2002年10月2日《No.109》
「新人事制度2次原案」の推進事務局交渉(6)
“評価制度の恣意性排除”を徹底追及
曖昧なままで「法改正」作業はやめよ!

 国公労連は、9月27日に行政改革推進事務局と「行政職に関する新人事制度の2次原案」の内容に関わって、6回目の交渉を行いました。今回の交渉は、2次原案の「評価制度」について、9月20日に続いて問題点を追及し、推進事務局の考え方を質したものです。交渉には、国公労連から山瀬副委員長、小田川書記長ほか8名が参加、推進事務局は山際企画官、吉牟田企画官ほかが対応しました。交渉の内容は以下のとおりです。(○:国公労連側、●:推進事務局側)

【評価段階数の根拠について】
○ 2次原案35頁の「評価段階数」は5段階となっているが、その考え方の根拠は何か。
● 案は5段階だが、3段階がいいのか5段階がいいのかは、実施してみないとわからないという面がある。それは科学的根拠があるわけではなく、適当かどうか試行を行っていく中で検証したい。
○ 試行をしてみないとわからないということか。
● そうだ。5段階と3段階とどちらが適当かは、試行を通して検証したい。
○ 業務、職種、省庁などによって、3段階がいいとか5段階がいいとかになれば、そうなるのか。行(一)とそれ以外の職種では等級の構成も違う。教育職などは一つの等級に多くの人がいる。そこに使うとなれば、試行の結果、5あるいは3段階という選択肢はあるということか。
● 等級構成の違いが評価段階の数に結びつくのは理解できない。
○ 昇格が少ない職種と行政職のように他と比べて多い職種でも同じ能力評価の仕組みになるのか。行政職でもラインとかスタッフの違いもあるし、試行した結果、5〜3段階の選択肢があるという考え方か。
● 今の時点では、職種によりいろいろなパターンにすることまでは考えていない。そういう検討はしていない。
○ 試行してみないとわからないといいながら、なぜ検討しないのか。評価段階の決定権者は最終的に誰になるのか。
● 段階の数を人事管理権者が決めることは考えていない。各省統一的な評価段階を考えている。
○ 5段階の区分の考え方の基準は何か。職務遂行能力基準のイメージはどうか。
● 5〜1かA〜Eかは、まだわからないが、常識的には真ん中が標準だ。言葉で示せるまでには詰まっていない。
○ それでは議論にならない。能力評価の主要な目的や、評価する際の基準は業務遂行能力基準で示されている。それを5段階とすれば、運用の関係で真ん中が標準ですというなら、標準は何だとなる。統一的にやるなら示さないといけない。大括りな職務の括りであり、企画のポストが標準的だとはできないはずだから。基準化をされなければいけないとならないか。標準とは何か。個別の職務に着目してやるのではないというのが前提だ。
● 基本職位によってどの程度、職務遂行能力を満たしているのかの判断だ。
○ 試行するにしても何に基づいてやるのか。
● どういう形で示すことになるのか、今の段階ではカチッとしたアイデアがあるわけではない。
○ 持っている方針だ。試行に際して絶対評価にしても、3段階をやらないとする以上示さなければならない。試行の際はマニュアル的なものを用意するといっている。示せないのはおかしい。
● 試行の準備の段階でマニュアルも検討している。その中で、それぞれの段階がどういうことなのかを示すことになろう。

【評価における恣意性の排除について】
○ そこは大事なところで、いちばん心配なのは評価権者の主観でやられるということだ。そうなれば、モノをいえない職場になる。そこをいわないということは、そういう職場にする狙いがあるのではないか。職員を命令に服従させるのではないか。曖昧な態度では心配だからこだわっている。
 毎年毎年リセットする方式といったが、恵まれない職務・上司という問題が起きる。その上、さらに、5段階の基準も示されず、恣意性の排除もないのではないか。排除の検討はどうしているか。能力評価の目的ともかかわり、重要であるのに決まってない。考え方の整理がなされていないまま議論、試行するのは乱暴ではないか。
● 今の懸念は理解している。間違っても懸念しているようなことは目指していない。
○ 2次原案の性格ともかかわるが、恣意性排除の仕組みをどう考えているのか。それがないと、評価を基本にした任用、給与の議論ができない。どの段階で出してくれるのか。次の国公法改正ともかかわるが、評価を活用して任用、給与、分限をやるということだけ先に決めるのか。
● 評価をどう位置付けるかについてもまだ検討中だ。
○ いつ出してくれるのか。
● 評価制度については内部で検討を進めているが、できるだけ早く示して混乱のない形で導入したいと考えている。2次原案の中で、評価を一つの利用項目と考えており、何故5段階かなど、問題があるといってもらえば参考に検討を進めていく。
○ それではだめだ。大綱を決定したとき何をいったか。公務員制度改革の中核は評価制度だといった。公務員制度改革がどう決まるかは評価制度の固まり具合によるといった。この部分の検証ができないと国公法改正に進めないといっていたのは推進事務局だ。どうして逆転していうのか。これが進まない限りは給与制度だって動きませんといった。評価制度は固まらないのに、任用、給与をどうして仕組めるのか。そういう問題意識はないのか。そうでなければあなた方はその時々にごまかしをいったということになる。議論や試行をしながら制度の設計をすると、その素材として2次原案を出した。しかし、基準設定の主体を含め何も出てこない。そもそも、試行はどうなっているのか。
● なるべく早く実施できるよう検討中だ。

【評価の試行と国公法改正の関係について】
○ 試行と国公法改正との関係は。
● 法律なので、詳細までは出てこない。大枠のところを国公法で規定し、細部は下位法令で決まってくる。
○ それはおかしい。現行国公法が枠組みだけ決めて、職階制は未実施で50年やってきた。そのことが現行制度の運用のひずみだ。そこを能力等級制度に切り替え、その幹は評価制度だといっている。現行の公務員制度の運用の矛盾をいうなら、その矛盾から入らないとだめだ。下位の法令を後から作ればいいというのはおかしいのではないか。そういうのを避けたいがためにいってきたのではないか。そうでなければ国公法改正など必要なく、部分修正だけでいい。
● 評価は何段階でだとか、細目を全部固めた上で提案するのが理想だが。
○ 我々は認めているわけではない。いっているのはあなた方だ。

【評価における恣意性の排除とフィードバックについて】
● 国公法は、関連法や下位法令が膨大で数が多い。職種も様々でいろいろなことを検討する必要がある。将来に矛盾がない形で大枠を決め、細目はだんだん決まっていくと思う。
○ 能力評価を任用に活用するとすれば、、下位法令で議論することになるのか。それでは納得できない。下位法令といっても軸があろう。それは職務遂行能力であり、それを活用して昇格候補者を選抜する際に、恣意性をどう排除するのか、業務評定をみてもそうだ。それを避けるための仕組みは何か。これが基軸ではないのか。また、フィードバックは「必要な範囲」と書いてあるが、具体的には何か。そもそもフィードバックは全てについて本人に行うのではないか。
● フィードバックする範囲は、まだ決めたわけではない。
○ 全てフィードバックすればいい。
● それでは決めたことになる。
○ 恣意性の排除ということからも、1次評定の結果は全て本人にフィードバックすべきではないか。
● 具体的にはいえないが、一人で評価するのではなく、一次評定と二次評定があり、また評価者研修もある。
○ 二次評定はフィードバックしてくれるのか。そういう制度を設計しているのなら書くべきだ。
● 具体的には、一次評定でするか二次評定でするか、またしないとも書いていない。それぞれのフィードバックの在り方を検討している。
○ 今は9月下旬だ。2次原案は4月25日だ。5ヶ月も経って検討はどうなっているのか。これでは前に進めない。
● 何もしないで手をこまねいているわけではない。それぞれの検討はどうしても段階的になる。我々も固まったものを説明しているし、内部で検討しているものもある。試行もせず検討している段階だ。試行は早くしたい。固まったものは順次説明する。
○ 2次原案の時は任用、給与制度は決まっていないと、大事なところは評価だといっている。まず試行するといっている。事務局の組み立てもあり重要なのは評価ではないのか。
● 評価については固めてから示す。段階ごとに確定した段階で固まった考えを示す予定だ。
○ 能力評価によって分限もやると、要は身分保障にかかわる問題に使うということか。人の一生に関係する問題の検討内容、恣意性の排除、基準の明確化をどうするかが重要だが、それなしにどう検討できるのか。恣意性の排除を入れたいというだけではだめだ。耐えうる仕組みを公務に確立できないと運用できない。書いてあるというだけならやめたほうがいい。職場を混乱させるだけだ。非常に重要な問題であり、そういう位置付けで本当に検討しているのか。手順や手続きの問題ではない。任用や給与に使わないというのも制度論としてはある。使うなら説明すべきだ。
● 大枠が決まらないと、細かいところはきまらない。
○ 評価の点は先送りできない。客観性、納得性、恣意性などいくつかあるが、はっきりさせてほしい。
● 主観性、客観性、納得性は大事だし、今後、細かい部分を議論するときに考えてということはわかった。
○ 具体化のスケジュールがあるのでいつ出してくれるのか。
● なるべく早く出したい。  
○ それが出せるまで国公法の改正に入らないといえるのか。
● 個別の課題ではないか。
○ 個別の課題ではない。進め方とかかわる。この時点でキチンとしないと全体が進まない。大綱を法案に書けば済むという議論ではない。約束違反ではないか。この問題をキチンと説明できるまで国公法改正は行うべきではない。
● そこまではっきりいっていない。評価の部分が国公法なりの基軸にあるというのはわかった。それで何故国公法改正ができるのかというのは十分お聞きした。後の対処は検討するが、即答はできない。
○ その問題については、次回責任ある回答を求める。

(以 上)


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