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国公労新聞 2011年9月30日付 号外 2011年人事院勧告特集号
     
 

 

◆中高年ねらいうちの賃金抑制
 

 

<声明>総人件費抑制政策に迎合した3年連続マイナスの政治的勧告
  ― 2011年人事院勧告にあたって(国公労連中央闘争委員会声明)

声明本文は⇒こちら

 

 

2011年勧告の主な内容

 

 

総人件費抑制策に迎合

<給与改定>

●給与水準
 今年の民間春闘の賃上げ結果に関する各種調査をみるかぎり、「賃金は現状維持」で決着したとみることができます。
 それにもかかわらず、給与勧告は△899円、△0・23%(昨年△757円、△0・19%)と、3連連続のマイナスになりました。今年こそ賃下げは避けられるという職員の期待はまたも裏切られました。
 こうした納得しがたい結果は、人事院が労使関係上の配慮よりも、機械的な民間賃金準拠を優先させる政策に固執しているためです。  今年の民調によると「ベースダウン」を実施した民間事業所は0・5%にすぎず(昨年は1・1%)、きびしい経営環境の中にあっても、民間労使が賃金水準維持に努力したことは明白です。こうした労使関係への配慮などみじんも示さず、官民較差の数字だけによる「民間準拠」を優先する人事院の姿勢はきびしく追及されるべきです。

●50歳代職員給与抑制措置
 本年勧告の特徴は、昨年に引き続き、50歳代に焦点を当てた給与抑制措置がとられていることです。その内容は、
(1)50歳代を重点とする俸給表のマイナス改定
(2)給与構造改革にともなう現給保障の廃止
(3)「当分の間の措置」として昨年強行した55歳を超える職員の俸給・手当の1・5%減額措置の継続
の3つからなります。
 こうした人事院の高齢層の賃金抑制政策への執着は、<1>地域間給与配分の見直し、<2>勤務実績の反映、<3>年功的な俸給構造の見直し―という5年前の給与構造改革の主要課題のうち<3>が特に遅れているという問題意識によるものです。特に定年延長をできるだけ摩擦なく実現したい人事院は、その給与水準を抑制するためにも、60歳前の中高年齢層給与の「高水準」は「早急に是正すべき課題」と認識しているのです。

●俸給改定
 マイナス較差はすべて俸給に配分されます。対象は限定され、行政職(一)では「官民給与差」が大きいとされる50歳代を中心に0・4%〜0・5%引き下げられます。行政職(一)以外の俸給表については、これとの均衡を考慮した改定が行われます(医療職(一)は引き下げなし)。
 なお、給与構造改革にともなう「経過措置額」についても、本年の俸給表の改定率等を踏まえた引き下げが行われます。
 マイナス較差がさけられないとしても、それが今回のように極めて僅少な場合は、できるだけ影響を少なく全体が平等に負担し合う方法も考えられます(暫定一時金等)。しかし、人事院は今回もそのような方策をとらず、あえて一部の職員に負担を集中させる俸給改定に手をつけました。このような人事院の姿勢はきびしく問われるべきです。

●一時金
 一時金が現行「3・95月」に据え置かれることは特に重大な問題です。
 一時金の官民比較方法は事業所ごとの全国集計による月数比較です。本年の東北3県を除く民間一時金の数値は「3・99月」です。この結果に応じて0・05月単位を二捨三入方式で調整する従来のやり方では、当然公務員の年間一時金は0・05月プラスの4・00月となるはずです。
 しかし、人事院は過去3年の例では東北3県を除く集計は0・004月〜0・007月高くなること、および東北3県の今夏の特別給の状況はきびしいからとの理由で改定を見送りました。
 自ら決めたルールも無視した勧告は、総人件費削減を求める政府や財界に迎合した政治的勧告と言わざるを得ません。

●減額調整
 以上の改定内容の実施時期は、公布日の属する月の翌月の初日になります。
 本年4月から実施の日の前日までの官民較差相当分を「解消」するための「年間調整」方法は、基本的に昨年と同様の方式としています。
 具体的には、俸給月額が改定される職員または経過措置額を受ける職員を対象に、次の(1)(2)の合計額が12月の期末手当の額から減じられることになります。
(1)本年4月の給与に調整率△0・37%を乗じて得た額に4月から実施の日の属する月の前月までの月数を乗じた額
(2)6月に支給された期末・勤勉手当の合計額に調整率を乗じて得た額

 
 

 

賃下げ法案への意見

 本年6月、政府は国公労連の反対を押し切り、国家公務員の給与を3年間7〜10%減額支給する法案の閣議決定を強行。人事院は政府の決定は遺憾という総裁談話を発表しました。今回、人事院は国公労連の要求も踏まえ「報告」の中で改めて給与減額法案に対する立場を整理の上強い懸念を表明。内容は基本的に談話を踏襲しており、(1)労働基本権が制約された状況のもとで国家公務員法第28条の定める手続を無視していること、(2)反対を表明している職員団体があること、(3)給与減額支給措置が行われる間、労働基本権制約の代償措置が本来の機能を果たさないことなどの問題点を指摘しています。
 今何より求められるのは法案撤回に向けた人事院の毅然とした対応です。

 
 

 

<勤務時間・労働条件>

●超勤縮減
 相次ぐ定員削減や行政需要の高まりなどによって、超過勤務の実態は深刻です。勧告では、超過勤務縮減にむけて、勤務時間管理の徹底などを政府全体で推進するとしています。しかし、実効性確保の観点からも職場段階での追及・監視を強化することが必要です。
 また、東日本大震災対応をふまえて超勤予算の確保を要請しています。未払い残業の解消は当然ですが、業務運営の観点からも定員確保の必要性に言及することが求められます。

●心の健康
 ワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれる一方で、職場ではメンタル不全による休職者が急増しており、予防や復帰にむけた対策が喫緊の課題となっています。
 勧告では、震災関連業務への対応も含め、管理者研修の強化や相談体制の充実、円滑な職場復帰の促進などについて、各省庁と連携しながら推進するとしています。
 昨年改定された職場復帰の受入方針にもとづく「試し出勤」制度の拡充など、実効ある対策を求めることが重要です。

 
 

 

育児休業制度改善

 これまで、育児休業を1日でも取得した場合は、期末手当が2割減額されることもあって、男性職員の育児休業の取得を阻害する要因となっていました。
 この間、厚生労働大臣などからの要請もあり、1ヵ月以内の育児休業の取得であれば減額しない措置を講じることが盛り込まれました。
 このことは貴重な運動の成果ですが、引き続き職場環境の整備や休業中の所得保障の充実を求める必要があります。

 
 

 

現給保障13年度に廃止
約束違反の暴挙

<高齢職員給与抑制>

●廃止を強行
 人事院は、今勧告で給与構造改革における経過措置額(現給保障額)を段階的に廃止するとしました。高齢層の給与が民間を相当程度上回っており、今後の定年延長を前提に、早急に是正する必要があるとして、具体的には、2012年度に現給保障額を1/2減額(減額の上限は1万円)し、2013年4月1日に廃止するものです。
 なお、現給保障額の廃止によって生じる原資については、若手・中堅層に配分するとし、2012年4月には、36歳未満の職員は最大2号俸、36歳以上42歳未満の職員は最大1号俸、2013年4月には、人事院規則で定める年齢に満たない職員について最大1号俸上位の号俸に調整するとしています。

●重大な問題
 現給保障額の廃止には3つの重大な問題があります。
 第1に、現給保障の廃止は、2005年勧告に反するものです。
 2005年勧告では現給保障について、「新たな俸給表の俸給月額が平成18年3月31日に受けていた俸給月額に達しない職員に対しては、経過措置として、その達するまでの間は新たな俸給月額に加えて、新旧俸給月額の差額を支給する」として、期限など明示していません。
 第2に、特定の年齢階層の官民の給与差を問題にすることに何の道理もないことです。
 人事院は現給保障額を廃止する理由として、高齢層職員の給与が民間より高いことを挙げています。確かに、公務員の俸給表は50歳代では民間を上回ってはいるものの、40歳代までは民間を下回るという構造になっています。現在50歳代の職員は40歳代までは民間を下回る給与を受け続けてきた職員です。過去について手当をすることなく、現在の給与だけを問題にすることには道理がありません。人事院勧告は、官民較差の解消を目的に行われてきたものであり、較差の配分の結果としての俸給表構造が民間の構造と異なっているとしても問題はありません。
 第3に、官民の給与差がない職員の現給保障額まで減額することになることです。
 人事院は、交渉の中で、50歳代職員の給与が民間を上回っていることから現給保障額を廃止するとしていますが、現給保障額を受けている職員の中には40歳代の職員も多数います。これらの職員の給与は民間を上回っているわけではありません。いわれのない減額といえます。

 
 

 

公務員制度改革

 国家公務員制度改革に関する報告の特徴は、国家公務員制度改革関連法案が国会に提出されていることから、法案に関する人事院の問題意識を、「論点」という形で意見表明していることです。
 「人事行政の公正の確保」の関係では、(1)採用試験は第三者機関が行うべきであること、(2)研修についても公正な計画・実施のための措置が必要であること。また、幹部職員の人事に関しては、(1)適格性審査にあたって人事公正委員会が実効的に関与すべきであること、(2)幹部職間の転任に関して、異動の合理性・納得性を高めるための措置をとることを求めています。
 さらに、「協約締結権付与」の関係では、一部の組合が協約を締結し、他の組合に対して仲裁裁定が出た場合の関係整理をどのように行うのか、勤務条件法定主義と使用者としての当事者能力の確保との整合性をはかる制度設計の必要性、仲裁裁定が「努力義務」とされていることの問題点などを指摘しています。
 全体を通じて、法案の不十分さを指摘する内容となっています。国公労連がこれまで要求してきたことも含めて、法案審議の段階でどのような議論が行われるか注視していく必要があります。


国家公務員制度改正に関する報告の骨子

 
 

 

職務給原則投げ捨てる 30%引き下げ
2013年度から段階的に65歳/年金の支給開始年齢に合わせて

<定年延長の「意見の申出」>

●定年延長
 人事院は、勧告と同時に、2013年度から3年に1歳ずつ段階的に定年を引き上げ、2025年度に65歳定年とする意見の申出を行いました。
 これは、雇用と年金の接続を図る観点から定年年齢を65歳とする国公労連の要求に応えたものですが、年金支給開始年齢が引き上げられることからすれば当然の選択です。
 民間では、2006年の高年齢者雇用安定法の改正により、@定年の引き上げ、A継続雇用制度の導入、B定年廃止のいずれかの措置が義務付けられています。しかし、各種調査でも定年延長を選択する企業は少なく、再雇用等の「継続雇用制度」によって対応している企業が大多数です。そのなかで、公務が「定年延長」を選択したことは評価できます。


●60歳超の給与水準

 意見の申出で最大の問題が、60歳を超える職員の給与制度の設計です。
 人事院は、60歳を超える職員の年間給与を60歳前の70%に設定するとしています。その理由については、民間の60歳代前半層の年間所得が60歳前の約70%であることをあげています。
 民間は、再雇用など雇用形態の変更にともなって年収が大きく落ち込んでいるのが現状です。しかし、公務は、再任用ではなく定年の延長である以上、それにふさわしい制度設計が必要です。60歳前との連続性を断ち切る制度は、職務給原則や能力・実績主義にも反するものであり行うべきではありません。
 本格的な少子高齢化の進行の中、官民ともに60歳以降の働き方の検討が求められている時期に、定年延長=70%水準で公務先行となれば、今後の民間への影響ははかりしれません。
 人事院は、定年前の短時間勤務制を導入するとしています。国公労連も、健康上の理由や職員の希望する人生設計上の理由にもとづいた多様な働き方を実現するため、短時間勤務制度の導入を求めてきました。
 制度化にあたっては、本人の希望を最優先する民主的な運用を確保させることや、短時間勤務からフルタイム勤務への変更を可能とすることなどが必要です。

●定年前短時間勤務
 人事院は、60歳を超える職員の年間給与を60歳前の70%に設定するとしています。その理由については、民間の60歳代前半層の年間所得が60歳前の約70%であることをあげています。
 民間は、再雇用など雇用形態の変更にともなって年収が大きく落ち込んでいるのが現状です。しかし、公務は、再任用ではなく定年の延長である以上、それにふさわしい制度設計が必要です。60歳前との連続性を断ち切る制度は、職務給原則や能力・実績主義にも反するものであり行うべきではありません。
 本格的な少子高齢化の進行の中、官民ともに60歳以降の働き方の検討が求められている時期に、定年延長=70%水準で公務先行となれば、今後の民間への影響ははかりしれません。
 人事院は、定年前の短時間勤務制を導入するとしています。国公労連も、健康上の理由や職員の希望する人生設計上の理由にもとづいた多様な働き方を実現するため、短時間勤務制度の導入を求めてきました。
 制度化にあたっては、本人の希望を最優先する民主的な運用を確保させることや、短時間勤務からフルタイム勤務への変更を可能とすることなどが必要です。

●役職定年制
 人事院は、「当分の間の措置」としながらも本府省の一定の範囲の管理職が60歳に達した場合に、他の官職に異動させるという役職定年制を導入するとしています。
 国公労連は、役職定年制は年齢要素によって、職員の合意にもとづかず、かつ一方的に降任(不利益変更)させる制度であり、メリットシステムに反する年齢差別であることから基本的に反対です。

●その他
 人事院は、退職手当、定員及び共済について引き続き制度官庁との議論を進めるとしています。
 これらの課題は定年延長を行う上で密接な関係にあることから、国公労連として政府に対するとりくみを強化していきます。
 退職給付の水準は、職員の将来設計に大きな影響を与えるものであることから、給付水準の維持・拡充を求めます。
 また、定員管理について、定年延長にともなう新規採用抑制は行わず、定年延長完成までの間は、特別かつ柔軟な定員管理を行うことを求めます。



定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出骨子(概要)

 
 
 
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