2001年7月4日《No.29》
ストップ!国民に痛み押しつける改革

 ★県労連等と共同で学習集会ひらく〈佐賀県国公〉

 6月29日、佐賀県教育会館において、佐賀県労連、佐賀県国公、佐賀県高教組、佐賀県医労連、唐津市労連の共催で「『公務員制度改革』学習・交流集会」が開催されました。
 集会の目的は、「公務員制度改革といっても一般の人は知らないだろうし、国家公務員がどんな業務に携わっているかも一般の人々は知らない。こうしたなか、公務の仕事を知らせることと併せて、公務員バッシングのなか公務に対する批判、苦情、意見を一般の方からあえて受け、国民の中に入っていく第一歩としよう」としました。そして、各単組の資料として「信賞必罰で行政サービスはこうなる!?」と国民への悪影響をイメージできるようビラを作成し配布しました。
 しかし、当日大雨洪水警報がでていた関係もあり全体の参加は100名余りで、意見交流を期待していた民間団体等からの参加が残念ながらありませんでした。

 ○公務労働者が国民的視点で行政の問題点を提起し、民間の仲間や
 多くの国民との共同広げ行政民主化すすめよう
 メイン企画として、全労連から熊谷金道副議長を招き、「政財官の癒着を断ち切り、国民本位の行政・公務員制度を」と題した報告を1時間ほど受けました。
 報告の内容は、(1)公務員制度のねらいと問題点について、(2)悪政の進行により強まる行政・公務への国民からの批判、(3)国民が行政に求めているもの、(4)国民本位の行政・公務員制度の確立にむけて、(5)運動の位置付けと基本方向、と大きく5つのテーマで、「公務員制度改革の大枠」と先日だされた「経済財政諮問会議」の基本方針を交え、わかりやすく話していただきました。
 とくに、熊谷副議長は、「行政は政治の具体化であり、そういう意味で批判をぶつけられる。国民と共通の問題意識を持つことが決定的に重要なことだ。構造改革の推進をになわされていることを認識すること。人が減らされて忙しいからわかってくれだけでは共同は広がらない。公務労働者が民間に入っていくことが大切」ということと、運動の進め方としては「政治のありかた抜きには考えられないので、国政革新へ努力していくこと」を基本にして「国民的視点で専門家として行政の問題点を提起し訴えていくこと」「現場で働く公務労働者自身が問題意識を持って、民間の仲間と共同して行政民主化を進めていくことが重要だ」「働くルール確立への共同を広げよう」という点を強調しました。
 その後、佐賀県国公の北野議長が国公の職場の紹介、制度の問題点について発言し、続いて県医労連議長の溝田議長(全医労)が医療現場の状況報告・決意表明をし、最後に県労連の浦中事務局長は「今日の学習会は成功した。しかし、『交流』については民間団体等から参加をしていただけなかったため失敗だった」と総括され、秋に向けて、第2段の「シンポジウム」を行おうとして締めくくりました。 
 佐賀県国公としては引き続き、共同を広げるため、懇談会等の開催にむけ努力していきます。(佐賀県国公事務局長・山下晶澄メール通信員発)

 ★公務の仲間500名で総決起集会〈東海ブロック国公〉

 6月28日、東海ブロック国公・愛知公務共闘・愛知国公で組織する公務員制度改悪阻止共闘会議は、昼休み総決起集会と午後2時からの中部行政評価局交渉を行いました。また、上記の行動に先立って、東海ブロック国公は、人事院中部事務局と「2001年人事院勧告期要求書」に基づく交渉を行いました。
 10時30分より行われた人事院中部事務局長交渉は、東海ブロック国公・増田議長をはじめとする加盟単組・県国公の仲間20名が参加し、人事院中部事務局当局は、局長、総務課長をはじめとする5名が参加しました。
 交渉では、昨年、一昨年と実質年収減となっている公務員の生活状態の悪化、750万労働者に影響する人事院勧告の重要性を考え、私たちの要求に基づく給与改定を行うよう申し入れました。また、今回の5000円要求はぎりぎりの生活改善要求であることを真摯に受け取り、勧告に反映するよう訴えました。
 これに対し、中部事務局長は、要求は承ったが、最近の情勢から景気も悪化しており、厳しいと思っているとし、3年連続の年収引き下げも示唆される回答となりました。また、公務員制度改悪反対の要求について、人事院としての見解を求めたところ「政府の行っているところであり、注視しているところである。具体が出たら適切に対処していきたい」とし、中間的機関である人事院の責任を放棄した回答になっています。
 12時15分より行われた昼休み総決起集会には、国公関係単組・県国公の仲間350人と公務共闘からの仲間150人、さらに主催者役員を含め500名を超える参加者となりました。
 集会では、主催者を代表して東海ブロック国公の増田議長あいさつ、さらには、郵産労貯金支部・中尾副支部長からの激励あいさつを受けたほか、「公務員制度改悪に反対する決議」を採択しました。集会のあと参加者全員で、人事院中部事務局をとりまくデモ行進を行い、「公務員制度改悪反対」などのシュプレヒコールを行いました。
 また、集会後、午後2時から行われた、中部行政評価局交渉には、公務員制度改悪阻止共闘の加盟3者から11名の仲間が参加しました。評価局側からは、総務課長と課長補佐の2名が対応しましたが、当局は「みなさんのお話は承りました。上部機関に伝えます」に終始し、総務省の出先機関としてのコメントを求めると「コメントできる立場にない」との回答のみで、評価局としての責任を放棄したものでした。
 公務員制度改悪阻止共闘では、今回の行動において、「制度改悪の議題では公務員制度改悪阻止共闘とはあえない」としている人事院中部事務局や今回の交渉でなんの回答もできなかった評価局に対して、再度の交渉を求めていくとともに、広範な公務員労働者に対する宣伝行動などのたたかいを構築していくことを提起し、今回の行動がこれで終わることではないことを確認しました。(東海ブロック国公事務局長・竹内弘治メール通信員発)

 ★改悪阻止総行動を300名で展開〈国公近畿ブロック〉

 国公近畿ブロックは、6月27日「公務員制度改悪阻止」総行動として、合同庁舎早朝宣伝行動、昼休み集会・谷町筋デモ行進、人事院近畿事務局との交渉を配置し、早朝宣伝では、国の機関で働く労働者に3000枚の呼びかけビラを配布し、昼休み集会・デモ行進には300人の仲間が結集しました。
 近畿事務局交渉には近ブロより34名の仲間が結集し、人事院近畿事務局は関戸事務局長を筆頭に5名で行われました。国公近畿ブロックの交渉方針として、人勧期の要求を追及するとともに、「公務員制度改革に関わり、人事行政機関である人事院はカッコ付きの『労働基本権剥奪の代償機関』としての責任を明らかにし、政府にモノを申していくことを追及していくこと」で交渉を行いました。
 その具体的な項目として、(1)人事院の標準職務表と推進事務局の「新たな人事評価制度検討案」の「職務遂行能力基準」との関連表を人事院としてどう評価するのか、(2)労働基本権を剥奪されたままでの政府による労働条件改悪は違法であり「公平審理」の対象ではないか、の2本立てで追及をしました。
 単組からは、職場労働者の気分感情に基づく人勧期要求や公務員制度・能力評価主義賃金体系が職場に導入されたらメチャクチャな職場になるということを具体的な事例を含めて追及をしてきました。
 交渉で追及しても、関戸局長は「何も聞いていないから分からないし、答えようもない。」と終始言い続け、高さ90cm幅150cmにコピーした「職務遂行能力基準」を見ても「よく分からない。推進事務局が何が根拠で何を求めているのか理解し難い」と回答しました。言うに事欠いて「労働組合の方が情報をたくさん持っているでしょう」と発言する始末でした。
 今回の交渉のやりとりを受けて、人事院が地方事務局にまったく情報を流していないこと、本院としてカッコ付きの「労働基本権剥奪の代償機関」としての責任を明確にしていないことが分かりました。
 近ブロとして、いまの行革推進事務局のやり方について「いまの使用者たる政府のやり方は野球で例えると、人事院というピッチャーが球を投げようとし、労働組合がバッターとして待ちかまえているときに、政府というオーナーがいきなりバックネットからやってきてルールを試合中に無理矢理変更してしまうものだ。いままで両者が得点してきたものをチャラにするデタラメなやり方だ」と評しました。
 政府の横暴を許さない、そして人事院に対してはその人事行政機関としての明確な責任を果たさせることをまとめとして交渉を終了し、次回の人勧期出口の交渉でもその追及を強化していきます。(国公近畿ブロック事務局長・伊藤英敏メール通信員発)

 ★全気象本部が気象庁長官に申し入れ
 〜気象事業の重大な後退もたらす制度改悪やめよ


 7月2日、全気象は、気象庁長官に対して、公務員制度「改革」に関する申し入れをおこないました。
 冒頭、一色委員長から「今回の『改革』は、私たちの労働条件、気象事業の発展、国民の求めている行政、いずれから見ても大きな問題を含んでいる」と趣旨を説明し、「気象庁の最高責任者として、政府に対して中止をはたらきかけて欲しい」と申し入れました。申し入れ書は、A4用紙3ページにわたるもので、国民の求めている政・官・財の癒着による腐敗の一掃や、民主・公正・効率の行政に反するものであると同時に、「信賞必罰の人事管理」は気象事業になじまないこと、職場でのチームワークが阻害されること、気象技術者の技術力の低下につながること、気象事業の重大な後退をもたらし、結果として国民から見放されることなどを主張しています。この他、一色委員長は、「基本設計の中身を見ると、今以上に地方の格付けが下がる。また、気象庁の中ではほんの一部の部署しか評価されなず、全体的に気象庁自身の位置付けも低く抑えられる」など、申し入れ以外にも多数の問題があることを指摘しました。
 これに対し山本長官は、「社会全体が抱えている問題の一端だと考えている。主張はわかるが、気象庁として作業の中止まで申し入れることはできない」としたうえで、「職員の身分保障にかかわる問題なので、慎重な対応を求めていきたい。気象庁の特殊性を訴えて、より良い制度となるように努力したい。今後も、意見を交わしながら対応したい」と回答しました。

(『全気象速報』7月2日付No.238より転載)
以上


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