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国公労連速報 2010年6月11日《No.2364》
 千葉県国公が「学習と交流のつどい」ひらく
 いま問われる、労働組合の必要性
     
 

 

 【千葉県国公発】
 千葉県国公は5月29日、「学習と交流のつどい」を開催しました。当日は、県国公の仲間、全厚生、全税関、自治労連、郵産労の仲間や国公労連本部、関東ブロック国公からも参加があり、国公の枠を超えて大きく議論することができました。(千葉県国公発行「県国公ニュース」vol.6から転載)

 社会を変えるのは私たち一人ひとり

 つどいは、まず千葉県国公・櫻井議長の開会のあいさつから始まりました。櫻井議長は現在議論されている地域主権の問題を取り上げ、「今まで現場で私たちが担ってきた公務に対してまったく敬意が感じられない」とし、同時に、地域主権改革の必要性についても疑問であると指摘しました。また、このつどいの目的として「働くこととは」「労働組合の必要性とは」を考えるきっかけ作りとし、「このような不安定な状況であるからこそ足元を見つめ、じっくり、しっかりと軸をもうけたい」と述べました。
 次に千葉労連の松本悟議長が「おもしろい情勢と労働組合への期待」と題して講演を行いました。
 松本議長は、まず日本における労働組合運動の歴史を紹介しました。安保闘争が発生した当時の時代背景にまでさかのぼりつつ、連合が結成され,それに対峙する形で全労連が結成された80年代後半以降の政治的経済的な背景も交えながら説明しました。そして、たたかう労働組合としての旗を掲げた全労連、そしてその旗の下に結成された千葉労連の歴史も併せて紹介しました。
 また、労働相談件数、新卒就職率、生活保護受給者数、自殺者数が増加している状況、特に大企業の内部留保がこの10年間で倍以上になっているにもかかわらず労働者の賃金は逆に下がっていることなど、様々な数値やデータを通して具体的に指摘しました。そして、労働者には厳しい生活を押し付け、その利益を労働者に還元しようとしない大企業などの姿勢を厳しく批判しました。
 最後に「いま、変革の時代、小さな人間が世界を変える」とし、ベトナム戦争中に「イマジン」を唄ったジョン・レノン、「沈まぬ太陽」で企業とたたかった労組委員長のモデルとされる小倉寛太郎と作者の山崎豊子など、「世界を変えた」人々の例をあげました。そして、「今の日本は音を立てて社会が崩れ、新しい社会をつくりあげるとき。皆さんご一緒に新しい社会を作り上げていきましょう」と訴えました。
 参加者からは「写真を多用し、わかりやすく、楽しい講演だった」との感想も寄せられ、総じて好評でした。

 採用・不採用の基準 明らかにするために

 次に全厚生の日本年金機構支部の北畠書記長が、社会保険庁職員の不当解雇撤回をめぐるとりくみについて報告しました。理由も分からずに不採用になった同僚のことなど実体験を紹介し、「採用・不採用の基準が曖昧。なぜ自分が採用になったのか、なぜ同僚が不採用になったのか未だにわからない。(不当解雇撤回闘争をめぐって)それを明らかにさせていきたい」とたたかいの決意を述べました。
 また、不当解雇され人事院に不服申し立てをしている当事者も、今後のたたかいに対する決意を表明しました。
 全厚生南関東ブロック支部の籠尾副支部長は、日本年金機構になってからの混乱した職場状況が克明に紹介しました。そして、「年金業務には深い知識と経験が必要。業務の混乱が続きサービスが低下しているのも、経験ある職員不足からくる作業効率の低下が原因。不当解雇撤回闘争では、経験ある職員を日本年金機構に戻すことも目的」と訴えました。
 参加者からは「当事者の方から話を聞くことができ、身近な問題として感じることができた」、「社保庁の分限免職については、報道等と実態が違うことがわかった」、「労働組合運動の必要性が再認識できた」、「少数組合でも職場世論を味方につけ、闘争を積めば、要求実現できると思った」などの意見が寄せられました。

 郵産労・自治労連からも発言が

 フロア発言からも多くの発言がありました。  まず、郵産労千葉支部の深山さんは郵政民営化見直しを求めるとりくみを報告。郵政事業が国民の財産として地域や生活弱者の権利を保障するよう3つの項目を掲げてとりくんでいる国会請願のとりくみを紹介しました。また非正規社員の正規社員化をもとめるとりくみとして全国キャラバンが行われることを紹介し、とりくみへの支援とその署名への協力を参加者に呼び掛けました。
 自治労連千葉県本部から参加した長平委員長は、公的保育の規制緩和について発言しました。公的保育制度の規制緩和は、「地域主権」の名のもとに、現行の児童福祉法で決められている保育室等の最低基準をすべてなくし、市町村が条例で基準を設けることができるようにするもので、規制緩和された後の保育所に子どもを預けると、現在の取扱いとどのような点が変わるのかを具体例を示しながら説明しました。その説明では、家庭の経済力の差で子どもが受けられる保育の質が変わってしまうおそれがあることが明らかになりました。
 「地方移管」に関して、全建労、全労働、全法務、全港建の仲間が発言しました。
 全建労からは県内のとりくみの成果事例として国道127号を例にあげ(「学習と交流のつどい単組取組報告」全建労の紹介・参照)、「地域主権」とはいいながら国道の整備を地方に押し付けることを地元の人々は望んでいないことを明らかにしました。
 全労働はチラシやリーフレットを紹介しながら、「地方移管は誰のための移管なのか。国の責任を放棄することに他ならない」と訴えました。
 全法務は5月21日の地域主権戦略大綱作成に先駆けて行われた公開討議でのやりとりを例に挙げ、「(法務局の業務は国でやるべきだと)当局が詳細な説明を(仕分け人等に)しても、まったく聞く耳をもたない姿勢に憤りを感じる。なお理解が得られないのであれば、(今度の)選挙で自分たちの意思を示す必要がある」と発言しました。
 全港建は国土交通省労働組合共闘会議としてのとりくみを報告しました。ブロック単位での国会議員要請について、千葉県内では全建労・全気象・全運輸と連携を図りながら県内にいる27名の国会議員事務所に国の出先機関廃止反対を訴えていくと決意を述べました。
 全医労は、今年4月から6センター8施設が非特定独立行政法人へ移行したことにともなって、職員は労働基準法の適用を受けることから、現場で混乱が生じながらも4病院で労働者代表を勝ち取ったと報告しました。しかし、「もともとは採算のとれない疾病や疾患をみていたのに、今の国立病院は採算がとれないとその病院をつぶしてしまう。病院が経営を優先して、それで本当にいいんでしょうか」との発言もあり、「人の命・健康」を軽視する今の政治の在り方に疑問を投げかけました。
 全運輸成田は航空管制業務について報告しました。管制技術職種において保守業務が民間委託となったことで委託管理・監督業務が付帯し、監督責任が問われることや、直接保守を実施する機会が少なくなったことによって、技術力の低下を招く恐れがあることをあげ、今後もこれまでと同じ水準で航空の安全を確保できるのかと懸念を表明しました。
 全司法からは、裁判員制度の導入など、裁判所を取り巻く状況が劇的に変化する中、日々の業務に追われなかなか活動することができない状況を報告するとともに、この「つどい」を契機として、改めて千葉県国公に結集するとの決意を表明しました。
 その他、今後の参院選挙の日程や動きについての質問が寄せられ、松本議長が回答しました。
 参加者からは「公的保育制度について、民主党の政策は受け入れられないものだと思った」、「各単組の問題や活動状況を知ることができ有意義だった」などの意見がありました。
 最後に県国公の山ア副議長が閉会のあいさつを行いました。今回のつどいを通して「労働組合の必要性、たたかう必要性が再確認できたのではないか」とし、県国公として引き続き憲法を活かし、国民の生活が豊かになる行政をめざしてとりくむ決意を述べ、全厚生の仲間への支援を参加者に呼び掛けました。

(千葉県国公発行「県国公ニュース」vol.6から転載)

以上

 
 
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