2002年7月11日《No.100》
「公務員制度署名」軸に国民共同を大きく広げよう

 ★民主団体を訪ね「公務員制度署名」の協力を要請
 −政官業ゆ着、行政のあり方、公務員賃金などでなごやかな懇談も−
  (※全労連「公務員制度改革」対策本部発行の「公務員制度改革」闘争ニュース
   2002年7月11日No.17から転載)


 「民主的な公務員制度改革を求める請願署名」(200万署名)のとりくみが、全国各地で開始されているなかで、全労連「公務員制度改革」対策本部では、全国的な民主団体を訪問し、署名への賛同と協力を訴えてきました。
 また、公務各単産でも、手分けをしながら、労働組合や民主団体の中央本部をじかに訪ね、「公務員制度改革」や公務員賃金をめぐる問題などで懇談し、全国からの署名への協力を要請するとりくみをすすめてきました。
 訪問した労働組合・団体では、地方職場や各級機関をふくめた協力を快く引き受けてくれるなど、民主的公務員制度の確立にむけた理解もひろがっています。今後、地域や職場からの「対話と共同」の拡大にむけてがんばりましょう。

 ○新日本婦人の会・MICへ要請
  アンケート結果も示して政官財ゆ着なくす公務員制度うったえる


 一連の要請行動の手始めに、全労連対策本部では、7月4日午前に新日本婦人の会(新婦人)中央本部を訪問しました。要請には、堀口副本部長(国公労連委員長)、尾張部事務局長、浜島事務局次長(公務労組連絡会事務局長)が参加し、新婦人は、玉田恵事務局長が対応しました。
 はじめに、堀口副本部長が訪問の趣旨についてのべ、その後、浜島事務局次長が政府の「公務員制度改革」の現状や問題点、全労連対策本部としての考え方などを説明し、「公務員制度署名」への協力を求めました。
 また、公務員の賃金改善のたたかいが重要局面にあることから、浜島事務局次長が人事院勧告をめぐる情勢などについても報告し、公務労組連絡会がとりくんでいる「賃金改善署名」への協力もうったえました。
 懇談のなかでは、堀口副本部長が、国公労連がとりくんだ緊急アンケートでは、「仕事を通して政治家の口利き・介入があった」との回答が2割もあったという実態も報告し、政官財のゆ着をなくす公務員制度改革の必要性を強調しました。また、賃金問題では、要求討議にむけて「奥様アンケート」にもとりくみ、公務員宿舎に入居する主婦をはじめ、生活をささえる女性の意見反映へ努力していることも紹介されました。
 玉田事務局長からは、要請の趣旨に理解しつつ、地方機関への指示などを検討していくことが明らかにされました。
 また、同日午後には、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)に要請しました。対応した今井一雄議長(出版労連委員長)は、「署名の内容はわかった。積極的に協力したい。ただ、マスコミの職場はこれから夏休みに入ることから、実際にとりくめるのは9月からとなる。11月の集約までぎりぎりとなるが、加盟各組合に協力を求める」と快く要請に応えてくれました。

 ○農民連・全商連へ要請
  公務員への攻撃は国民に対する次の攻撃のステップだ


 引き続いて7月11日には、全労連対策本部を代表して、公務労組連絡会の浜島事務局長と黒田事務局次長が、農民運動全国連合会(農民連)と全国商工団体連合会(全商連)を訪問しました。
 農民連では、笹渡義夫事務局長と石黒昌孝事務局次長が対応し、公務員の「天下り」問題から、日本の農業、食品の安全まで、話題は多岐にわたって話がはずみました。
 笹渡事務局長は、「内部告発権の必要性は、雪印の一連の不正隠しが生きた教訓だ。モノがきちんと言える職場にするかどうかは、国民のための行政をつくるうえでの試金石だ。がんばってほしい」と、署名に賛同してくれました。
 また、農薬の検査官が全国でも数名しかいない実態に触れ、「公務員は少ない。現場の職員のみなさんが一生懸命やっても検査が追いつかない状況だ。安全面での国民の関心は高いが、かんじんの公務員が少なくては何もならない」とのべるなど、農民の立場から行政の拡充を求めました。
 公務員賃金をめぐる状況にも話がおよび、「稲作農家の収入は、日給に換算すると3800円にしかならない。このうえ公務員賃金が下がれば、地域経済はいっそう疲弊する」として、さっそく「賃金改善署名」も本部内の集約を引き受けてくれました。
 笹渡事務局長は、「公務員制度改革による国・地方の公務員への攻撃は、農民や国民にとっては、次の攻撃へのステップだ。私たちは『苦しいのは百姓だけではない』と激励しあい、歯を食いしばってがんばっている。おたがいがんばりましょう」と、「公務員制度署名」を各県の農民連にも知らせ、地域での協力を指示すると要請に応えてくれました。
 全商連は、谷野洋常任理事が対応し、「内部告発」権の保障など請願事項への質問をふくめ、商工業者と公務員というおたがいの立場の違いもふまえながら意見交換し、「全国600地域の民商に結集する会員にどう説明するかむつかしい課題だが、それもふくめて対応を検討したい」とのべました。
(※以上、全労連「公務員制度改革」対策本部発行の「公務員制度改革」闘争ニュース2002年7月11日No.17から転載)

★各労組が1千枚の署名協力等を快諾

 そして、国公労連本部も、全労連「公務員制度改革」対策本部の取り組みに結集し、中央団体への要請を行いました。以下、主な要請行動の報告です。
 ○航空労組連絡会…「ストップ!有事法制」ですっかり有名になった村中副議長に迎えられ、要請には諏訪事務局長に対応していただきました。航空産業に増えている争議や、有事法制をめぐる情勢や取り組みについて若干の意見交換をした後、署名の要請を受けて、諏訪事務局長は、「近いうちに機関会議がありますので、そこで単組に紹介します」と述べました。
 ○検数労連(全国検数労働組合連合会)…要請を受けてくださった福田書記長は、「先日ILOに行かれていましたね。労働基本権問題は民間から見ても大切な問題ですよ。うちはトップが、旧運輸省からの天下りです。いま港では、ダンピングでめちゃくちゃな運賃が押しつけられているんですよ。内部告発ができると、大手の横暴を明らかにできるんですが、中小は怖くてできないんですよ」と述べ、署名の要請については、「地方組織にも取り組んでもらいますよ。1千枚ほど送ってください」と、協力の快諾をいただきました。
 ○建交労(全日本建設交運一般労働組合)…私たちは民間労働者ですが、公務員制度改革には関心を持っています。すべての組合員に届けている建交労の機関誌5月号で、政府の公務員制度改革の問題点について、全運輸・宮垣書記長にインタビューしました。インタビューの中で、宮垣書記長が、「労働条件の労使対等決定、そのための労働基本権、労働組合との誠実な話し合い、これが民間でも公務員でも正常な職場、いい仕事の必要条件です」と語られましたが、私たちもその通りだと思います。地方組織含め、署名に協力させていただきます。
 ○通信労組(通信産業労働組合)…要請を受けてくださった野形書記長は、「昨年につづく02春闘での全国規模の国公労連の支援にたいへん感謝しています。署名用紙1千枚を届けてください協力させていただきます」と快諾してくださいました。

 ★西播公務共闘懇談会で共同行動〈兵庫県西播地区国公〉

 兵庫・西播公務共闘懇談会は、6月24日宣伝行動と学習会の共同行動を成功させました。昨 年11月と今年2月の共同行動に続く取り組みとして、公務員制度改悪阻止、公務員賃金削減の不当な攻撃を打ち破り、公務労組連絡会が7月からスタートする「国民のための民主的な公務員制度改革を求める請願署名」を大きく広げていこうと意思統一しました。
 当日は17時30分から45分間、JR姫路駅南側で、学校・郵便局・職安・国交省の実態や要求を明らかにした手作りのビラを20名で配布し、ハンドマイクでも国民のための公務員制度改革を求めて、各職場の要求などをそれぞれの代表が訴えました。
 その後、18時30分から労働会館で、京大の櫻田先生を講師に迎え「公務員制度改革と公務員賃金」をテーマに学習会を開催し47名が参加しました。
 櫻田先生は、2000年10月の自民党行革推進本部の「公務員制度の抜本改革について」が基本となり具体化が進んできた公務員制度改革は、「公務員制度改革大綱」として昨年12月閣議決定された。労働基本権現状維持は「公務員制度改革大綱」ではじめて盛り込まれた。省庁再編では、内閣府つまり首相の権限が強化されたことが大きな特徴で、それにより財界の21世紀戦略が進められてきている。それは貿易加工型経済から、多国籍企業体制への転換であり、グローバリズム・海外進出を可能とするために日本の政治・経済・社会構造の総決算、憲法・教育基本法・国公法の改正と有事法制など構造改革・行政改革が進められ、「戦争しない国」から「戦争する国」へ変わろうとしている。平成15年中には国公法改正案が国会に提出され、新たな制度以降は平成18年を目途とされている。今後、青年や女性は能力・業績主義に賛成が多いことに留意して人勧闘争や公務員制度改革などに取り組んでいくことが重要、などと強調されました。
 つづいて、各職場の代表から、すでに行政評価システムが導入され職場はたいへんな状況だ(自治体)、戦争する国を子どもにわたすことはできない。週5日制導入では、授業や職場環境に問題が生じている(教員)、郵便局でも自己評価による新昇格制度が導入された。営業活動が重視され、国民の郵便局とは、そこで公務員の果たす役割とは何かを考える必要がある(郵便局)、能力主義が導入されると職場のチームワークが破壊され、労働者のためのていねいな相談活動よりいかに件数を稼ぐか、保険等はいかに給付額を減らすかなどが評価されることになる(全労働の仲間)などの発言があり、最後に西播労連から、公務と民間の賃下げ悪循環も、労働者の権利侵害の悪循環も断ち切り、国民のための公務員制度・行財政・教育をつくるため、一致団結して、たたかおうとのあいさつがありました。       (兵庫県西播地区国公・上西耕二事務局長発)

(以 上)


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