「大枠」の具体化に向けた「基本設計」策定は断固許さない!
国民に背をむける逆立ちの公務員制度改革に反対する決議

 政府・行革推進事務局は、公務員制度改革の「大枠」にもとづき、6月中の「基本設計」とりまとめにむけて作業をすすめている。国公労連は、政府がすすめる公務員制度改悪に反対し、民主的な公務員制度の確立を強く求めるものである。
 3月に発表された「大枠」は、政財官癒着の温床である「天下り」の自由化、能力・業績主義に基づく「信賞必罰の人事管理」、政治主導による「国家戦略スタッフ群」の創設などを柱としており、中立公正の行政をゆがめ、国民生活にも密接にかかわる重大な問題を持っていた。こうしたことから、国公労連は、ただちにその問題点を内外にひろく明らかにするとともに、推進事務局に対して、民主的公務員制度を確立する立場での検討を申し入れてきた。
 とりわけ、個人の能力や業績にのみ着目した人事管理は、集団的業務態勢で行政サービスを安定かつ中立公正に提供することを最大の目的とした公務にはそぐわないことや、行政に常に求められる専門性、中立・公正性、効率性、継続・安定性の確保、腐敗を生みだす「政財官の癒着」の根絶、さらには、公務員にもただちに労働基本権を確立することなどが公務員制度改革の検討にあたって求められていることを繰り返し主張してきた。
 こうしたなかで5月29日に「たたき台」として示された「新たな人事制度について(検討案)」は、国公労連の主張に何ら応えようとしない不当な内容であるばかりか、労働条件の重大な変更であるにもかかわらず、労働組合との「交渉」や「合意」のもとですすめるという労使間の基本的なルールさえ投げ捨て、推進事務局が一方的に「提案」し、わずか1か月で「基本設計」のとりまとめをねらう乱暴な姿勢は、きわめて重大である。
 強い政治主導のもとで、「検討案」提示にあたって、「重要施策に関する総合調整」を所管する立場からの提案と言い放ち、これまでの国公労連の申し入れを一顧だにしない推進事務局の態度は、憲法で保障された労働基本権をふみにじるものであり、断じて認められるものではない。政府・推進事務局に強く抗議するものである。
 民主的な公務員制度の確立は、民主的な行財政確立と一体のものである。国公労連は、国民世論をひろげるなかで、省庁再編や独立行政法人化など国民犠牲の行革に反対する取り組みを前進させてきた。新府省体制のもとで「新たな公務員」づくりをねらう公務員制度の改悪に対しても、50万を目標とした国会請願署名や大量宣伝行動を通して、幅広い国民世論を結集するために全力をあげ、政府のねらいを打ち砕くまでたたかう決意である。
 国公労連は、推進事務局の「基本設計」にむけた「改革」の検討の即時中止を強く求めるとともに、国民のための公務員制度確立のため、国民とともに奮闘するものである。
 以上決議する。

 2001年6月6日 

日本国家公務員労働組合連合会
第111回拡大中央委員会

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