成総会

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